2026年02月26日

ryuichirosotokawa: 小説/戦争の国のアリス

ryuichirosotokawa: 戦争の国のアリス
戦争の国のアリス
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カテゴリ小説
2019/8/28(水)午後1:52
2019年8月24日土曜日
ロシア北部アルハンゲリスク付近のロシア海軍ミサイル実験場で、8日に発生した爆発は、原子力を使った新型兵器の開発実験中に起きた事故だったらしいが……北極圏バレンツ海の入り江に在る洋上施設で、エンジン実験中に発生した事故では、ロシアの国営原子力企業ロスアトムの従業員五名が死亡、三名が負傷、近隣地域では爆発後放射線量が一時的ながら最大で通常の16倍に迄上昇したとの事らしい。
ロシアの別荘風の《ダーチャの屋敷》。その、広い居間(リビング)に置いた古い真空管式のステレオで、わたしはピンクフロイドの《原子心母》のレコードを掛けたが、すると、ロックの曲とは思えないクラシックの交響曲の様な音楽が流れた。
「これ、なあに?」と、酷く怪訝そうに、アリス……「ピンクフロイドという、有名なロックバンドの代表作よ。《原子心母》(アトム・ハート・マザー)」「ふうん。レディ=ガガなんかとは随分感じが違うのね?」「それは、まあ。だって、ピンクフロイドの《原子心母》は、60年代後半から70年代頃の曲が中心だもの。余り、詳しくは知らないけれど」「そんな大昔から、ロックはあった訳?」アリスやシンシア、それにアーロンらの子供達が、ピンクフロイドの存在を知らないのは全く無理もなかった。
[イフアイゴーインセインプリーズドントプットユアワイヤーインマイブレイン……]その歌詞を聴いて、アリスは益々呑み込めないという風だったが……「全然、歌詞の意味が分からないわあ。どういう事?」「つまり、これは、昔アメリカなどで行われた、精神疾患の患者達の脳髄、前頭葉を切除した外科手術の事を言ってるの」「へえ。でも、どうやって?」「アイスピックを瞼の上から突き入れて、脳の前頭葉部分を切断したり」「!?滅茶苦茶じゃないの?」「そうよ。J=F=ケネディ大統領の家族もそのロボトミー手術を受けて……まあ、そんな話は止しましょう」
「モンスター・スタディについては、メアリー先生はご存知?」「少しはね。どうして?」「あたしやシンシア、アーロンや施設の子供達は皆、心理学的な実験の被験者にされているからよ。否応もなく……その資料(データ)が、多分、戦争の際の異常心理研究などに応用されて使われるんでしょ?つまり、体のいいモルモットよね」「確かに、その通りだけど……元々は、あの施設はボランティアのNGOだったんだけどね。それを政府が……」
ロシア・ロスアトムは、10日[放射性同位元素を使った燃料エンジンの実験中に爆発した]と発表し、原子力を推進力として利用するエンジンを巡る事故だったと事実上認めた。但し、被害の実態や爆発原因は軍事機密の壁に阻まれ、不明の儘だが……
わたしは、良く考えるのだ……一体、どうして、こうした愚かな戦争や紛争、人種差別等々ばかりの世界で、奇しくも大勢の子供達と職場である施設内で出逢い、彼らの異常心理を研究しなければならないのだろうか?と……本来なら、平和で静寂に満ちた世界で、子供達にまともな教育を施し、慈しみに満ちた人間に育って欲しいと思うのだけれど。
「ねえ。シンシア……ガンダムの、赤い彗星シャアはね、本当は革命軍に入る筈じゃなかったのよ」「そうなの?」「ええ。彼には、瓜二つの親戚の青年がいて、元々はその青年が革命軍に志願したのを……」アリス達は、ジャパニメーションの話に興じている。生憎と、このわたしには全く良く分からないのだけど。「この、ダーチャの屋敷は静かでいいけど、寂しいわね。インターネットの環境はどうなのかしら?」そう言って、シンシアはきょろきょろと辺りを見回した。アリスは金髪(ブロンド)だが、シンシアはややブルネットがかっていて、瞳の色も灰青色に見える。まるで、シリアの子供達の様に……
「まあ、Wi-Fiの電波は飛んでるんじゃない?でも、わたし達が使えるパソコンやスマートフォンはないし、デジタルネイティブに取っては酷だわねえ。それこそ、まるでドイツ系移民で敬虔なキリスト教集団のアーミッシュみたいだわ。《刑事ジョンブック目撃者》の映画では見たけど……」
アーミッシュ……わたしは、出来ればアリスや子供達を本物のアーミッシュの集落へと連れて行きたかったものの、叶わなかった。昔、アーミッシュの村で、男がライフルを乱射した無差別銃撃テロの様な事件が起きたのだが……その現実の事件では、少女が幼い妹を庇って撃たれ死亡した。もう、何年前になるだろうか?アリスの母親は、死後検死に回され、夫が放ったライフルの特徴と銃痕とは完全に一致。そして今又、イランとの核合意からアメリカは離脱し、ホルムズ海峡の防衛の問題を巡って中東は一触即発の様な危険な状態に陥っており、その根底にはアメリカ・トランプ大統領の唯物主義とイランの政権を握る人物との宗教を含めた価値観・世界観の相違があって、紛争の一言では片付けられない。
トランプ・アメリカ政権は、韓国が大方の予想に反して《日韓軍事情報包括保護協定》(GSOMIA)の破棄(終了)を決定した事を、強く批判している。手の付けられない暴れん坊とは雖も、トランプ大統領が同盟国に対して強い調子で非難する事は珍しいそうなのだが……日本と韓国との対立構造が、遂に安全保障の分野に迄波及した事で、日米韓の軍事的連携が崩れ、東アジアに於ける安全保障環境の不安定化に繋がりかねない為だ。
時系列に沿って、順序立って言えば、韓国政府は22日《日韓軍事情報包括保護協定》(GSOMIA)破棄を決めたのは、日本への融和姿勢も見せ始めていた文在寅(ムン=ジェイン)政権が内政上の苦境に陥り、再び態度を硬化させた為とも見られる。
『(GSOMIA破棄は)電撃的に決まった様だ』韓国政府関係者は、そう、日本のメディア(大手新聞の記者)に対して語ったそうなのだけれど……それは、日本の東北地方で暮らすTomokoが23日の午後(日本時間)にメールで報せてくれた。[日本では、この前、あいち(愛知)トリエンナーレ2019表現の不自由展]という展覧会が催されたのですが、右翼を想わせる人物の、名古屋市長が主催者に抗議した為に中断されて仕舞いました。民主主義の根幹である、表現の自由が市長の検閲の様な形でとん挫を余儀無くされたのは、非常に残念な事です]
[中国では、ノーベル平和賞を受賞された劉暁波氏の問題も御座いましたが……劉暁波氏が亡くなられてから、劉氏の奥様は欧州へ亡命為さったという風にも聴きましたけれど。奥様は、深刻な鬱病を患って御出との事で、本当に痛ましくお気の毒に感じます][話が逸れましたが、日本では今、韓国に対する悪感情が高まっているのか、或いはそんな風に政府やメディアに依って印象操作されているのかも知れません。だとすれば怖ろしい事です……嘗て、日本では大正デモクラシーが終わってから、軍部が暴走し、又、日本新聞等のメディアが戦争ムードを煽って日米開戦に至りましたから。もう二度と、あの愚かな過ちを繰り返してはならないのです……]
「戦争戦争って言うけど、実感としてはどうも良く分からないわあ。シンシア、貴方はどう思う?」アリスは、車椅子の上からもどかしそうにそう問うた……「あたしも、映画でしか知らないわね。例えば、トム=クルーズが主演の《7月4日に生まれて》だとか。あれは、一体何の戦争?」「さあー。湾岸戦争かイラク戦争じゃないの?……」
《戦争の国のアリス》……アリス=R=スミス、そして友達のシンシアとアーロン。シンシアは、名前の通りに誠実な少女で、まだ裏腹もない。《ダブル・ディーラー》、二心を持つ者という言葉があるけれど、大人に成長すればそれは寧ろ当たり前の事だ。他者の内心を忖度し、その場の空気を巧みに読む事、コモンセンスを身に付ける事……それが、社会人としての最低限の規則(ルール)だった筈なのだが、ドナルド=トランプ氏の登場以来それは最早アメリカ合衆国の常識ではなくなって仕舞ったかの様だ。
「ところで、INFってなあに?」と、シンシア……「それは、中距離核兵器の……18日に、アメリカはその中距離ミサイルの実験を行ったわよね。それで、ロシアのプーチンや中国の習近平(シー=ジンピン)はカンカンになって怒っているのよ。特に、プーチンは……」
プーチン大統領は、昨年の年次教書演説でアメリカのミサイル防衛(MD)システムを念頭に、小型原子炉を塔載した原子力推進式巡航ミサイル・ブレベスニクや、マッハ10で飛行する極超音速ミサイル・キンジャルなど開発中の新兵器を次々と紹介し、アメリカへの対抗意識を露わにさせている。因みに、ブレベスニクは航続距離が[事実上、無限](プーチン氏談)とされ、核弾頭も搭載であるらしい。北朝鮮が、七月末から日本海(東海)に向かって発射し続けている飛翔体・短距離弾道ミサイルは果たしてどうなのだろう?核弾頭は塔載可能なのだろうか?
アメリカが、INF条約で禁じられていた地上発射型の中距離巡航ミサイル実験を18日に実施し、MDシステムの迎撃ミサイル発射施設を展開するルーマニアやポーランドにロシアを射程に収める中距離ミサイルが配備される可能性が現実味を帯びて来た事から、ロシアの軍事評論家・ウラジーミル=エフセーエフ氏は『防御だけに限らず、攻撃の際にも使用出来るアメリカのMDシステムが軍拡競争を招いている』として懸念を表明。単純に考えて、この儘でゆけば第三次世界大戦が惹き起こされるのでは?と、思って仕舞うのは杞憂に過ぎるというものだろうか?それならば、まあ良いのだが……しかし、戦争とは何処か人間の理性や合理主義精神に依る均衡(バランス)の枷が外れたところで、交通事故の様に不意に勃発するものの様にも思える。そもそも、この狂気染みた(クレイジー)な世界が絶対に均衡(バランス)を崩さないと考えるのは《神話》ではないのか?
更に、二十一世紀という不幸な時代を生きる、私達は、AIを塔載した自律型致死性兵器について迄考えを巡らせねばならない。
「ねえ、これは何という映画?」「ターミネーターよ。続編の2と3、それに4もあるみたいよ」子供達は、大型テレビで自律型致死性ロボットの映画を見てはしゃいでいる……「ターミネーター2は、何時頃制作されたのかしら?」「大体、三十年前くらいみたい」「ふうん。それじゃあ、パソコンやスマートフォンはまだ余り一般的な家庭には普及していなかった頃かしらね?そう言えば、この映画にはスマートフォンは出て来ないわ。何となく不自然で変だな?と、思ったんだけど」アリスは、ポテトチップを袋から出して食べながら、夢中になってテレビの液晶画面を見詰めている……「最初のターミネーターでは、このロボットは悪役で生身の人間の男性と戦っていたのに、続編の2では少年を救う英雄(ヒーロー)に変わっているのよ。まあ、その方が面白いし良いけど。ヒロインの女性も、続編では随分と体を鍛えたのね。別人みたい」
アリスとシンシアとは会話も弾んでいるのだが、アーロンは独りで取り残されポツンと所在なさそうにしていた。元々、非常に大人しい性質なのだけれど……
「だけどさあ、AIも例えば、今ではアメリカの州に依っては警察の捜査に導入されてるんでしょう?前に、テレビのドキュメンタリー番組で見たんだけれど。麻薬の捜査だとか、事前に犯罪が起こりそうな場所や人物をAIが特定して、そこへ警察が逮捕に向かうのよね」「でも、それじゃあ物事の順序があべこべで、可笑しな事になって仕舞うんじゃない?鶏(ニワトリ)が先か、卵(タマゴ)が先か……」
わたしは、子供達は好きな様にさせて置いて、台所(キッチン)へと行きコーヒーメーカーで温かいコーヒーを淹れ、MOREのメンソールの箱を懐から出して火を灯した。ライターは、不便なのだが、わざわざロンソンの古いタイプのオイルライターを使用している。昔は、人類は、唯単に煙草に火を点けるのにも、これ程の大袈裟な機械を必要としたのだ。今となっては、寧ろ、そんな時代の方が懐かしく慕わしく感じられるけれど……全く、本当に奇妙なもので……
兎に角、時代は変遷してゆくし、それを止める事は誰にも出来はない。川の流れの様なものだ……水の流れを、どう遣って食い止められるだろうか?わたしは、疲れ果てて、二本目のメンソール煙草を口に咥えた……
2019年8月25日日曜日
殆ど毎日の様に、こうした非常に陰鬱な事ばかりを書き記さねばならない事に、わたしも一応は現生人類・ホモサピエンスの一員として真に遺憾に思う。
モスクワ共同発……ロシア国防省は24日、北極圏に近いバレンツ海から潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「シネワ」と「ブラワ」の発射実験を行い、成功したと発表した。予定されていた訓練の一環で、SLBMの技術的能力が確認されたとしている。シネワは戦略原子力潜水艦トゥーラから、ブラワは戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーから発射され、北部アルハンゲリスク州と極東カムチャツカ半島の目標をそれぞれ破壊したという。
アリスは、もう完全に自力での歩行は困難で出来ない。だから、ダーチャの屋敷では、バスルームへはわたしかシンシアがアリスの車椅子を押して付き添ってゆく。
「ああ、嫌だわね。本当に忌々しいったらありゃあしないわ!」そう、悔しくて堪らないらしく、アリスは誰にともなく悪態を吐くのだが……「仕方がないでしょ、アリス。余り、そんな風にばかり言うんじゃないの!」と叱ると、アリスは酷く不満らしくぶうっと頬を膨らませ、貝の様に黙りこくった。勿論、可哀想なのだけれど……
2019年8月27日火曜日
AFP通信に依れば、イスラエル軍は24・25日、シリアとレバノンで敵対するイラン関連の施設や武装組織への攻撃を行ったらしく、先進七ヶ国(G7)首脳会議が24日に開幕したのを踏まえ、イランの危険性を国際社会に対してアピールする狙いがあるものと見られる。イスラエル軍は24日夜、シリアの首都・ダマスカス近郊でイラン関連の複数の軍事拠点を空爆、在英の民間団体《シリア人権監視団》に依ると、イランから軍事支援を受けるイスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘員ら少なくとも五名が死亡した。
又、ヒズボラは25日、レバノンの首都・ベイルートに在る施設がイスラエルの無人機の攻撃を受けたと発表した。無人機には爆発物が積まれ、施設に飛来して自爆し、複数の負傷者が出たそうなのだが……しかし、その無人機が外観など果たして如何なるものであったのか、記事を読んだだけでは分からない。
中国政府が発表した、仮想敵国(まあ、アメリカだろう)へ自動攻撃を加える、AI搭載型の致死性兵器であるドローン進化型の無人飛行機が沢山飛翔し都市などの目標物を爆撃するイメージ画像を見た時には、慄然としたけれど……
アリスが、向日葵(ヒマワリ)の畑を見に行きたいと言うので、どうにか車椅子で大きなヴァンの車に乗せ連れて行く事にした。何時、容態が急変してどうなっても可笑しくはないし、兎に角、なるべくアリスの意向に沿う様にしてやりたい。シンシアとアーロンも、向日葵が何万本も植えられている広大な畑を是非見たいと言うので、一緒に車で連れてゆく。
「だけど、どうしてそんなに向日葵(ヒマワリ)の畑が見たいの?」とそう、わたしは、アリスや子供達に向かって訊いた……「逆に、向日葵が何万本も咲いている、素晴らしい光景を見たくはないんですか?メアリー先生?寧ろ、そっちの方がずっと不思議だわ」アリスは、車の中ではごく上機嫌で、漫画雑誌の様なものを熱心に読み耽っていた。「ねえ、アリス?その漫画雑誌はなに?」そう、シンシアが尋ねると、アリスはペラペラと頁を開いてわたし達全員に見せてくれた。「これは、《ちゃお》という日本で出版されているローティーンの少女向けのMANGA雑誌よ。取り寄せて貰ったの」「ふうん。じゃあ、アリスは日本語も読めるの?凄いわね」「まあ、簡単な単語なら分かる程度だけど……MANGAは、絵の方がメインだし、ただ眺めていてもある程度は意味が呑み込めるわよ」「どんな物語(ストーリー)?」「ローティーンの女の子達の、リアルな悩みだとか。十二歳くらいになって生理が始まったら、学校で無神経な男の子達に冷やかされて酷く腹を立てたり、女の子同士でスマートフォンも使って話し合ったり、保健の先生や家族に打ち明けて相談したりだとか。そんな感じ……」
ユダヤ系の少年であるアーロンは、何時もの様に気まずげに黙ってアリスとシンシアとの遣り取りに耳を傾けて聴いており、わたしはTOYOTA製の4WDの大型ヴァンを運転するのに集中していた。NISSANの、前会長のカルロス=ゴーン氏の騒動は漸く静まったらしいが……それにしても、トランプ大統領は更に中国に厳しい関税を課する様だし、アメリカと中国との貿易戦争は今後どうなって仕舞うのだろうか?
アリスは、インターネットのニュース記事で、向日葵(ヒマワリ)が無限に咲き誇っている様な畑の事を知ったらしい。ふと、わたしは、十九世紀オランダの画家・ファン=ゴッホが描いた太陽の様な向日葵の油絵(タブロー)を思い起こした。向日葵(ヒマワリ)の連作は、勿論、ゴッホの代表的な作品として世界中に広く知られているけれど。濃厚なマチエールの、黄色い大輪の花……高校時代の恩師である、美しいジュリア……
2019年8月28日水曜日
フランス・ビアリッツでの先進七ヶ国(G7)に依る主要国首脳会議(サミット)は、26日に閉幕。1頁(ページ)の簡潔な首脳宣言を取り纏めたものの、イラン問題や世界経済・気候変動など重要課題の議論は深まらなかった。その一つの原因としては、トランプ大統領が環境問題に対しては無関心だった事が上げられる。
現代では、アマゾンと言えば《GAFA》(ガーファ)のアマゾンを真っ先に思い出す様になったが、その代わりに、南米・ブラジルの本物のアマゾンの密林(ジャングル)の方は、驚くべき速度で減少しつつ有り、この儘でゆけば本当に確実に永遠に地球上から消え去って仕舞うだろう。それが、一体何を意味するか?余り、否定的(ネガティブ)な事は書きたくないのだが、嘗て第二次世界大戦に於いてナチスドイツを率いたA=ヒトラーは『人類の文明は、結局最後には荒涼たる砂漠しか地上に残さないだろう』との、不吉な予言を残したらしい。
ローマ・ヴァチカンのフランシスコ法王は『アマゾンは地球の肺』で有るとして、憂慮を隠し切れない旨を表明。フランスのマクロン大統領も、アマゾン保護の為に協力を惜しまないと発表したものの、それがブラジル大統領には内政干渉で有るとして気に食わなかったらしい。だが、若しもアマゾンの森林がなくなって仕舞えば、生物に酸素を供給してくれる膨大な植物群が失われ、地球温暖化も更にどんどん悪化し続けるだろう。
「ねえ、トランプ大統領の就任式は見た?」アリスは、そうシンシアとアーロンに向かって訊いた。「ううん。難しい事は分からないわあ、あたし。アリスみたいに頭が良くはないから」と、シンシアは少し悲しそうに答えて首を振った。「僕は見たよ。最初、ユダヤ教の祝福を受けてから、次に、トランプ大統領はプロテスタントとカソリックの祝福を受けたんだよね。不思議だったな。トランプ氏自身は、長老(カルヴァン)派のプロテスタントなのに、順序が可笑しいなと思って……」「へえ。それに、トランプ氏の娘のイヴァンカはユダヤ教徒だから、即ち、彼女は在米のユダヤ人だという事になるのよね。ユダヤ人の定義は、ユダヤ人の母親から生まれたか、ユダ教徒であるという事だから。つまり、母系社会・民族なのよ」そう語ると、アリスは又、日本のMANGA少女雑誌の頁を繰った……「父系社会の場合、先祖を辿ってゆくのは比較的容易だけど、母系だと難しいのよね……」
わたしは、TOYOTA製のハイブリッド(混血主)カーである大型ヴァンのステアリングを慎重に操作し続けた。今はまだ、こうして人間が運転(ドライブ)しているが、やがて車は殆ど自動運転になりその必要もなくなるのかも知れない。又、今では、嘗ては夢の様だった水素エンジンの車も実験段階ではなく市販車として売り出されているものの、水素を供給するスタンドが少ない為に水素エンジン車(カー)は余り売れないらしい。この車は、わたし個人の所有物ではなく、施設から所長のカイルの許可を得て借り出したものなのだけれど……
一般人が使用する自家用車は勿論、兵器である戦闘機、アメリカ製F−35の進化も目覚しく、だが、日本の東北・太平洋沖で墜落し海中に沈んだF−35の操縦士(パイロット)は空間識失調の状態に陥っていたらしい。レコーダーの声を解析したところ、操縦士自身は正常に飛行している心算だったらしいのだが、実際には戦闘機は常識を超える挙動で太平洋の海面へと突っ込んで行った。もう、生身の人間は超高度なテクノロジーが満載された戦闘機を操る事は難しいのだろう。仮令、職業(プロの)軍人であっても……
「ああ、草原一杯に咲いている向日葵(ヒマワリ)の花は、さぞかし綺麗でしょうね!」そう言って、アリスは一同の顔を見回した……「草原じゃないわよ、アリス。畑で二万本位の向日葵が栽培されてるの。それとも三万本だったかしら?忘れちゃった」と、シンシア……そのシンシアは、まだ自分がジョンベネの様な境遇なのだと頑なに信じ込んでいるが、実際には彼女の家族達はごく平凡で穏健なプロテスタントで、但し父親は共和党を熱心に支持しておりトランプ大統領の施政には全面的に賛同しているらしい。
或いは、その事がシンシアが抱く奇妙な妄想に関係しているのかも知れないが詳しくは不明。彼女の担当はジョナサンだ……しかし、メキシコ国境の《壁》(ウォール)が築かれ始めてから、シンシアの症状(異常心理)は目に見えて悪化したとの事で、恐らくそこには無意識裡の心理的な因果関係が存在するのは間違いないだろう。人間、特に多感なHSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)である子供達の心・精神の仕組みは神秘に満ちている。
「なあんだ、普通の畑で向日葵は栽培されて、種子を採る訳?」「ええ、油を搾るんじゃない?」「ロマンが壊れたわあ。でも、いいけど」
2019年8月30日金曜日
トランプ大統領は、娘婿のクシュナー大統領上級顧問を側近として重用。イヴァンカの夫であるクシュナー氏は、敬虔なユダヤ教徒で(超正統派のユダ教徒と呼ぶべきなのだろうか?)トランプ氏の意向を受けてアメリカ大使館のテルアビブから聖都・エルサレムへの移転を推し進めたと指摘されているそうなのだが……しかし、実際には話は全く逆ではないのか?トランプ氏が、家族を含めた超正統派のユダヤ教徒達に操り人形(マリオネット)の様に自在に動かされているのでは?
例えば、記者会見等の際には、常にトランプ氏の背後に佇みながら機械(ロボット)の様に無表情でいながら心密かにほくそ笑んでいる風に見える、副大統領・ペンス氏。政治に疎いわたしは、ペンス氏の出自や経歴については全く知らないのだけれど……
これが若しも、ルイス=キャロルが知人の幼い娘のアリスに即興で語り聴かせた《不思議の国のアリス》や、その続編である《鏡の国のアリス》のファンタジーの世界の中で催されるお茶会なら、トランプ大統領はさだめし王様(キング)でファーストレディの夫人は王女様(クイーン)、そしてペンス副大統領はジャックとでもいったところなのかも知れない。だが、それでは魔法使いに相当するジョーカーは?
「ねえ、アリス。今、世界で起こっている事、事象は、超正統派のユダヤ教とキリスト教右派、福音派・エヴァンジェリカルとが目的の為に手を組んだシオニズムと、中東・イラン等のイスラム教との闘いが根底にあるのかしらね?」と、わたしは、慣れない車のステアリングを操作し続けながら問うた……「まあ、ごく単純に簡略化をして言えばそうじゃないの?実際は、もっと色んな勢力が複雑怪奇に絡み合ってるんでしょうけど。まるで、トルコ絨毯の模様みたいに。トルコのエルドアン大統領は、ロシアのプーチン大統領と……」
「シオニズムってなあに?アリス?」そう、シンシアは訳が分からず当惑した様子で尋ねた……「そうねえ。イエス=キリストの時代よりも遥かに古くから始まって、第二次世界大戦、ナチスドイツ支配下では一見大人しく潜伏していた様にも見えた、ユダヤ人勢力の企ての事よ。アーロンもユダヤ系だけど」「僕は、父がポーランド出身の修正主義者で、母はイスラエルのキブツで奉仕活動をしていたんだ。父は、アーリア系だったんだけれど」そう言えば、アーロンの瞳は青みがかった茶褐色だ……
2019年8月31日土曜日
アリスは又、急激に血圧が低下して一時的に意識を失い危険な状態に陥った。しかし、わたしはどうすべきか分からず、車をガソリンスタンドに入れて兎に角なるべく涼しい日陰に停車させた。ボンネットの上で卵焼きが作れそうな、この異常な暑さ……
「大丈夫?アリス?」と、わたしは意識のないアリスに向かって、殆ど無意味な問い掛けをした。シンシアは泣いていたし、アーロンにも勿論どうにも出来はしない……それから、スマートフォンで付近に在るモーテルを調べ、その方角へと向かう……
「お母さん(ママ)!そんなにワインやお酒ばかり飲んじゃ駄目よ!冷蔵庫に鍵を掛けても、直ぐに又それを壊しちゃうのよね」そう、アリスは譫言を言っていた……「お父さん(パパ)は、本当の血の繋がったあたしのパパじゃないんでしょう?それ位、本当はちゃんと知ってるのよ。小さな子供だと思って馬鹿にしないで!」「お母さん、中東で本当は何があったのよ?唯単に、戦闘の後方活動をしていただけではないんでしょう?南スーダンの内乱では、政府軍と人民解放軍、それにPKOの兵士達が入り混じって……現地の女性達は……」「兵士に強姦(レイプ)されたんだそうよね?それでも、殺されるよりはまだマシだからと、女性達は乱暴されながら目配せをし合って……」
南スーダン……そうしたアリスの譫言を聴いて、わたしは以前に日本人女性のTomokoからメールで教えられた話を思い出した。
『日本では、南スーダンへの自衛隊(SDF)の派遣が大きな問題になっていました。防衛相は、曖昧な発言ばかりを繰り返し……自衛隊の、現地での日報の存在について……』『ところが、その後暫く経って書店へ行くと……首都圏の東京などの様な、大都市に在る様な立派な書店ではありません。東北・三陸の港町のショッピングセンター内の小さな書店です。そこで、或る時わたしは、南スーダンの日報が平積みにされて販売されているのを見掛けて、非常に驚きました。ショッキングで、手に取って見る事もしなかったので、中身については分かりませんが……』『大東亜戦争の敗戦後、アメリカGHQの統治下で作られた日本の所謂平和憲法は、確実に改憲が行われるのだろうと思います。自衛隊(SDF)が明記され、その事にも無感覚になり、大東亜戦争や広島・長崎両市への原爆投下も忘れさられて仕舞うでしょう。それが、奇妙な日本人達の国民性なんです。残念ながら……』

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戦争の国のアリス
2019/8/24(土)午後0:47
2019年8月18日日曜日
世界は相変わらずだ。もう、それについて幾ら書き綴ってみたところで仕方もあるまい。シンシアに「メアリー先生。何故、人間は戦争をし続けるんですか?一体、誰が本当に心からそれを望んでいるの?」と訊かれ、わたしは咄嗟に言葉を失い困惑して黙り込んで仕舞った。果たして、シンシアにどう説明すれば上手く理解して貰えるのだろう?
だが、その時、アーロンがわたしに代わって「それは、アメリカや世界中の経済が、戦争に依存しているからだよ」と、シンシアに向かって優しく語り聴かせた。だが勿論、シンシアには全く呑み込めないらしく、頻りに首を捻っていたが……「アメリカの経済が、戦争に依存してるってどういう意味?」「つまり、戦争に依る特需とでもいうのかな。昔から、ずっとそうだよ。第二次世界大戦もそうだったし……今は、トランプ大統領が、安全保障を求める国に対して巨額な最新兵器や防衛システムをどんどん売りつけているんだ。例えば、日本は最新鋭戦闘機のF−35を百機も購入したり、イージスアショアも……今度は、台湾にも沢山兵器を……」
すると又、シンシアは首を傾げた……「イージスアショアって?」「それは、敵国のミサイルを迎撃して撃ち落とすシステムの事だよ」「ふうん。アーロン、どうしてそんなに詳しいの?」「さあ、自分でも良くは分からないんだけど。僕のお爺さんは昔、ヴェトナムへ行って戦ったし、お父さんはKIAとして遺影がアメリカ政府のホームページに掲載されてるよ」「KIA?」「キルド・イン・アクション。公式に認められた戦死者の事さ」「難しくて、あたしにはちっとも分からないわ」「別に、それでいいんだよ。シンシア。無理に分かろうとする必要など全然ないんだし……」
そうした二人の遣り取りを、アリスは、退屈で堪らないといった風に聴いていた……「ねえ、ねえ。第三次世界大戦は起こると思う?シンシア。アーロン」「さあね。アリス……僕には、未来に起こる事は分からないから、予言は出来ないけれど。でも、起こっても可笑しくはないと思うよ。シリア情勢が……」「イスラエルは、アメリカの民主党の女性議員の入国を拒否したわね。白人じゃない女性議員」「ああ。若しも第三次世界大戦が勃発するとすれば、中東、イスラエルやパレスチナガザ地区、シリアが火種になるんじゃないのかな?アサド政権は……」「シリアは、もう人が住める場所じゃないわよね」
2019年8月19日月曜日
一体、何を書くべきだろうか?アリスは、依然として危険な状態が続いている。
アフガンでは又、テロ。テヘラン発……アフガニスタンの首都・カブールの結婚式場で17日夜、大きな爆発があり、アフガン内務省に依ると子供達を含む63人が死亡、180人以上が負傷し、アフガン政府は自爆テロと断定した。イスラム教スンニ派のイスラム過激派組織《イスラム国》が18日、系列の通信社を通じ犯行を認める声明を出した。
今回のテロは、カブールで少なくとも55人が死亡し、94人負傷した昨年11月の自爆テロ以来の規模と見られる。まるで、蛇蝎に狙われたウサギの様に不幸にもISISの標的(ターゲット)とされた結婚式場は、シーア派系の少数民族・ハザラ人達が多く居住するカブール西部に在り、爆発の際、同式場内には約1200人もの参列者がおり、彼らの多くもシーア派であったらしい。シーア派とスンニ派……その、イスラム教内部に於ける宗派の違い、異なる教義(ドグマ)について詳しく正確に知っている欧米人やアジア人が果たしてどれ程存在するのだろう?些か、疑問を感じる。そういう、わたし自身、国際政治や宗教・経済に関しては生憎と疎く、殆ど分からないが……
《イスラム国》は声明で、結婚式に列席していたシーア派の住民らを《異端者》として強く批判し、自爆テロはシーア派に狙いを定めた犯行だったと認めた。AFP通信などに依れば、事件の際、列席者は男性と女性で隔てられており、爆発は男性側でお祝いの演奏団がいたステージ付近で起こったらしい。或る目撃者の男性は、AFP通信に対して『男性用の場所にいた人達の殆どが死傷した』と証言、現地からの映像では激しい爆発に因り式場の天井は破壊され、床の上には血液が付着した靴などが散乱していたそうなのだが……
この、アフガニスタンでのテロ事件について、わたしとアリス、シンシア、そしてアーロンとは偶々病室にいた時、大型テレビのワールドニュースで三人一緒に見ていた。アリスは、如何にも苦しそうで、気管支が炎症を起こしている為に医師のマークから抗生物質(ステロイド剤)が含まれる吸入式の薬剤を適宜に使う様にと勧められていた。
「それにしても、良くもまあ飽きて仕舞わないものよね?実際、呆れるのを通り越して感心するわ」と、非常に苦しげに、アリスはかすれる声でそう誰にともなく言った……「ISIS、イスラム国は、本拠地のシリアなど中東ではもう居場所がなくなったのかしら?それで、今度はアフガンで戦い続ける心算なのかしらね?ねえ、シンシア?」そう、アリスは傍らのシンシアに向かって問うたが、彼女は困り果てた様子で唯もじもじとして俯いていた……「そう言えば、オサマヴィンラディンの息子も殺害されたね。犯人は又、アメリカの特殊部隊なのかどうか、良くは分からないけど」
「それにしても、凄まじい爆発だったのね。アフガニスタンの結婚式場……」わたしは、厨房で淹れて来た安い豆のブラジルコーヒーを、マグカップで飲んでいた。子供達には、簡単なフレンチトーストだけをオーブンで焼いて持って来て、後は、暑い紅茶(ダージリン)を日本の有田焼に似たマイセン磁器の茶碗に入れて差し出した……
「そうね。作業員の人達が、現場の後片付けをしているけれど……」と、シンシア……成る程、確かにシンシアの言う通りで、自爆テロが行われた後の結婚式場内では現地の作業員達がモップというか道具を使って後片付けの清掃を行っており、赤い血が混じった泥水が集められて床上に滞っているのだったが、それを見て如何にも凄まじい爆発が起こったのだなとわたしは実感した。子供達も、恐らくそうだったに違いない……例えば、ネットのニュースで記事だけを読むと、言語表現だけで本当の事件の生々しさを伝えたり受け止めたりするのは難しく、何処か矢張り抽象化をして認識して仕舞う。
「テロをした人達も、爆発で死んじゃったの?」「ええ、そうよ。シンシア……」「でも、どうして自分の命を投げ出して迄、滅茶苦茶な事をするのかしら?」「それは、宗教的に洗脳されているからよ。説明すると、とても長くなって仕舞うのだけど」「政治的、宗教的な教義(ドグマ)が、最後には総ての人間を滅ぼすのよ。旧弊な、強迫観念のドグマが……」アリスは、紅茶が入ったマイセン磁器の茶碗をうっかりと取り落として、ガチャーン!と、床の上で壊れた茶碗は激しい音をたて、シンシアは悲鳴を上げて両手で耳を塞いだ……「結局ね、これはシオニズムとそれに反駁するムスリムとの闘いなのかもね。根底にあるのは……トランプ大統領は唯のカモフラージュなのよ。本当に危険なのは、ペンス副大統領じゃない?彼は、キリスト教右派、福音派(エヴァンジェリカル)の信徒だけど、それが超正統派ユダヤ教徒と手を組んだんでしょ。共通の目的の為に」そう、アリスは静かな口調で語った……
2019年8月20日火曜日
人工知能(AI)搭載型のロボット兵器を、果たして条約で禁止をすべきか否か、又、それは可能なのかどうか。これは、SF小説の話ではなく、もう紛れもない現実なのだ。私達、二十一世紀を否応なしに生きている、生きざるを得ない現代人は非常に不幸だ。そうではないのだろうか?
話を戻すと、人工知能(AI)搭載型のロボット兵器を条約で禁止すべきかどうか、SF映画の《ターミネーター》(1〜4)を地で行く様な議論が、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で行われており、規制に積極的な途上国側と不要論を展開するアメリカ・英国・ロシアなどが対立する中、双方が歩み寄る事が可能な着地点を目指し、政治宣言の様な穏健な合意を模索する動きも出ているらしい。
アメリカの著名なSF作家・アイザック=アシモフがまだ二十世紀の中葉、1950年に発表した短編集《我れはロボット》の中で提唱した[(ロボットは)人間に危害を加えてはならない][人間からの命令に従わねばならない][(前の二項を守る限りに於いて)自分を守らねばならない]との《ロボット三原則》は有名で、SF小説は殆ど読んだ試しのないわたしでも不思議と何故か知っているのだが……
今、ジュネーブで議論が行われているロボット兵器は、このアシモフの理念の全く逆をゆくもので、正式には《自律型致死兵器システム》(LAWS:lethalautonomousweaponssystems)と呼ばれ、仮令上官などの人間が命令を下さずともAI独自の判断に依り自律的に動き敵を殺傷する兵器を指す。メディアや反LAWS団体は《キラー(殺人)ロボット》と呼ぶが、まだ開発途上で有りどの様な形状になるのかも分からないとの事。
兵器の自律化は、火薬・核に次ぐ軍事的な第三の革命と呼ばれ、極めて近未来に於いてLAWSが実戦配備される様になれば戦闘を一変させると思われ、機械で有るAIに人間の生殺与奪の権利(判断)を握らせても良いのか、責任は取れるのか?責任の所在は?という、これ迄の軍縮議論にはなかった争点が人類史上初めて生じている。
アリスの病状は最悪で、わたしはこの過酷な現実を直視しなければならない。現実逃避をしてもどうにもなりはしない。若しも、肺炎を起こせばアリスの命の炎は終わりかも知れない。小さな蝋燭(キャンドル)……その生命は、果たして何処から来たのか?人間のDNAは?又、死ねば人間は一体どうなって仕舞うのだろう?有から無へと還るのか?宇宙に、無は存在するのだろうか?
2019年8月22日木曜日
アリスの容態は最悪で、兎に角、取り返しがつかなくなって仕舞う前にと思い、ロシアの別荘風のダーチャの屋敷へと行って来た。シンシアとアーロンも一緒。シンシアは、ダーチャの屋敷へ行くのは今回が初めてでもあり、非常に喜んでいたが……
「ねえ、メアリー先生。どうしてダーチャの屋敷って呼ぶの」「それは、何故ともなく、アリスと一緒に来るうちにそう呼ぶ様になったのよ。特に、深い意味はないんだけど」「ふうん……」「ここに来ると、都市の人間社会の喧しい喧噪から遠く離れて、こころからホッとして安堵するわ。わたしは、元々ペンシルバニア州の片田舎のほんのちっぽけな町の出身だし……」
すると、アーロンは首を傾げた「でも、先生は都会がお嫌いなら、どうして故郷の町で就職をしなかったんですか?」「それは、まあ確かにそうよね。わたし、高校(ハイスクール)時代には、町の食堂(ダイナー)でウェイトレスとして働いたりもしていたのよ。それで、ボブという浮浪者(ホームレス)の男性と親しくなったり」「浮浪者?」「ええ、そう。彼は、元々は東海岸の大都市、ニューヨークかワシントンでエンジニアとして働いていたらしかったのだけど」「エンジニアって?」「さあ。もう、今となっては詳しい事は分からないわ。若しかすると、今のシリコンバレーの様な所で技術者として活躍していたのかしら?ボブは、一寸風変わり(エキセントリック)な人だったけど」
わたし達は、ダーチャの屋敷へと辿り着くと、先ずは暖炉に火を灯した。寒いという程ではなかったのだが……壁には、わたしの施設での仕事部屋と同様に、アンドリュー=ワイエスが描いた《クリスティーナの世界》や《遠雷》の複製画(コピー)が掲げられており、シンシアやアーロンは珍しげにそれを眺めていた。
「メアリー先生は絵がお好きなんですね?」「そうね。現実に疲弊し切って仕舞うと、美術(ファイン・アート)の世界に逃避したくなるの。そこには静けさがあるしね。それと、ステレオで古いレコード・アルバムも聴くわ。60年代から80年代後半くらい迄の古いロックやソウル、R&B、ジャズだのの……例えば、ピンクフロイドの《原子心母》(アトム・ハート・マザー)だとか」「アトム・ハート・マザー?」「昔、或る女性が心臓の外科手術で、ええと……生憎と、詳しくは忘れて仕舞ったわ」「変わった名前のアルバムで面白いですね」
2019年8月23日金曜日
アリスは、もう自力で歩く事は出来ず車椅子に頼っている。本人は、勿論それを非常に嫌がり悔しがっているけれど……シンシアが、必死に宥めすかしている。
「メアリー先生。あたしは、頭脳だけの存在じゃないのよ。そうでしょう?」と、アリス……「当然、そうに決まっているでしょう?何故、急にそんな事を言うの?」「だって、自力で歩く事も困難になって、まるでベッドや車椅子に頭脳だけ乗っけて生きているみたいなんだもの。哲学者、マルクス=ガブリエルの観念論は……まあ、兎も角、例えば人間がネット上のクラウドばかりに依存したら一体どうなっちゃう訳?」「そうね。科学、ITやAIを過信して依存するのは危険だと思うわ。人類は、自然環境を完全に克服する程、科学技術(テクノロジー)が進化を遂げた訳でもないのに。もっと、発展途上国を含めたインフラの整備や、自然環境の保護にも本気で目を向けるべきじゃないのかしら?」アマゾンでは(GAFAのアマゾンではなく、南米のアマゾンの事だ)ブラジルの大統領の政策の為に、広大なアマゾンの森林も枯渇し頻繁に森林火災が発生している。
疲労を覚えて、わたしはダーチャの屋敷の壁に掲げた油絵(タブロー)の複製画を眺めた。油絵(タブロー)の世界には静寂がある。以前に、インターネットで或るサイトからダウンロードした絵画は、クラシックバレエの装いに着替えている十代前半の少女が、ピアノの前の椅子に腰掛けており、その傍らには飼い犬がいて、窓からは微風が吹き込みレースのカーテンを揺らしているのだった。作者は、良く分からない。余り、思想性は感じない絵画だが、それはそれでも良いではないか。ゴッホの絵画は確かに優れているのだろうが、疲弊して仕舞う。かと言って、バンクシーの様に政治的な存在でメッセージを送信するというのも好きにはなれない。
「ねえ、メアリー先生。何か美味しいお菓子が食べたいな」そう、アリスが言うと、シンシアも目を輝かせた。「じゃあ、ライ麦入りのパンケーキを焼きましょうか?J=D=サリンジャーは……ライ麦畑でつかまえてのアメリカも、遠い過去になったわね……今は、トランプがグリーンランドを買おうとして、トランプタワーがグリーンランドに聳え立っている画像をTwitterにアップしている奇妙な時代」「朝鮮半島も大変な事になっているわよね。18日には、アメリカが中距離ミサイルの発射実験を行ったし」
2019年8月24日土曜日
ロシア北部アルハンゲリスク付近のロシア海軍ミサイル実験場で、8日に発生した爆発は、原子力を使った新型兵器の開発実験中に起きた事故だったらしいが……北極圏バレンツ海の入り江に在る洋上施設で、エンジン実験中に発生した事故では、ロシアの国営原子力企業ロスアトムの従業員五名が死亡、三名が負傷、近隣地域では爆発後放射線量が一時的ながら最大で通常の16倍に迄上昇したとの事らしい。
ロシアの別荘風の《ダーチャの屋敷》。その、広い居間(リビング)に置いた古い真空管式のステレオで、わたしはピンクフロイドの《原子心母》のレコードを掛けたが、すると、ロックの曲とは思えないクラシックの交響曲の様な音楽が流れた。
「これ、なあに?」と、酷く怪訝そうに、アリス……「ピンクフロイドという、有名なロックバンドの代表作よ。《原子心母》(アトム・ハート・マザー)」「ふうん。レディ=ガガなんかとは随分感じが違うのね?」「それは、まあ。だって、ピンクフロイドの《原子心母》は、60年代後半から70年代頃の曲が中心だもの。余り、詳しくは知らないけれど」「そんな大昔から、ロックはあった訳?」アリスやシンシア、それにアーロンらの子供達が、ピンクフロイドの存在を知らないのは全く無理もなかった。
[イフアイゴーインセインプリーズドントプットユアワイヤーインマイブレイン……]その歌詞を聴いて、アリスは益々呑み込めないという風だったが……「全然、歌詞の意味が分からないわあ。どういう事?」「つまり、これは、昔アメリカなどで行われた、精神疾患の患者達の脳髄、前頭葉を切除した外科手術の事を言ってるの」「へえ。でも、どうやって?」「アイスピックを瞼の上から突き入れて、脳の前頭葉部分を切断したり」「!?滅茶苦茶じゃないの?」「そうよ。J=F=ケネディ大統領の家族もそのロボトミー手術を受けて……まあ、そんな話は止しましょう」
「モンスター・スタディについては、メアリー先生はご存知?」「少しはね。どうして?」「あたしやシンシア、アーロンや施設の子供達は皆、心理学的な実験の被験者にされているからよ。否応もなく……その資料(データ)が、多分、戦争の際の異常心理研究などに応用されて使われるんでしょ?つまり、体のいいモルモットよね」「確かに、その通りだけど……元々は、あの施設はボランティアのNGOだったんだけどね。それを政府が……」
ロシア・ロスアトムは、10日[放射性同位元素を使った燃料エンジンの実験中に爆発した]と発表し、原子力を推進力として利用するエンジンを巡る事故だったと事実上認めた。但し、被害の実態や爆発原因は軍事機密の壁に阻まれ、不明の儘だが……
わたしは、良く考えるのだ……一体、どうして、こうした愚かな戦争や紛争、人種差別等々ばかりの世界で、奇しくも大勢の子供達と職場である施設内で出逢い、彼らの異常心理を研究しなければならないのだろうか?と……本来なら、平和で静寂に満ちた世界で、子供達にまともな教育を施し、慈しみに満ちた人間に育って欲しいと思うのだけれど。
「ねえ。シンシア……ガンダムの、赤い彗星シャアはね、本当は革命軍に入る筈じゃなかったのよ」「そうなの?」「ええ。彼には、瓜二つの親戚の青年がいて、元々はその青年が革命軍に志願したのを……」アリス達は、ジャパニメーションの話に興じている。生憎と、このわたしには全く良く分からないのだけど。「この、ダーチャの屋敷は静かでいいけど、寂しいわね。インターネットの環境はどうなのかしら?」そう言って、シンシアはきょろきょろと辺りを見回した。アリスは金髪(ブロンド)だが、シンシアはややブルネットがかっていて、瞳の色も灰青色に見える。まるで、シリアの子供達の様に……
「まあ、Wi-Fiの電波は飛んでるんじゃない?でも、わたし達が使えるパソコンやスマートフォンはないし、デジタルネイティブに取っては酷だわねえ。それこそ、まるでドイツ系移民で敬虔なキリスト教集団のアーミッシュみたいだわ。《刑事ジョンブック目撃者》の映画では見たけど……」
アーミッシュ……わたしは、出来ればアリスや子供達を本物のアーミッシュの集落へと連れて行きたかったものの、叶わなかった。昔、アーミッシュの村で、男がライフルを乱射した無差別銃撃テロの様な事件が起きたのだが……その現実の事件では、少女が幼い妹を庇って撃たれ死亡した。もう、何年前になるだろうか?アリスの母親は、死後検死に回され、夫が放ったライフルの特徴と銃痕とは完全に一致。そして今又、イランとの核合意からアメリカは離脱し、ホルムズ海峡の防衛の問題を巡って中東は一触即発の様な危険な状態に陥っており、その根底にはアメリカ・トランプ大統領の唯物主義とイランの政権を握る人物との宗教を含めた価値観・世界観の相違があって、紛争の一言では片付けられない。
トランプ・アメリカ政権は、韓国が大方の予想に反して《日韓軍事情報包括保護協定》(GSOMIA)の破棄(終了)を決定した事を、強く批判している。手の付けられない暴れん坊とは雖も、トランプ大統領が同盟国に対して強い調子で非難する事は珍しいそうなのだが……日本と韓国との対立構造が、遂に安全保障の分野に迄波及した事で、日米韓の軍事的連携が崩れ、東アジアに於ける安全保障環境の不安定化に繋がりかねない為だ。
時系列に沿って、順序立って言えば、韓国政府は22日《日韓軍事情報包括保護協定》(GSOMIA)破棄を決めたのは、日本への融和姿勢も見せ始めていた文在寅(ムン=ジェイン)政権が内政上の苦境に陥り、再び態度を硬化させた為とも見られる。
『(GSOMIA破棄は)電撃的に決まった様だ』韓国政府関係者は、そう、日本のメディア(大手新聞の記者)に対して語ったそうなのだけれど……それは、日本の東北地方で暮らすTomokoが23日の午後(日本時間)にメールで報せてくれた。[日本では、この前、あいち(愛知)トリエンナーレ2019表現の不自由展]という展覧会が催されたのですが、右翼を想わせる人物の、名古屋市長が主催者に抗議した為に中断されて仕舞いました。民主主義の根幹である、表現の自由が市長の検閲の様な形でとん挫を余儀無くされたのは、非常に残念な事です]
[中国では、ノーベル平和賞を受賞された劉暁波氏の問題も御座いましたが……劉暁波氏が亡くなられてから、劉氏の奥様は欧州へ亡命為さったという風にも聴きましたけれど。奥様は、深刻な鬱病を患って御出との事で、本当に痛ましくお気の毒に感じます][話が逸れましたが、日本では今、韓国に対する悪感情が高まっているのか、或いはそんな風に政府やメディアに依って印象操作されているのかも知れません。だとすれば怖ろしい事です……嘗て、日本では大正デモクラシーが終わってから、軍部が暴走し、又、日本新聞等のメディアが戦争ムードを煽って日米開戦に至りましたから。もう二度と、あの愚かな過ちを繰り返してはならないのです……]
「戦争戦争って言うけど、実感としてはどうも良く分からないわあ。シンシア、貴方はどう思う?」アリスは、車椅子の上からもどかしそうにそう問うた……「あたしも、映画でしか知らないわね。例えば、トム=クルーズが主演の《7月4日に生まれて》だとか。あれは、一体何の戦争?」「さあー。湾岸戦争かイラク戦争じゃないの?……」
《戦争の国のアリス》……アリス=R=スミス、そして友達のシンシアとアーロン。シンシアは、名前の通りに誠実な少女で、まだ裏腹もない。《ダブル・ディーラー》、二心を持つ者という言葉があるけれど、大人に成長すればそれは寧ろ当たり前の事だ。他者の内心を忖度し、その場の空気を巧みに読む事、コモンセンスを身に付ける事……それが、社会人としての最低限の規則(ルール)だった筈なのだが、ドナルド=トランプ氏の登場以来それは最早アメリカ合衆国の常識ではなくなって仕舞ったかの様だ。
「ところで、INFってなあに?」と、シンシア……「それは、中距離核兵器の……18日に、アメリカはその中距離ミサイルの実験を行ったわよね。それで、ロシアのプーチンや中国の習近平(シー=ジンピン)はカンカンになって怒っているのよ。特に、プーチンは……」
プーチン大統領は、昨年の年次教書演説でアメリカのミサイル防衛(MD)システムを念頭に、小型原子炉を塔載した原子力推進式巡航ミサイル・ブレベスニクや、マッハ10で飛行する極超音速ミサイル・キンジャルなど開発中の新兵器を次々と紹介し、アメリカへの対抗意識を露わにさせている。因みに、ブレベスニクは航続距離が[事実上、無限](プーチン氏談)とされ、核弾頭も搭載であるらしい。北朝鮮が、七月末から日本海(東海)に向かって発射し続けている飛翔体・短距離弾道ミサイルは果たしてどうなのだろう?核弾頭は塔載可能なのだろうか?
アメリカが、INF条約で禁じられていた地上発射型の中距離巡航ミサイル実験を18日に実施し、MDシステムの迎撃ミサイル発射施設を展開するルーマニアやポーランドにロシアを射程に収める中距離ミサイルが配備される可能性が現実味を帯びて来た事から、ロシアの軍事評論家・ウラジーミル=エフセーエフ氏は『防御だけに限らず、攻撃の際にも使用出来るアメリカのMDシステムが軍拡競争を招いている』として懸念を表明。単純に考えて、この儘でゆけば第三次世界大戦が惹き起こされるのでは?と、思って仕舞うのは杞憂に過ぎるというものだろうか?それならば、まあ良いのだが……しかし、戦争とは何処か人間の理性や合理主義精神に依る均衡(バランス)の枷が外れたところで、交通事故の様に不意に勃発するものの様にも思える。そもそも、この狂気染みた(クレイジー)な世界が絶対に均衡(バランス)を崩さないと考えるのは《神話》ではないのか?
更に、二十一世紀という不幸な時代を生きる、私達は、AIを塔載した自律型致死性兵器について迄考えを巡らせねばならない。
「ねえ、これは何という映画?」「ターミネーターよ。続編の2と3、それに4もあるみたいよ」子供達は、大型テレビで自律型致死性ロボットの映画を見てはしゃいでいる……「ターミネーター2は、何時頃制作されたのかしら?」「大体、三十年前くらいみたい」「ふうん。それじゃあ、パソコンやスマートフォンはまだ余り一般的な家庭には普及していなかった頃かしらね?そう言えば、この映画にはスマートフォンは出て来ないわ。何となく不自然で変だな?と、思ったんだけど」アリスは、ポテトチップを袋から出して食べながら、夢中になってテレビの液晶画面を見詰めている……「最初のターミネーターでは、このロボットは悪役で生身の人間の男性と戦っていたのに、続編の2では少年を救う英雄(ヒーロー)に変わっているのよ。まあ、その方が面白いし良いけど。ヒロインの女性も、続編では随分と体を鍛えたのね。別人みたい」
アリスとシンシアとは会話も弾んでいるのだが、アーロンは独りで取り残されポツンと所在なさそうにしていた。元々、非常に大人しい性質なのだけれど……
「だけどさあ、AIも例えば、今ではアメリカの州に依っては警察の捜査に導入されてるんでしょう?前に、テレビのドキュメンタリー番組で見たんだけれど。麻薬の捜査だとか、事前に犯罪が起こりそうな場所や人物をAIが特定して、そこへ警察が逮捕に向かうのよね」「でも、それじゃあ物事の順序があべこべで、可笑しな事になって仕舞うんじゃない?鶏(ニワトリ)が先か、卵(タマゴ)が先か……」
わたしは、子供達は好きな様にさせて置いて、台所(キッチン)へと行きコーヒーメーカーで温かいコーヒーを淹れ、MOREのメンソールの箱を懐から出して火を灯した。ライターは、不便なのだが、わざわざロンソンの古いタイプのオイルライターを使用している。昔は、人類は、唯単に煙草に火を点けるのにも、これ程の大袈裟な機械を必要としたのだ。今となっては、寧ろ、そんな時代の方が懐かしく慕わしく感じられるけれど……全く、本当に奇妙なもので……
兎に角、時代は変遷してゆくし、それを止める事は誰にも出来はない。川の流れの様なものだ……水の流れを、どう遣って食い止められるだろうか?わたしは、疲れ果てて、二本目のメンソール煙草を口に咥えた……
2019年8月25日日曜日
殆ど毎日の様に、こうした非常に陰鬱な事ばかりを書き記さねばならない事に、わたしも一応は現生人類・ホモサピエンスの一員として真に遺憾に思う。
モスクワ共同発……ロシア国防省は24日、北極圏に近いバレンツ海から潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「シネワ」と「ブラワ」の発射実験を行い、成功したと発表した。予定されていた訓練の一環で、SLBMの技術的能力が確認されたとしている。シネワは戦略原子力潜水艦トゥーラから、ブラワは戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーから発射され、北部アルハンゲリスク州と極東カムチャツカ半島の目標をそれぞれ破壊したという。
アリスは、もう完全に自力での歩行は困難で出来ない。だから、ダーチャの屋敷では、バスルームへはわたしかシンシアがアリスの車椅子を押して付き添ってゆく。
「ああ、嫌だわね。本当に忌々しいったらありゃあしないわ!」そう、悔しくて堪らないらしく、アリスは誰にともなく悪態を吐くのだが……「仕方がないでしょ、アリス。余り、そんな風にばかり言うんじゃないの!」と叱ると、アリスは酷く不満らしくぶうっと頬を膨らませ、貝の様に黙りこくった。勿論、可哀想なのだけれど……
2019年8月27日火曜日
AFP通信に依れば、イスラエル軍は24・25日、シリアとレバノンで敵対するイラン関連の施設や武装組織への攻撃を行ったらしく、先進七ヶ国(G7)首脳会議が24日に開幕したのを踏まえ、イランの危険性を国際社会に対してアピールする狙いがあるものと見られる。イスラエル軍は24日夜、シリアの首都・ダマスカス近郊でイラン関連の複数の軍事拠点を空爆、在英の民間団体《シリア人権監視団》に依ると、イランから軍事支援を受けるイスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘員ら少なくとも五名が死亡した。
又、ヒズボラは25日、レバノンの首都・ベイルートに在る施設がイスラエルの無人機の攻撃を受けたと発表した。無人機には爆発物が積まれ、施設に飛来して自爆し、複数の負傷者が出たそうなのだが……しかし、その無人機が外観など果たして如何なるものであったのか、記事を読んだだけでは分からない。
中国政府が発表した、仮想敵国(まあ、アメリカだろう)へ自動攻撃を加える、AI搭載型の致死性兵器であるドローン進化型の無人飛行機が沢山飛翔し都市などの目標物を爆撃するイメージ画像を見た時には、慄然としたけれど……
アリスが、向日葵(ヒマワリ)の畑を見に行きたいと言うので、どうにか車椅子で大きなヴァンの車に乗せ連れて行く事にした。何時、容態が急変してどうなっても可笑しくはないし、兎に角、なるべくアリスの意向に沿う様にしてやりたい。シンシアとアーロンも、向日葵が何万本も植えられている広大な畑を是非見たいと言うので、一緒に車で連れてゆく。
「だけど、どうしてそんなに向日葵(ヒマワリ)の畑が見たいの?」とそう、わたしは、アリスや子供達に向かって訊いた……「逆に、向日葵が何万本も咲いている、素晴らしい光景を見たくはないんですか?メアリー先生?寧ろ、そっちの方がずっと不思議だわ」アリスは、車の中ではごく上機嫌で、漫画雑誌の様なものを熱心に読み耽っていた。「ねえ、アリス?その漫画雑誌はなに?」そう、シンシアが尋ねると、アリスはペラペラと頁を開いてわたし達全員に見せてくれた。「これは、《ちゃお》という日本で出版されているローティーンの少女向けのMANGA雑誌よ。取り寄せて貰ったの」「ふうん。じゃあ、アリスは日本語も読めるの?凄いわね」「まあ、簡単な単語なら分かる程度だけど……MANGAは、絵の方がメインだし、ただ眺めていてもある程度は意味が呑み込めるわよ」「どんな物語(ストーリー)?」「ローティーンの女の子達の、リアルな悩みだとか。十二歳くらいになって生理が始まったら、学校で無神経な男の子達に冷やかされて酷く腹を立てたり、女の子同士でスマートフォンも使って話し合ったり、保健の先生や家族に打ち明けて相談したりだとか。そんな感じ……」
ユダヤ系の少年であるアーロンは、何時もの様に気まずげに黙ってアリスとシンシアとの遣り取りに耳を傾けて聴いており、わたしはTOYOTA製の4WDの大型ヴァンを運転するのに集中していた。NISSANの、前会長のカルロス=ゴーン氏の騒動は漸く静まったらしいが……それにしても、トランプ大統領は更に中国に厳しい関税を課する様だし、アメリカと中国との貿易戦争は今後どうなって仕舞うのだろうか?
アリスは、インターネットのニュース記事で、向日葵(ヒマワリ)が無限に咲き誇っている様な畑の事を知ったらしい。ふと、わたしは、十九世紀オランダの画家・ファン=ゴッホが描いた太陽の様な向日葵の油絵(タブロー)を思い起こした。向日葵(ヒマワリ)の連作は、勿論、ゴッホの代表的な作品として世界中に広く知られているけれど。濃厚なマチエールの、黄色い大輪の花……

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戦争の国のアリス
書庫日記
カテゴリ小説
2019/8/19(月)午後3:00
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2019年8月15日木曜日
この、情報・情報・情報で溢れ返り疲弊し切って仕舞う世界。
ニューヨークの9.11同時多発テロで幕を開けた、二十一世紀は《データの時代》と呼ばれる。多種多様なデータがインターネットという井戸(イド)を通じて中東の化石燃料の様に大量に吸い上げられ、人工知能(AI)で分析され、新たな価値を生み出す源泉になりつつあり、巨大ネット企業に依る寡占が様々な波紋を広げている。
世界のデータ量は、増加の勢いが止まらない。
アメリカの調査会社IDCの推定に依ると、スマートフォンから発信されたり、監視カメラなど各種センサーが捉えたりしたデータの総量は2011年に初めて1ゼタ・バイトを超え、更に18年には33ゼタ・バイトへと急増。やがて、25年にはその五倍以上もの175ゼタ・バイトに迄達する見込みだとの事らしい。
《ゼタ》とは聞き慣れない単位だが、1の後に0が21個も並ぶ途方もない量で、ごく大雑把な試算では[世界中の砂浜の砂粒の数]とも言われるそうなのだが……もう少し正確に言えば、[地球を1ミリ四方の方眼紙で包み込んだ時の、マス目の数]の二倍が1ゼタになり、我々の文明がこれ程の膨大な情報の洪水に曝された事は嘗てなかった。正に、《コヤニスカッツィ》(常軌を逸している、狂気の沙汰)としか言えないだろう。
アリスは、朝方、人事不省の状態に陥ったものの、昼頃になって漸く少し回復。どうか、タロー(タロット)に描かれている様な、不吉な鎌を持った《死神》がまだこの子を捉えずに見逃してくれる様にと願う以外にはない。
「アリス……どうか又、元気になって頂戴。それで、シンシアやアーロンとも一緒に、ダーチャの屋敷や森へ遊びに行きましょう」ベッドの傍らから必死に呼び掛けると、アリスは薄く眼を開いた。「ああ、メアリー先生。側にいてくれたの?明け方に可笑しな夢ばかり見るのよ」「それは、どんな?」「言葉では、とても上手く説明出来ないの。アークツールス。アークツールスは御存知?」「ええ、以前にエドガー=ケーシーの本を読んだから」「この宇宙、銀河系は厳密な物理法則で成り立っているけど、総ての宇宙がそうではないのよ。全く違う法則の宇宙もある……」アリスは、青い双眸でわたしの顔を食い入る様に見詰めていた。「例えば、どんな法則なの?」「そうね。まあ、《不思議の国のアリス》や《鏡の国のアリス》みたいな、数学的ファンタジー」
2019年8月16日金曜日
北朝鮮・金正恩(キム=ジョンウン)委員長は又、16日に日本海(東海)に向かって短距離弾道ミサイルを発射したらしいのだが、アメリカではその問題についての関心が薄くメディアも殆ど報じようとはせず詳細は分からない。
何故、アメリカ政府(トランプ大統領)や国民が関心が薄いのかと言えば、北朝鮮が幾ら短距離弾道ミサイルを実験的に発射したところで、本格的なICBMとは異なりアメリカ本土に迄飛んで来る事はあり得ないだろうし、それならば『極東、朝鮮半島で気違い染みた社会主義の権力者が幾らミサイルを撃っても、自分達の生活には無関係だ』と思っている為だ。それよりは、アメリカの国民は、アリスの死んだ母親がそうだった様に自分の家庭を豊かにさせる事にばかり熱心で、アメリカと中国との貿易戦争には関心を抱いても『北朝鮮って一体何処にあるんだ?韓国や日本は?今度、出来れば大型ショッピングセンターで安い地球儀を買わねばならんな』などと考えている。
又、今はトランプ大統領は金正恩委員長を《友人》(マイフレンド)と呼び『彼からの美しい書簡を受け取った』などと語り、まるで同盟国の首長と接して擁護しているかの様な奇怪な状況だが、七月末からこれで短距離弾道ミサイルの発射は既に六度目で、流石に危険に思える。幾ら、トランプ大統領は『(北朝鮮の)ミサイル発射を問題視しない』と述べ、彼自身はその通りなのだとしても、イランに対しても強硬派で《死神》の異名を持つボルトン氏や、ポンペイオ氏の存在はどうなのか?
今日は、わたしが病室へ行くと、アリスは幸い意識がはっきりとしており、それで「北朝鮮の金正恩委員長が又、日本海側に短距離弾道ミサイルを撃ったわよ」と告げると、彼女は眉を顰めながら「ふうん。偶には、西側の中国か北のロシアに向かってミサイルを撃ってみれば良いのに。そうしたら、どうなるものか」と言って苦笑した……「でも、このタイミングは流石に危険じゃないのかしら?若しも、トランプ大統領を本気で怒らせたら。それにボルトン氏や……」「さあー。まあ、多分この世界はなあなあの馴れ合いで成り立っているんでしょ。メアリー先生。あたしには、もうそうなのだとしか思えないわ。馬鹿馬鹿しくって」「だけど、偶発的な戦争の勃発も……」「この、地球上の世界には初期異常があったんだそうよ。だから、予測不能の事態が稀に起こるんだって聴いたわ」
2019年8月17日土曜日
アリスは、一体どうなって仕舞うのだろう?だが、それを考えてばかりいても仕方がないではないか……今日は、やや大型のテレビを病室に運び込み、アリスとシンシア、そしてアーロンとも一緒に古い映画の《刑事ジョンブック目撃者》を見る事にした。古いと言っても、主演は著名なハリウッドスターのハリソン=フォードなので、それ程の大昔という訳でもない。主演女優の名前は、生憎ともう忘れて仕舞ったけれど……それと、ブルース=ウィルス主演の《ダイ・ハード》にも出演していた、ドイツ系の様に見える男優も可能な限り質素な生活を送るアーミッシュのコミュニティに属する人物として登場する。
「ねえ、ねえ。ポップコーンはないの?メアリー先生?ソーダフロートだとか、飲み物は?」とそう、アリスは苦しそうな息の下から冗談(ジョーク)を飛ばした……「ご免為さいね。今日は、そこ迄は用意が出来なかったわ。どうにか映画のDVDを用意しただけで」「刑事ジョンブック目撃者って、どこかで聴いた気がするわ。有名なの?」「そうね。兎に角、名作だと思うわ。ドイツ系移民で、厳格で質素なキリスト教徒達のアーミッシュを取り扱った、とても珍しい映画なのよ」「ふうん。ハリソン=フォードって、確かブレードランナーというSF映画にも出てたんじゃない?それに、スターウォーズ」「そうよ。スターウォーズの方が良かったかしら?」「別にいいんじゃない?スターウォーズは、銀河連邦・ドメインが戦っていた頃の記憶がイメージとして残っているらしいんだけど」「??……わたしは、時々、貴方の話が理解不能なのよ。アリス。銀河連邦は兎も角、ドメインって一体何の事?」
「それはねえ。メアリー先生……アリスったら、YouTubeで可笑しなスピリチュアルなお説教のものばかり見ているのよ。うーん、上手く説明が出来ないんだけど」と、シンシアは酷くもどかし気に語った。「スピリチュアル?」「つまりねえ。五次元の世界の高貴な存在、精霊が、地球の獰猛で暴力的なサピエンスの為に色んな事を教えてくれるみたいな」それを聴き、わたしは思わず他意なく笑って仕舞った……「ふうん。アリス、貴方でもそんな御伽噺染みた事を信じてる訳?まあ、有名なエドガー=ケイシーだとか、多少は知っているけれど。実際に、日本は東北地方の大震災で海に沈んだ部分もあったしね」著名な、睡眠中にリーディングを行ったエドガー=ケイシーは『二十世紀中に、日本の大部分が海中に沈む』という様な予言を残した。エドガー=ケイシーは、元々は写真館を営んでいた一介の写真技師に過ぎなかったらしいのだが……ところが、その経営していた写真館が火災に遭い莫大な負債を負ってから、エドガー=ケイシーは所謂霊感・スピリチュアルな能力に目覚めたという事らしい。まあ、わたしも大学で心理学・精神分析学などを専攻し学んでいた頃、ユングが超常現象の真実性について幾ら説明してもフロイトは全く聞き容れなかった為に、ユングは超能力で棚の書籍を全部落として見せた、という風な都市伝説は聴いた事があったけれど……
「それでねえ。アリスは、サナンダのメッセージというのも、YouTubeで熱心に見てるのよ」シンシアは、そう言ってアーロンの方を振り向いたが、アーロンは唯困った風な顔で黙っていた。「サナンダ?」「ええ。それは、イエス=キリストの別の名前なんです。つまり……イエス様は、古代イスラエルでマリアとヨセフとの間に生まれた訳なんですけど。ああ、どうもやっぱり説明が出来ないわあ!アーロンたら、黙ってないで助けて頂戴!」「うん。つまり、イエスはユダヤ人としての名前で、本当は……」
2019年8月18日日曜日
世界は相変わらずだ。もう、それについて幾ら書き綴ってみたところで仕方もあるまい。シンシアに「メアリー先生。何故、人間は戦争をし続けるんですか?一体、誰が本当に心からそれを望んでいるの?」と訊かれ、わたしは咄嗟に言葉を失い困惑して黙り込んで仕舞った。果たして、シンシアにどう説明すれば上手く理解して貰えるのだろう?
だが、その時、アーロンがわたしに代わって「それは、アメリカや世界中の経済が、戦争に依存しているからだよ」と、シンシアに向かって優しく語り聴かせた。だが勿論、シンシアには全く呑み込めないらしく、頻りに首を捻っていたが……「アメリカの経済が、戦争に依存してるってどういう意味?」「つまり、戦争に依る特需とでもいうのかな。昔から、ずっとそうだよ。第二次世界大戦もそうだったし……今は、トランプ大統領が、安全保障を求める国に対して巨額な最新兵器や防衛システムをどんどん売りつけているんだ。例えば、日本は最新鋭戦闘機のF−35を百機も購入したり、イージスアショアも……今度は、台湾にも沢山兵器を……」
すると又、シンシアは首を傾げた……「イージスアショアって?」「それは、敵国のミサイルを迎撃して撃ち落とすシステムの事だよ」「ふうん。アーロン、どうしてそんなに詳しいの?」「さあ、自分でも良くは分からないんだけど。僕のお爺さんは昔、ヴェトナムへ行って戦ったし、お父さんはKIAとして遺影がアメリカ政府のホームページに掲載されてるよ」「KIA?」「キルド・イン・アクション。公式に認められた戦死者の事さ」「難しくて、あたしにはちっとも分からないわ」「別に、それでいいんだよ。シンシア。無理に分かろうとする必要など全然ないんだし……」
そうした二人の遣り取りを、アリスは、退屈で堪らないといった風に聴いていた……「ねえ、ねえ。第三次世界大戦は起こると思う?シンシア。アーロン」「さあね。アリス……僕には、未来に起こる事は分からないから、予言は出来ないけれど。でも、起こっても可笑しくはないと思うよ。シリア情勢が……」「イスラエルは、アメリカの民主党の女性議員の入国を拒否したわね。白人じゃない女性議員」「ああ。若しも第三次世界大戦が勃発するとすれば、中東、イスラエルやパレスチナガザ地区、シリアが火種になるんじゃないのかな?アサド政権は……」「シリアは、もう人が住める場所じゃないわよね」
2019年8月19日月曜日
一体、何を書くべきだろうか?アリスは、依然として危険な状態が続いている。
アフガンでは又、テロ。テヘラン発……アフガニスタンの首都・カブールの結婚式場で17日夜、大きな爆発があり、アフガン内務省に依ると子供達を含む63人が死亡、180人以上が負傷し、アフガン政府は自爆テロと断定した。イスラム教スンニ派のイスラム過激派組織《イスラム国》が18日、系列の通信社を通じ犯行を認める声明を出した。
今回のテロは、カブールで少なくとも55人が死亡し、94人負傷した昨年11月の自爆テロ以来の規模と見られる。まるで、蛇蝎に狙われたウサギの様に不幸にもISISの標的(ターゲット)とされた結婚式場は、シーア派系の少数民族・ハザラ人達が多く居住するカブール西部に在り、爆発の際、同式場内には約1200人もの参列者がおり、彼らの多くもシーア派であったらしい。シーア派とスンニ派……その、イスラム教内部に於ける宗派の違い、異なる教義(ドグマ)について詳しく正確に知っている欧米人やアジア人が果たしてどれ程存在するのだろう?些か、疑問を感じる。そういう、わたし自身、国際政治や宗教・経済に関しては生憎と疎く、殆ど分からないが……
《イスラム国》は声明で、結婚式に列席していたシーア派の住民らを《異端者》として強く批判し、自爆テロはシーア派に狙いを定めた犯行だったと認めた。AFP通信などに依れば、事件の際、列席者は男性と女性で隔てられており、爆発は男性側でお祝いの演奏団がいたステージ付近で起こったらしい。或る目撃者の男性は、AFP通信に対して『男性用の場所にいた人達の殆どが死傷した』と証言、現地からの映像では激しい爆発に因り式場の天井は破壊され、床の上には血液が付着した靴などが散乱していたそうなのだが……
この、アフガニスタンでのテロ事件について、わたしとアリス、シンシア、そしてアーロンとは偶々病室にいた時、大型テレビのワールドニュースで三人一緒に見ていた。アリスは、如何にも苦しそうで、気管支が炎症を起こしている為に医師のマークから抗生物質(ステロイド剤)が含まれる吸入式の薬剤を適宜に使う様にと勧められていた。
「それにしても、良くもまあ飽きて仕舞わないものよね?実際、呆れるのを通り越して感心するわ」と、非常に苦しげに、アリスはかすれる声でそう誰にともなく言った……「ISIS、イスラム国は、本拠地のシリアなど中東ではもう居場所がなくなったのかしら?それで、今度はアフガンで戦い続ける心算なのかしらね?ねえ、シンシア?」そう、アリスは傍らのシンシアに向かって問うたが、彼女は困り果てた様子で唯もじもじとして俯いていた……「そう言えば、オサマヴィンラディンの息子も殺害されたね。犯人は又、アメリカの特殊部隊なのかどうか、良くは分からないけど」
「それにしても、凄まじい爆発だったのね。アフガニスタンの結婚式場……」わたしは、厨房で淹れて来た安い豆のブラジルコーヒーを、マグカップで飲んでいた。子供達には、簡単なフレンチトーストだけをオーブンで焼いて持って来て、後は、暑い紅茶(ダージリン)を日本の有田焼に似たマイセン磁器の茶碗に入れて差し出した……
「そうね。作業員の人達が、現場の後片付けをしているけれど……」と、シンシア……成る程、確かにシンシアの言う通りで、自爆テロが行われた後の結婚式場内では現地の作業員達がモップというか道具を使って後片付けの清掃を行っており、赤い血が混じった泥水が集められて床上に滞っているのだったが、それを見て如何にも凄まじい爆発が起こったのだなとわたしは実感した。子供達も、恐らくそうだったに違いない……例えば、ネットのニュースで記事だけを読むと、言語表現だけで本当の事件の生々しさを伝えたり受け止めたりするのは難しく、何処か矢張り抽象化をして認識して仕舞う。
「テロをした人達も、爆発で死んじゃったの?」「ええ、そうよ。シンシア……」「でも、どうして自分の命を投げ出して迄、滅茶苦茶な事をするのかしら?」「それは、宗教的に洗脳されているからよ。説明すると、とても長くなって仕舞うのだけど」「政治的、宗教的な教義(ドグマ)が、最後には総ての人間を滅ぼすのよ。旧弊な、強迫観念のドグマが……」アリスは、紅茶が入ったマイセン磁器の茶碗をうっかりと取り落として、ガチャーン!と、床の上で壊れた茶碗は激しい音をたて、シンシアは悲鳴を上げて両手で耳を塞いだ……「結局ね、これはシオニズムとそれに反駁するムスリムとの闘いなのかもね。根底にあるのは……トランプ大統領は唯のカモフラージュなのよ。本当に危険なのは、ペンス副大統領じゃない?彼は、キリスト教右派、福音派(エヴァンジェリカル)の信徒だけど、それが超正統派ユダヤ教徒と手を組んだんでしょ。共通の目的の為に」そう、アリスは静かな口調で語った……
2019年8月20日火曜日
人工知能(AI)搭載型のロボット兵器を、果たして条約で禁止をすべきか否か、又、それは可能なのかどうか。これは、SF小説の話ではなく、もう紛れもない現実なのだ。私達、二十一世紀を否応なしに生きている、生きざるを得ない現代人は非常に不幸だ。そうではないのだろうか?
話を戻すと、人工知能(AI)搭載型のロボット兵器を条約で禁止すべきかどうか、SF映画の《ターミネーター》(1〜4)を地で行く様な議論が、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で行われており、規制に積極的な途上国側と不要論を展開するアメリカ・英国・ロシアなどが対立する中、双方が歩み寄る事が可能な着地点を目指し、政治宣言の様な穏健な合意を模索する動きも出ているらしい。
アメリカの著名なSF作家・アイザック=アシモフがまだ二十世紀の中葉、1950年に発表した短編集《我れはロボット》の中で提唱した[(ロボットは)人間に危害を加えてはならない][人間からの命令に従わねばならない][(前の二項を守る限りに於いて)自分を守らねばならない]との《ロボット三原則》は有名で、SF小説は殆ど読んだ試しのないわたしでも不思議と何故か知っているのだが……
今、ジュネーブで議論が行われているロボット兵器は、このアシモフの理念の全く逆をゆくもので、正式には《自律型致死兵器システム》(LAWS:lethalautonomousweaponssystems)と呼ばれ、仮令上官などの人間が命令を下さずともAI独自の判断に依り自律的に動き敵を殺傷する兵器を指す。メディアや反LAWS団体は《キラー(殺人)ロボット》と呼ぶが、まだ開発途上で有りどの様な形状になるのかも分からないとの事。
兵器の自律化は、火薬・核に次ぐ軍事的な第三の革命と呼ばれ、極めて近未来に於いてLAWSが実戦配備される様になれば戦闘を一変させると思われ、機械で有るAIに人間の生殺与奪の権利(判断)を握らせても良いのか、責任は取れるのか?責任の所在は?という、これ迄の軍縮議論にはなかった争点が人類史上初めて生じている。
アリスの病状は最悪で、わたしはこの過酷な現実を直視しなければならない。現実逃避をしてもどうにもなりはしない。若しも、肺炎を起こせばアリスの命の炎は終わりかも知れない。小さな蝋燭(キャンドル)……その生命は、果たして何処から来たのか?人間のDNAは?又、死ねば人間は一体どうなって仕舞うのだろう?有から無へと還るのか?宇宙に、無は存在するのだろうか?
2019年8月22日木曜日
アリスの容態は最悪で、兎に角、取り返しがつかなくなって仕舞う前にと思い、ロシアの別荘風のダーチャの屋敷へと行って来た。シンシアとアーロンも一緒。シンシアは、ダーチャの屋敷へ行くのは今回が初めてでもあり、非常に喜んでいたが……
「ねえ、メアリー先生。どうしてダーチャの屋敷って呼ぶの」「それは、何故ともなく、アリスと一緒に来るうちにそう呼ぶ様になったのよ。特に、深い意味はないんだけど」「ふうん……」「ここに来ると、都市の人間社会の喧しい喧噪から遠く離れて、こころからホッとして安堵するわ。わたしは、元々ペンシルバニア州の片田舎のほんのちっぽけな町の出身だし……」
すると、アーロンは首を傾げた「でも、先生は都会がお嫌いなら、どうして故郷の町で就職をしなかったんですか?」「それは、まあ確かにそうよね。わたし、高校(ハイスクール)時代には、町の食堂(ダイナー)でウェイトレスとして働いたりもしていたのよ。それで、ボブという浮浪者(ホームレス)の男性と親しくなったり」「浮浪者?」「ええ、そう。彼は、元々は東海岸の大都市、ニューヨークかワシントンでエンジニアとして働いていたらしかったのだけど」「エンジニアって?」「さあ。もう、今となっては詳しい事は分からないわ。若しかすると、今のシリコンバレーの様な所で技術者として活躍していたのかしら?ボブは、一寸風変わり(エキセントリック)な人だったけど」
わたし達は、ダーチャの屋敷へと辿り着くと、先ずは暖炉に火を灯した。寒いという程ではなかったのだが……壁には、わたしの施設での仕事部屋と同様に、アンドリュー=ワイエスが描いた《クリスティーナの世界》や《遠雷》の複製画(コピー)が掲げられており、シンシアやアーロンは珍しげにそれを眺めていた。
「メアリー先生は絵がお好きなんですね?」「そうね。現実に疲弊し切って仕舞うと、美術(ファイン・アート)の世界に逃避したくなるの。そこには静けさがあるしね。それと、ステレオで古いレコード・アルバムも聴くわ。60年代から80年代後半くらい迄の古いロックやソウル、R&B、ジャズだのの……例えば、ピンクフロイドの《原子心母》(アトム・ハート・マザー)だとか」「アトム・ハート・マザー?」「昔、或る女性が心臓の外科手術で、ええと……生憎と、詳しくは忘れて仕舞ったわ」「変わった名前のアルバムで面白いですね」
2019年8月23日金曜日
アリスは、もう自力で歩く事は出来ず車椅子に頼っている。本人は、勿論それを非常に嫌がり悔しがっているけれど……シンシアが、必死に宥めすかしている。
「メアリー先生。あたしは、頭脳だけの存在じゃないのよ。そうでしょう?」と、アリス……「当然、そうに決まっているでしょう?何故、急にそんな事を言うの?」「だって、自力で歩く事も困難になって、まるでベッドや車椅子に頭脳だけ乗っけて生きているみたいなんだもの。哲学者、マルクス=ガブリエルの観念論は……まあ、兎も角、例えば人間がネット上のクラウドばかりに依存したら一体どうなっちゃう訳?」「そうね。科学、ITやAIを過信して依存するのは危険だと思うわ。人類は、自然環境を完全に克服する程、科学技術(テクノロジー)が進化を遂げた訳でもないのに。もっと、発展途上国を含めたインフラの整備や、自然環境の保護にも本気で目を向けるべきじゃないのかしら?」アマゾンでは(GAFAのアマゾンではなく、南米のアマゾンの事だ)ブラジルの大統領の政策の為に、広大なアマゾンの森林も枯渇し頻繁に森林火災が発生している。
疲労を覚えて、わたしはダーチャの屋敷の壁に掲げた油絵(タブロー)の複製画を眺めた。油絵(タブロー)の世界には静寂がある。以前に、インターネットで或るサイトからダウンロードした絵画は、クラシックバレエの装いに着替えている十代前半の少女が、ピアノの前の椅子に腰掛けており、その傍らには飼い犬がいて、窓からは微風が吹き込みレースのカーテンを揺らしているのだった。作者は、良く分からない。余り、思想性は感じない絵画だが、それはそれでも良いではないか。ゴッホの絵画は確かに優れているのだろうが、疲弊して仕舞う。かと言って、バンクシーの様に政治的な存在でメッセージを送信するというのも好きにはなれない。
「ねえ、メアリー先生。何か美味しいお菓子が食べたいな」そう、アリスが言うと、シンシアも目を輝かせた。「じゃあ、ライ麦入りのパンケーキを焼きましょうか?J=D=サリンジャーは……ライ麦畑でつかまえてのアメリカも、遠い過去になったわね……今は、トランプがグリーンランドを買おうとして、トランプタワーがグリーンランドに聳え立っている画像をTwitterにアップしている奇妙な時代」「朝鮮半島も大変な事になっているわよね。18日には、アメリカが中距離ミサイルの発射実験を行ったし」

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戦争の国のアリス
カテゴリ小説
2019/8/3(土)午後1:40
2019年8月1日木曜日
愈々、8月になった。それにしても、この異常な猛暑……
北朝鮮が7月31日に発射したのは、ロシア製の《イスカンデル》を基(ベース)に開発した迎撃困難な新型の弾道ミサイルと見られるとの事。5月以降相次ぐ同種のミサイル発射は、米韓に対抗する兵器の実戦配備に向けた準備に加え、軍事的緊張を高めてアメリカとの非核化交渉の主導権を握る狙いが有るらしい。
どうにか、アリスとシンシアとをダーチャの屋敷・美しい森へと連れて行って遣りたいのだが……しかし、現実的に様々な要因から難しい。
「さあ、今日は英国(イギリス)風のベリージャムを挟んだサンドウィッチを作って来て上げたわよ」
そう言って、わたしは無理矢理に強張ったぎごちない笑顔を作って見せた。
「わあ、とても美味しそう!どうも有り難う、メアリー先生!」
と、アリスも何処か少しわざとらしくはしゃぐ。シンシアは、唯無邪気に本当に喜んでいるけれど…
《海の物語》
〔HISTOIREDELAMER〕の著者、ジャン=ケロールについては、ネットで調べてみても殆ど何も分からない。
Wikipediaにも載ってはいないし。
だが、兎に角、わたしは二人の子供達の為にそれを静かに朗読して聴かせるのだ。
他に、一体何が出来ようか?
この、最早完全に常軌を逸して仕舞った、アメリカ先住民・ホピ族が言う《コヤニスカッツィ》の世界の只中で。
混乱を極める次期大統領選指名争いの中で、トランプ大統領は民主党左派に《社会主義者》とのレッテルを貼る事に躍起で、トランプ陣営は民主党候補者の主張を『社会主義者のメッセージ』と切り捨て『討論会の勝者は又してもトランプ大統領だ』と自賛した。CIA等を統べる情報長官の首も挿げ替えられたし、もう、トランプ大統領の周囲にはイエスマンしかいない。
「―ジェラルディーヌはとても感動し易いんです。若し、皆が捜しているって知ったら、隠れた儘で死んで仕舞うでしょう。港を見て下さい。あの子は、水なら悪い事をしないと思っているんです。溺れれば血は出ないって言ってましたから」「―蟹さんがピーナッツを食べているのを見たわ、それに、トミーっていう栗鼠(リス)がいたの。トミーは紅い椎の実が好きだったわ。《窒息》号っていう潜水艦のマスコットだったんだって言ってたわ。―兎口の男の子がいたわ、珍しいでしょう?水に身投げした黒服の女の人もいた。引き上げたら死んでたの」

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2019年8月2日金曜日
一体、何を書くべきだろうか?最早、良く分からない……
科学技術(テクノロジー)の進展に依る変化のスピードが爆発的に加速する中、先進各国ではそうした時代の流れに先んじようと、官民挙げての取り組みを行う動きが広まっている。例えば《ゲノム解析》……ゲノム(遺伝子情報)とは、或る生物が正常な生命活動を営む為に必要な全遺伝子情報の事で、癌治療等ではゲノムを詳しく分析して適切な治療薬の選択や治療方針の決定に役立てる事が期待されている。生物の遺伝子は、四種類の塩基を謂わば文字の様に配列したメッセージを発信し、蛋白質の組成や運動を制御する事で身体を管理し、病原体への抵抗を生む。癌等、多くの難病は、正常な塩基配列の変異に因り発生するとされる。
疾病者のゲノム(遺伝子情報)を解析して病状を特定し、医療に適用する手法が初めて現実の医療サービスに適用されたのは2009年で、アメリカ・ウィスコンシン大学の研究所が、症例のない奇病で苦しむ少年の病因特定の為にゲノム解析で骨髄移植を処方したのだ。そうした成功例を契機に、多くの研究者達が力を注ぎ財団や製薬会社が巨額の研究費を投入する様になった為、僅か十年でゲノム医療は驚くべき長足の進歩を遂げた。
しかし、残念ながらそのゲノム医療も、現時点に於いてアリスの原因不明の疾病の病理の解明や治療の有効な手段とはなり得ない様だ。
今日は、アリスとシンシアは、まるで二歳歳が離れた仲の良い姉妹の様にベッドに並んで腰を掛けながらテレビの番組を見ている……「へえー。イタリアルネサンスというのは、当時衰微していたローマンカソリックの権威に反抗する様な側面もあったのね。知らなかったわ」と、アリス……「ルネサンスってなあに?どこかで聴いたみたいな言葉だけど」シンシアは、持参して来た市販の菓子袋の中から、ライ麦と干し葡萄で作られたビスケットを食べている……「ルネサンスは、十五世紀の文芸復興よ。レオナルド=ダ=ヴィンチやミケランジェロ=ブオナローティ、ラッファエロ=サンティだとかの。壁画の《最後の晩餐》や《最後の審判》、《モナリサ》(ジョコンダ)は知ってるでしょ?」「ああ、《モナリサ》なら知ってるわ。家のリビングにも飾ってあるから。お母さん(ママ)が、日曜日に近所のフリーマーケットで額縁入りで買って来たのよ。多分、偽物なのかしら?」「まあ、恐らくそうでしょうね」
世界は相変わらず……北朝鮮・金正恩(キム=ジョンウン)委員長は、2日の朝又飛翔体(ロシア製イスカンデル型の短距離弾道ミサイル)を日本海方面に向かって発射したらしい。日本の東北、IWATEの沿岸部に住むTomokoからメールが来たが……[北朝鮮が幾ら弾道ミサイルを撃とうと、日本人達はもうすっかり感覚が麻痺して仕舞ったのか、然程気にも掛けない様です。安倍首相は、北朝鮮の弾道ミサイルは日本の安全保障に対する脅威で有るとは認識していない。という様な言い方なのですが、それは誤魔化しに聴こえます。わたしは、衆院選の投票には行きませんでした……今、世界中の民主主義(デモクラシー)が一斉に危機に瀕しているのは、果たして何故なのでしょうか?]
世界的な民主主義(デモクラシー)の危機。成る程、確かにそうだ……今現在、中米から押し寄せる移民(難民)達は一体どうなっているのだろう?又、アフリカからの場合、空路で南米迄飛び、そこから更にボートや陸路でエクアドルを目指さなければならないらしい。気が遠くなる様な旅路……
中東・ホルムズ海峡周辺の安全を守る為、アメリカ主導の有志連合構想と英国が提案した商船の共同護衛構想の結成は難航しているが、共同護衛構想に因りイランとの緊張が高まり偶発的な軍事衝突が起こるとの危機感が出ている為と見られる。経済では、米連邦準備制度理事会(FRB)は、7月31日の連邦公開市場委員会(FOMC)で約十年半振りの利下げに踏み切り、景気の落ち込みが経済データに表れる前に先手を打った。トランプ大統領は何度もFRBに利下げを要求し、議長の人事もちらつかせて圧力を強めて来たし、パウエル議長は記者会見で『政治は全く考慮しない』と述べたものの、利下げに踏み切った事で結果的に政治的配慮も疑われかねない状況だ。
アリスは、テレビを見ながらシンシアに何かと親切に教えて遣っている。「古代エジプト文明は、結局一神教を受け容れる事はなかったのね。ユダヤ民族だけがヤハウェの一神教」「ヤハウェって?」「さあ、良く分からないわ。若しかしたら宇宙人か、古代にやって来た地球外知的生命体だったんじゃないかしら?」「ふうん」「そうそう!エジプトの壁画や、ルネサンス美術にもUFOだのが背景に描かれてるんだそうよ。旧約や新約聖書の記述も……でも、キリスト教原理主義者(ファンダメンタリスト)は絶対に反駁するでしょうけど」

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2019年8月3日土曜日
アメリカとロシアの中距離核戦力(INF)全廃条約や2日、失効した。今朝方、Yahooホームページからのネットのニュースで、エスパー国防長官がINF失効を受け中距離ミサイル等兵器の開発を加速してゆく、という様な報道を見たのだが、先程もう一度YahooのHPを見るともうそのニュースはなかった。一体、何故なのだろうか?若しかすると、誰かの意向で急いで削除されたのかも知れないが、良く分からない。或いは、ホワイトハウスの公式見解ではなかったという事なのだろうか?以前に、北朝鮮の非核化に関して、ボルトン氏が『完全で不可逆的な非核化以外にはあり得ない』という風に述べた際に『(ボルトン氏の発言は)ホワイトハウスの公式見解ではなかった』と、後で訂正された件があったが……
わたしには、二つの密かな目論見があるのだ。
それは、一つには施設のデータベースからアリスの痕跡をなるべく抹消して仕舞う事であり、もう一つは《不思議の国》や《鏡の国》ならぬ、この《戦争の国》で二十一世紀という驚くべき時代を生きながら、人類(ホモサピエンス)が袋小路(デッドエンド)に迷い込み抜け出せないでいる様子を具に観察し歴史的な証言を行う事。だが、それは一体何処の誰に対して?昨日、アリスがシンシアに対して語った様な、ユダヤ民族が気が遠くなりそうな古代から信奉し続けて来た、ヤハウェ、一神教の絶対的な《神》に対してだろうか?しかし、残念ながら、唯の一介の臨床心理士に過ぎないわたしが、その究極の答えを知ろう筈もない。
「今年は、英国(イギリス)のヴィクトリア女王生誕二百周年なのよ。シンシア、ご存知?」アリスは、今日は割りと具合が良いのだろうか?「ううん。そうだったの?」「ええ。それで、お菓子のヴィクトリア・サンドイッチ・ケーキというのは、甘党だった女王様の大好物だったらしいわ。尤も、甘い物が嫌いな女性はこの世に余りいないでしょうけど!まあ、ブーグローのカードで不吉な悪魔(サタン)が出たわ!エスパー国防長官が……」「エスパーって、超能力者の事?」そう、シンシアは不審げに問うた……「ええ、まあ多分そうかもね。この、地球というデコレーションケーキは、核兵器のキャンドルで一杯です!不思議な、夢の国のお茶会に行ってみたくはない?シンシア?綺麗なドレスでシンデレラみたいに着飾って」「そうね。是非一度、行ってみたいわ」

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2019年8月4日日曜日
日本の東北部・IWATEの三陸地方に住む、大学時代の親友であるTomokoからメール。
一寸、奇妙な思い出を書き綴るなら、Tomokoはオカルトやホラー映画の大ファンで古いものは有名な《エクソシスト》や《サスペリア》、その後の世代の《羊たちの沈黙》やその続編の《レッドドラゴン》などのVHSやDVDを借りて来ては、寮の部屋で見ていた。Tomokoは、長い黒髪で真っ白い肌の日本人女性で、わたしは彼女に対して特別な感情を抱かない様にと必死で務めた。尤も、今は時代も変わり、日弁連は同性婚を認めないのは人権侵害だとして政府に働き掛けているとの事だが……
「何故、そんなにホラー映画ばかり見るの?」と、或る時、Tomokoに訊いてみたのだが……「だって、気持ちが悪いけど凄く面白いじゃない?日本には、四谷怪談だとか色々あって……有名なラフカディオ=ハーンの子供は、洋画家になったのよ。Kiyoshi=Koizumi……」というのが、Tomokoの答えだった。「古典的な名作は、やっぱりウィリアム=フリードキン監督の《エクソシスト》ね!最初、中東のイランかイラクの古代遺跡から、蛇が蜷局を巻いたグロテスクな悪魔の姿をした人形が発見されるんだけど。それを、アメリカ人の考古学者が本国へと持ち帰る……」「馬鹿馬鹿しいわね。そんな、子供騙しみたいなホラー映画なんか」「それが、あながちそうとばかりも言えないのよ。メアリー。貴方にも、何時かきっと分かるんじゃないかしら?」「どういう意味?」その時、わたしには生憎と、Tomokoが一体何を言わんとしているのだか凡そ見当が付かなかった。今なら良く分かるのだけれど……
「それでね。アメリカの大都市にあるセレブの住宅街で、少女に《悪魔》が取り憑いた、可笑しな事件が起こるのよね」「へえー」「最初、少女の母親は、娘を大きな大学病院だのへ連れて行くのよ。だけど、幾ら最新の医療機器で隅から隅迄詳しく調べても、少女に肉体的な異常、疾病は認められないの。そうして、遂に業を煮やして、母親は娘をエクソシストに見せるのよ」それを聴き、わたしはTomokoには悪いなとは思いながらも、吹き出して笑いそうになって仕舞った。「エクソシストという名前なら講義で確か聴いた覚えがあるわ。ローマンカソリックの……」「ええそう。但し、ローマンカソリックよりは寧ろ正教でしょうね」
「エクソシスト……」「メアリー。貴方に取っては、多分、非合理的な下らない映画に過ぎないんでしょうね。だけど……まあ、兎に角一度、一緒にホラー映画を見てみれば?」今にして思えば、恐らくTomokoはわたしのトランスジェンダーにあの頃から疾うに気づいていたに違いない。しかし、彼女はそれを絶対におくびにも出そうとはしなかった。
「問題なのは、最初にそもそも《悪魔》(サタン;デビル)の不気味な人形が発見されたのが、中東、イランかイラクの古代遺跡だったっていう事」「わたしには、どうも貴方の話が上手く呑み込めないんだけど。Tomoko……」「そう?つまりは地政学的に……嘗て、キリスト教世界、ローマ大帝国も敵わない程の大隆盛を誇ったオスマン帝国については、メアリーも良く御存知でしょう?」「ええ、まあ。それは勿論……」「それで、約二千年前の中東・イスラエルでイエス(キリスト)が生を享けて、パレスチナ全国を巡礼する様に巡り歩いてから、祭司長や保守的な律法学者の怒りを買って捕縛される訳だけど。それで、結局イエスはゴルゴタ(髑髏)の丘で磔刑に処され、そこから原始キリスト教が発生した。ごく大雑把に掻い摘んで言えばね」
テレビ画面では、《悪魔》が取り憑いたとされるアメリカ人の少女(16歳位だろうか?)が、見るもおぞましい怪物の容貌に変わり、緑色の泡を吹き、聴くに堪えない下品で卑猥な言葉(スラング)を口にしている。「この娘は、本来なら良い処のお嬢さん。大富豪(セレブリティ)な訳だけど……それが、中東の遠い国から渡って遣って来た、《悪魔》の人形、正確にはそれから憑依した悪しき精霊の影響で、こんな醜い化け物になって仕舞う。でも、それは飽く迄もアメリカ人・アメリカ社会の側から見た場合の話よね。例えば、オスマン帝国が繁栄していた当時には、キリスト教ではなくイスラムの教えは正統的で普通だった訳でしょう?」それから、《悪魔憑き》の娘は、母親に対しても暴力を揮い悪口の限りを尽くして、ベッドの上でバタンバタン!と、物理学の法則に反した動きで暴れ回る……「キャアア!」と、無力な母親は娘の傍らで徒に悲鳴を上げているばかりだ。それで、つい見ている観客も苛々とし始める。そして、愈々《エクソシスト》(悪魔祓い師)の登場。彼、ダミアン=カラスと云う人物は、街の大学で物理学か何かを学んだ或る意味合理主義的な人物なのだけれど……
2019年8月5日月曜日
一体、何を書くべきだろう?良く分からない。この、味気の無い白黒(モノクローム)で、無慈悲な世界について幾ら幾ら書いてみたところで仕方が無いではないか?アメリカでは、又、立て続けに銃器の乱射事件が発生した。ロサンゼルス発……3日、午前10時頃、アメリカ南部テキサス州エルパソのショッピングセンターで銃乱射事件が有り、AP通信等に依ると二十名が死亡し、少なくとも二十六名が負傷、地元警察は、自動小銃で犯行に及んだ白人の男を拘束した。有色人種を狙ったヘイトクライム(憎悪犯罪)の可能性が高く、犯行当時の状況を調査している。又、アメリカ中西部オハイオ州デイトンで4日午前1時頃、同じく銃乱射事件が起こり、地元警察に依ると……もう、これ以上書いてみても仕方が有るまい。
アリスの容態が最悪なのは分かっている。病室内を歩く際にも、胸の胸骨か肋骨、それか横腹の辺りを片手で押さえていなければフラフラして碌に歩行が出来ない。良く分からないが、そうしなければ自分の体重・体幹を支える事が出来ないのだろう。
わたしは真剣に、何れアリスが存在しなくなって仕舞った後の世界で、どうにか独り切りでも生きてゆく方法を考えなければならないのかも知れない。先日、ネットのニュースで、日本の弁護士連盟はアメリカ等先進各国のグローバルスタンダードに鑑みて同性婚を今後は認めるべきだとして、政府にも訴え掛けているとの記事を見て驚かされたのだったが……あの、美しい伝統有る古都の京都では、綺麗な着物を身に纏った芸妓等の女性達が歩いている日本で?しかし、それは或る意味好都合で、わたしはTomokoに『何処か、日本の街で一緒に暮らしてくれないか?』と、簡潔なメールを送った。恐らく、これで彼女には充分に意味が通じるだろう。非常に聡明な女性だし……
今日も、アリスとシンシアとは、少なくとも上辺では愉しそうに燥ぎ合っている。シンシアの無邪気な明るさが、何にも増して救いだ。「メアリー先生が、今日はバナナケーキを作って来てくれたのよ。紅茶も淹れて、一緒に頂きましょう。シンシア」「そうね。アリス……ところで、ロシア風のダーチャの屋敷へは何時行けるのかしら?それとダーチャの森。物凄く、愉しみにしているんだけど」「ああ、それは……若しも、このあたしが真っ白い木製の棺の中に入れられて仕舞えば……」「棺って?どういう意味?アリス?」
2019年8月6日火曜日
今日は、嘗て第二次世界大戦に於いて、日本西部の大都市・HIROSHIMAにウラン型の原子爆弾が投下された日。その、原子爆弾の固有名は生憎と忘れて仕舞ったが……《ファットボーイ》(太っちょ)は、確か9日にNAGASAKIに投下されたプルトニウム型原爆の方だったろうか?日本に落とされた原子爆弾は、ウラン型とプルトニウム型との二種類だった。その単純な事実から推察しても、日本への原爆投下は緻密に理論的に計算され尽した実験(エクスペリメント)で有った様にわたしには思える。或いは、物理学者が数学的な計算もし尽くしたのではないのだろうか?
まだ、ペンシルバニア州の片田舎の町で学校に通いながら(時々、ダイナーでウェイトレスのアルバイトもしていたけれど)、のほほんと余り物事を深く煎じ詰めて考えもせずに毎日暮らしていた頃、わたしは恩師のジュリアが貸してくれた一冊の書籍で《マンハッタン計画》について漸く初めて知った。若しもそうでなければ、未だに数多くのユダヤ系の科学者達が集められオッペンハイマーの指揮下で行われた《マンハッタン計画》、A=ヒトラー率いるナチスドイツに対抗する為のアメリカでの一大プロジェクトを知る事はなかったかも知れない。
若しもジュリアがいなかったら、と、わたしは良く考えてみるのだが……或いは、わたしは保守的で息苦しい故郷で、唯自分のトランスジェンダーに酷く苦しみ続けて大人になり、都会の大学へも行かず何ら知的な事も行わずに長い生涯を無為に費やして終えたかも知れないのだ。だから、ジュリアには幾ら感謝をしてもし切れない。
「日本のアニメーションやMANGAのコミケに、是非行ってみたいわあ」アリスは、タブレット端末でYouTubeを見ていた。「ふうん。コミケってなあに?」と、怪訝そうにシンシア……「世界中のファン達が、好きなコスプレをして競い合うのよ。まるでハロウィーンみたいに。日本の、SHIBUYAのスクランブル交差点の辺りで行われる、ハロウィーンの乱痴気騒ぎは有名よね。あの交差点は、ハリウッド映画にも出て来るけど」「じゃあ、日本はキリスト教なの?」「別にそうじゃないんだけど。日本人は、クリスマスもハロウィーンも大好きなのよ。宗教は別として、アメリカナイズされてるんじゃない?」「じゃあ、日本の大統領とトランプ大統領は仲が良いの?」「まあ、そうね。少なくともバラク=オバマ大統領の時よりはしっくりといってるみたい」
2019年8月7日水曜日
日本では、今日は旧暦の《七夕》と云うものを祝うらしい。Tomokoが教えてくれたのだが……先日、わたしの方から送った甚だ不躾なメールに対する、Tomokoの答えは『ええ、そうですね。メアリーさん。若しも、貴方さえそれでお宜しければ、何処か日本の町でマンションかアパートでも借りて一緒に暮らしましょうか?』というものだった。多分、わたしは喜ぶべきなのだろう。イタリアの先端、青い地中海に浮かぶシシリー島にも行って暮らしたいものの、それでは恐らく島の男性に求婚(プロポーズ)されて仕舞うから駄目なのだ。その点、Tomokoなら大学時代から気心も知れているし。
他の、Tomokoからのメール……『昨日は、嘗て第二次世界大戦当時(日本では、大東亜戦争か太平洋戦争と呼ぶのですが)広島に原爆が投下された日で、広島市中区平和記念公園で平和記念式典が開催されました。あの、凄惨極まりない原爆投下から、既に七十四年目との事なのですけれど。日本の《平成》という時代に生まれた、わたしは勿論原爆投下について直接には知りません。今、被爆者(Hibakusha)や戦争体験者は、もう八十歳以上の後期高齢者になって仕舞っているんです。脱線しますが、少子高齢化は本当に切実な問題です……』『戦後間もなく、被爆者達の手記を基に白黒(モノクロ)の《ひろしま》という原爆投下後の広島の街の凄惨な様子の映画が制作されたのだそうですが、しかし当時、残念ながら配給側がアメリカに遠慮(忖度)して日本でも上映には至らなかったとの事です。実際、奇妙な話ですけれど……でも、最近、北米・ハリウッドの大手メディア会社がデジタル化し《ひろしま》は漸く公開されるのだそうで、わたしも是非見てみたい心算でおります』『その、デジタル化を行った企業の人物が、動機として[トランプ大統領の、何故、核兵器の使用は駄目なんだ?]との驚くべき科白を引き合いに出していました。しかし、現在は日本でさえも核兵器の保有や使用を容認する様な空気になっており、危険に感じています。[何故、核兵器の使用は駄目なんだ?]というトランプ大統領の言葉は、A=ヒトラーの[ユダヤ人を殲滅しろ!]に匹敵する程、怖ろしいもので、更に、ヒトラーよりも無思想であるだけに始末に負えません。彼の頭には、取引(ディール)しかないのでしょうね。日本の民主主義(デモクラシー)も危機的状況です』
「ああ。日本のコミケはさぞかし面白いんでしょうね!」そう、アリスは、タブレット端末でYouTubeを見ながら又、独り言の様に呟いている。「あたし、前にテレビニュースでもその様子を見た事があるのよ」「へえ〜」だが、シンシアにはまだ一つ上手く呑み込めないらしい……「不思議の国、ワンダーランドのお茶会もそれはそれで素敵でしょうけど、でも、もうあたしは八歳なのよ?幾らなんでも子供っぽくない?それよりは、日本のTOKYOの街へ行ってみたいわ!来年は、TOKYOオリンピックも催される事ですし!凄く面白そうよね。今、メジャーリーグで大活躍してるSyoheiOtaniや、テニスのNaomiOsaka、陸上のサニブラウン、バスケのRuiHatimuraだとか」すると、シンシアは感心した風で、ポップコーンを食べる手を休めた……「アリスは、随分日本びいきなのねえ?どうして?」「うーん。一体どうしてかしら?有名な物理科学者のアインシュタインも、親日家で、よくぞ日本みたいな国をこの世界に残しておいてくれました!神様、感謝します!と、そう呟いたのですって」その、アリスの話を聴いて、わたしは思わず吹き出して笑って仕舞った。別に、間違ってはいないのだけれど……
しかし、シンシアにはやっぱり分からなかったらしい……「一体、それってどういう意味?アインシュタインは、どうして日本という国を神様に感謝したの?」「つまり、それは宗教の事なんでしょうね。日本や日本人位、宗教に対してリベラルというか、良くも悪くも無関心なところはないのよ。アインシュタイン自身、ディアスポラのユダヤ人だった訳で……アシュケナージムというのかしら?」「??アリスは、何時も難しい言葉ばかり使うわね。まるで魔法みたい……《ナルニア国物語》は読んだ?ルイス=キャロルの。ファンタジーや童話なら、どうしても英国(イギリス)よね。ハリーポッターシリーズもそうだし、ルイス=キャロルの《不思議の国のアリス》や《鏡の国のアリス》、《ナルニア国物語》、ええと、それに《ハウルの動く城》は作者は誰だっけ?」「《ハウルの動く城》も、日本でアニメーション化されたのよ。知ってる?」すると、シンシアは半ば呆れ返った様子で首を横に振って見せた。「スタジオジブリでね。京都アニメーションの放火事件は、容疑者がまだ危篤状態らしいわ。日本は格差社会なのね。巨大なヒエラルキー構造の、まるでインドのカースト制みたいな。東南アジアからの労働者は自殺したり……」
2019年8月8日木曜日
日本にいるTomokoからは、度々メールが送られて来る……『日本は今、本当に重大な民主主義(デモクラシー)の危機に瀕しています。メアリーさん……大学時代は本当に愉しかったですね。それを思い出すと、わたしは不覚にも泣き出して仕舞いそうになります。あの頃は、勿論まだ、アメリカ合衆国の大統領はドナルド=トランプ氏ではありませんでしたが……世界は、もっとずっと単純(シンプル)で、人々は互いを尊重し合いどうにか融和しながら生きている様にも見えました。ですが、それは儚い《幻想》に過ぎなかったのかも知れません……』
『最近、《ホモサピエンス全史》という書籍を、アマゾンで購入し読んでみたのですけれど……アマゾンは、勿論GAFA(ガーファ)のアマゾンであり、ブラジルの森林の事ではありません。アメリカ人の貴方には、釈迦に説教ですよね。釈迦に説教、ブッダに対して説教をするというのは、日本語の表現で自分よりも優れている者に対してお説教を垂れて仕舞う、という意味合いです……ですが、それにしても、日本の国も本当にアメリカナイズをされました。メアリーさん……生粋のアメリカ人である、貴方には大変に失礼で申し訳ないとは思うのですが……もう、例えば文豪の川端康成が好んで描いた様な、古き良き日本、伝統などは一般的に存在しないのですよ。日本に生まれれば、子供の頃から勉強に勉強を重ねて、少しでも優秀な小学校・中学校・大学へと進学し、少しでも優秀な企業に就職する以外には仕方がないんです。それに成功した人達は、《勝ち組》という非常に嫌な差別的な言葉で呼ばれます』
『《令和》も、恐らく大変な時代になるでしょう。政治的には、今の日本は完全に首相の独裁政治ですし……災害や、東日本大震災の際の福島原発の炉心融解(メルトダウン)の様な、人為的な大事故も又起こるかも知れません。異常な犯罪も多いです。知的障害者施設で、元職員の男が無抵抗の人達を19人も殺傷したり、ZAMAという街では、サイコパスの男性に依る自殺志願者の若い女性達の殺傷事件も起こりました。更に、その後は、カリタスというカソリック系の学園に対するテロを想わせる事件、元農水省事務次官の高級官僚だった人物が家族を殺害した事件、そしてつい最近、古都・京都のアニメーションスタジオでの惨たらしい放火事件が発生し、35名が亡くなりました。怖ろしく驚くべき事です……』
2019年8月10日土曜日
さて、このわたしは《世界》について一体どれ程の事を知っているのだろうか?そう考えると、非常に心許ない様な気がしてならない。北朝鮮・金正恩委員長は又、本日10日に短距離弾道ミサイルと思われる飛翔体を日本海側に向かって発射。アメリカのメディアでは殆ど取り上げられもしないが、日本では果たしてどうなのだろうか?そう言えば、昨日9日は日本の南に位置する九州・長崎市にプルトニウム型の原子爆弾が投下された日だった。アメリカでは、未だに『原爆投下は、日米の戦争を終わらせる為に必要だった』との認識が根強いのかも知れないが、良くは分からない。
「京都アニメーションスタジオの放火事件はねえ」そう、アリスはシンシアに向かって話している。「日本の格差社会が生んだ《悲劇》なんだと思うわ」「どういう事?」シンシアは少し眠いらしい……「まあねえ。日本に限らず、アメリカも勿論そうなんだけど。そもそも、自由で平等なアメリカ社会なんてのは、真っ赤な嘘で虚像だったのよ。虚構と言っても良いけれど」「虚構?」「虚構はフィクションの事よ。例えば、漫画やアニメーション、小説や映画だの。それに、宗教や政治・経済。今、トランプ大統領は、FRBのパウエル議長に圧力を掛ける様にして金利を下げる様に要求しているけど」「へえー。又、メアリー先生が作ったバナナケーキが食べたいな」「そうね。あれは、本当に傑作で美味しかったわ!それで、経済の話だけれど、日本では金融緩和策が取られているそうよ。でも、要するに、金融資本主義というのは《幻想》の最たるものね」「どうして?」「だって、元々100ドルしかなかったお金が、何をどうやったって200ドルや300ドルに増える訳はないじゃない。魔法の財布でも持っていれば別ですけど」「??……魔法の不思議な国で、思う存分幾らでも好きなだけ美味しいケーキが食べられれば良いのに!ねえ、アリス。熊のプーさんやスヌーピーは知ってる?キティちゃんは?」「A=A=ミルンの推理小説なら読んだわ。ここの図書室にもあったから。今は、ロジェ=カイヨワの《戦争論》を読んでみたのよね。でも、アマゾンで調べたらプレミアがついていて物凄く高くて、無理みたい」すると、シンシアは暫く気まずそうに沈黙していた……「戦争は嫌ね。だって怖いし、人間が大勢死んで仕舞うんだもの。お爺ちゃんはヴェトナム戦争へ行ったのよ」
「ヴェトナム戦争?ふーん、そうだったの?貴方のお爺さんは大変だったのね。アメリカは、ヴェトナム戦争で初めて苦い敗戦を味わった訳なんだけど」アリスは又、わたしから借りているタブレット端末でYouTubeを見始めた。「どうしたの?アリス?YouTubeで一体何を見てるの?」そうわたしが訊いても、アリスは夢中になっているのか答えようとせず、代わりにシンシアが返事をした。「メアリー先生。アリスったら、預言者がどうしただとか、そんな動画ばかり見ているのよ」「預言者って?」「あたし、どうも良くは分からないんだけど。ええと、例えばブルガリアの一寸蛇みたいな怖い顔つきのお婆ちゃんで、盲目らしいわ。ジジ=ヴァンガ……」「ジジ=ヴァンガ?その名前なら聞いた事があるわ。確か、高い的中率で、ブルガリア政府の秘密事項に指定されているのだとか」
「それに、J=F=ケネディの暗殺を予言したジーン=ディクソンなどよ」と、今度はアリスが答えた……「まあ、今は不思議と、あの《キューバ危機》の時代の頃と政治や社会状況が似ているわよね。今は、勿論ケネディではなくてドナルド=トランプ氏が合衆国大統領な訳だけれど。《キューバ危機》の際には、ケネディのアメリカ政府は、トルコから核ミサイルを除去するからその代わりにキューバから核兵器を取り除かせたと聞いたわ。現在は、トランプ大統領とトルコのエルドアン大統領が、シリア北部に緩衝地帯を設けたり、クルド民族の民兵勢力にどう対応するかで……」ところが、すると又、HSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)で、必要以上にその場の空気・雰囲気を読んで過剰に反応して仕舞うシンシアは気まずそうにもじもじとしながら泣きそうな表情だった……
「アリス。貴方の話は、どうも堅苦し過ぎるわよ。もっと、お友達のシンシアにも分かり易い様に親切に話してあげれば?」と、わたし……「ええ、まあそうね。預言者と呼ばれる人間は、昔から沢山いるんですけど。皆、良く知ってるのは、《新約聖書》に登場する、イエス=キリストに洗礼を施したとされる、預言者ヨハネだの」シンシアは、漸く少し笑顔に戻った……「ああ、それなら知ってる。絵本で前に読んだのよ。ええと。ヨハネはイエスに洗礼を施してから捕らえられて、薄暗い黴臭い牢屋に入れられたのだったかしら?」「そうね。悔い改めよ!裁きの日は近い!だとか、ヨルダン川の畔で声高に叫んでいた、ヨハネでしたが……」
2019年8月11日日曜日
アリスは、明け方に急激に血圧がガクンと下がり、危険な状態に陥った。原因は、矢張り不明……殆ど人事不省の状態だったが、ふと目を覚まして「メアリー先生。どうか、シンシアを呼んで頂戴」と言うので、アリスの望み通りにして遣った。だが、まだ自分の部屋で眠っていたところを起こされて、病室へと連れて来られたシンシアは激しい動揺を隠し切れず唯泣きじゃくっていた……「メアリー先生。アリスは大丈夫?」と、訊くので、わたしは「ええ、大丈夫よ。血圧が急に下がって仕舞っただけだから」そう、返事をする以外にはなかった。
病室の窓の外からは、烏の鳴き声がガーガー!と、不吉に煩く響いて聴こえて来て、わたしは苛々して「一寸、待っててね。烏を追い払って来るから」そう告げたのだが、すると、アリスは「どうか、そんな可哀想な事は止めて頂戴」と、苦しげに言った……「でも、どうして?」「あの烏は、特別(スペシャル)でとても可愛らしいのよ。だから、フランクという愛称(ニックネーム)をつけて毎日観察しているのよ」「そうなの?」「ええ。若しかすると、あの烏の前世は人間だったのかも知れないわね。他の普通の烏達とはどことなく違っていて、風変わり(エキセントリック)なのよ。鳴き声や仕草なんかが。電柱の一番てっぺんにとまって、セキセイインコみたいにこまめに毛繕いをしているしね。彼女(ガールフレンド)もいたんだけど、最近、何故だか姿を見せないわ」
シンシアが、毎日病室に見舞いに来て交流が始まってから、アリスの性格(パーソナリティ)は明らかに少しく変化した様に見受けられた。
「アリス、呼吸をするのが苦しいの?大丈夫?」「ああ。ええ、まあ多少ね。メアリー先生、心配をして下さって本当に有り難う。何時も感謝しています。先生が拵えたバナナケーキを、シンシアと一緒に食べたいわ。それと、良く冷えた紅茶かルイボスティー」「厨房で作って来てあげるわ」「でも、お忙しいんでしょう?データベースから、あたし個人の資料(データ)を消去する作業は進んでるの?」「総て消去する訳ではないわ。主に、御両親が亡くなった事件と、それに関する貴方の異常と思われる心的反応(リアクション)についてよ」「何故、あたしの反応が異常なの?」「それは……」しかし、わたしは思わず返答に窮して仕舞った。「異常なのは、寧ろこの戦争だらけの世界の方じゃないかしら?」
カイロ発……中東・シリアのアサド政権が、反体制派の最後の拠点と言われる北西部・イドリブ県とその周辺での攻撃を激化させている。死者は四月末の攻撃開始から3000人を超え、避難民も数万人規模となった。イスラム過激派組織《イスラム国》も復活の兆しを見せており、シリア内戦が終息する見通しは全く立たない。在英の民間団体《シリア人権監視団》に依ると、ロシアの支援をアサド政権軍は9日、イドリブ県南部や隣接するハマ県北部で23回もの空襲を行った。政権軍と反体制派は今月1日に停戦を発表したが、反体制派の主力である過激派組織《レバント解放機構》が撤退を拒否したとして、政権軍は5日に攻撃を再開した。
アリスは、わたしが貸したタブレット端末でTwitterも良く見ており、多くの個人や企業・団体等をフォローしているのだが、特にボニー=キッパーマンという人物(女性なのだろうか?正体はジャーナリストか何かなのか、良く分からないけれど)のツイートを見て被害に遭った子供達の画像(カラー写真)を保存している。
「ねえ、見て見て。メアリー先生とシンシア」という風に、わたし達にもその保存した画像を見せてくれるのだが……「ほら、これはあたしみたいな金髪(ブロンド)の幼い女の子よ。やや、プラチナブロンドかしら?お人形さんみたいに整った顔立ちで可愛らしいんだけど、無表情で痛ましいわね。まあ、紛争が酷いせいで、感情も摩耗して仕舞うのかしら?」「そうかもね。アリス、どうしてシリアの子供達の画像を沢山タブレット端末に保存してるの?」わたしは、一寸不思議に感じてそう尋ねた。何故なら、その子供達の映像(写真)には、正視には耐えない凄惨なものも含まれていたから。例えば、男の子が頭部と片脚を爆撃で吹き飛ばされて、腹部からは赤い腸がはみ出していたり……
「どうしてって、それは、あたしも見ての通りまだ八歳の子供だからよ。大人と子供って、全然違う生き物なのかしら?でも、メアリー先生だって子供時代は勿論あったんでしょう?」「まあね。随分と、奇妙な子供だったと思うわ」「ボーイフレンドはいた?ああ、違うんだっけ。ご免為さい……」「いいのよ、別に。今更気にしてはいないから。ジュリアもそうだった」「ふうん」「ピンクフロイドの《夢に消えたジュリア》という曲が大好きなの。ジョン=レノンの母親も……」「あたしは、日本のアーティストのきゃりーぱみゅぱみゅが好きよ!」
不思議と、アリスは何かと日本贔屓らしい。まあ、実はわたしもそうなのだが……美術(アート)も日本のものに深い関心があるし……例えば洋画家。二日前、8月9日はNAGASAKIに原爆が投下された日だった訳だが、長崎に住んでいたKenYoshiokaという今では日本本国でも殆ど知られずに埋もれて仕舞った洋画家が、わたしは非常に好きだった。その画家の存在は、Tomokoを通じて知ったのだが……
『吉岡憲という長崎の画家は、天才肌だったものの性格破綻的なところも多分にあって、夫人をDVで悩ませたそうよ。髪の毛を掴んで部屋中を引っ張り回したり』そう、Tomokoは教えてくれた。性格破綻者……『吉岡憲が、原爆投下の影響を受けたのかどうかは良く分からないわ。被爆者の中には、広島と長崎の両市で不幸にも原爆被害に遭った人もいるのよ。御存知?』『いいえ、それは全然知らなかったわ。驚かされるわね』『でもまあ、今では広島も長崎も立派に復興を果たしたけれど。その為に、若い世代には、大東亜戦争の原爆投下と言っても中々ピンと来ない人達が多いんじゃないかしら?』『ダイトーア?』『大東亜戦争というのは、第二次世界大戦当時の日米戦などの呼称なのよ。太平洋戦争とも呼ぶけど』『どう違うの?』『大東亜戦争というのは、当時の日本側からの呼称で、太平洋戦争とは戦後になってアメリカのGHQ統制下で考え出されたものよ。沖縄戦では……』
それから、Tomokoは、AMAMIという南の島で暮らしたToshioShimaoという作家についても教えてくれた。ToshioShimaoは、太平洋戦争当時、AMAMIで船舶に依る特攻隊を指揮していた将校・隊長であったらしいのだけれど。特攻隊……ゼロ戦と戦後になって呼ばれた戦闘機に依る《KAMIKAZE》特攻隊についてなら、僅かながら知識があったものの、日本海軍の船舶に依る特攻隊の存在は、わたしは知らなかった……『でも、船舶とは言っても、地元の漁師に供出させた小舟を改造した、お粗末なものだったそうよ。だから、若しも命じられて出撃すれば戦死するのは確実だった。まあ、現代のイスラム過激派の自爆テロに似ているかしら?』『自爆テロ……でも何故、そんな命令に唯々諾々として従うの?宗教的な理念から?』『いいえ、違うわ。家族を護る為よ。それと、逆らえば非国民と呼ばれて死よりも酷い屈辱が待っていた。イスラム過激派みたいに洗脳されていたし』『だけど、日本の天皇(エンペラー)の存在は……』『天皇は、中国の様な皇帝(エンペラー)とは一寸違うわね』

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2026年01月03日

宇多丸ほか: ライムスター宇多丸のシネマランキング2025〜2025年洋画邦画リスナー/評論家評

宇多丸ほか: ライムスター宇多丸のシネマランキング2025〜2025年洋画邦画リスナー/評論家評
2025.12.24
2025.12.25
TBSラジオ『After6 Junction』
◆ リスナー部門ランキング
ー12月25日木曜日クリスマスでございます。 メリークリスマス・ミスターローレンスでございます。 今夜は番組丸ごと年末恒例の特別企画ライブの「シネマランキング2025」第2夜最終夜でございます。早速ですが,リスナー部分トップ10の発表を行きましょう。スペシャルパートナーの奥浜レイラさん,一緒にリスナー部門の順位発表お願いいたします。
ーそれでは行きます。 ライムスター宇多丸のシネマランキング2025/リスナー部門。 投票総数998票から決まったランキング発表します。
第01位: ワンバトルアフターアナザー (115票獲得)
第02位: スーパーマン (93票獲得)
第03位: トワイライトウォリアーズ〜決戦九龍城砦 (90票獲得)
第04位: ウィキッド〜2人の魔女 (75票獲得)
第05位: この夏の星を見る (64票獲得)
第06位: 羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来(59票獲得)
第07位: みんなおしゃべり (48票獲得)
第08位: 今日の空が一番好きとまだ言えない僕は (36票獲得)
第09位: 普通の子供 (35票獲得)
第10位: F1 (32票獲得)
ーよいしょー。2025年リスナー部門トップ10結果発表でした。投票いただきありがとうございます。 この後各作品の投票,コメントなどなどご紹介していきたいと思います。 ライムスター宇多丸のシネマランキング2025。 劇場で公開された映画を批評するコーナー「週刊映画時評 Movie Watchmen」で紹介した50本の中から,リスナーが選ぶシネマランキング。いつも恒例ですね,この第6スタジオからお送りしております。
◇『F1』(第10位, 32票獲得)
ー第10位『F1』です。
ー私の2025年ベスト作品は『F1』です。最高の劇場体験をさせてくれました。 宣伝では「地上版トップガン」と散々言われ,期待値がかなり高かった本作ですが,見事に観客の期待に答えてくれた作品でした。正直私としては『トップガン〜マーベリック』を超えたのではないかと感じたほどです。でも一番は60歳でロマンスシーンを不自然に感じさせないブラピですね。
RN: おでんクン
ーそうですよ。
ー「今時の映画なら,絶対にそこ踏み越えないだろう」っていう一線をサラリと踏み越えちゃうって,これブラピ力だよね。
ーうん。照れが全然ない。
ートム・クルーズであれ誰であれ,あの感じでやったら,ちょい「うわ」ってなる。世界の誰でもアウトなのにブラピだと,もうそれご褒美だから,それは。しかもそれをさ,もうフツーのように保ってんのが,当たり前のように保ってることですよね。
ー実は私来日された時に,色々とイベントを3回ぐらい一緒にやらせていただきまして。本当すごいですよ。2日前に「明後日日本行くから」みたいな感じで,決まっいぇ。3日前かな。「今週行くから」みたいな感じで決まって。そこから大慌てで準備をして。 ご本人は大変せっかちな方でした。
ーせっかち!?
ーあのみんなスタッフが止めてもまだ上映してるのに「もうそろそろ中行っていい?」とか言ってて。 みんなで「ちょっとまだまだ待って,映画終わってから」って言って。
ーそこは『F1』かよ,せっかちだけにって(笑)
ーとってもナイス・ガイでしたよ。
ーだけど昔のハリウッド的というか。ある意味手が届かない世界を「ステキ…」って観る良さもあるじゃないですか。贅の極み,こんな蕩尽の世界もないわけで。 そういう良さ。 景気が良い。
ーうん。だし,中年のその先というか。まあ,その,中年に両足突っ込んだ身としては,これからどう生きていくかという生き方を観せてくれた点は良かったなと思いました。
ー?参考になる?(笑) だって,後進に譲るとかじゃないんだよ。俺がトップだ!みたいな。
ーそうですね(笑) しかも若手とまとってますからね。
ーいや。でもそれがおかしくないのも映画のマジック。
ーそしてブラピのマジックかもしれませんね。
◇ 『普通の子供 』第9位, 35票獲得)
ー第9位『普通の子供 』。
ー今年のマイベストは『普通の子供 』です。環境活動に熱くなる小学生たちを通して,正しさがいつの間にか暴走してしまう怖さとおかしさを子供の目線で最後まで描いた作品でした。 子供にとっては今日の大事件も,大人から見ると意味付け過多だったりして,そのズレがグサっときます。そして何より監督の演出力と子役たちの芝居が,これからの日本映画の中で,さらに1段階進化したと考えさせてくれました。
RN: たーちゃん
ーメイちゃん可愛いなー。
ーあの娘,舞台挨拶でもあのまんまなんですよ。
ーあのノりなんだ。
ーあと主役が島田哲太君やってるんですけど,彼もあの感じなんですよね。
ーでも脇に至るまで素晴らしかったですよ。ですしミポさんはちょっとまた…なんつうの?こんなことこんな映画撮れる?っ映画ですね。 前から上手いけど,にしてもね。ちょっとネクストレベルというか。『僕が来てる2つの世界』も聾唖者という意味で攻めた作品です。
◇ 『今日の空が一番好きとまだ言えない僕は 』(第8位,36票獲得)
ー第8位,『今日の空が一番好きとまだ言えない僕は 』です。
ー前半はぬるい恋愛描写が続き,満席の客席も何となく弛緩した空気であったのが,中盤の伊東蒼さんの台詞で一転。観客全員がスクリーンに吸い込まれるような緊張感あふれる空気に変わる瞬間を体感できたのは,私の今年のベストでした。 なので本作に一票です。
RN: 娘の名前はレイチェル
ーまァでも,前半も普通の撮り方してねェぞ感はありましたよね。極度に音楽がないとか。
ーそうですね。 さっちゃんの暗がりのシーン,これは只ならぬ事がのきてるぞと。
ーやっぱこの原作に対して私はこうだっていう脚色ってこういうことできんのかって。 全く同じ台詞,同じ原作を元にして全く違うところまで照らして見せるっていうか。原作が多分想定してなかったところまで進ん照らして見せる。こんなことできるんだ,映画化ってって思ったり思わなかったり。 なんで,後で話題に出たり出なかったり。
◇『みんなおしゃべり 』(第7位,48票獲得)
ーそしてこちらはこちら第7位ですね。 『みんなおしゃべり 』。のりフジXさんからいただきました。
ー『みんなおしゃべり 』に投票します。 この映画の魅力は一で言えば,あなたが言いたいことがわかるという人類の根源的な喜び,これに尽きると思います。 劇中で何度か訪れるこの瞬間の度に,なぜかウェッと餌付くぐらい感動してしまいました。この映画は単にファンタジー的ないい話ではなく,我々はこのように死力を尽くしてお互いを分かろうとし,分からなくても受け入れ合うしか生きられないのではないか,という超現実的な寓話だと受け止めました。映画的には編集のテンポなど荒い部分もあったと思いますが,今年一番人に勧めめたい映画ならこの1本です。
RN: のりフジX
ーなるほど。 あの,ちょっとここで1つ補足したいことがあるんですが。でも,この話は後で?取っておいた方が?いい。
ー特にうちの番組的には,やっぱり今年すごく話題にさしてもいただきました し,劇場もすごくちゃんと入ってたそうです。そしてまた全国での上映がどんどん決まってっているようで。で,あと新たに見た人が「うわ…これ新しい」って感じで衝撃受けてるなんて話も聞くんで,いいことだと思います。
ーそして実際シネマ・チュプキ・タバタはもう年末まで満席だそうです。
ーこの作品はチュプキで見たい感じもある。
◇『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』(第6位,59票獲得)
ーそして第6位『僕らが望む未来』 。
ー今年ベストにあげるのは『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)2 ぼくらが望む未来』です。今度は戦争だ。冒頭の会館襲撃から死人が多数出る展開で,明確にシリアスなトーンの本作。テクノロジーと,ファン両者の対立と理性的な強制のあり方も前作からさらに深化してるといえます。一方で随所にコメディ要素を盛り込むバランス感覚はさすがの一言です。さらに前作からマシマシになってるハイスピードアクション。ポータルやマンホールといったオブジェクトの使い方1つ1つが論理的でダイナミックのカメラワークを見ているだけで陶然とさせられます。そして,まさかこのシリーズで航空機パニックものが見られるとは。救助ギミックも新鮮ですが,同時にシャオヘイの人間に対するスタンスの違いを明確にするシークエンスでうますぎます。リアルタイムな日中関係でより重く響くテーマではありますが,そんな背景など無関係にあらゆる面で優れた大傑作であるのは間違いなく,アニメーションを1つの到達点として刻まれる名作です。
RN: 飯倉
ー今の政情っていうのは別に俺たちと関係なくやってる事だし。我々が揉めだしたわけではないということがありますし,政情に乗っかる必要は全くないと思っておりますが。
ー私達は,こうやって描かれる文化に支えられてますから。
ーカルチャーは平気で国境超えちゃいますから。
◇『この夏の星を見る 』 (第5位,75票獲得)
ラジオネームじゃあグレートね。
第5位この星のこの夏の星を見る。
ー今年ぶっち切りに好きだった映画『この夏の星を見る 』 です。舞台はコロナ禍真只中の2020年。どうにもならない葛藤や悩みに,自主的に行動を起こし,連帯する学生達に号泣。 さらには台詞でなく映像で語る映画手法がサイコーでした。え,今作が商業長編映画デビュー作とは思えないほど,映画上手男ぶりを発揮した山元環監督に大エールです。
RN: グレート・カテキン
ーこれはいい映画でした。
ーあんなに染みる事あります?
ーいや傑作でございました。 後日山元環監督にインタビューする機会がありまして。こういう話を取っておくべきです。 トークショーやったんですけど,やっぱり例えば台詞に頼らない映画的表現だよみたいなのは,もちろんものすごく意図的にというか,ご自身の映画観というか「映画ってこういうものだ」という一言一言がとてもとても素晴らしかったから。必然的に捉えてる傑作だなと思いました。
◇『ウィキッド〜2人の魔女』(第4位,75票獲得)
ーさあ,そしてそして第4位ですね。
ー4位は『ウィキッド〜2人の魔女』です。
ーパート1ですね。
ー元々ミュージカルというジャンル自体,そこまで得意でなかったのですが,今回の『ウィキッド〜2人の魔女』には本当にうちのめされました。 パフォーマンスと圧巻の歌唱シーンに至るまで,その一つ一つ思い出すだけでも感情が込み上げ涙が溢れてしまいますね。
RN: 茨のポニョ
ーはい,他にも力丸さんからいただきました。
ー『ウィキッド〜2人の魔女』に1票です。 劇場で鑑賞した際,隣の女性(おそらく複数回ご覧になっていると思われる方)が開始5分で泣いていたのが印象的でした。私もそれに見合う出来だと思います。続編が今から楽しみです。
ーはい,待ちきれないよ。これ本当にそうで,まもちろん話の行き先を知ってればいるほど,もうオープニングからそれは悲しい切ない。
ーそうですよね。だってあそこに行き着く話でしょ。それを説明する。 あのアリアナ・グランデ(グリンダ役)の明るさと,その裏にある悲しさ,切なさ,そして反省みたいなものが。
ーそうね。あとみんなその名前を呼んできたやつさ。 それがさ,それも,いや,それってそういうことじゃ…みたいなさ。先回りして悲しい部分もあるし。パート2(2026年3月公開)ね。 もちろんシナリオ自体は,昔からある原作小説があって,ミュージカル版があることだけども,こういう風に映画版という風に畳んでくれるのか楽しみ。
ーエルファバとグリンダが,こうやって映画で描かれるっていうことで,まず私は胸アツでしたよ。 やっぱり敢えて女同士の友情が描かれるっていうことで,ちょっと後編は2026年3月公開なんで,まだ観られないですけど,楽しみにしてます。
◇『トワイライト・ウォリアーズ〜九龍城砦決戦』(第3位,90票獲得)
ーみんな大好きというかね。もう日本でもファンダムができましたね。
ねえ。
ー『トワイライト・ウォリアーズ〜九龍城砦決戦』に投票します。 こんなにアツくて切ない映画だと思っておらず,面白すぎて思わず鑑賞後拍手してしまいました。 最近はあまり香港映画観ていませんでしたが,サモ・ハンやルイス・クーのような年長組から若手組へのバトンを描くストーリーに今後の香港映画の未来を重ねました。 香港の新参たちに出会わせてくれたことに感謝の気持ちです。
RN: 茨のポニョ
ーアクション,美術,役者陣の顔つき…観てるうちにあまりに面白いと思えるシーンが連打され,脳が痛風になってしまいました。
RN: ガイ
ー(笑) 面白さ養分摂りすぎちゃってみたいな。やっぱり我々ちょっと常に心を片隅みによく通っていきたいですよね。 いや,でも面白かったな。
ー最高でしたね。
◇『スーパーマン』(第2位, 93票獲得)
ー続きまして『スーパーマン』。獲得票数は93票ですね。
ー今年のベストは『スーパーマン』です。ヒーロー映画として素晴らしかった。人を救うって綺麗事。それを大声で言うのがヒーローだよね。ありがとう。ジェームス・ガン。 これからのDCが楽しみ。クリプト最高。
RN: 黒蜜
ーわかるよー。
ークリプトはね。あの『スーパーガール』でも大活躍のようですから,楽しみです。
ー原点にして頂点。最強にして最もピュアなスーパーマン。政府は腐り,金持ちが蔓延り,排外主義が蔓延する中,スーパーマンは葛藤しながらも,ただ純粋になすべきことをなす姿勢に胸を打たれました。いくら最強とはいえど1人で世界は救えない。 だからこそ,世界や誠実なジャーナリズム,何より今この時代を生きる我々1人1人が行動を起こすことが重要なのだと,まさかスーパーマンから教わるとは。スーパーヒーロー斜陽の中,ストレートかつ純粋に人間の善性について解くこの作はまさにパンクロッカーだと思いました。
RN: 黒蜜
ーええ,本当ですよ。 もう皆さん言ってくださるから。本当にこの通りですよね。
ー私も『スーパーマン』すごい好きでしたね。人間がちゃんと活躍するっていうか,ちゃんとやるとこも含めてね。
◇『ワンバトルアフターアナザー』(第1位,115票獲得)
…というわけでこの時間では,冒頭に発表したリスナー部門トップ10を投票,コメントとともに振り返っていきたいんですが。 1位。投票コメント読んでいきたいと思います。『ワンバトルアフターアナザー』ですよ。強い。115票獲得。
ーうん。 これ週刊文春シネマの読者ランキングベスト10でもこれ1位になってました。
ー脚本,衣装,アクション,コメディ,メッセージ,どれをとっても最高初回観終わった後,冒頭から最後までのシーンをほぼ全て脳内再生という人生,初めての快挙を達成しました。PTA/ ポール・トーマス・アンダーソン監督により計算された精巧な脚本により,全てのシーンがいい意味を持って繋がっているということだったのだと思い知らされました。 私は恥ずかしながら本作がPTA初作品。 アトロクリスナーにあるまじきド素人ですが,本作で感銘を受け初期作品『ハードウェイト』からのPTA作品,マラソン観劇して楽しく過ごしています。
RN: サンセット・モーメント
ー1回目観て最初から最後まで思い浮かべられたってぐらい全部が強力だったってことかな。 いいね。 だし,やっぱり通底するものみたいなのもあるよね。
ーありますよ!確実に見て取れるんじゃないですかね。
ーもう1個行きましょう。
ー『ワンバトルアフターアナザー』が今年のベストです。何と言っても余裕のないディカプリオが大好きで,今回のボブ演じるディカプリオは真骨頂でした。やはり彼の最高にかっこいい顔は,追い詰められてこそ輝くのです。 追われて,キレて,走って,充電して…のディカプリオは見ていて楽しくて仕方なく,そこに『ノートルダムの鐘』のフローローのような歪んだ性癖を纏ったショーン・ペンがいるのだから面白いに決まってます。 また,後の語り草確定演出の高低差を利用したカーチェイス。 あれを映画館で観た時には,あまりの新しさに「ああ…こういうのに出会えるから映画が好きなんだな」と自分を見つめ直すほどワクワクしました。 面白さはもちろん,このワクワク感までも与えてくれる映画はそう多くないので,今年ベストは『ワンバトルアフターアナザー』で決まりでしょう。
RN: アルク・フィクション
ー(笑) ダメプリオ。これね。
ー今ね,奥浜さんと私が,何故こうフニャフニャしてるのかというと,週刊文春シネマの読者ランキングベスト10でも『ワンバトルアフターアナザー』が1位。リスナーランキングでも『ワンバトルアフターアナザー』が1位。じゃあ宇多丸さん,あなたの1位は?…フニャフニャってとこです。でも強力な一本ってのは間違いない。PTA/ ポール・トーマス・アンダーソン監督の作品,どれも面白いけど,こんな映画撮っちゃう?みたいな。
ーポール・トーマス・アンダーソン監督だもんね。こんな感じでございます。はい,はい。でもリスナー投票はやっぱしいいね。なんかちゃんと抑えるとこ抑えた上でポピュラリティ的なとこあってさ。
ー私ラジオネームで投票したんですけど入ってませんでした。
ーあら! ラジオネーム何何?投票した?
ー『リアルペイン』。
ーやっぱいいですね。ということで,まだまだメッセージ募集してます…
◆ 宇多丸シネマランキング
第01位: ワンバトルアフターアナザー
第02位: ウィキッド: 2人の魔女
第03位: 普通の子供
第04位: スーパーマン
第05位: アプレンティス: ドナルド・トランプの創り方
第06位: ルノワール
第07位: 無名の人生
第08位: シンシン/SING SING
第09位: アイム・スティル・ヒア
第10位: みんなおしゃべり
ーここから宇多丸シネマランキングです。 …いや全部1位。映画に順位なんてない(笑)
ー全部違うらしい(笑) これ違うんですか?
◇『みんなおしゃべり 』(10位)
ーやり直します(笑) いや,大雑把に振り返って…そうですね…例えば『顔を捨てた男』って映画が,普段我々が観てる映画ってとってもなんていうか,コントロールされた絞られたもんだったな,それを問うてもいないってことに気づかされたし,やっぱり映画がいかに限られた視点でしか作られてないものだったか?という事。映画ってある意味,限られたもんであることを気づかせてくれたし。でもさこれって,別に例えば聾唖の人とか,言葉が通じづらい外国圏の方…この映画で言えばクルド人とか,他の人も出てきますけど,そういう人って,じゃあ我々がフツーに例えば路上にカメラを向けたら,いろんな社会にフツーに最初からいるんですよ。だからいかに我々がそういうものを取りこぼして来たのかって事。それをバンバンバンぶち込んでいく。だから今までに見たことがないタイプのストーリー・テリングに当然なってく。最初から話が通じないっていう。ってか誰とも話通じないっていう。で,さらにはまた違う形で話が通じない人が出てくる。じゃあ話が通じてると思ってる人同士も,意思疎通出来てるのか?っていうと,全然。ってところで,そこからさあ,どうなんの?というようなのも含めて。だから話の構造もとっても良くできてるし,川井監督の計算もバッチリハマってる。なんていうかな…ある意味,意識高い/コンシャスでありつつ,しょーもないコメディっていうか。 参りました。素晴らしかった。
◇『アイム・スティル・ヒア 』(9位)
ー『アイム・スティル・ヒア 』ですかね。ブラジルの独裁政権下,「よっと来てください」なんて警察に呼び止められて「じゃ,ちょっと警察でちょっと取り調べ受けてくるよ,大丈夫。悪い事してないし」って,そっから帰って来ませんでした。どうなってんの?って事で,奥さんとパートナーが調べて調べて。でもなかなか手掛かりはないっていう実話で。でもまァこれは,俺がどこがいいとかいうまでもない立派な作品で。こういう重いテーマながらも,やっぱここまで観客入ってるだけあって,やっぱこんな話だけど面白い。なんだろうな…家族の長いスパンの事を,お母さん視点で語ってくっていう。さらには大家族の子供達の視点も入ってく事でサスペンス味も深まる。さらには,時代が変化してくのを音楽で表現してく事による奥行き感。僕ブラジル音楽詳しい訳じゃないけどなんかそういうスマートさ。もちろん演技は素晴らしい。 本当にこれぞ映画という。
もしご覧になってない方観てください。
◇『シンシン/SING SING』(8位)
ーえっと『シンシン/SING SING』ですねけど。 これは,特に男性の自己開示の下手さってのがある中での,演劇による自己開示。
ー演劇の役の上での自己開示ならいいんだっていう。
ーうん。自己開示をしていく上での救いを,当事者出演でやるっていう。それを踏まえた上で最後まで辿り着くと…。いい映画そうなルックスだからいい映画じゃんって思うでしょ?ところが…(笑) 思ってるより全然いいから。現実に想像する希望っていうか。
◇『無名の人生』(7位)
ー時間まずいな…『無名の人生』。 一人で作られたってう。これ,やっぱしこんなこんな面白さの醸し出し方があるんだっていう。こんなストーリーテリング。 言っちゃえば定点カメラでの100年間定点観測。
それでこんな。でも日本の現在,過去と未来をめちゃくちゃどんだけ照射してる感じが。ひっくりかえりました。
◇『ルノワール』(6位)
ー最高『ルノワール』どうしてもこれ入れときたくて。ひょっとしたら他の人入れたりしないかって思ってて。 俺は『ルノワール』。まず1人っ子映画の金字塔来る。 俺の考える一人っ子感。女性と男の子っていうのあるけど。今年一番ヒヤヒヤしたっていうか。サスペンスっていうか。
◇『アプレンティス: ドナルド・トランプの創り方』(5位)
ー『アプレンティス: ドナルド・トランプの創り方』最高でした。一代記ものって色々あるけど,トランプの本質捉えてると思うし,非常に都合が悪いと思いますし,トランプなるものを捉えつつ,ピカレスクロマンとして
一代記ものとして色々なタイプあるけど,面白いと思った。ニューヨークの移り変わり捉えた映像表現面白いし。俺的には普通に面白い映画枠っていうか。 『国宝』みたいな一代記ものが良いと思った人にはおすすめです。ここを観て非常に気分は悪くなるかもしれませんが。 あと終わり際に,あなたこれ伝記にならいんスけど?みたいな(笑)「人間動物だから人にやっぱ勝つのがはみんな好きだから」って(笑)
◇『スーパーマン』(4位)
ー私は 『スーパーマン』のハードル高い人ですけど。クリストファー・リーヴ好き過ぎて。だけど私の考える限りの最高値叩き出してくれたと思うし,ヒーロー映画ってか,今どき絵空事映画なんか観てられっかっていう状況下,敢えてヒーロー映画っていうことを高らかに宣言してくれた作品でした。
◇『普通の子供 』(3位)
ー上位3位はカタかった。3位『普通の子供 』。近江某監督が,もう画期的な子役演出。歴史的演出。
◇『ウィキッド: 2人の魔女 』(2位)
ーこの時代のエンターテイメントの仕事として,もう文句なし。歴史修正主義に対する警告も入っていて。サイコーでした。
◇『ワンバトルアフターアナザー』(1位)
ーああ,もう時間がやばいですね。そして第1位は! チキショーやっぱり『ワンバトルアフターアナザー』!え何? 全部入ってて全部面白くて観た事ない映画。映画って面白いって思わなかった? チキショーありがとうございます。
◆ Ms.メラニー・シネマランキング
第01位: ワンバトルアフターアナザー
第02位: 国宝
第03位: レンタル・ファミリー
第04位: KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ
第05位: 教皇選挙
ー…この時間はこの方のシネマランキングお伺います。アカデミー賞ウォッチャー・Ms.メラニーさんです。いらっしゃいませ。
ーよろしくお願いいたします。
メラニーさんは某映画会社に務める会社員でありながら,アカデミー賞ウォッチャー,アメリカのアカデミー賞のウォッチャーとして活躍中。予想をして楽しんだりするという,この番組ではお馴染みの方でございます。2020年1月にはご自身のメソッド,どうやって予想するのか,そういうのを予想してどこに入れる?って考えたりとか,色々調べたりするのが楽しいんだよと。より映画観るのは楽しくなるよというご著書『なぜオスカーは面白いのか? 〜受賞予想で100倍楽しむアカデミー賞』を発売するなど,様々なメディアでアカデミー賞要素の面白さ,ひいては映画の面白さ広めていらっしゃいます。この番組ではアカデミー賞特集は,この村山章さんと「レオナルド・ディカプリオ総選挙」大いに盛り上がりました。 スペシャ楽しかったですね。スペシャルきっちり聴取率も叩き出してよかったという感じでございます。ということで,メラニーさんはい,今年もたくさんご覧になったと思いますが…
ーそれがね。今年観てないんですよ。 全然実は忙しくて。私これ後の方で言うべきことなんですけど,新刊を出すんですね。 で,その執筆を,夏の間ずっとしてたんで,実は7月から9月一度も映画館に行かなかったんですよ。家でトムクルーズのネタばっかりやれたんで…
ー…大変だったと思いますが。トップ5。 5位からお願いいたします。
◇『教皇選挙』(5位)
ーはい,えっとまず5位は『教皇選挙』。
ーこれ,去年出さして頂いた時もそうだったんですけど,オスカー関係の作品って難しい。シーズンが終わるともうほぼ振り返ることがないんですね。 もう過去のものになっちゃってて。 だからあんまり今年もこの間のオスカーのものは入れたくないなというところがあったんですが,とは言いつつも結局去年のこの時にはまだ観てないっていう作品の中で,『教皇選挙』は本当に面白かったんですね。 前回97回アカデミー賞の作品の中では,私はこれがダントツで面白くて。でなんと言っても,内容的には多分もうかなり前の映画なんで皆さんご存知だと思うんですけれども,大ヒットしましたね。 ロバート・ハリスの原作で,教皇が亡くなって,そのコンクラーべをやって誰が次になるかっていうところの,中でのいろんな駆け引きとか,そういうようなことで最終的に誰がなるかっていうようなことを見せていく作品なんですけれども。 なんと言っても本当にこの作品がすごかったのは,これ日本での興行が11.5億行ってるんですよ。 私それはすごい嬉しくって。本当に今ミニシアターの作品って難しいんですね。 非常に劇場公開して,そのお客さんがなかなか入らないっていう中で,10億とか行く映画なんて本当にないんで。洋画の話なんですけど,ないんですね。 その中でただこの映画は,もう本当に「映画っていうものはこういうものであるべき」っていうような映画だなと私は思ったんですけれども。 もう本当に脚本も脚色賞をオスカーで取ったんですが,脚本も素晴らしいし,それから演技も…演技って結局は演出なんだと思うんですけれども,その監督のその力量もすごいし。あと絵が綺麗で,もう本当に絵になる。切り取って色だったりとか,スチールにした時に魅力的に見えるような。 もう絵が本当に綺麗だから絵もいいし。 あとこれスコアもすっごく良くて,音楽なんかもうとにかく映画ってこういうもんだよねっていう。観終わった後に興奮して誰かに話したくなるような映画って,私一年にそうないんですけれども,この作品はそうだったんですね。 今年の1月に試写で観たんですけれども,この映画,まァでもこういうのはとても難しいんだろうなっていう風に思ってたら,もちろん,実際の教皇が亡くなって,実際のコンクラーベが行われたっていうすごいタイミングでした。そう,すごいタイミングで。だから話題性みたいのもあったし。 もちろんそのオスカーノミネートされたっていう話題性もあったし。でもこれ脚色賞しか取ってないんですよ。 で,普通その結構本名視されているオスカー作品が取れなかった場合って,逆に働いて,すごく期待が大きかったのに結局取らなかったら…っていうので入らないことが多いんですね。 でもこれ興収11.5億行ったっていうのが,なんかちゃんと日本の観客がいいものをいいと思って観に行くっていうで,口込みで広がって,みんながちゃんと評価するっていうのが数字に現れたっていうのがなんか本当に嬉しくて。というので,これはちょっとやっぱり話しておきたいなと思いました。内容的にも本当に面白かったですね。宗教について考えさせられることでもあるし。 あと,本当になんかその結局こんなに古い体質もというか,カソリックのチャーチの中で,新たなその改革派みたいな人たちの考え方みたいなのが出てきたりとかするじゃないですか。すごく意外性があるっていうか,びっくりするような内容だったんで,本当に面白かったんで,まだご覧になってない方は是非見ていただきたいなと思います。
◇『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』(4位)
ー4位『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』。ネットフリックスで配信されて,そして多分来年のグラミーすら席巻するといわれるアニメ。
ーそう。まさにそこポイントです。私実はアニメが苦手で,ほとんど観ないんですよ。何故観ないかっていうと,苦手意識があるっていうのもあるんですけど,実際に見てあんまり感動したことがなくて。なんかこうすごく世間一般にヒットしてる作品とかでも,観てあんまり感動とかしないんで,そもそも観ないんですよ。 だけど,たまにこうやっぱ社会現象になるような作品は観た方がいいなとか,観なきゃなっていうのがあって。で,これに関して言うと,正直アメリカで本当にすごい社会現象になっているので,オスカーに絡んでくる可能性が結構高いと。
ーまあね。結構でも一番最有力じゃないですかね。
ー長編アニメでいうと『ズートピア』とか,他にも強い作品はあるんですけれども,ただ,それも多分入ってくるだろうなというところで,観なきゃいけないなと思って。 割と私今回あんまり観てないので,やっぱアカデミーウォッチャーの責任感で観た映画が多いんですけど,それで観てみたらめちゃくちゃ面白くて。すごいなって思ってちょっと感動してしまったんですね。で,確かに『スパイダーマン〜スパイダーバース』を何年か前に観た時も「こんなアニメが出てきたんだ最近」と思って。で,あれもソニーのアニメーションなんですよね。 で,これはネットフリックスとソニーていうことで。 オスカーの長編アニメーションって,基本的にあのディズニーが作ったものというか,ディズニーのために作ったような賞なんですけれども。 やっぱりディズニーとか,ピクサーってもディズニーの傘下だったりして,そこが一人勝ちしてても面白くないじゃないですか。 で,そこでこのソニーアニメーションが本当に最近,他とは違う面白いアニメを作るっていうところが,ああさすがだなと思って。でもちろんその出来の良し悪しだけじゃなくって,やっぱりその配給だったりとか,いろんな要素が絡むための力学条件っていうのがあるんですけども,ただ,これは本当になんか結局ティーンの子供がいる家は,これ何百回とか家でかけられてるらしくて。だからみんなゴールデン歌えるみたいな。で私この作品に関してすごく良かったのが,歌がすごくキャッチーで,実際にグラミー席巻すると言われるぐらいにヒットしてるじゃないですか? アカデミー賞のそのオリジナルソング賞っていう歌曲賞っていうものって,本来そういうみんなが歌えたりとかヒットした歌であるべきなんですよ。 で,80年代とか本当にそういうのばっかりだったんですよ。 『トップガン』の『Take my bless away』とか…
◇『レンタル・ファミリー』(3位)
ー第3位『レンタル・ファミリー』これめっちゃ観たいと思ってる。
ーあ,まだご覧になってないですね。 お話し的にはハリウッド俳優のブレンダー・ブレイザーが,日本で俳優として一応なんかコマーシャルに出たりとかそういうようなことをしながら生活してるんだけど,すごく孤独を感じていて。で,そんな中で,レンタルファミリーって,実際に役者を雇って何かの役割を演じてもらうお仕事みたいの請ける会社が日本にはあるらしいんですけれども,そこで頼まれて,誰かのお父さんだったりとか,誰かの息子だったりとかいうのをやってくださいって言われて。彼がその中でいろんな気持ちになるんだけれども,まァいろんな出会いがあって…みたいな感じのお話なんですが,すっごくいいのが,HIKARIさんが監督だっていうところで,日本がなんかなんちゃって日本じゃ全然ないんですね。ちゃんとした日本なんですよ。 で,これ言ってみれば,なんか『ロストイントランスレーション』みたいな話というか,ちょっとそんな感じの映画なんですけれども,その『ロストイントランスレーション』を外国人の側から撮ってるんではなく,ちゃんと日本人が外国人の気持ちもわかった上で撮ってるっていうものなので,非常に日本の描き方が正しいですね。 でプラス,ブレンダー・フレーザーの日本語すごいうまいし,出てる方々の英語もすごいうまいし,なんかおかしなところが非常に少ない作品で。それだけで大変好感度が高いんですが,日本映画のいいところっていうか,私すごくこの映画が良かったのは,悪物が出てこないんですよね。 悪役というか。アメリカの映画とかって,やっぱりそのプロタゴニスト…主人公がいて,でとっても悪い悪役がいて,その対抗関係みたいな,対立関係みたいなところが話になっていくものが多いと思うんですけども,日本の映画って,寅さんとかがそうだと思うんですけど,そうじゃないところにちゃんと話を作っていく,ドラマを作っていくっていうのがすごくうまいと思うんですね。 で,そのなんかエッセンスがすごくある作品で。だから,とっても観ていて気持ちがいいんですよ。でもう涙あり笑いありで。あともうなんかやっぱ柄本明さんとか素晴らしいんですよ。で,なんかブレンダ・フレーザーもいんなとこでインタビューとか受けて柄本さんのこととかも絶賛してるんですけれども,なんかそういうハリウッド映画で日本のそのすごいいい俳優がちゃんと実力を見せるみたいなところがすごく良くて。なんか柄本さんには本当泣かされる。
ーということで『レンタル・ファミリー』来年の2月27日公開。これ僕もめちゃくちゃ楽しみしてます。
◇『国宝』(2位)
ーはい。第2位『国宝』。
ーこれはもう,なんか1つ日本映画入れたいなと思って。でやっぱり興収180億行くとか,そんな映画なかなかないので。
ーまァこんな言い方あれだけど,すごいちゃんとした映画です。
ーいやすごい映画自体良かったけど,ちゃんとした映画でこんな行くなんてね。やっぱりこれは乗せとくべきだなって。今年はすごい日本映画の豊作の年だったなと思っていて。
ー『敵』とかね。
ー一番最初に観た映画か『敵』なんだったんですけど,とかなんかいい映画がいっぱいあったんですよ。 『遠い山並みの光』とか,なんか色々入れたかったんだけど,でもやっぱ『国宝』かなと思って。多くを語らずもこれは皆さんご覧になってると思うので。よかったっていう。
ー映画業界の人でもあるから,ちゃんと映画館に人戻ってきたね。そういうことですよね。
ーそう,そうなんです。だから私今回選んだのは,ほぼ1位だけはぶっち切りで好きだったから選んだだけなんですけど,他は結構本当に映画業界に貢献してくれたから。で『国宝』はオスカーの賞リストに残ったんで。まだ外国部門の5本の1本に残る可能性がありますんで。
ーそれはもっと話したかったんだけど,これ僕の票で,本人がやるアクションスタントってワンダーがあるから,トムクルーズ推すって分かるような気がする。それでトム・クルーズに観てほしいと。そうそう,そう,そうそう。この人だったらわかってくれる。この俳優たちがどんだけ苦労してこれをやったかっていう,その価値を分かってくれると思って。で観てほしいと思って,ダメ元で渡辺謙さんにお願いして。でその甲斐あって,そしたらトム・クルーズ観てくれて,気に入ってくれて,ああいうことになったっていう話らしい。 すごい話だなと思っていて。までもそれぐらいの価値のある研究だと思います。
ートム・クルーズ繋がりで(笑)
ーそうなんですね。もうトム・クルーズのことばっかり見てるから(笑)
◇『ワンバトルアフターアナザー』(1位)
ー第1位『ワンバトルアフターアナザー』(
ーこれはもう文句なしで。もう本当に面白かったんで,これこそこれぞ映画の醍醐味みたいな。 もう観た瞬間からなんかもう次へと何が起こるのかわからない。この『ワンバトルアフターアナザー』って映画って,観る前何の映画だか全然わかんないじゃないですか? で観始めたら最初から衝撃で,思ってもいない方向にどんどん話が展開していくっていう。 なんかこれこそ本当に映画の醍醐味だなっていう作品を,大好きなPTAが観せてくれたってっていうところが,やっぱりもうね。ぶっち切りで今年の1位なんで。もうぜひ今年のオスカーこれでいいやっていう。
ーそうだよね。 これからなんだもんね。しかもこれはそれこそ普通に観て面白い。 でも批評家筋もみんな喜ぶ。
ーそう。PTAって,今までは批評化筋には受けるけど,一般的にはお客さんはついてこれないみたいな作品が多かったわけじゃないですか。 そこをきちんとエンターテイメント性を入れて,彼がきちんと作った映画ってこんなにすごいんだっていうのが改めてあの分かったのは本当に嬉しくて。もう何度でも見たいなと思う。映画に正解があると変なんだけど,色々そこも含めてそうだけど笑えるし,なんかちゃんとドラマもあるし。

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批評家が選ぶ2025年のベスト映画トップ10発表
映画 公開日 2025/12/31 11:00
2人の批評家が選んだ1位(左から)『ワン・バトル・アフター・アナザー』,『Dreams』
2025年もたくさんの映画が公開された。米エンターテイメント専門誌「VARIETY」が,同誌の批評家2人がそれぞれ選ぶ2025年のベスト映画10作品を発表した。2025年を象徴するベスト映画を選出したのは,同誌で映画批評を手掛けるピーター・デブルージとオーウェン・グレイバーマン。映画の好みは人それぞれだが,それを反映するように2人のチョイスも異なる。
デブルージが選んだ今年最高の作品は,日本で9月に特集上映「オスロ,3つの愛の風景」でトリロジーの前2作とともに公開された『DREAMS』。今年のベルリン国際映画祭にて,ノルウェー作品として初めて金獅子賞を獲得した同作は,女性教師に恋をした17歳少女の赤裸々な初恋手記をめぐる物語が綴られる。彼はこのほか,5位にダニー・ボイル監督による人気サバイバル映画シリーズの最新作『28年後...』,8位にNetflix映画『トレイン・ドリームズ』を選んだ。
一方,グレイバーマンが1位に選んだのは,レオナルド・ディカプリオが名匠ポール・トーマス・アンダーソン監督とタッグを組んだ『ワン・バトル・アフター・アナザー』。うらぶれた生活を送る元活動家の男が,何者かに一人娘を狙われたことから,状況が一転。次々と襲いかかる危機を乗り越え,愛する娘のもとに駆け付ける。ゴールデン・グローブ賞に最多ノミネートを果たしており,前出のデブルージも3位に選んでいる。
2位には,デブルージも6位に選出したティモシー・シャラメ主演の話題作『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』をチョイス。そして6位に『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』,8位には大ヒットホラー『WEAPONS/ウェポンズ』を選出した。
VARIETY誌の批評家が選ぶ2025年ベスト映画トップ10は以下の通り。
【ピーター・デブルージ選】
1位 ダーグ・ヨハン・ハウゲルード監督『Dreams』
2位 ボリス・ロジキン監督『Souleymane’s Story(英題)』
3位 ポール・トーマス・アンダーソン監督『ワン・バトル・アフター・アナザー』
4位 マシャ・シリンスキー監督『Sound of Falling(英題)』
5位 ダニー・ボイル監督『28年後...』
6位 ジョシュ・サフディ監督『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
7位 ジャファール・パナヒ監督『It Was Just an Accident(英題)
8位 クリント・ベントリー監督『トレイン・ドリームズ』
9位 ハサン・ハディ監督『The President's Cake』
10位 ティム・ミーランツ監督『スティーヴ』
【オーウェン・グレイバーマン選】
1位 ポール・トーマス・アンダーソン監督『ワン・バトル・アフター・アナザー』
2位 ジョシュ・サフディ監督『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
3位 ヨアキム・トリアー監督『センチメンタル・バリュー』
4位 ヨルゴス・ランティモス監督『ブゴニア』
5位 アガット・リダンジェール監督『Wild Diamond(英題)』
6位 クリストファー・マッカリー監督『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』
7位 アレックス・ラッセル監督『Lurker(原題)』
8位 ザック・クレッガー監督『WEAPONS/ウェポンズ』
9位 スティーヴン・ソダーバーグ監督『ブラックバッグ』
10位 リチャード・リンクレイター監督『Nouvelle Vague(原題)』

クランクイン
https://m.crank-in.net/news/179021/1











2025年映画興行収入ランキング
2025.12.31更新
2025興行収入ランキング
2025年の映画興行収入ランキング(洋画/邦画/アニメ)と世界興収、おすすめ映画やヒット作の評価一覧です。興行成績や評価の順番で並替え可能。2025年通期(上半期と下半期)。映連基準(前年末の映画も含める)にも対応。2025年1月から12月まで(上半期と下半期を含む通期)に日本国内で公開開始の映画興行収入ランキングと話題作です。リンク先はネタバレあり注意。
◆ 2025年映画興行収入ランキング(日本国内の興行成績)
01位: 劇場版 鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来(387.1億)
02位: 国宝(183.5億)
03位: 名探偵コナン 隻眼の残像(146.6億)
04位: 劇場版 チェンソーマン レゼ篇 (100.0億)
05位: ズートピア2(81.2億)
06位: ミッションインポシブル ファイナル・レコニング(52.6億)
07位: 劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室 南海ミッション(52.6億)
08位: 8番出口(51.5億)
09位: ジュラシック・ワールド 復活の大地 (48.9億)
10位: 映画ドラえもん のび太の絵世界物語 (46.0億)

映画ドラマ評価ピクシーン
https://pixiin.com/ranking-japan-boxoffice2025/












◆ 『この夏の星を見る』
辻村深月さんの同名小説を原作とした実写映画『この夏の星を見る』は,2025年7月4日に公開されました。コロナ禍の2020年を舞台に,部活動や行事が制限される中で「星」を通じて繋がろうとする中高生たちの姿を描いた感動の青春群像劇です。
映画の基本情報
* 公開日: 2025年7月4日
* 監督: 山元環
* 原作: 辻村深月『この夏の星を見る』(KADOKAWA刊)
* 主題歌: haruka nakamura + suis from ヨルシカ「灯星(ともしび)」
* 上映時間: 126分
あらすじ
2020年,新型コロナウイルスの流行により,茨城県立砂浦第三高校の天文部員・亜紗(あさ)たちは,目標としていた合宿や大会が中止になり,絶望の中にいました。「このままでは終われない」と考えた亜紗たちは,オンラインで繋がりながら,同時に天体観測を行う競技「スターキャッチコンテスト」の開催を企画します。東京の中学生・真宙(まひろ)や,長崎・五島列島の高校生・円華(まどか)など,場所は離れていても同じ空を見上げる仲間たちが,画面越しに心を寄せていきます。
主要キャスト
若手実力派俳優たちが,当時の葛藤を抱える学生たちを瑞々しく演じています。
溪本 亜紗/桜田ひより
茨城の高校2年生。天文部。コンテストの企画者。
飯塚 凛久 /水沢林太郎
亜紗の同級生。望遠鏡作りに情熱を注ぐ。
安藤真宙/黒川想矢
東京の中学1年生。ひょんなことから理科部に入る。
長嶺 円華/中野有紗
長崎・五島の高校生。実家の旅館経営に悩む。
作品の見どころ
「あの頃」のリアルな描写:マスク越しの会話やオンライン授業など,コロナ禍を経験した誰もが共感できる「失われた日常」と,その中での希望が丁寧に描かれています。星空の映像美:実際の天体写真家が監修に入っており,スクリーンに広がる満天の星々や,ISS(国際宇宙ステーション)を捉えるシーンは圧巻です。群像劇の繋がり:茨城,東京,長崎と,遠く離れた場所で同時進行するドラマが,一つの「星」を通じて結びついていく構成が非常に感動的です。
> 豆知識: 原作は多くの新聞で連載されていた人気作で,映画公開に合わせ「角川文庫」や「角川つばさ文庫」でも発売されています。
>
◆ 『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)2 ぼくらが望む未来』
映画『僕らが望む未来』は,2019年に社会現象を巻き起こした中国アニメ映画の続編『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)2 ぼくらが望む未来』のことですね。日本では2025年11月7日に,日本語吹替版と字幕版が同時公開されました。前作から2年後の世界を舞台にした,待望の新章です。
作品のポイント
* 公開日: 2025年11月7日
* 監督: 木頭(MTJJ),顧傑
* キャスト(吹替): 花澤香菜(シャオヘイ),宮野真守(ムゲン),悠木碧(ルーイエ),水瀬いのり(ナタ)ほか
* 上映時間: 124分
あらすじ
前作で深い絆を結んだ黒猫の妖精シャオヘイと,その師匠である執行人ムゲン。二人は小さな村で穏やかな日々を過ごしていましたが,ある「会館」が襲撃された事件をきっかけに,妖精と人間の共存を揺るがす危機に巻き込まれます。任務によってムゲンと離れ離れになったシャオヘイは,姉弟子のルーイエと共に,真実を求めて新たな冒険へ。厳しい試練の中で,シャオヘイは自らが「望む未来」のために,究極の選択を迫られることになります。
見どころ
* 進化したアクション:空間を操る能力を駆使したバトルシーンは,前作以上にスピード感と迫力が増しています。
* 新キャラクターの登場:シャオヘイの姉弟子ルーイエをはじめ,物語の鍵を握る魅力的な妖精たちが多数加わっています。
* 師弟の絆:離れているからこそ浮き彫りになる,シャオヘイとムゲンの揺るぎない信頼関係が,物語の核として描かれています。
> 【参考】タイトルが似ている作品
> もしこちらが探していたものと違う場合は,同じ2025年に公開された辻村深月さん原作の映画『この夏の星を見る』(7月公開)や,主題歌の歌詞に似たフレーズがある『君を愛したひとりの僕へ』(2022年公開)などと混同されている可能性があります。
◆ 『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』
映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』(原題: K-Pop: Demon Hunters)についてご紹介します。
この作品は,ソニー・ピクチャーズ・アニメーション(『スパイダーマン: スパイダーバース』などの制作スタジオ)が手掛けた長編アニメーション映画で,2025年6月20日からNetflixで独占配信され,世界的な大ヒットを記録しました。華やかなK-POPの世界と,ド派手なアクションが融合したミュージカル・ファンタジーです。
* あらすじ:
世界的な人気を誇るK-POPガールズグループ「HUNTR/X(ハンターエックス)」の3人(ルミ,ミラ,ゾーイ)。彼女たちの正体は,歌とダンスを武器に,人間の魂を狙う邪悪なデーモンと戦う「デーモン・ハンター」でした。彼女たちは,ファンを守るために正体を隠して戦ってきましたが,ある日,圧倒的な人気を誇るライバルのボーイズグループ「Saja Boys(サジャ・ボーイズ)」が現れます。しかし,その正体はデーモン軍団が化けた姿。HUNTR/Xは,音楽と世界の命運をかけた史上最大の戦いに挑みます。
主な登場人物とキャスト(声優)
豪華な韓国系俳優や,日本版では人気声優が声を担当しています。
ルミ/リーダー格(実は半分デーモン)/アーデン・チョー/寿 美菜子
ミラ/クールな振付担当/メイ・ホン/田村 睦心
ゾーイ/元気なラッパー/ユ・ジヨン/渡谷 美帆
ジヌ/Saja Boysのリーダー/アン・ヒョソプ/石川界人
作品の魅力と特徴
* 革新的なアニメーション: 3DCGでありながら,日本のアニメやコミックのような表情豊かな2D風の演出が取り入れられており,特にダンスシーンのクオリティが非常に高いと評判です。
* 本格的な楽曲: 劇中歌は,BLACKPINKなどの楽曲を手掛けるTHEBLACKLABELなどが制作に関わっており,本物のK-POPシーンさながらの楽曲が楽しめます。
* 興行的成功: Netflixでの視聴回数が過去最高レベルに達したほか,あまりの人気に映画館での「応援上映(Sing-along)」も実施されるなど,2025年を代表するアニメ作品の一つとなりました。
もし特定のキャラクターや,劇中で流れる曲についてもっと詳しく知りたい場合は,お気軽にお聞きください!
◆ 『レンタル・ファミリー』
映画『レンタル・ファミリー』(原題:Rental Family)は,日本を舞台に,アカデミー賞俳優ブレンダン・フレイザーが主演を務める感動のヒューマンドラマです。監督は,デビュー作『37セカンズ』でベルリン国際映画祭のパノラマ部門観客賞を受賞し,世界的に注目を集める日本人監督のHIKARIが務めています。実在する日本の「代行サービス(人間レンタル屋)」を題材に,孤独と人との繋がりをユーモアと切なさを交えて描いています。
* ストーリー:
東京で暮らしながら,鳴かず飛ばずの落ちぶれたアメリカ人俳優フィリップ(ブレンダン・フレイザー)。仕事もなく自分を見失いかけていた彼は,ひょんなことから「レンタル・ファミリー」という,他人の家族や友人の役を演じる仕事に就くことになります。「日本での代役なら,白人の俺がぴったりだ」と,最初は割り切って始めた仕事でしたが,レズビアンの女性の結婚式の新郎役や,孤独な老俳優の聞き手,さらには父親のいない少女の「偽の父親」役などを通じて,フィリップは演じているはずの「偽物の絆」の中に,本物の温もりと自分の居場所を見出していきます。
主なキャスト・スタッフ
ハリウッド俳優と日本の実力派俳優たちが共演しています。
* 監督・脚本: HIKARI
* 主演: ブレンダン・フレイザー(『ザ・ホエール』『ハムナプトラ』)
* 出演:
* 平岳大: レンタル業者のオーナー
* 山本真理: 同僚のレンタルスタッフ
* 柄本明: 孤独な元名優
* 森田 望智 / ゴーマン シャノン 眞陽
公開情報(2025年現在)
この作品は,世界的な映画賞レースでも話題となっており,日本では以下のスケジュールで注目を集めています。
* 2025年11月: 第38回東京国際映画祭(TIFF)にて「ガラ・セレクション」としてアジアン・プレミア上映。
* 2026年: 日本全国での一般公開が予定されています。
見どころ
* ブレンダン・フレイザーの演技: 日本の文化に戸惑いながらも,人々と心を通わせていく不器用な男を,彼ならではの優しさ溢れる演技で体現しています。
* 東京の風景: HIKARI監督による,美しくもどこか切ない東京の街並みの切り取り方も高く評価されています。
* 「本音と建前」への洞察: 日本特有の文化を,外国人俳優の視点から描くことで,普遍的な人間の孤独や愛を浮き彫りにしています。
この映画の具体的なロケ地や,HIKARI監督の過去作(『37セカンズ』など)についても興味がおありでしたら,ぜひお知らせくださいね。
◆ 『無名の人生』
映画『無名の人生』(英題:JINSEI)についてですね。
この作品は,アニメーション映画『音楽』の岩井澤健治監督がプロデュースし,新鋭・鈴木竜也監督がほぼ独力で作り上げた,圧倒的な熱量を持つ長編アニメーション映画です。
✔ どんな映画?
ストーリー: 仙台の団地で暮らすいじめられっ子の少年が,ある転校生との出会いを機に,かつての父親の背中を追って「アイドル」を目指します。そこから始まる波乱に満ちた100年の人生を全10章で描く壮大な物語です。
「名前」のない主人公: 主人公は生涯を通じて,蔑称や源氏名など様々な呼び名で呼ばれますが,一度も「本当の名前」で呼ばれることがありません。そんな彼が最後に目にする景色とは何なのか……という点が大きなテーマになっています。
現代社会への鋭い視点: 高齢ドライバー問題,芸能界の闇,戦争,孤独死など,現代の日本が直面するセンセーショナルな社会問題を背景に,一人の男の悲哀と美しさが描かれます。
✔ 注目ポイント
驚異の個人制作: 鈴木竜也監督が監督・原案だけでなく,作画・美術・撮影・音楽・編集までをほぼ一人で担当。章ごとに画風(タッチ)や色彩が変化していく,実験的かつ情熱的な映像体験が話題となりました。
異色のキャスティング: 主人公の声を担当したのは,孤高のラッパーとして知られるACE COOL。さらに宇野祥平,津田寛治,中島歩,毎熊克哉といった実力派俳優陣が脇を固めています。
作品データ
* 公開日: 2025年5月16日
* 監督: 鈴木竜也
* プロデュース: 岩井澤健治(『音楽』監督)
* 上映時間: 93分
北野武監督の作品に影響を受けたという,静寂と暴力性が同居するような独特のテンポも魅力の一作です。
◆ 『ウィキッド: ふたりの魔女』
映画『ウィキッド: ふたりの魔女』(原題: Wicked)についてですね。
世界中で愛されている名作ブロードウェイ・ミュージカルを、2部作の壮大なスケールで映画化したファンタジー大作です。
✔ どんな映画?
ストーリー: 名作『オズの魔法使い』の前日譚。のちに「善い魔女」と呼ばれるグリンダと、「悪い魔女」と呼ばれるエルファバ。全く正反対の二人が、魔法大学での出会いを通じて深い友情を築き、やがて運命に翻弄されていく姿を描きます。
圧倒的な歌声: 主演は、圧倒的な歌唱力を誇る実力派シンガーのアリアナ・グランデ(グリンダ役)と、トニー賞受賞経験を持つミュージカル界の至宝シンシア・エリヴォ(エルファバ役)。全編を通して彼女たちの圧巻のパフォーマンスが楽しめます。
豪華なキャスト: 監督は『クレイジー・リッチ!』のジョン・M・チュウ。ミシェル・ヨーやジェフ・ゴールドブラムなど、脇を固める俳優陣も非常に豪華です。
✔ 日本での公開スケジュール
本作は2部作となっており、日本では以下の日程で公開(予定)されています。
* 第1部『ウィキッド ふたりの魔女』: 2025年3月7日公開
日本語吹替版では、エルファバ役を高畑充希さん、グリンダ役を清水美依紗さんが務めたことも話題になりました。
* 第2部『ウィキッド 永遠の約束』: 2026年3月6日公開予定
完結編となる第2部では、彼女たちが「善」と「悪」の道に別れ、あの『オズの魔法使い』の物語へと繋がっていく様子が描かれます。
> 豆知識: 劇中の名曲「Defying Gravity(自由を求めて)」は、映画ならではの視覚効果とシンシア・エリヴォの魂の歌唱が合わさり、世界中の映画館で鳥肌もののシーンとして絶賛されました。
> 第2部の公開まであともう少しですが、第1部をご覧になった感想や、吹替版・字幕版どちらに興味があるかなど、ぜひお聞かせください!
◆ 『シンシン/SING SING』
映画『シンシン/SING SING』についてですね。
この作品は,ニューヨークにある実在の最重警備施設「シンシン刑務所」を舞台にした,実話に基づく感動的なヒューマンドラマです。
どんな映画?
* ストーリー: 無実の罪で収監された主人公ディヴァインGが,刑務所内の更生プログラムである「舞台演劇」を通じて,仲間たちと共に希望を見出していく姿を描いています。
* 驚きのキャスティング: 主演のコールマン・ドミンゴなど数名のプロ俳優を除き,出演者の多く(約85%以上)が実際にこの刑務所に収監されていた元受刑者であり,演劇プログラムの卒業生たちが本人に近い役柄を演じているのが最大の特徴です。
* 高い評価: 北米ではA24が配給を担当。主演のコールマン・ドミンゴがアカデミー賞主演男優賞にノミネートされるなど,世界中の映画祭で絶賛されました。
作品データ
* 日本公開日: 2025年4月11日
* 監督: グレッグ・クウェダー
* 出演: コールマン・ドミンゴ,クラレンス・“ディヴァイン・アイ”・マクリン,ポール・レイシー ほか
刑務所映画といっても脱獄モノのようなバイオレンスではなく,芸術が持つ「人間を再生させる力」を静かに,かつ力強く描いた名作です。
もし特定のシーンや,実際に演じている元受刑者たちのエピソードについてもっと詳しく知りたい場合は,お気軽にお聞きくださいね。
◆ 『アプレンティス: ドナルド・トランプの創り方』
映画『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』(原題: The Apprentice)についてですね。
この作品は,元アメリカ大統領ドナルド・トランプの若き日を描いた,非常にスキャンダラスでスリリングな伝記映画です。
どんな映画?
* ストーリー: 1970〜80年代のニューヨーク。父の会社が倒産寸前に追い込まれ,野心はあるもののナイーブだった青年トランプが,悪名高い辣腕弁護士ロイ・コーンと出会うところから始まります。
* 「3つのルール」: コーンはトランプに,勝者になるための非情な鉄則を叩き込みます。
* 攻撃,攻撃,ひたすら攻撃しろ
* 非は絶対に認めるな
* たとえ負けても,勝利を主張し続けろ
この教えによって,トランプがいかにして現在の「怪物」へと変貌を遂げたかが描かれます。
注目ポイント
* 驚異の憑依演技: 主演はマーベル作品のウィンター・ソルジャー役で知られるセバスチャン・スタン。トランプ特有の口調や仕草を見事に再現し,絶賛されました。
* 師弟関係の皮肉: 師匠であるロイ・コーン(『キング・オブ・メディア』のジェレミー・ストロングが怪演)との,あまりに非情で複雑な関係性は,単なる成功譚ではない深みを与えています。
* トランプ陣営が反発: 内容が過激(私生活のショッキングな描写を含む)であるため,トランプの弁護団が**「上映を阻止する」**と警告したことでも大きな話題になりました。
作品データ
* 日本公開: 2025年1月17日
* 監督: アリ・アッバシ(『聖地には蜘蛛が巣を張る』など)
* キャスト: セバスチャン・スタン,ジェレミー・ストロング,マリア・バカローヴァ(元妻イヴァナ役)
「なぜ彼があのような人物になったのか」という謎を解き明かすような作品です。
もし,トランプ本人の反応や,劇中で描かれた「衝撃的なシーン」についてもっと詳しくお知りになりたい場合は,続けてお伝えできますよ。
◆ シネマ・チュプキ・タバタ
東京都北区にあるシネマ・チュプキ・タバタ(CINEMA Chupki TABATA)は,日本で唯一の「ユニバーサルシアター」として非常に有名な,温かみのあるミニシアターです。お問い合わせいただいた作品との関連や,劇場の特徴についてまとめました。
1. 上映スケジュールについて
現在(2025年12月30日),『この夏の星を見る』や『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』の具体的な上映状況は以下の通りです。
『この夏の星を見る』: 2025年7月に全国公開された作品ですが,チュプキでは話題作を数ヶ月遅れて丁寧に「バリアフリー版(音声ガイド・字幕付き)」として上映することが多いため,2025年末から2026年初頭にかけてのラインナップに含まれている可能性が高いです。
『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』: 2025年11月公開の新作です。前作もチュプキで非常に人気があったため,今作も順次上映されることが期待されます。正確な時間は,公式サイトの上映スケジュールを必ずご確認ください。チュプキは座席数が20席と非常に少ないため,事前予約を強くおすすめします。
2. シネマ・チュプキ・タバタの特徴と魅力
この劇場は,単に映画を上映する場所ではなく,「誰でも一緒に映画を楽しめる」ための工夫が凝らされています。
* 完全バリアフリー: すべての映画に「イヤホンで聴ける音声ガイド」と「日本語字幕」がついています。目が見えない方,耳が聞こえない方も一緒に鑑賞できます。
* 世界一優しい音響: 木の振動を活かした「フォレスト・サウンド」を採用しており,体に響くような優しい音響が特徴です。
* 小さなお子様連れも安心: 防音の「親子鑑賞室」があり,赤ちゃんが泣いてしまっても安心して映画を観ることができます。
* こだわりの内装: 劇場の入り口やロビーは森の中にいるような手作りの温もりがあり,非常にリラックスできる空間です。
3. アクセス情報
* 住所: 東京都北区東田端2-8-4(JR山手線・京浜東北線「田端駅」北口から徒歩約5分)
* 定休日: 水曜日
* 座席: 20席(車いすスペースあり)
田端の商店街の中にある,とても素敵な映画館です。もし『この夏の星を見る』や『羅小黒戦記2』をここで鑑賞できれば,作品のメッセージ性がより深く心に響く体験になると思います。
by gemini, 25.12

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2025年12月18日

MOVIE WALKERほか: 映画メモ/25.12.19〜『ジャグラー 』ほか






MOVIE WALKERほか: 映画メモ/25.12.19〜『ジャグラー 』ほか
1位は『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』!今週公開作品のMOVIE WALKER会員“みたい映画”ランキングを発表
12/17(水) 14:45配信
MOVIE WALKER PRESS
1位はジェームズ・キャメロンのメガヒットSFシリーズ第3弾『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
今週末の公開作品で、映画ファンから熱い視線が向けられているのはどんな映画?2025年12月19日(金)〜12月21日(日)に公開される新作から、MOVIE WALKER会員の「みたい」数(みたい映画としてユーザーが登録している数)を集計。385万人(※2025年12月現在)のMOVIE WALKER会員が「みたい!」と期待を寄せる5作品を、関連ニュースやムビチケ情報と合わせてご紹介します。今週のトップは『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』。
■1位はジェームズ・キャメロン監督、待望のシリーズ最新作『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
巨匠ジェームズ・キャメロン監督が贈る、全世界歴代興行収入第1位&3位の「アバター」シリーズ第3弾『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』が堂々1位を獲得。キャメロンが監督、脚本、製作で続投し、サム・ワーシントンが主人公のジェイクを、ゾーイ・サルダナが先住民の女性ネイティリを引き続き演じる。パンドラへの復讐を誓う、アッシュ族のリーダー、ヴァラン役にウーナ・チャップリン。
地球滅亡の危機に瀕した人類は、神秘の星パンドラへの侵略を開始する。アバターとして潜入し、パンドラの先住民ナヴィの女性ネイティリと家族を築いた元海兵隊員のジェイクは、人類と戦うことを決意。しかし、同じナヴィなのにパンドラを憎むアッシュ族のリーダー、ヴァランは、人類と手を組み復讐しようとする。
キャメロン監督が来日し、ジャパンプレミアも大いに盛り上がった本作。MOVIE WALKER PRESSでは、『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』特集を展開中だ。「ゴジラ」シリーズの山崎貴監督を筆頭に、日本を代表するトップクリエイターたちが「アバター」の魅力をひも解くインタビュー連載企画や、イベント記事、コラムなどを掲載中なので、ぜひチェックして。
■2位はムロツヨシ、佐藤二朗のW主演映画『新解釈・幕末伝』
「銀魂」シリーズの福田雄一監督が、激動の時代の幕末を新解釈でユーモアに描くエンタテインメント『新解釈・幕末伝』が2位にランクイン。ムロツヨシと、『爆弾』(公開中)でも話題の佐藤二朗という福田組の常連である2人がW主演を務め、それぞれ坂本龍馬、西郷隆盛に扮する。そのほか、広瀬アリス、岩田剛典、矢本悠馬、松山ケンイチ、染谷将太、山下美月、賀来賢人、山田孝之らが脇を固める。
いまから150年前、日本の未来を変えるため、のちに幕末のヒーローと呼ばれる坂本龍馬と西郷隆盛が立ち上がる。革命的な出来事が繰り返される激動の時代を経て、260年続いた江戸幕府の終焉と、新しい日本の夜明けへとつながっていく。そこでの知られざる戦いと友情の物語が展開されていく。
本作のムビチケ前売券(オンライン)・鑑賞券購入特典は、特別な絵柄と鑑賞記録がセットになった「ムビチケデジタルカード」。ムビチケ前売券(オンライン)の販売は12月18日(木)まで。
■3位はスピッツの名曲が原案の行定勲監督によるラブストーリー『楓』
スピッツが1998年にリリースした曲「楓」を原案に、福士蒼汰と福原遥をW主演に迎えて放つラブストーリー『楓』が3位となった。メガホンをとったのは、『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)、『ナラタージュ』(17)の行定勲で、「東京リベンジャーズ」シリーズの高橋泉が脚本を担当。大切な人を失った男女が辿るせつない運命が、「楓」の楽曲とともに繊細に紡がれる。
須永恵(福士)と恋人の木下亜子(福原)は、共通の趣味の天文の本や望遠鏡に囲まれながら、幸せに暮らしていた。しかし朝、亜子を見送ると、恵は眼鏡を外し、髪を崩す。なぜなら彼は、双子の弟のフリをした、兄の須永涼だから。恵は1か月前、ニュージーランドで事故死しており、亜子は、目の前にいた涼を恵だと思い込んでいた。
いまなら『楓』ムビチケ購入者限定キャンペーンを実施中!抽選で、行定監督と話せるスペシャルオンラインティーチインイベントへ招待する。
また、『楓』の公開直前イベントも取材。福士と福原は、「楓」をカバーした十明の生歌唱に「すごい…」と感激しきりだった。
本作ムビチケ前売券(オンライン)・鑑賞券購入特典は「ムビチケデジタルカード」と「『楓』スマホ壁紙」。ムビチケ前売券(オンライン)の販売は12月18日(木)まで。
■4位は、久石譲が音楽を務めるコリン・ファレル&マーゴット・ロビーW主演映画『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』
コリン・ファレル&マーゴット・ロビーがW主演を務め、日本を代表する音楽家、久石譲がハリウッド作品に初参加した映画『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』が4位に。メガホンをとったのは、『アフター・ヤン』(21)、『コロンバス』(17)のコゴナダ監督。
友人の結婚式で出会ったデヴィッドとサラが、レンタカーのカーナビに導かれてたどり着いたのは、奇妙なドア。通り抜けると「人生で一番やり直したい日」にタイムスリップしていた。2人は人生のターニングポイントとなった出来事をもう一度やり直していく。
本作のムビチケ前売券(オンライン)・鑑賞券購入特典は「ムビチケデジタルカード」。ムビチケ前売券(オンライン)の販売は12月18日(木)まで。
■5位は台湾の名匠、エドワード・ヤン監督作『ヤンヤン 夏の想い出 4Kレストア版』
『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』(91)などで知られる台湾の名匠、エドワード・ヤンによる傑作ヒューマンドラマの4Kデジタルリマスター版『ヤンヤン 夏の想い出 4Kレストア版』が5位。『台北ストーリー』(85)のウー・ニェンツェンをはじめ、エレン・ジン、ジョナサン・チャン、ケリー・リーらが出演するほか、イッセー尾形がゲームデザイナーの大田を演じる。
小学生のヤンヤンは、コンピューター会社を経営する父、母、姉、祖母とともに台北の高級マンションで幸せに暮らしていた。しかし、母の弟の結婚式をきっかけに、一家の歯車が狂い始める。祖母は脳卒中で入院、父は初恋の人と偶然再会して心が揺らぎ、母は新興宗教に走ってしまう!
本作のムビチケ前売券(オンライン)・鑑賞券購入特典は「『ヤンヤン 夏の想い出 4Kレストア版』2025年カンヌ国際映画祭ver.壁紙」と「ムビチケデジタルカード」。ムビチケ前売券(オンライン)の販売は12月18日(木)まで。
以上、みたい映画ランキング上位5作品をお届けしました。今週は、全世界から熱い視線が寄せられているSF超大作をはじめ、ユニークな時代劇コメディ、心ときめくラブストーリー、名作のデジタルリマスター版など、映画ファンが心惹かれそうな作品がラインナップ。いよいよ今年も残り少なくなってきたので、注目作は早めに大スクリーンでご覧ください。
文/山崎伸子
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エドワード・ヤン最後の傑作『ヤンヤン 夏の想い出』4Kレストア版が12月19日より日本公開決定!
最終更新:12/18(木) 10:14
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『ジャグラー ニューヨーク25時』4K修復版
2025/12/18 23:15
実は私がうっかりしていて、この映画のリバイバル公開が始まっていることを忘れていた。いつもお邪魔しているブロ友さんの記事で気が付いた。
来週からは時間が合わないので、平日のレイトで見る事に。梅田スカイビルの地上ではクリスマスイベントで凄い人だかり。なお、半ば意地になってこの映画を見たかった一番の理由は、上記新聞広告を紹介したかったから。押入れの中を調べたら取りやすいところにあったので。
『ジャグラー ニューヨーク25時』
解説:ニューヨークの街を舞台に、娘を誘拐された父親の命懸けの追跡劇をスピード感と臨場感たっぷりに活写したサスペンスアクション。元警察官のトラック運転手ショーン・ボイドは妻と別れて以来、ひとり娘のキャシーと2人で暮らしている。キャシーの15歳の誕生日、ボイドはバレエ公演のチケットをプレゼントし、学校へ行くキャシーをセントラルパークまで送る。いつも通りの平穏な1日が始まるはずだったが、突如としてキャシーが見知らぬ車に引きずり込まれてしまう。目の前で愛娘を誘拐されたボイドは必死に後を追うも、車の横転事故により病院に搬送される。トネリ警部補率いるニューヨーク市警察の捜査チームによる事情聴取がなかなか進展せず、苛立ちを覚えたボイドは病院を抜けだし、独自に娘の捜索を開始する。
「悪魔の棲む家」のジェームズ・ブローリンが主演を務め、「真夜中のパーティー」のクリフ・ゴーマンが誘拐犯ソルテック、「ゴッドファーザー」のリチャード・カステラーノがトネリ警部補、「コマンドー」のダン・ヘダヤがボイドを逆恨みする元同僚バーンズ刑事を演じた。アメリカの作家ウィリアム・P・マッギバーンの同名小説を原作に、テレビドラマ「刑事コロンボ」などのロバート・バトラーが監督を務めた。権利問題から長らく鑑賞が困難となっていたが、2025年12月に4K修復版にてリバイバル上映。
1980年製作/101分/PG12/アメリカ
原題または英題:Night of the Juggler
ジャグラー0
いきなり余談から入りますが、私も約60年生きてきて、映画『ジャグラー』を公開当時に観たという、まったく接点のない人が3人いた。
その3人が言った事がまったく同じでした、「普段はあまり映画館に行かないのだが、たまたま『ジャンク』という映画を見に行ったつもりが、間違えて『ジャグラー』を見た。これがなかなか面白かったよ」というものだった。
3人目の人に、「ひょっとして、『ジャンク』と間違えて見たんちゃいます?」と言ったら、「そうや!なんで知ってるの?」ってめちゃくちゃ驚かれて私は変人扱いされてから(爆汗)…
で、今回の4K(例によって大阪の劇場では2K)修復版の、それでもまだ粗い画像があの1980年を思い出させる。
舞台はニューヨーク。
15歳の娘の誕生日に、ホットドッグを3本買って行く、元刑事のトラック運転手ボイド(ジェームズ・ブローリン)は、その娘キャシーと二人で暮らしている。
ボイドはキャシーにバレエ公演のチケットを贈り、学校の近くまで二人は走って行った。
(この映画はいかにもアメリカンな朝食が映って始まるのだが、どれもシンプルで美味そう)
ところが、ボイドがキャシーと別れた直後、キャシーはダブルの目玉焼きにケチャップを突き刺し、車をかっぱらった男ソルティック(クリフ・ゴーマン)に連れ去られる。
それを目撃したボイドは走りに走り、一時はソルティックの車に手をかけながらも逃げきられてしまう。
追跡の途中で警官に暴力をはたらいたボイドは病院で逮捕されるが、隙を見て犯人が何かを落としたポルノ街へ手掛かりを捜しにいく。
ジャグラー1ジャグラー2ジャグラー3ジャグラー4
多くの爆弾予告事件を抱え、娘の結婚式の事でも頭がいっぱいのトネリ警部補(リチャード・カステラーノ)は、調べていくうちに犯人がお金持ちの娘と間違えてキャシーをさらったのではと推理する。そうする事で「娘がさらわれた」と街でド派手なカーチェイスを繰り広げたボイドが一本の線になった。
現に、裕福な家に「娘をさらったから身代金を用意しろ」と、犯人は娘が元気に家族といる家に脅迫電話をかけてきた(爆汗)…
面白いのは、娘を捜すボイドはいろんなヤツに邪魔される。
ひとりはボイドの元相棒で、一時はボイドに裏切られて逆恨みしているバーンズ刑事(ダン・ヘダヤ)で、このバーンズは赤塚不二夫の漫画に登場するお巡りさんのごとく、街中でも平気でボイドを銃撃する(汗)…
ポルノ街で犬の名札を見つけたボイドは、保健所でいとも簡単に犯人の家を見つけるが、そこはむちゃくちゃ治安の悪い地域だった。
保健所の親切なマリア(ジュリー・カーメン)に案内され、ヒスパニック系のストリートギャングたちに追われながらも、キャシーを見つけたボイドは、またしてもあと一歩でソルティックに逃げられてしまう。
バーンズやギャングたちが凶暴なので、ソルティックが人間味溢れる男に見えるのだが、こいつもとんでもない(汗)…
15歳のキャシーに惚れてしまい、「金を手に入れたら二人で暮らそう」なんていう変態男(汗)…
地域の人間からは、廃墟に犬と住むモグラ野郎と揶揄されるソルティックは、警察の裏をかいて、身代金受け渡しの現場に地下から現れる。辺りは夜になっていた。
ジャグラー5
この映画のジェームズ・ブローリン、かなり痩せたんちゃうか?と心配するくらい、とにかく走ってばかり。
興味深いのは、やはりニューヨークって移民たちの街という問題がこの当時からクローズアップされてる。
そういう意味で、シンプルだが深くてクレイジーな側面を描いた秀作やと思いました。
私、『カプリコン1』とか『悪魔の棲む家』とかのジェームズ・ブローリンは好きで、最近、息子さんのジョシュ・ブローリンの作品を続けて見たところやったので、感慨深いものがありました。
あと、ニューヨークのポルノ街には興味津々(爆汗)……
[2025年12月18日、『ジャグラー ニューヨーク25時』、テアトル梅田Aにて鑑賞]
カテゴリ:映画「シ」 CM:0
ホーム見逃しチラシ『処刑人』

毒沼地のゾンビマン、映画館に現る!
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スティーヴン・スピルバーグ監督最新作『ディスクロージャー・デイ』2026年夏公開決定!ミステリアスな特報映像も到着
12/19(金) 8:00配信
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スティーヴン・スピルバーグ監督最新作『ディスクロージャー・デイ』2026年夏公開決定!ミステリアスな特報映像も到着
スティーヴン・スピルバーグの監督最新作『ディスクロージャー・デイ』が2026年夏に公開されることが決定。あわせて、特報映像と場面写真、メイキング写真も到着した。
【写真を見る】『ディスクロージャー・デイ』の一端を切り取った場面写真やメイキング写真も解禁!
もし、私たちがこの宇宙で“ひとりではなかった”と知ったら。そしてもし誰かがそれを示し、証明してみせたとしたら。50年以上にわたり、様々なジャンルのマスターピースを世界に発信してきたスピルバーグ。そのキャリアで映画史を更新してきた彼が、比類なき想像力で70億人にとっての“ディスクロージャー・デイ(開示の日)”を活写する。
このたび初解禁となった特報映像は不穏なナレーションから始まる。ニュース番組のスタジオで、エミリー・ブラント演じる天気予報のキャスターが、普段と変わらず天気予報を読み上げるなか、彼女の声がしだいに変化し始める。不気味で異質なその“音”は、フロアにいるスタッフ全員を動揺させる。続く映像は、森の動物たちがなにかに導かれるように集まっていく不可思議な光景。一見なんの関係性もなさそうな映像だが、「この果てしない宇宙を創って/人類だけに託すかしら?」というナレーションに、人々が抱いてきた前提そのものが揺らぐ予感を漂わせる。さらに謎の男性(ジョシュ・オコナー)が「全人類はその真実を知る権利がある。“開示”する/全世界に一斉に」と続け、人類史を揺るがすほどの、とてつもなく大きな事実が公開されることを告げる。ほんの数秒にもかかわらず、思わず引き込まれてしまう強烈なインパクトを残す映像と壮大な世界観、そしてリアリティあふれる物語は、まさにスピルバーグSFの真骨頂だ。
スピルバーグの原案を基に脚本を書き上げたのは、『ジュラシック・パーク』(93)、『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク』(97)、『宇宙戦争』(05)、『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』(08)の脚本を担当してきたデヴィッド・コープ。
キャストにはブラントとオコナーに加えて、コリン・ファース、U2のボーカリスト、ボノの娘でもあるイヴ・ヒューソン、そしてコールマン・ドミンゴが名を連ねている。
世界中の映画ファンが待ちわびたに違いない本作。今後の続報もスルー厳禁だ!
文/スズキヒロシ
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スピルバーグ作品へのオマージュをキャスト&製作陣が語る!『ジュラシック・ワールド/復活の大地』特別映像
最終更新:12/19(金) 8:00
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【漫画】キャリア変えたら生涯収支は

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新作『ファイヤー・アンド・アッシュ』が公開!「アバター」らしい豊かな色彩で立体化された“トルーク・マクト”なジェイク
12/17(水) 20:30配信
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「アバター」の鮮やかな色彩を象徴する!主人公ジェイクのアイテム
話題の映画や映像作品から、思わず欲しくなるフィギュアをご紹介。今回はジェームズ・キャメロンの代表的シリーズの最新作『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』が、12月19日(金)から公開されるということで、「アバター」のアイテムをチェックしていく。
【写真を見る】最新作『ファイヤー・アンド・アッシュ』が公開される「アバター」のフィギュアをチェック!
スタチューからフィギュアまでハイエンドなアイテムをリリースしているプライム1スタジオから今回紹介するのは「アバター ジェイク・サリー&グレート・レオノプテリクス アバターレガシーコレクション」。
主人公ジェイク・サリーと、彼が1作目『アバター』(09)で操る惑星パンドラの“空の王者”として君臨する巨大な空中捕食動物グレート・レオノプテリクスを1/4スケールで立体化したもので、全高は約87cm×全幅約86cm×奥行約76cmという迫力サイズのアイテムとなっている。
アバターとしての外見と、異文化のなかで成長を遂げた内面まで、愛するものを守るために“トルーク・マクト(最期の影を乗りこなす者)”となったジェイクの精悍な姿を佇まいから再現。編み込まれた髪、美しい紋様が浮かぶ肌、ナヴィ文化を感じさせる槍…とすべて映画の印象を精緻にトレース。手榴弾の無機質な造形は人類としての一面を伝えるなど、キャラクターの背景まで物語るアイテムとなっている。
最も注力されたというのが、作品の象徴でもある瞳で、角膜や水晶体の層構造まで細かく作り込み、まるで魂が見えるような虹彩の鮮やかさを再現している。
またグレート・レオノプテリクスも迫力のある仕上がりとなっており、オレンジを基調とした体表とステンドグラスを思わせる翼の彩色は、空の王者たる気品が漂う。静かに寄り添うポージングは、ジェイクとの固い絆をイメージしている。
DX版にはハンティングナイフとアサルトライフルが装備でき、精巧な出来栄えを楽しみつつ、自由なカスタマイズを行えるところもうれしいポイント。さらにボーナス特典として、AMPスーツの銃剣も付属されており、クオリッチ大佐との死闘の記憶が蘇る。
登場予定の「ネイティリ&サナター」に加え、今後どんな商品が飛びだすのか?12月26日(金)に配信となる「NEXT LEVEL SHOWCASE XVI: REALMS BEYOND TIME」にも注目しながら、続報を待ちたい。
文/サンクレイオ翼
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『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』大学生以下に向けた「『マイ・ファースト3D』キャンペーン」開催!
劇中シーンも再現!『ズートピア2』のかわいらしいアニマルたちがデフォルメフィギュアで大集合
最終更新:12/17(水) 20:30
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アリ・アスターvsペドロ・パスカル!?『エディントンへようこそ』アリ・アスター愛を確かめるクイズ映像
12/17(水) 17:00配信
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コロナ禍を舞台に、暴力、陰謀、SNSで暴走していく一つの町の姿を描く『エディントンへようこそ』
ホアキン・フェニックスを主演に、ペドロ・パスカル、エマ・ストーン、オースティン・バトラーら豪華キャストが集結したアリ・アスター監督の最新作『エディントンへようこそ』(公開中)。このたび、「アリ・アスター愛チェック!クイズ映像」が解禁となった。
【写真を見る】アリ・アスターがプロデューサーとして参加した『ブゴニア』のポスタービジュアル
物語の舞台は2020年、ニューメキシコ州の小さな町、エディントン。コロナ禍で町はロックダウンされ、息苦しい隔離生活のなか、住民たちの不満と不安は爆発寸前に。保安官ジョー(フェニックス)は、IT企業誘致で町を“救おう”とする野心家の市長テッド(パスカル)と“マスクをするしない”の小競り合いから対立し「俺が市長になる!」と突如、市長選に立候補する。ジョーとテッドのいさかいの火は周囲に広がっていき、SNSはフェイクニュースと憎悪で大炎上。同じ頃、ジョーの妻ルイーズ(ストーン)は、カルト集団の教祖ヴァーノン(バトラー)の扇動動画に心を奪われ、陰謀論にハマっていくのだった。
このたび、アリ・アスターへの愛を確かめる、「アリ・アスター愛チェック!クイズ映像」が到着。内容は、アスターの過去作品『ヘレディタリー/継承』(18)、『ミッドサマー』(19)、『ボーはおそれている』(23)、そして最新作『エディントンへようこそ』に登場するセリフを一人が読み上げ、もう一人がどの作品のものなのかを当てるというもの。挑戦するのは、まさかのアスター監督本人と、映画オタクにしてアスター愛を公言するパスカル。パスカルは「非常に気まずいが、最高のアイデアだ」と意気込みを見せる一方、アスター監督は「僕は不快だね」と苦笑い。もう一方のチームは、保安官ジョーの部下である保安官補佐役コンビ、ルーク・グライムス&マイケル・ウォードというフレッシュなタッグ。それぞれのアスター愛が炸裂する、笑いと熱気に満ちた特別映像をぜひチェックしてほしい。
エディントンの選挙戦は、疑いと論争と憤怒が渦を巻き、暴力が暴力を呼び、批判と陰謀が真実を覆い尽くす。暴力、陰謀論、SNSの暴走がすべてを焼き尽くす“炎上スリラー”は絶賛公開中だ。
文/鈴木レイヤ
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本日公開!『エディントンへようこそ』ヒグチユウコ&大島依提亜が手掛けた“ジョーの選挙ポスター”
ブルーレイ+DVDセット発売記念『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』俳優&キャラに迫るボーナスコンテンツチラ見せ
『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』がディズニープラスに登場!11月5日より配信開始
最終更新:12/17(水) 17:00
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『エディントンへようこそ』
2025/12/12 21:17
ヘンテコなスリラー映画『ヘレディタリー』とか『ミッドサマー』で場内を満員にさせ、「こんなつまらない映画のどこがそんなにウケているのか?」と不思議で仕方がなかったアリ・アスター監督。
前作『ボーはおそれている』がスベり、「ようやくみんなもアリ・アスター監督のヘタクソぶりがわかったか」と思っていたら、本日公開初日の『エディントンへようこそ』、お客さんは私を入れて10人ほど。
そう、今回悪夢を観たのが10人もいる(爆汗)……
『エディントンへようこそ』
解説:「ミッドサマー」のアリ・アスター監督が「ボーはおそれている」に続いてホアキン・フェニックスを主演に迎え、コロナ禍でロックダウンされた小さな町の選挙戦が全米を巻き込む大事件へと発展していく様子を描いたスリラー映画。
2020年、アメリカ・ニューメキシコ州の小さな町エディントン。コロナ禍のロックダウンにより息苦しい隔離生活を強いられ、住民たちの不満と不安は爆発寸前に陥っていた。そんな中、町の保安官ジョーは、IT企業誘致で町を救おうとする野心家の市長テッドとマスクの着用をめぐる小競り合いから対立し、突如として市長選に立候補する。ジョーとテッドの諍いの火は周囲へと燃え広がり、SNSはフェイクニュースと憎悪で大炎上する事態となる。一方、ジョーの妻ルイーズはカルト集団の教祖ヴァーノンの扇動動画に心を奪われ、陰謀論にのめりこむ。疑いと論争と憤怒が渦巻き、暴力が暴力を呼び、批判と陰謀が真実を覆い尽くすなか、エディントンの町は破滅の淵へと突き進んでいく。
保安官ジョーをホアキン・フェニックス、市長テッドをペドロ・パスカル、ジョーの妻ルイーズをエマ・ストーン、カルト集団の教祖ヴァーノンをオースティン・バトラーがそれぞれ演じた。2025年・第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。
2025年製作/148分/PG12/アメリカ
原題または英題:Eddington
エディントンへようこそ』000
ウェス・アンダーソン監督に次いで二人目ですわ、今回のアリ・アスター監督が。私がもう「この人の映画は2度と見ない」と見限った映画作家がですよ(怒)…
コロナ過の中、町に厳戒態勢が敷かれ、マスク常備が当たり前の2020年、誰もが経験した辛い時期でした。
あの時も、みんなが自分の為みんなの為に嫌なマスクをつけて外出しているのに、「いや、俺はええねん」とか言ってノーマスクでイキってたクソ野郎ども、私は殺意をおぼえるくらいにクソ迷惑で腹立つ。この映画の主人公で、エディントンという小さな町の保安官ジョー(ホアキン・フェニックス)もそんなクソ野郎で、「喘息だから」ってマスクをしない。
そんなジョーは、市長のテッド(TOTOのボビー・キンボールにしか見えないペドロ・パスカル)と「マスクしろ」「いやだ」で揉めている。
そんな自分勝手な保安官はメンツを気にしたのか自分の正義を通したいのか、テッドの対抗馬として市長選に立候補して、選挙運動を始める。
そこから先のストーリーは書く気もしない。そんなことどうでもよくなるから(怒)…
エディントンへようこそ』1エディントンへようこそ』2エディントンへようこそ』3エディントンへようこそ』4
私、どんなに支離滅裂でむちゃくちゃやっていても、見ていて面白かったらOKなんです。
映画に完璧を求めるほどバカじゃないので。
見ていてどういう意味なのかわからん、作っている本人にしか分からんというオナニストに付き合わされるほど苦痛なものはない。
この監督はしかもまとめるのがヘタな自惚れ屋だから、150分も拷問のような時間が続く。
今回特に酷かったのが、肝心な場面がみんな暗くて、何が起こっているのかわからないというね…
なぜか俳優には好かれているようやからメジャー系で公開されているが、この監督はマイナー扱いしたほうが本人の為になる。
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ひとつだけ興味深かったのは、この映画で描かれる社会的問題点が、アメリカも日本もまったく同じなんですよね。
特に移民問題。
はっきり言って、スカタンな政治家が利権の為に国民を欺いてまで外国人を入れるからややこしくなる。
戦争の背景にくだらん宗教の違いや民族の主張がある事をお忘れなく。
[2025年12月12日、『エディントンへようこそ』、MOVIXあまがさき・スクリーンAにて鑑賞]
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カテゴリ:映画「エ」 CM:2
『シェルビー・オークス』ホームRainbow - Will You Still Love Me

毒沼地のゾンビマン、映画館に現る!
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映画化決定!理不尽な石化や無限ループ…『ちいかわ』の信じられないほどダークな長編シリーズ
12/16(火) 7:15配信
ふたまん+
『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』キービジュアル (c)ナガノ / 2026「映画ちいかわ」製作委員会
 今、老若男女を問わず大人気で2025年11月24日にアニメ映画『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』が2026年夏に公開されることが発表された『ちいかわ』。「自分ツッコミくま」などで知られるイラストレーター・ナガノさんが2020年にXに投稿した連載から生まれた、明るくて素直な小さくてかわいい生き物たちの日常を描いた漫画作品が原作。失敗することも多いが、毎日を必死に生きている「ちいかわ」、その友人で、言葉が話せて明るくて素直な性格の「ハチワレ」、破天荒だけど実は優秀(?)なうさぎたちが活躍する。正式名称は『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』だ。
■【画像】かわいいが暗く重い…映画化で描き下ろされたナガノ氏による「どデカいセイレーン」
 現在8巻まで発売されているコミックスは累計発行部数460万部を突破。2022年からは『めざましテレビ』(フジテレビ系)内でアニメ版の放送がスタートしている。
 今回発表されたアニメ映画は、原作者であるナガノさんが脚本を担当し、「特別な島へご招待」と書かれた招待状を手にしたちいかわ、ハチワレ、うさぎがラッコを伴ってとある島へ向かうという話。ファンの間では「セイレーン編」や「島編」と呼ばれる、2023年3月から11月にかけてXに投稿されていた長編シリーズだ。
 映画化される「セイレーン編」は、随所から業の深さを感じる、考えれば考えるほど重くて後味の悪いストーリーが印象的。愛らしい『ちいかわ』の姿しか知らないライト層はそのストーリーの重さにびっくりするかもしれない。
 実は『ちいかわ』には、これまでにも「セイレーン編」に類する長編のダークな話がある。今回は、映画に先駆けてこれまでの『ちいかわ』のダークな物語を振り返りたい。
■続きが気になって仕方がない「石編」
 まずは現在アニメで放送されている通称「拾魔(ひろま)編」。ファンの間では「石編」などとも呼ばれている。
 これはある日うさぎがちいかわとハチワレにきれいな石を渡すところから物語が始まる。謎の石の力に導かれてか、二人がうさぎの足跡に導かれて辿り着いたのは古い旅館のような場所。そこでは多くのモブキャラたちが、大きな石を削って、二人がもらったようなお土産石を作っているようだ。
 しかしこの後、状況が一変。なんとうさぎが石に変えられてしまう。元凶である蛇の置物を壊そうとする二人だが、蛇は目から光線を出し、ハチワレも石にされてしまう。絶体絶命のピンチに立ち向かう、一人残ったちいかわは……? という、ハラハラするストーリーだ。ナガノさんの漫画は基本的に1枚の読み切り形式なので、リアルタイムの読者はこの期間、続きが気になって仕方ない日々を過ごしていた。
 ちいかわたちが操られる恐怖、石にされる恐怖と、普段の穏やかなちいかわの世界からはかけ離れたハードな長編だが、よく考えると最も恐ろしいのは、みんなが削っていたのは元々命のあった仲間が石にされた姿だと仄めかされている点。ちいかわの世界では、決定的な描写こそないものの、討伐などでモブキャラが命を落としたと見られる描写がなされることもあるが、石にされてトンカチで削られる(しかも、洗脳されたちいかわたちもその石を削るシーンがある)というのはなんともむごたらしい。

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【世界の映画館】文化の街・神保町、お茶の水エリアに生まれた、映画館サブスク制を採用した新たなミニシアター「CineMalice(シネマリス)」
12/19(金) 9:00配信
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東京都千代田区に誕生した「CineMalice(シネマリス)」(2スクリーン、131席)は、本日2025年12月19日に開業した真新しいミニシアターです。有数の古書店街として知られ、“日本のカルチエ・ラタン”とも称される神保町・お茶の水エリアは、かつて「岩波ホール」があった地域で、映画ファンにとって“ミニシアター発祥の地”とされる場所。その地に誕生した同館は2スクリーンを備え、シアター1ではロードショーおよび特集上映を実施。シアター2では準新作や旧作を中心に上映する。上映作品は、メジャーからインディペンデントまで国内外を問わず幅広くセレクトする。シアター2では、同館最大の特徴である「サブスク制」と称する鑑賞システムを導入。月額2500円、または年額2万2000円(ともに税込)の会費を支払うことで、年間約50本の上映作品が見放題となる。
 支配人を務める稲田良子さんは、「映画館で映画を観る楽しさを、より多くの人に届けたい」と語り、特に「若い世代にこそ映画館へ足を運んでほしい」と思いを明かす。もともとは法律事務所で秘書としてキャリアを重ねてきた稲田さんだが、仕事に区切りを感じたことや後輩たちの成長を目の当たりにしたことで、「新しいことに挑戦したい」という思いが芽生えたという。
 そんな折、ミニシアターの先駆けである岩波ホール(2022年7月29日閉館)や、稲田さんが足繁く通っていた飯田橋ギンレイホール(22年11月27日閉館)が相次いで閉館。一方で、東京・墨田区菊川にある個人経営(※)の映画館「Stranger」(22年9月16日開業)の存在を知り、「こうした形で映画館を続ける道もあるのではないか」と考えるようになったという。実際にStrangerを訪ね、映画館オープンのための知識やコツ、運営のノウハウを学ぶなどして開業に向けて準備を進め、その過程を随時X(旧Twitter)で情報発信してきた。そこでは協力を名乗り出てくれた人々もいたそうだ(※2024年2月よりナカチカ株式会社が運営)
 映画館の立地は、複数の候補地の中から神保町・お茶の水エリアに決定。「ミニシアター発祥の地」とされる点に加え、かつて近隣に存在した「文化学院」の創設者・西村伊作氏が掲げていた「小さくても善いものを」という理念を知り、シネマリスが目指すミニシアター像と重なるものを感じたという。
 館名とロゴの由来もユニークだ。「まずは名前に小さな動物を潜ませよう」と考え、「リス」をモチーフに選択。“Malice”は英語では「悪意」を意味するが、フランス語では「茶目っ気」「いたずら」といったニュアンスも持つことから、新しいミニシアターにふさわしいと判断したという。「リス」のロゴマークは、YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」を手掛けたアートディレクターの清水恵介氏が、キャラクターは日々の生活のあれこれをシンプルな線画で表現しXで人気を集め、書籍「日常蒐集録「ねずみ絵日記」を出版したジンボアユミ氏がデザインしている。
 館内デザインにも映画愛が息づく。シアター1は、今年1月に亡くなったデヴィッド・リンチさんが手がけたテレビシリーズ「ツイン・ピークス」をイメージした赤色、シアター2は映画「ブルーベルベット」を想起させる青色で統一。また、その入場口の頭上には、シアター1には1匹の、シアター2には2匹のリスが潜んでいる点にも注目だ。
 開業に先駆けて2025年6月から8月にかけて実施したクラウドファンディングでは、目標金額の293%にあたる2143万9800円を調達。支援者数は1479人にのぼり、新規ミニシアターとしては異例ともいえる高い支持を集めた。この数字からも、映画ファンの大きな期待がうかがえる。
 こけらおとし作品は、【オープニング上映作品】として、第24回上海国際映画祭 金爵奨審査員グランプリなどを受賞し、「タレンタイム 優しい歌」(09)の名匠ヤスミン・アハマドらと2000年代のマレーシア映画界を牽引した女性監督、タン・チュイムイの「私は何度も私になる」、東京・吉祥寺にあるひとり出版社「夏葉社」の島田潤一郎を追ったドキュメンタリー「ジュンについて」、岩波ホールに敬意を表したチリ発の社会派ドキュメンタリー「最初の年 民意が生んだ、社会主義アジェンデ政権」「チリの闘い 武器なき民の抵抗」(※三部作)が並んだ。
 さらに【開館記念特集上映】第1弾として「レスリー・チャン特集+1 春夏秋冬、張國榮」を実施。【サブスク上映作品】には、ビクトル・エリセ監督の「ミツバチのささやき」と「瞳を閉じて」、アキ・カウリスマキ監督の「枯れ葉」、スマッシュヒットを記録したアニメーション映画「ロボット・ドリームズ」が上映される。
 最後に、稲田さんに「人生を変えた1本があるか」尋ねた。少々長くなるが、経緯も含め、稲田さんの言葉をできるだけ詳細にお伝えしたい。「レスリー・チャンが好きで、『さらば、わが愛 覇王別姫』『欲望の翼』『君さえいれば』などを観ていましたが、俳優として有名な彼が、実は歌手であることも知り、そのステージを目にした時に、金の粉を浴びて彼の虜になりました。『ブエノスアイレス』公開までに広東語を勉強しに行き、当時は予約システムがなかったので、朝1番に同作を見るために始発で向かって、渋谷のシネマライズに並びました。その時、前後に並んだ、同じくレスリーファンの女性たちと待っている間に自然とおしゃべりをして友達になって、今でもその仲が続いています」
 「だから、人生を変えた1本と言うと大げさになってしまうかもしれませんが、それらがすごく楽しい出来事で、今こうして映画館という形で、映画に携わるという道が開けて、さらにレスリー・チャンの特集上映も実現できたのは、本当に幸せなことだなと思います」と、言葉をひとつずつ噛みしめるように語ってくれた。
 新たに誕生したミニシアターを、古書店巡りや老舗飲食店とあわせて訪れてみてはいかがだろうか。
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最終更新:12/19(金) 9:00
映画.com

Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/bda31fdad46799984d7e6c3b151a1477e05e9603?source=rss













早稲田松竹映画劇場
【上映作品スケジュール】
🕖️25/12
12/13(土)・15(月)
アフターマス 〜あの時、私たちはどこをみていた?〜
この夏の星を見る 12:25〜, 17:15〜
フロントライン 10:00〜, 14:50〜, 19:40〜21:50
12/17(水)・19(金)
アフターマス 〜あの時、私たちはどこをみていた?〜
この夏の星を見る 12:25〜, 17:15〜
フロントライン 10:00〜, 14:50〜, 19:40〜21:50
12/20(土)〜12/26(金)
早稲田松竹クラシックスvol.247/ジョン・カサヴェテス監督特集
フェイシズ 10:00〜, 15:10〜
ハズバンズ 12:30〜, 17:40〜20:05
【レイトショー】ミニー&モスコウィッツ 20:20〜22:15
12/27(土)〜29(月)
早稲田松竹クラシックスvol.248/成瀬巳喜男監督特集
妻 12:50〜, 17:05〜
あらくれ 10:30〜,14:45〜, 19:00〜21:05
12/30(火)〜31(水)
早稲田松竹クラシックスvol.248/成瀬巳喜男監督特集
女の歴史 12:35〜,17:05〜
乱れる 10:30〜, 15:00〜, 19:30〜21:20
12/31休映
🕖️26/1
1/1(木)〜2(金)
噂の娘 12:25〜, 15:20〜, 18:15〜
妻よ薔薇のやうに 10:50〜,13:45〜, 16:40〜, 19:35〜20:50
1/3(土)〜1/5(月)
早稲田松竹クラシックスvol.249/マノエル・ド・オリヴェイラ監督特集
【1本立て】アブラハム渓谷 完全版 11:00〜14:30
訪問あるいは記憶,そして告白 14:50〜,18:15〜
カニバイシュ 16:15〜,19:40〜21:25
1/6(火)〜1/9(金)
早稲田松竹クラシックスvol.249/マノエル・ド・オリヴェイラ監督特集
絶望の日 12:05 15:05
夜顔 10:40 13:40 16:40〜17:50
【1本立て】アブラハム渓谷 完全版 18:10〜21:40
1/10(土)〜1/12(月)
ダーグ・ヨハン・ハウゲルード監督特集/オスロ、3つの愛の風景
DREAMS 10:40〜, 15:15〜
LOVE 12:55〜, 17:30〜19:35
【レイトショー】SEX 19:50〜21:50

早稲田松竹映画劇場
http://wasedashochiku.co.jp/






新文芸坐 上映スケジュール/25.12
🕖️25/12
12/19(金)
新文芸坐シネマテーク vol.53
リナ・ウェルトミューラー特集 愛と風刺とグロテスク
12/22(月)〜26(金)
「メリークリスマス、ミスター・ロレンス」トーク
戦場のメリークリスマス 4K修復版
12/24(水)〜26(金)
聖夜恒例企画 35mmフィルムで味わう名編
スモーク
年末に観たい、今 敏の傑作アニメーション
東京ゴッドファーザーズ
12/24(水)
ヒフとニクの日(12/29)記念!みんなで観よう食人族!
食人族 4Kリマスター無修正完全版
12/25(木)〜31(水)
【期間限定劇場上映】大スターが振り返る人生の旅路
ジェイ・ケリー
12/26(金)
ヒフとニクの日(12/29)記念!みんなで観よう食人族!
食人族 4Kリマスター無修正完全版
12/27(土)
ホラーマニアックス presentsオールナイト トーク
血みどろオールナイト2025 第一夜
12/28(日)
ようこそ、魅惑のインド映画の世界へ
シャウト・アウト
12/29(月)
年の瀬に『忠臣蔵』を観るという文化(を絶やしたくない)
忠臣蔵)
12/30(火)
ようこそ、魅惑のインド映画の世界へ
ジガルタンダ・ダブルX
除夜の鐘ゴーン! 年末はみんなでEZ DO DANCE!!3本セット
三作一挙プリズムスタァ応援上映 〜来年もまたありがとうの代わりに好きって言わせて〜
🕖️26/1
1/12(月)
新文芸坐シネマテーク vol.53
リナ・ウェルトミューラー特集 愛と風刺とグロテスク

新文芸坐 
https://www.shin-bungeiza.com/schedule




















新宿シネマカリテ上映作品
🕖️25/12
▽12月26日(金)
勝手にふるえてろ 【カリテ メモリアルセレクション】
20:15〜
▽12月28日(日)
ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール 【カリテ メモリアルセレクション】
20:15〜
▽12月29日(月)
街の上で 【カリテ メモリアルセレクション】
▽12月下旬まで
チャップリン
世界一不運なお針子の人生最悪な1日
▽12月25日(木)まで(予定)
消滅世界
▽2026年1月上旬まで(予定)
THE END(ジ・エンド)
落下の王国 4Kデジタルリマスター
🕖️26/1
2026年1月6日(火)
ブリグズビー・ベア 【カリテ メモリアルセレクション】
19:30〜
2026年1月4日(日)〜
A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー 【カリテ メモリアルセレクション】
19:30〜
2026年1月9日(金)〜
ストレイト・ストーリー 4Kリマスター版
新宿シネマカリテ
所在地:
〒160-0022 東京都新宿区新宿3-37-12 新宿NOWAビルB1F
JR新宿駅 東南口および中央東口より徒歩2分
電話:03-3352-5645

新宿シネマカリテ
https://qualite.musashino-k.jp/movies/
https://qualite.musashino-k.jp/news/25316/



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2025年11月05日

datasea: シネマ観劇録『ワンバトル・アフター・アナザー』(25.11)〜移民テロ集団vs国境警備軍








datasea: シネマ観劇録『ワンバトル・アフター・アナザー』(25.11)〜移民テロ集団vs国境警備軍
TOHOシネマズ日比谷
🕐25.11.4
『ワンバトル・アフター・アナザー』
TOHOシネマズ日比谷,一般2000円。東宝本丸の日比谷本館。同タイトルは木曜日で上映終了,連休中は満席,連休明けの火曜日にギリ滑り込みで観る。平日午後3時にも関わらずほぼ満席。外国人多く,途中から館内にマリファナの匂いが。
有名どころではデカプリオ(Reonald Dicaprio)とショーン・ペン(Sean Penn )の出演。親子愛を軸に,メキシコ移民の革命軍/テロ集団と米国境警備軍との闘いを描く。映画はTBSラジオの宇多丸師匠のレコメンドで選ぶ事が多いが,個人的評価は65点かな。ラストはあまり感情移入出来なかったし,チェイスも事前に評判を聞きすぎて,ちょっと肩透かしだった。とはいえ中盤までの入り組んだストーリーは胸アツだった。革命軍/移民テロ集団(フレンチ75)の末路,テロ集団の根絶を図るアメリカ警備軍,白人至上主義のメーソン的結社(クリスマスの冒険者)への入社に挑む警備軍上官の3つのストーリーラインが交錯するワクワク感。欧米の結社の風景って,リアルにこんな感じなんだろうと腑に落ちた。最後の冷酷無比なシーンも,あまりにリアルな感じで震えた。
キャラ的には, ヒール役/ イカれた警備軍上官のショーン・ペンの存在感が際立つ。海外YouTube評でも「主役を食ったペンの演技」っていう評判に同感。70代は行っていると思うが,鍛え上げられた肉体,ぶっとい上腕は70代のそれではない。それに加えた権威欲者,変質者的なキャラ設定がおもろかった。革命軍の女戦士を双眼鏡で観ながら装甲車の車内でオナる警備軍上官って,どんなヤツだよ。この上官の女戦士への個人的な情念が,結構ストーリーの幹になってる。
移民テロ軍団,メーソン的結社の双方の,口頭の暗号によるファイアーウォール, 一見普通の民家の地下に形成されたトンネル網と地下アジト。リアルに展開する陰謀論的世界にアツくなった。時事系だと去年10月に観た『シビル・ウォー』でも感じたが,極限状態ではWiFi無線や電子機器は通用せず,アナログの無線通信でも結局足がついてピンチを生む伏線になる。物理的な洞穴とか口頭の暗号で作られた原始的物理的防御システムってのが,最後は砦になるのか。
あと車種関連では主人公ボブが逃走時に乗る日産のガソリン車,ポイントポイントで映る日産のロゴ。日本車が割といいもん側で活躍するっていうのは,『ワイルド・スピード』と同じ印象だった。
映画『シビル・ウォー』が描いたのが人民軍(西部)vs政府軍(東部)のアメリカ内戦の分断なら,この『ワンバトル・アナザー』はアメリカ(北)とメキシコ移民(南)の南北人種間の分断。昨日はドジャーズ優勝で,ロサンゼルスで発生した火事暴動,盗難事件のニュースを観た。アメリカの分断と無法化は末期の先へ進む。映画にはオチがあっても,現実にはオチがない。

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2025年09月23日

さてはてメモ帳ほか: 芸能メモ/25.9.22〜石橋食道がん,映画『Snake Eyes』ほか

さてはてメモ帳ほか: 芸能メモ/25.9.22〜映画『Snake Eyes』ほか
木梨憲武、療養中の石橋貴明へラジオで“粋”なエール「治ったら…」ネット「泣ける」「ノリさんの心境…」
2025/9/13(土) 9:17
「とんねるず」木梨憲武(63)が13日放送のTBSラジオ「土曜朝6時 木梨の会。」(土曜前6・00)に出演。食道がんと咽頭がんを併発して芸能活動を休止中の相方・石橋貴明(63)に言及した。番組終盤、木梨が「とんねるず方面、貴明が治ったらまた違うライブが始まると思います」と呼びかけ、かけたのはコンビの名曲「セブンスコードを天国にくれ」(1992)。石橋の歌声が流れた。ところが間もなく放送終了時間に。「ちょっと待ってよ〜10秒前って、おい!あとちょっと」と放送時間の都合上、木梨が歌う2番は流れず、1番の石橋のパートのみ流れた。
ネット上では「憲さんなりの貴さんへのエールですよね 粋な計らいに感動しました」「もう朝から泣いちゃうから、、、しかも一番の貴さんの声だけ」「貴さんパートのみ そこがいい」「セブンスコードは泣いちゃうでしょ」「名曲きた」「これがノリさんの心境なのでは」「のりさんパート前で終わった(笑)」「グッときました」と、さまざまなコメントが寄せられた。
石橋は今年4月3日に自身のYouTubeチャンネルで食道がんを公表。当面の芸能活動休止を発表した。その後、同月9日には、中居正広氏の性暴力に端を発する問題を巡り、石橋の事務所がフジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があったことを明らかにしていた。同16日、所属事務所を通じて謝罪。また、咽頭がんを併発していたことも明かしていた。
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【写真あり】石橋貴明 孫を抱っこ、長女・穂乃香が公開 フォロワーほっこり「貴さんがデレデレ」「じいじの顔」
浜田雅功 沖縄行きの航空機で両隣に座った超大物芸能人「挟まれたんだよ」 スタジオ騒然
安田成美 夫・木梨憲武とのなれそめ明かす「どんな人だか分からないからお断りした」も「しつこくて…」
最終更新: 9/13(土) 10:48
(C) スポーツニッポン新聞社

Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/a24cf35f34e42d950bd1a4d9903bb1a0d68e09fa&preview=auto














追悼・吉行和子さん 料理が嫌でバター丸かじり…「おひとりさま生活」女優が明かした最晩年
9/13(土) 8:11
俳優の吉行和子さんが、9月2日に肺炎のために亡くなった。90歳だった。30代で離婚を経験して以降、長きにわたって「おひとりさま生活」を送っていたという吉行さん。2年前の取材では「人と暮らせない」性分であると語り、ユニークな暮らしぶりを明かしていた(「週刊新潮」2023年1月5・12日号掲載記事の再掲載です。文中の年齢、役職、年代表記等は当時のものです)。
確かに私はひとりで生きていますけど、私の「ひとり」ってそんな大げさなものではないんですよ。ここまで“偶然”や“仕方なく”が重なって、87歳になった今でもひとりで暮らしているだけで。でも、思い返してみれば、それが必然だった気もするわね。私の「ひとり」が決定的となったのは28歳のとき。人並みに結婚くらいしておかなくちゃと思っていたところ、所属していた劇団に、たまたま私に結婚を申し込んでくださった人がいて。そのまま入籍して共同生活を始めたんです。でも……。ダメだった。家の中に人がいることに耐えられなくて、毎晩、家に帰る前に喫茶店に立ち寄って珈琲を1杯。よし、帰るぞって気合を入れ直さないと帰れなくなってしまったの。相手には何の非もなくて、完全に私の性格が原因。結局、結婚生活は4年で終わり、以降ずっとひとり暮らしで、家に友人を招くことすらありません。
「家族がいて楽しいって感覚がない」
よく、ひとりだと食事をするときに寂しくないですか? って聞かれるんですけれど、こんな性格だし、私の場合、もともと周りに人がいなかったのも大きく影響しているんでしょう。父は私が4歳の頃に亡くなっていますし、美容師だった母は早朝から仕事にかかり切りで、子どもに構っている暇なんてなかった。そんなふうだから、家族で食事を取ったことなんて数えるくらいで、私には家族がいて楽しいって感覚がないんです。家庭を持っている人は子どもが自立していったり、配偶者に先立たれてしまったりと、楽しかったことがだんだんなくなっていくと寂しさを感じるんでしょうが、それがないからひとりであることのダメージも全くない。
■ 食事は「最低限の栄養素補給」
だいたい私は食べること自体も好きじゃありません。仕方なく「最低限の栄養素を」と考え、ヨーグルトとかお肉や魚、野菜を食べているけれど、すべて薬だと思いイヤイヤ飲み込んでいる。コロナ禍になって苦手な料理も自分でするようになりましたが、本当に苦痛。うちには油のほかには塩、コショウ、醤油くらいしか調味料がないから、そもそもおいしくなりようがないの。毎度“なんて下手なんでしょう!”“あぁまずい!”なんて悪態をつきながら口に食べ物を放り込んでいるんですから、寂しいとかいう以前の問題です。もう究極に面倒くさいときはバターの塊を齧るだけで済ませたり、なんてことも。バターは、小さい頃に母がよく、朝食として私と妹の枕元に塊をボトンッと置いていっていた、ある意味、おふくろの味。「三つ子の魂百まで」と言うけれど、未だにそんなものを齧っているんだから、嫌んなっちゃうわよね。もちろん、私だって気の置けない友人たちとおいしいものを食べたりするのは好きなんですよ。ただ、ひとりでの食事や、あまり気の進まない仕事の打ち上げなんかは、栄養を取りためておく場だと割り切っているんです。
■ 仕事が一番のごちそう
こんなふうに話すと、楽しみのない人生ねって思われるかもしれませんが、私はとにかく仕事があればそれでいい。仕事が一番のごちそうだし、現場で働いていれば機嫌がいいんです。女優は定年もありませんし、年相応の役もある。だから、いい職業に就いたと思っていますよ。嫌いな食事を取るのも、運動をするのも、すべて女優を続けたいがため。いつまでオファーがあるかは分かりませんけれど、求められる限りはね。そういう意味では、母に似ているのかもしれません。うちの母も97歳まで現役の美容師として働いていましたから。でも、母の場合は、107歳で亡くなるまで10年近く寝たきりの生活だった。最期まで頭はしっかりしていたんですが、かえってそれがかわいそうで。私はそれだけは嫌。仕事ができなくなったらさっさと逝ってしまいたい。
■ 残酷すぎる現実
自宅介護だった母は冗談半分で「私にはあなたがいたからよかったけれど、あなたはどうするんでしょうね?」なんて憎まれ口を叩いていましたが、認めざるを得ない残酷すぎる現実です。もともと私は物に執着する性格ではありませんから、アクセサリーも洋服も、舞台や映画の台本だって、ほとんど処分してしまっている。だから、もし私が死んでも遺品整理なんかでご迷惑をかけることは、たぶんない。だけど、死んだ後に誰にも見つけてもらえなかったらどうしようって、今はそれだけが心配。自分の体は事前に処分するわけにもいきませんからね。
「老い」のバロメーター
でも、すでに対策は講じてあるんです。親しくしているお友達に、毎朝1回ラインで連絡をちょうだいってお願いをしていて。昼間になってもそれに返信がなければ、しかるべきところに連絡を入れてもらうことになっている。それから、私くらいの年齢になると、毎日、何かしらできないことが出てきますから、自分の能力を過信しないことも大事ね。いつまでも若い感覚のままでいると、思わぬケガにつながります。私も数年前、雨で濡れた路面をヒールで歩いているときに転んでしまい、大腿骨を骨折する大ケガをしたことがありました。シャクだから、そのときに持っていたヒールの靴は全て捨ててしまいましたが、できなくなったことを受け入れることも必要です。あと、うちでは飲料用にウオーターサーバーを使っていましたが、水の入ったボトルをひとりで持ち上げることができなくなり、蛇口に取り付けるタイプの浄水器に変えてしまいました。うんと昔に購入したパソコンも、これで原稿を書けるようになりたいって努力を続けたんだけれど、このあいだ処分。いくら練習しても、頭で考えたことをそのままタイピングするのがどうしてもできないの。紙に書き出してから打ち込むんじゃ二度手間じゃない、と思って捨ててしまいました。そうやって「老い」と折り合いをつけている最中の現在、一つのバロメーターにしているのは、ごみ捨てです。今は週に何度か、自分でごみ袋を抱えてマンションのごみ置き場まで持って行っていますが、これができなくなったら、今の生活を少し見直さないといけません。ひとりで生活することが困難になったときのために、介護施設選びもしているんですよ。学生時代の友人たちがわざわざ私の代わりに見学に行ってくれて「ここ最高よ!」なんて薦めてくれたこともありました。映画館や百貨店が近くにある施設の資料を取り寄せて「ここなら退屈しなそう!」とか、自分でものんきなものだと思いますが、備えておくに越したことはありません。
でも、目標はあくまでも「生涯現役」。足腰が衰えないよう、今でも1日5千歩くらいは外を歩くようにしています。昔は海外旅行が好きで、毎年のように外国に出かけていたこともありましたが、コロナ禍でそれも難しくなった。今ではデパートに行くことがもっぱらの楽しみで、「世の中にはこんなものがあるのか」と驚きながら、運動もかねて歩き回っています。そうそう、このあいだは半世紀以上ぶりにひとりでプラネタリウムにも行ってきました。ひとりでいると、できなくなっていくことの多さに絶望することも多い。でも、それは仕方のないこと。どうなっちゃうのだろうと、むしろ興味を持っている方がいいと思っています。
デイリー新潮編集部
新潮社
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最終更新: 9/13(土) 8:11
(C) SHINCHOSHA

Yahoo!ニュース
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ファミコン『悪魔城ドラキュラ』はなぜ「プレミア化」するのか カセット版は約15万!ディスク版も高騰中…
9/23(火) 7:15配信
ふたまん+
ファミコンディスクシステム『悪魔城ドラキュラ』(コナミ) 写真/ふたまん+編集部
数万円から数十万円の値段がつくこともある「レトロゲーム」の世界。そんなソフトがズラリと揃う『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』の店長にして、自身も大のゲームコレクターである大竹剛氏が、毎回1本のソフトを語るこの連載。今回、ショーケースに並ぶソフトの中から取り上げるのは−−?
『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』の店長、大竹剛です。今回ご紹介するのは、コナミのアクションゲーム『悪魔城ドラキュラ』。サードパーティ初のファミリーコンピュータ ディスクシステム用タイトルとして1986年に発売されたソフトです。ただ、実はその後、カセット版もリリースされているんです。現在、当店ではディスク版を9900円(税込)、カセット版を14万9600円(税込)で販売しています。カセット版が珍しいことはのちほど詳しく説明しますが、最近ではディスク版も相場が上昇し、それなりのお値段になってきました。本作は発売当時とても話題になったタイトルで、定価も2980円と安く、買った人は多かったはずです。ただ、ディスクシステムのディスクカードは、当時おもちゃ屋さんなどに設置されていた『ディスクライター』で、新しいゲームを500円程度で書き換えることができました。なので、他のタイトルに書き換えてしまって、オリジナルの状態のまま残っているケースは案外、少ないのかもしれません。人気のあった『悪魔城ドラキュラ』は、とくに多くの人が利用したでしょうからね。
■もともとカセット版として開発され、海外ではカセットで発売
さて、『悪魔城ドラキュラ』のカセット版が発売されたのは、すでにスーパーファミコンが普及していたファミコン末期の1993年。やはりディスクシステム用のゲームだった『もえろツインビー シナモン博士を救え』、『バイオミラクル ぼくってウパ』も同じ時期にカセット版が出ていて、現在では3本ともかなりのプレミア価格となっています。高値の理由は「数が少ないから」。ファミコンのカセットは、任天堂が各社から委託を受けて生産していましたが、なかには自社生産するメーカーもありました。コナミもそのひとつ。任天堂への発注はある程度まとまった本数が必要だったと聞きますが、自社生産の場合は自由に調整可能で、少ない本数でも発売できたんじゃないかと思います。だから、もともと生産本数が少なかったことに加えて、ファミコン末期の発売であること、そしてディスク版がポピュラーだったことで、カセット版はあまり売れなかったんじゃないでしょうか。
ところで、海外では一部を除いてディスクシステムが販売されなかったため、ディスクシステム用のゲームがNES(ニンテンドー・エンターテインメント・システム)用カセットでリリースされたりしています。 有名なのは『ゼルダの伝説』(任天堂/1986年)。任天堂の公式サイトでも紹介されているのですが、ディスク版とカセット版でサウンドが違うんです。というのも、カセット版は、ディスクシステムが内蔵している音源を使えないから。1994年にはカセット版が国内でも発売されましたが、サウンドは海外版と共通でした。『悪魔城ドラキュラ』も、海外ではカセットでリリースされましたが、『ゼルダの伝説』とは異なり、サウンドに違いは見られません。もともと、カセット用のタイトルとして開発されていたようで、ディスクシステムの内蔵音源を使っていないんですね。 これは私の想像ですが、現在の海外での『Castlevania』(英語版タイトル)の人気の高さを考えると、はなからNESをターゲットに企画されていたのかも……!? なお、1993年発売の国内向けカセットも海外版と同様、サウンドにディスク版との違いはありません。
■ダメージを受けるとノックバックする仕様が難しくて印象的
 個人的にも、『悪魔城ドラキュラ』はめちゃくちゃ好きなゲームです。たしか、社会人になってから買ったんじゃなかったかな……。というのも、ディスクシステムが出たのは私が高校生の頃。ディスクシステム以前に、ファミコン本体を買うためにバイトして、ようやくバイト代が貯まったと思ったら、品薄で店頭から姿を消していて……。なかなかディスクシステムまでたどり着けなかったんです(笑)。でも、発売当時から、欲しくて欲しくてしょうがなかったですね。私がファミコンで遊びたかったのは、もっぱらアーケードゲームの移植作品で、オリジナルのタイトルには興味がなかったのですが、それでも『悪魔城ドラキュラ』には魅力を感じていました。ヴァンパイアハンターの主人公が、ドラキュラ退治のため悪魔城に乗り込むという内容で、ムチで戦うのが特徴的でした。ダメージを受けると、ピョンと後ろに跳ねて強制的に後退させられる仕組みになっているのが記憶に残っています。跳ねた先に床がなく、落下して1人失うとか、定番でしたよね(笑)。この仕組みを思いついた人はスゴイなぁと思っていました。たしか、カセット版ではイージーモードを選べて、ダメージを受けてもノックバックしなくなるんじゃなかったかな。ひょっとすると、開発時にどちらの仕様を採用するか迷って、イージーモードとして収録したのかもしれないなぁ……なんて想像しちゃいましたね。
※ソフトの値段や状態などは取材時のものです。
最終更新:9/23(火) 7:15
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来月いよいよロードショー「ヒポクラテスの盲点」
2025/09/23 12:27
以前ブログでもご紹介した映画「ヒポクラテスの盲点」。
『新型コロナワクチン後遺症被害の問題に迫るドキュメンタリー「ヒポクラテスの盲点」公開』
既に話題になっているのでご存知の方も多いと思いますが、ワクチン後遺症被害に迫るドキュメンタリー映画が今年の秋に全国で公開されます。 新型コロナワクチン後遺症…
リンク
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映画「ヒポクラテスの盲点」ポスター
✔『映画「ヒポクラテスの盲点」に登場する3人の医師とは』
以前、ブログでもご紹介した映画「ヒポクラテスの盲点」。 内容が具体的に公表されました 映画『ヒポクラテスの盲点』公式サイト新型コロナワクチン それは、国が推奨…
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ヒポクラテスの盲点 映画ポスター
いよいよ10月10日(金)ロードショーです。
✔映画『ヒポクラテスの盲点』公式サイト
新型コロナワクチン それは、国が推奨した救世主のはずだった 大手メディアが殆ど報道しない、科学と事実に基づく《驚愕》ドキュメンタリー 10.10(FRI)あなたは、事実を受け入れられるかー
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hippocrates-movie.jp
この映画は臨床現場で実際に患者さんを診てきた医師のドキュメンタリー。問題は現場で起こっている。その現場を描いた映画。日本中がワクチンに狂っていたあの時期、勇気を出して立ち上がった先生方が登場します。是非ともご覧いただきコロナパンデミックは何だったのか?ワクチンはどうだったのか?お一人お一人、ご自分の中で考えるきっかけして頂ければと思います。

みのり先生の診察室
https://ameblo.jp/drminori/entry-12931773540.html










予測プログラミング:1998年のニコラス・ケージの映画がいかにチャーリー・カークの死の脚本を書いたか Baxter Dmitry
2025/09/23 12:22
✔ Predictive Programming: How a 1998 Nicolas Cage Movie Scripted the Death of Charlie Kirk September 21, 2025 Baxter Dmitry News, US 0 Comments
https://thepeoplesvoice.tv/predictive-programming-how-a-1998-nicolas-cage-movie-scripted-the-death-of-charlie-kirk/
1998年のニコラス・ケージ[Nicolas Cage]のアクション映画、スネーク・アイズ[Snake Eyes]は、人々がその映画とチャーリー・カーク銃撃の間の一連の不気味な類似点を指摘しているため、突然会話に戻ってきた。映画では、チャールズ・カークランド[Charles Kirkland]という名前のキャラクターが首の左前面に1発の銃撃で殺される。映画のマーケティングは、ニコラス・ケージがポスターにタイトな三角形の手のジェスチャーをしていることを示している。中心的筋書きは、イスラエルの仲介者が関与する腐敗した武器取引にかかわっている。その混乱を詮索する主任捜査官はタイラー[Tyler]と名付けられている。多くの人にとって、最も不安な詳細は映画のキャッチフレーズである。「あなたの目以外のすべてを信じよ。」 それは今日、マーケティングのようではなく、警告のように読める。視聴者を嘲笑しているように見える一節で、真実がよく見える状態の中に隠されていることをほのめかしている。
陰謀フォーラムと社会的フィードは、映画からのイスラエル人の武器取引の脈絡を、イスラエルがカークの現実世界の殺害の背後にいたとの主張に結びつけている。その言語は単刀直入である:その映画は、取引、捜査員、および証人を沈黙させる方法を示している。そのため、その理論は、その映画が予行演習または信号として機能しているという。その理論の支持者たちは、ポスターの三角形のジェスチャーを、物語全体を結び付ける視覚的な署名として指摘している。中傷者は、それをランダムなオーバーラップと典型的なハリウッドの縮めた表現と呼んでいる:強いシンボル、政治的サブプロット、そして劇的な死。そのフレーミングは、陰謀理論コミュニティが「予測プログラミング」と呼ぶものにまったく適合している。基本的なアイデアは単純である。あるアイデアを正常化したり、あるいはイベントが発生する前に公衆に準備をさせるために、特異的なイメージと策略の要点をポピュラーメディア中に植え付ける。予測プログラミングの背後にあるロジックは簡単である。フィクションで十分な頻度で画像やストーリーラインを繰り返し、最終的に実際に展開すると、衝撃が少なく、ほとんど予想されている。一般の人々はすでに「プライミング」されており、かつては考えられなかったと思われるものを受け入れるように柔軟になっている。
https://youtu.be/VucLIxy23TA 
その理論の支持者たちは、例の長いリストを指している。シンプソンズは、後に不気味な正確さで現実世界のイベントをエコーするように思われるエピソードの伝説になってきた。2001年のThe Lone Gunmen のパイロットは、9/11の数ヶ月前に世界貿易センターに向かって飛行しているハイジャックされた飛行機を示した。拷問、監視、無限の対テロ戦争のために、聴衆を条件付けした24のようなシリーズ。ミュージックビデオ、ファッション撮影、グローバル広告キャンペーンでさえ、シンボルを文化的な潜在意識に織り込むかのように、ピラミッド、全てを見通す目、儀式のマスクなど、オカルトイメージに繰り返し傾いている。信奉者たちにとって、これはランダムではない。それぞれの例はより大きなパターンの一部である。現実を準備するフィクション、リハーサルとして機能するエンターテイメントである。それが、Snake Eyesがそのような神経を襲った理由である。そのピラミッド・ハンドサイン、イスラエルの武器取引サブプロット、そして首撃ちによるチャールズ・カークランドの処刑はすべて、映画の飾り書きのようではなく、事前に書かれた脚本のように見える。人々が尋ねている質問は、もはやこれが偶然であるかどうかではなく、ハリウッドがずっと合図してきたかどうかである。
About Baxter Dmitry 7455 Articles
Baxter Dmitry is a writer at The People's Voice. He covers politics, business and entertainment. Speaking truth to power since he learned to talk, Baxter has travelled in over 80 countries and won arguments in every single one. Live without fear.   https://twitter.com/TPVBaxter 
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9月21日 - カークの隠蔽:真犯人が特定されたのか?

さてはてメモ帳
https://glassbead.blog.shinobi.jp/prp/%E4%BA%88%E6%B8%AC%E3%83%97%E3%83%
AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0%EF%BC%9A
1998%E5%B9%B4%E3%81%AE%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%82%
B9%E3%83%BB%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%81%AE%E6%98%A0








ハリウッドとの共同制作アニメ映画プロジェクト「DEATH STRANDING MOSQUITO」 監督は宮本浩史
9/23(火) 15:30配信
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KOJIMA PRODUCTIONSのフランチャイズ展開として、小島秀夫が創造し世界的人気ゲームとなった「DEATH STRANDING」から、ハリウッド共同制作アニメーション映画プロジェクト「DEATH STRANDING MOSQUITO」が始動する。ティザー映像(https://youtu.be/GFLoRTwPtic)が披露された。
「DEATH STRANDING」は、ノーマン・リーダスやマッツ・ミケルセンら世界的名優たちがキャラクターのモーションキャプチャーを演じて世界的にも話題を呼び、熱狂的なファンを生み出したオープンワールドゲーム。本作の監督を務めるのは、東映アニメーション、プロダクションIG、スクウェア・エニックスなどに在籍し、「映画 HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」の監督などを経て、2020年に設立された[ABC ANIMATION STUDIO]の宮本浩史。2D作画と3DCGの垣根を超えた映像表現に挑戦し続ける、アニメーション監督であり、演出家だ。
このほど公開されたティザー映像は、水中に沈んだかのように見えた一人の男が目前に何かをみつけ、それに向かってスピードを上げて近づいてくるシーンから始まる。そして舞台は一転し時雨の降る大地。まるでタールの塊のような獣が暴れている姿が見られ、傍らにはその獣を捕らえようとする男の姿が。そこに現れる映像の冒頭、水中にいた男…。彼は獣を優しくなでると、捕えようとした男にいきなり殴りかかる。殴り合う二人の激しいアクションシーンの最中、その素顔も露わに…。戦い続ける二人は一体何者でどんな関係性なのかは謎に包まれているが、壮大な物語を大いに感じさせる映像となっている。
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最終更新:9/23(火) 15:30
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「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
9/13(土) 8:50
<「彼も還暦に近づいているのだから」と減量を支持する声も多かったが、あまりの変化に健康面を心配するファンも>
プロレスラーから映画俳優に転身した「ザ・ロック」ことドウェイン・ジョンソンが、9月8日にカナダで開催中のトロント国際映画祭に出席し、激やせした姿を披露して「二度見しちゃった」「劇的な変身」とファンを驚かせた。【千歳香奈子】
鍛え上げられた強靭な肉体を生かして『ワイルド・スピード』シリーズに出演するなどアクションスターとなったジョンソンは、1997年に日本で発足して人気を博した総合格闘技イベント「PRIDE」で活躍した実在の伝説的格闘家マーク・ケアーの伝記映画『The Smashing Machine(スマッシング・マシーン)』に主演するため13キロ以上の増量に挑戦したばかり。特殊メークを施し、屈強な格闘家の半生をリアルに熱演したジョンソンの演技は大絶賛され、先日閉幕した第82回ベネチア国際映画祭では15分間のスタンディングオベーションを受けた。作品は銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞し、10月3日の北米公開を前に早くも「オスカー候補」の呼び声も高まっている。そんなジョンソンは、ベネチアでのワールドプレミアで劇中とはまるで別人の引き締まったボディを披露。あまりの変貌ぶりに「小石のようだ」「筋肉が消えた」「どの減量薬を使ったの?」とネットをざわつかせた。「彼も還暦に近づいているのだから、あの体型を維持するのは不可能だ」「もう52歳なのだから、筋肉よりも健康や俊敏性、そして長寿を優先し、意図的に体重を減らしたのだろう」「60歳でステロイドを使うと健康リスクが高まる」などと減量を支持する声も多かったが、8日後にトロント国際映画祭のレッドカーペットに現れたジョンソンはさらに体重が落ちているように見え、以前のマッチョな面影は消えていた。そのため、「病気なの?」「何が起きているの?」と健康面を心配するファンも多かった。
<本人が語る減量の理由>
「痩せて老いたように見える」と話題を呼んだジョンソンは、スリムになった理由について「新作映画の役作りのため」と説明している。「ダニエル・ピンクウォーターの小説を原作にした『Lizard Music(リザード・ミュージック)』で自分と同じ年のニワトリが親友の気まぐれで風変わりな70歳の老人を演じるために減量中だ」と話し、『The Smashing Machine』の時のように再び変身できる機会が巡ってきてとてもワクワクしているとコメント。減量はまだ終わっていないと話し、トレードマークである筋肉質な肉体を改造するために鶏肉の摂取量を減らしていると冗談を飛ばして健康不安を吹き飛ばした。アクション映画だけでなく『ジュマンジ/ウエルカム・トゥ・ジャングル』などコメディ作品にも多く出演しているジョンソンは、シリアスな役に初挑戦した『The Smashing Machine』で初のオスカー候補に名を連ねる可能性も取り沙汰されている。ベネチアではワールドプレミア後に受けた長いスタンディングオベーションに涙を流す場面もあったが、「(撮影中は)本当に怖くて、"自分にできるのか?"と自問自答したのは本当に久しぶりだった。これまでこうした機会が巡ってこなかったのは、挑戦するのが怖すぎたからかもしれないと気づいた」と、これから本格化する賞レースを前に本音も吐露している。
千歳香奈子
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最終更新: 9/13(土) 8:50
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「チェンソーマン」が初登場1位!7位「宝島」、8位「ひゃくえむ。」【国内映画ランキング】
9/22(月) 20:00配信
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初登場V!
9月19日〜21日の国内映画ランキング(全国週末興行成績・興行通信社提供)が発表された。今週は「劇場版 チェンソーマン レゼ篇」(東宝)が、週末3日間で動員80万7000人、興収12億5100万円をあげ初登場1位に輝いた。原作はシリーズ累計発行部数3,000万部を突破し、現在も連載中の鬼才・藤本タツキによる人気コミック。2022年にTVアニメが放送され、国内だけでなく世界中で高い評価を獲得する中、連載当時から熱狂的な人気を博したエピソード“レゼ篇”を映画化した。TVアニメ版に引き続きMAPPAがアニメーション制作、TVアニメ版でアクションディレクターを担当した𠮷原達矢が監督を務める。
2位は公開から9週連続で1位に君臨していた「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」(東宝/アニプレックス)で、週末3日間で動員39万人、興収6億4500万円をあげた。累計成績は、動員2362万人、興収340億円を超えている。
公開から4週目を迎えた「8番出口」(東宝)は週末3日間で動員23万7000人、興収3億4000万円をあげ先週に続いて3位の座をキープした。推計では動員261万人、興収37億円を突破している。
4位は先週2位でスタートを切った「ブラック・ショーマン」(東宝)は週末3日間で動員19万8000人、興収2億8000万円をあげており、5位をキープした 「国宝」(東宝)が、累計で動員1050万人、興収148億円を突破した。新作では、「るろうに剣心」シリーズの大友啓史が監督を務め、第160回直木賞を受賞した真藤順丈の同名小説を映画化した「宝島」(東映/ソニー・ピクチャーズ)が週末3日間で動員11万4000人、興収1億5600万円をあげ7位にランクイン。戦後の沖縄で混沌とした時代を全力で駆け抜けた若者たちの姿を描く。主演は妻夫木聡、共演に広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太ら。
8位にも新作「ひゃくえむ。」(ポニーキャニオン/アスミック・エース)がランクイン。「チ。 地球の運動について」が話題の漫画家・魚豊の連載デビュー作で、陸上競技の世界で100メートル走に魅せられた者たちの狂気と情熱を描く。監督は岩井澤健治。声の出演は松坂桃李、染谷将太ほか。
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最終更新:9/22(月) 20:00
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posted by datasea at 23:12| Comment(0) | ♪  シナリオ・創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年07月12日

岡田斗司夫: 『カリオストロの城』解説










岡田斗司夫: 『カリオストロの城』解説
YouTube『 岡田斗司夫チャンネル』
2025.7.1
今週の金曜ロードショーで『ルパン三世〜カリオストロの城』が放送されるということで,今週の岡田ゼミは『カリオストロの城』祭りなんですよ。で,前回に引き続き今日の動画も『カリオストロの城』の解説動画を有料の部分まで含めて公開しちゃう限定解除やります。こんばんは岡田斗司夫です。この動画は2018年3月18日に配信した岡田ゼミ第222回の限定まで含めた限定解除動画です。それでは7月3日までの1週間だけになりますけれども楽しんでください。
■ オープニングのボツシーン
…君も前からずっと4分このままだっていうの。これだけで教えてるんですよね。 だからその踏切で車が止まっててその向こう。電車が通り過ぎるっていうシーンを。 本当はこれがあの列車が通過するだけで,20分も30分見てなきゃいけないっていうのやつに普通。例えばロバーをちゃんと正面から書かなきゃいけないとか,あとリンゴを投げる女の人に投げキッスするルパンていう風です。作画的にちょっと手間かかるんですけど,だからもちろん描かない。それ以外にも何故この2カットがボツになったかというと,理由がありまして,それは何故かっていうと,ルパンと次元の孤独感がなくなっちゃうんですね。 今の残ってるオープニングっていうのは「ルパンと次元が,まっとうな人の世界からはぐれてしまった迷子のような存在,泥棒という生き方を選んだんだけども,それは別に本当は楽しいものじゃなくて,実は孤独でなんか寂しいものかもしれないよ」っていう作者のメッセージが伝わらないんですね。こんななんか道中でリンゴを投げてもらって投げキッスをしてしまうルパンとか,もしくは車がエンコしてロバで引っ張ってもらって,ロバに乗ってる子供と話してるルパンていうのを描いちゃうと孤独感が出ないんですね。 そうじゃなくてルパンにふさわしいのは,なんか真っ白な服を着て歩いてる女の子を,気付かれないようにそっと避けていくぐらいのルパンの方が,今回の世界観にはあってるんですね。 なので地元の人との触れ合いみたいなシーンは全部カットすると同時に,手間がかかるシーンはやめちゃって,あくまで手間がかからない作画で統一したっていうのが,宮崎駿の判断なんですけども。まァね,それがあったとしても,その他にもなんかすっごい深い草原があって,そこでフィアットがスタックしてしまって,次元とルパンがフィアット押してる絵とかがあるんですけど,これも単純に作画が大変だからボツになったんだと思いますけども,ギリギリまで作画を省略して,その分構図と色味で見せる。これもねやっぱりボツになった理由は色味がごちゃごちゃしてるんですよ。で,結局採用になったカットというのは1カット1カットの明るい/暗い,夜/昼。あとなんだろうな…はっきりした色味で見てる人を退屈させないという構図が全部できてるカットばっかりなんですね。画面の抜けがいいのか,もしくは圧縮されてるのか。ただ,このなんかやっぱり大塚さんが「宮崎さんのすごさっていうのは迷いや失敗をアニメーターに許さない」って言ってるんですよね。すごい言い方ですよ。「宮崎駿のコンテの何がすごいかって言ったら,迷いや失敗をアニメーターに許さない。そのスキを与えない。 コンテを見たらどのような演技が必要されてるのか,どこを省略すればいいのかも,どんなアニメーターでもわかる。この伝達力っていうのが宮崎駿のコンテのすごいところだ」って大塚さん言ってるんですけども,確かにそうなんですよ。さっき言った背景を2段に引くとか,あと,この部分だけを動かすという指示っていうのは宮崎駿特有のもんで,背景の2段引きに対して左のフィアットを動かしてやったら,別にそのリンゴを投げてもらって,ルパンのフィアットが去っていって,その去っていくフィアットに対して,女の子はりんごをわざわざ投げてくれて,ルパンがギリギリで受け取って投げキスを返すって演技って,もう間違いようがない。 多分このコンテ見たらどんなアニメーターもやりたいことが分かっちゃうと,この辺がすごさだと思います。 でも,まあまあまあボツにせざるを得ないのは分かるんですけど,この風景見たかった。動かしたくなります。
■ 『カリオストロの城』マップ
じゃあ,このまま最後の章ですね。 ブラゼルダではなくてブラカリオストロの城ですねえ。このままオープニングが終わったらどうなるのか?オープニングが終わったら,カリオストロの城に到着します。カリオストロ公国の入口です。手前がカリオストロ公国の旗で,その奥にあるこの黒の十字の旗は,ひょっとしたら伯爵家の旗かもわかんない。まァ国の旗と,貴族の旗の2種類なんでしょうね。よく言われる通りリヒテンシュタインの国旗に似てるので,リヒテンシュタインがモデルなんでしょう。でこのカットの次がいきなり国境のシーンになって,はためく旗のところで色々車が流れて,この橋を渡ったところがカリオストロ公国になるわけですね。 いわゆるここが国境の関所です。 で,これがどこなのかなんですけど,宮崎駿のカリオストロ全体地図っていうのは何種類もあるんです。 今あんまり出てこないんですけども,最も初期に書かれたものがこれです。この頃はだいぶ違う。例えば湖が龍の尾という風に呼ばれたり,あと2つの城があるんですけど,下カリオストロの城の時計台の下に5段階の水車っていうのがあった上でローマ水道で上カリオストロの城に向かって水が流れてる。で,この5段階の水車ってのは何のためにあるのか?っていうと,今はもうこの水車なくなってるんですよ。
最後に本編で使われている地図ですね。この地図は航空写真で,ルパンが作戦を指示する時の航空写真で,その上がよく設定資料として出てくる白の全体地図です。で,これを見るともうあの5段の水車はなくなってるんですね。 で,何故なくなったのかっていうと,設定が変わったから。実は『カリオストロの城』には,幻のDパートというのがあった。『カリオストロの城』はABCDの4つのパートでできてるんですね。 このDパートっていうのが,最終のクライマックスパートってので,宮崎駿がもう涙をのむ思いで,あのカットしたパート。 『カリオストロの城』って自分としては合格点いわゆる90点を出せるはずの作品だったのが,結果的に60点を出せないような作品になっちゃったのは何故かっていうと,このABCDのDパートっていうのがもう大幅にアクションシーンとかカットしなきゃいけなくなった。宮崎自身「妥協した部分がいっぱいある」って言ってるんですけども。
『カリオストロの城』は
上カリオストロの城
下カリオストロの城
城下町
の3箇所で展開します。上下のカリオストロの城は河を挟んであって,上下の城を繋ぐ水路にある5段階の水車っていうのもこのクライマックスの一部なんですね。もちろん作画的に大変だということもあるんですけども,実は『カリオストロの城』はその水車がやろうとしていた事,結果的に残ったのはローマ水道の水を止めていて,それが抜けたらローマの遺跡そのものが見つかったっていう流れだけど,実はそうじゃない。 もっとすごいクライマックス,5段階の水車が必要な動力が必要な大クライマックスがあったんじゃないのか?っていうのが僕が来週語る予定の『カリオストロの城』の幻のクライマックスを復元するって話ですね。 ピラミッド復元みたいな話なんですけど。
✔下カリオストロの城
これ空想物件っていうシリーズの模型であるんですけど,カリオストロがオートジャイロで階上に着陸した後,広間を 服を脱ぎながら移動して,でここに小さいエレベーター付いてますね。このエレベーターで上がっていって歩いてくと。 そうすると渡り廊下が伸びていってクラリスの部屋に通づる構造になっています。で今コメントで「何故王様が城に住んでないのか?」という風に言ってたんですけども,元々さっきの初期設定の地図を見ると「上カリオストロ」「下カリオストロ」という風に呼んでるんですね。 で,この城は実は下カリオストロの城で,上カリオストロの城は太閤が住んでいたお屋敷の部分なんです。 お屋敷の部分が光のカリオストロ/カリオストロの社交場としてあって,この下カリオストロの城っていうのは,あくまで外敵を防衛する城門であり,同時に秘密の場所でもあった。で,下カリオストロの城のクラリス部屋なんですけども,奥にベッドがあってっていう構造になってますね。 ここに幽閉されたクラリスを救うのがストーリーの大筋になってます。で,最初に銭形警部がいたのが,下カリオストロの城の下に降りて,塀の内側の広場をうろうろしていたらレーザー光線があるという風に気がついた。 下に向かって撃つための大砲が並んでいたり,水路があったりします。 この広場っていうのが,実は伯爵とクラリスが結婚するための礼拝堂です。奥の方にちゃんと十字架があって礼拝堂になってますね。 この礼拝堂の下に秘密の印刷所があって,この印刷所のさらに下にはルパンたちが落とされた迷路があるっていう風な構造になってます。
何故模型で再現してるのかっていうと,これぐらい設定がちゃんとしているんですね。 なんか普通だったら,模型なんて作れないんですよ。 でも宮崎駿はこういう位置関係っていうのを把握して,多分この模型が作られる以前,この位置関係がはっきり本人の頭の中にあった。
✔水路
上下カリオストロの城を繋ぐ水路。
ローマ時代に作られたローマ水道,ローマ人が何10kmも遠くの水源から町へ水を運ぶためにやってくる橋…橋じゃないんですけど,この中に中空のパイプが通っていて水が流れる水道なんですね。
✔上カリオストロの城
で,上カリオストロの城には太閤殿下が住んでいます。で,ルパンと次元が太閤殿下のところまで行って「もう焼け落ちてるな」と言って森の間を歩いていって,小さい階段をトントントンとステップで歩いていって,プールの畔まで来る。でここの階段でルパンがしらばっくれてると次元に「お前知ってたんだな」っていう風にコブラツイストをかけられて,でその後,夜にルパンと次元が忍び込むのがプールの給水口ですね。で,この給水口からプールに潜っていって,この中を通って,ルパンだけがプールから水路をずーっと行って,下カリオストロの城に入って,最後バケツに乗って下カリオストロの城の上まで汲み上げられていって,クラリスの間に入るていう風になっています。で,ラストで時計台が破壊された後,一気にプールの水位が下がって,プールの中にあったローマ遺跡…本当のお宝が見えて,でさっきルパンたちが忍び込んだプールの畔の下に,もっと大きい給水設備があって,これがローマ時代,本当に使われてたやつなんでしょうけど,こっから最後,クラリスがルパンに抱かれて一緒に上がってきたのがプールの中に沈んでいた遺跡の道ですね。 で,この後この遺跡の階段を登っていって,下カリオストロの城を見ると。だから途中で本編の中で次元と五衛門が基本的に潜んでいたのが,この太閤の家なんですね。 で,この太閤の家から覗くと,ちょうど下カリオストロの城は正面構図から見えるということにになっています。これが『カリオストロの城』の全体の位置構造です。
✔城下町
これだけでは,さっき言ったこの3つの場所が分かりにくいんで,さらに追加で模型を作ってみました。 この下カリオストロの城の後ろの裏側ですね。 この裏側がどうなってるのか?多分これ正確だと思うんですけど,カリオストロの城下町があって,ローマ法王様が来た道がある。 ローマ時代の石畳の道がずっと続いていて街になってると。 ただ,この門の奥の方が街で,この門が何のためにあるかというと,中世の城下町っていうのは大体夕方の5時とか6時に教会の鐘が鳴ると,この門は閉鎖されるんです。 閉鎖されて入れなくなる。でこの中で人が住んで商売してて,本当は夕方になると外は人が誰もいなくなるんですね。 では,何故門の外側に家があるのか? 当時からやっぱ遅刻するヤツっているんですよね。 夜遅くなってきたり,隣町に行って戻って門締まってたり,どっか別のところに行って遊んで帰ってきたら帰れないヤツのために大体門の外には簡易的なホテルができる。 宿泊施設とか賭博場とかができる。何故かというと門の中は城下町で市なわけです。 ここの中は市民税がかかるわけ。ところが門外は市民税を免除されてる。法的にも一応別区画で,売春婦とかこういうとこにいるんです。 売春宿があったり,賭博場があったり。 あと,街の中では禁止されてるようなものが門外にあった。だからパリにしてもヨーロッパ中の町ってのは基本的に壁があって,壁の外側にも家があってどんどん範囲が広がっていく。 基本的に中心部に行くほど規律が保たれていて,外側に行くほど,どんどんどんどん治外法権になって,実は門外の辺りが一番楽しかったですね。新宿とか渋谷とか,今,東京のいわゆる繁華街の全ては,こういう門外の町が発展していった部分です。 で,門の中は下カリオストロの城と跳ね橋で繋がっている。いつでも封鎖できるんですね。
で城下町の中に目を通してみると,最初にルパンと次元がスパゲティを食べてた店は多分門のすぐ内側。初期の案では,イメージボードがあるんですけども。次元はマスタードが好きだとか,そういうトリビアも書いてるんですけど,こっちの方の絵を見てください。こちらの方の絵で下カリオストロの城を見張っているルパンと次元がいる。バルコニーみたいなとこで見張ってるルパンのイメージっていうのがあるんですね。 だから最初の宮崎さんのアイデアではルパンをこの辺に宿泊させようとしてたんですけども,ちょっとややこしくなったんで,やめておそらくルパンが宿泊してたのは門内の外れの宿の2階か3階です。 何故かというと,こっから低い屋根が続いて,影の軍団に襲われた時に,ルパンと次元は屋根をいくつか乗り越えてから路上のフィアットに飛び乗るんですね。 で,ルパンたちは壁から飛び出して屋根をいくつか乗り越えた後,フィアットに乗り込んで,城下町の広い通りを抜けてから,めちゃくちゃ細い路地で影の軍団を壁に押し付けて,ガーっと引き上がって,城下町の大通りをぐるぐるぐる走ってカーチェイスやるんですけども。 本当にすごいのは調べてみると,地図を作ったり模型を作ったりすると,宮崎駿の頭の中ではこれ全部が3 Dでできてるって事。
■ 地理考証
『カリオストロの城』のモデルになった場所っていうのはリヒテンシュタイン公国だという風に言われてます。僕もそう思います。カリオストロの城というのは人口3500人とされていて,リヒテンシュタイン公国の人口は3万 人で10倍ぐらいあるんですけども,国連に加盟していて,最も古いヨーロッパの貴族の血を持っていて,切手印刷っていう精巧な印刷技術でなんとか生き残ってるとこもそっくりなんですよ。
これルパンと次元のオープニングのカット。 細い橋で湖を走破したルートですね。地中海沿岸のモナコから北上して,スイスの外れに向かう。多分冒頭の方で走ってる海岸線はモナコ付近で,ちゃんと地中海の海岸線が右側に見えてます。そこから,海岸線から陸地に入っていって北イタリアに入る。ジェノバの手前あたりで北上して,大体今の車だったらGoogleマップ上で6時間で走れるんですけども,フィアットで山もろくに登れないから1週間くらいはかかるだろうと。国際警察に追われてるから脇道行ったんだろうし。オープニングで湖を橋でひたすら渡るシーン。皆さん憶えてますかね? ここだけは分かったんですよ。 これ,ちょうど地中海沿岸とリヒテンシュタインの中間点の…僕ここにマークしてるんですけども,ヴィッソーネってあたりなんですね。でヴィッソーネにはルガノ湖っていう湖があって,ルガノ湖にはものすごく細い橋があるんですよ。 今はもう太くなっちゃってるんですけど『カリオストロの城』の当時はここにめちゃ細い橋があった。車1台がなんとか通れる片側一車線の橋。これ橋というか堤防なんですね。 この上と下の水位差っていうのを作る堤防なんですけど,ここにすっごい細い橋がかかって,このスイスの外れのルガノ湖あたりが,オープニングのカットなので,皆さんも余裕があればモナコからリヒテンシュタインまでドライブしてルパンの道をたどってみてください。
■ 時代考証
カリオストロ公国の場所は,リヒテンシュタインだろうという人もいればスイスだろうという人もいると。であの辺りの湖とか山の地形って,ものすごい複雑なので,どこにカリオストロの城があってもおかしくない。たださっきのミニチュアでも説明した通り,宮崎駿の頭の中では,極めて論理的に3 Dでカリオストロの全体の構造イメージができてる。 城の中もそうですし,城下町と部屋の中の配置もできている。 ただ,唯一おかしいのが時系列です。こっから最後の話に入ります。すいません。あと15分かな? 10分ぐらいで終わると思います。 後ろのCパートのラストですね。 部屋で何もかも諦めているルパンがいて,不二子が部屋の外側から新聞の記事をルパンにポイと投げる。ルパンはその新聞記事を見て,クラリスとカリオストロのルモンド紙の結婚記事を見てびっくりします。 この中で扱われてる珍しい唯一の日時がわかるヤツなんですね。ルモンド紙の設定は1968年9月12日って書いてある。 つまり,1968年9月12日。オープニングでコスモスが咲いてたので9月と分かるんですけど,なので皆様のブログで色々調べてください。 「ルパン三世カリオストロの城の時代は1968年9月12日だ」とどのブログも特定してるんですね。ところがこれ変なんです。 矛盾してるんです。 もう1回繰り返しますけど,宮崎駿はこういう論理的な目に見える矛盾っていうのがほぼないんですよ。一切ないと言ってもいいぐらいですけど,僕にも目の届かないものがありますから,ほぼないと思います。 ないんですよ。 で,何より変なのが,当たり前ですけども次元も銭形警部もカップうどん食べてるんですよね。 カリオストロ伯爵がご飯食べてる時に,それ見張ってる時の次元たちが食べてるのがカップうどんなんですね。 カップうどん/カップラーメンていうのは,カップヌードルの発売が1971年,カップうどんは,それよりさらに遅れて1975年なんですね。 マルちゃんのカップうどん「赤いきつね」というのが歴史上初めてのカップうどんになって,これが「赤いきつね」になっていくんですけども,1971年,1975年のものをこんなに不用意に出すはずがないんですね。 なのでよくルパンのトリビアとかを見ると,「これは宮崎駿の記憶違い。 ついついカップうどんが出しちゃったけども,実際『カリオストロの城』ってのは1968年なんだ」という風にどこにでも書いてあります。 でも僕これ変だと思うんですよ。 そんなことするよりは大体,カップ麺のシーンが不自然なんですよ。 っていうのはルパン三世シリーズの中で日時が書いてあるものなんて,これ以外には宮崎駿自身が手がけた『さらば愛しきルパンよ』の冒頭の1981年って出てなってくるんですけども,それぐらいしかないんですね。変なんです。 こんな後々で論理矛盾を起こすようなカットをわざわざ観客に見せる必要がないんですね。 何かを見せたかったんですね。何を見せたかったのか? これは宮崎駿監督から観客への謎かけメッセージなんです。「ほとんどの人には伝わんないんだろうけど,これ伝わって欲しいな,何故1968年って書いたのか,みんなに分かって欲しいな」と思って,だからわざわざ1968年っていう日付を入れた。だって映画の公開が1978年ですよ。 だから10年前の話にする必要は一切ないんです。何故そんなことをしたのかですね。
ここで最初のクエスチョンに戻るんですよ。何故ルパンはゴート札を捨てたのか?偽札を捨てたのか?国営カジノで通用してるんだから,そのまま持っていけばいい。50億って言ってます。もし日本円だとしても大して金額ですし,米ドルだとしたら6000億円だから,もう泥棒なんか引退できるような,一緒に遊べるような額なんですけど。 『ルパン三世』に関して宮崎さんはいろんなところで後に語ってます。宮崎駿の出発点,折り返し点とか,いろんなインタビューがとかあるんですけども,その中で『カリオストロの城』を引き受けた時の気持ちが書いてあります。
ールパンの劇場版をやらないかと言われた時,何故今更?って僕は思ったんです。 率直に言って,つまり僕の思いとしては『ルパン』ていうのは60年代から70年代にかけて生きていたキャラクターで,今更出てくるには古すぎると思いました。自分なりのルパン像を作らなければならないはめになった時,「1960年代末〜1970年代初頭だけ一番生き生きしてた男が今生き恥をさらしをさらして,なんとか生きてる」という風に構えるしか手がなかったんですー
っていう風に言ってます。『ルパン三世』の成り立ちていうのを思い出せば,これもう1時間半ぐらい前に話したんですけども,元々モンキーパンチが1967年から69年に描いた漫画は宮崎駿は好きだって言ってるんですね。好きだったって言って,しかしアニメ化に関わった1971年の第1シリーズの時にもう宮崎駿は「もうこのルパンは古い,これじゃない,もうこんな泥棒貴族じゃなくて貧乏なイタリアの若者にしなければ」っていう風に71年の段階で言ってるんですね。
このクラリスの新聞記事が出ていた1968年とは何かというと実は『コクリコ坂から』なんです。『コクリコ坂から』の舞台となった, 神田カルチェラタン闘争ってのがありました。カルチャラタンって,フランスのカルチェラタン区っていう区があるんですけど,そこで自由のために戦った人たちがいた。 フランスでおきた学生闘争。権力との介入とベトナム戦争の反対。 そして日本でも,ベトナム戦争に反対するために,御茶ノ水から神田までの間に防衛戦線を張って闘った。それが1968年。で,この神田カルチェラタン闘争に学生は負けたんですね。 『太陽の王子ホルス』が公開失敗したのが1968年で,それと同時に日本で管理社会が始まって,ルパンたちの居場所がなくなったのが1968年って特定の時代だったんです。 だから宮崎駿は「1968年のあの時代の話」っていう風にメッセージを送りたいわけです。あの1968年っていうのは,管理社会がまだ成立する前,こっから先カルチェラタン闘争に破れて管理社会が始まってしまうんですけど,その直前っていうのは,貴族の末裔の泥棒っていう設定が信じられた時代なんですね。自由と権力が対等に戦ってたように見えた,歴史上の奇跡的な一瞬だったんです。 そんな時代にルパンは生きていた。でその設定を時代遅れに71年の段階で宮崎駿は感じたからこそ,貧乏なイタリア人という設定に切り替えた。『カリオストロの城』っていうのは,それよりさらに10年近く後の1978年。10年以上も長く生き過ぎたルパン。 もっと早くに決着して,ルパンがまだ生き恥をさらしてると時代を宮崎駿は描こうとしてるんですね。 宮崎駿のコメントですね。
ー現実の世界に取り残されたルパンに一体何ができるだろう?せいぜい少女の心を盗むぐらいしか残されていない…
というですね,宮崎駿が『カリオストロの城』を公開した1年後に語った言葉ですね。ルパンには,実は『カリオストロの城』が公開された10年後の世界には,盗みたいものとか盗めるものがもうなくなっちゃってるんですね。 だからもう本気で欲しいものがない。言い方悪くすれば老いてしまった。 いい言い方すれば成長した。若い頃みたいに掃除機でなんか宝石を盗んだり,バカみたいに稼いで女はべらして酒を飲んだりとすることがバカらしくてできないんですね。 馬鹿らしくてできないから,フィアットに乗って次元と2人で貧乏旅行して,でもたまに自分の中のまだ生きてる青春みたいなものとか,そういうものを信じたいからこそ,国営カジノに忍び込んで大変危険な博打をやったわけですね。 それが偽物だと知った時のルパンの心のショックですね。 じゃあルパンは本物しか欲しくないような本物の人なのか? そうでもないんですね。ていうのは,何度もコンテの中で書いてる通り,全倒な人がいてこ,そのルパン自身が最も偽物なんですよ。 ルパン自身が全倒な社会の中の偽物だからこそ,本物が欲しいと思ってカジノに忍び込んだら,そのカジノにあるのも偽物の金だったという。 この切なさがルパン三世を動かしてるわけですね。だから偽物では我慢できない。偽物で我慢できない。 何故かって言うと,ルパン自身が偽物だから,そこで納得できないわけですね。 かつての自分,泥棒という行為に正当性とか正義とかそういう風なものが感じてた,やりがいを感じた自分っていうのに戻りたくてカリオストロの城に行くわけですね。 ルパンがカリオストロの城に行くのは,昔の自分に決着をつけるためとか,ゴート札/偽札の秘密を探るためとか色々言われてるんですけど,そうじゃなくて,もう一度青春を取り戻したいという,今でいうところの自分探しなんですよね。あの頃のように本気で泥棒ができる自分に戻りたいという風に思って相棒の次元を誘って,もう五衛門は「そんなもんに付き合えるか」って最初の段階で降りちゃってるんで,次元と2人で旅する事になっちゃうんですけども。 五衛門はそんなものに付き合ってくれないと。そうじゃなくて次元と2人であの頃10年前のように熱かった俺たちに戻らないか?っていうような気持ちで。もちろん言葉で言わないんですよ。だからカリオストロの城彼っていう,行ってもしょうがないところへ,ルパンはもう一回,自分自身が何かを本気で欲しいと思えた時代というのに戻りたくて理由も分からずに旅に立ってしまう。
だからなんか青春探しの旅であって,この『カリオストロの城』でルパンの中途半端な青春はやっと終わるんですけども。なので,ルパンが途中で病気になって思い出語る時に,熱かった時代,自分が本気になれた時代のこと語るんですけども,なんかやっぱすごいのが,そこで出会った女の子のことを思い出せなかったことなんですね。 ルパンが10年前(1960年代?)にカリオストロの城に忍び込んでやられてしまって,もうダメかな? と思った時に幼い頃のクラリスに水をもらって助けてもらった。 その幼いクラリスの手の指のところに指輪がちゃんと描いてあるんです。でこの時のルパンの回想シーンが綺麗なんですけども,セリフがすごい。
ー震える手で水を飲ませてくれた,その娘の指に指輪が光っていてさ,難しい話さ,あの指輪を見るまですっかり忘れちまって…
っていう風に語るんですよ。これ何がすごいかって,ルパンはその女の子のことを憶えてなかったんですね。 指輪しか憶えてなかった。「震える手で水を飲ませてくれた。 その子の指にあの指輪が光ってた指輪を見るまで忘れた」ってことは,自分が死にかけた時に助けてくれた女の子ではなくて,その女の子が身につけていた金目のものしか見えてなかったんです。 これが若い頃のルパン。若い頃のルパンっていうのは何かっていうと,助けてくれた女の子の指輪,金目のものしか見えてない。ルパンが戻りたかった青春時代って,自分が何か本気で欲しかった時代っていうのはそんなに安っぽい自分なんですね。 でも今自分は成長しちゃったから,なんかその優しくしてくれた思い出がやっと今見えるようになったんです。でも見えるようになった今,自分はそれを手に出す権利はないっていうのも分かってしまうていうのが,この『カリオストロの城』の中の根本にある宮崎駿が作りたいドラマ。そのクラリスのことは憶えてなくて,指輪のことだけしか憶えてなかった自分のことを情けない話だっていう風に言うためのもの,金目当てていう風に言うと安っぽいんですけど,それがルパンが欲しかった若さ。もう一回戻りたかった愚かな若さ。でもルパンはもうすでに成長してしまって,女の子に自分のことをおじ様って呼ばせてしまうぐらい,もう自分はこの世界の人間じゃない。で,一方で次元と2人で全倒な世界に生きていけないことも分かっているんですね。でもルパンはこの熱かった時代にもう一回生きようと決心するんですね。 もっと自分は愚かでなくて,もう一回やり直したいと思うからこその,この新聞記事ですね。だからこそ,この瞬間ルパンは1968年の世界に生きることを決意してるから,ルパンにだけ見える「1968年」って文字が見えた。だから,宮崎駿はもうここで,映画は論理破綻しても構わない。 ただ,ここでルパンが目指してるのは1978年の現代ではなくて,この瞬間ルパンは1968年のカルチェラタン闘争があった頃,ルパンがまだ本気で,まだ自分が盗むという行為に正義ややりがいを考えた時代に戻りたいと思ったからこそ,一瞬だけこの年代と日付を出して,その後はもう一切,それ触れずに走ると。だからこの矛盾したものってのはどうしようもないから,もう気がつく人だけ出してとかでもポンってこう出しちゃったんですね。なんせこの当時はビデオとかが発売されると思ってないんですから。 ビデオテープが後に発売されて『ルパン』を何回もリピートで観られると思ってないから,こういう風な観せ方をするんですね。だから,このルパンが見えていた風景を表現するために敢えて,1968年9月12日ってメッセージを宮崎駿は選んだんですけども,やっぱりその観てる人は本当は1968年の話なんじゃないのか?っていう風に思っちゃうんですよね。 でもそれをするんだったらカップうどんのシーンとか入れないです。 というよりも元々この日付の新聞を出す理由がどこにもない。日付なしの新聞記事でいいんですよ。日付書く必要が本当はないんですよ。でもそれを何故書いたのかっていうと,1968年の世界に生きていきたいっていう風に思ったからですね。 ルパンが最も輝いていた時代に,こっから時計を巻き戻したい。 でもその時計の針は戻らないですね。 カジノに閉じ込められたお札は偽物だったし,カリオストロの城に閉じ込められたお姫様は本物なんですよ。 本物はルパンには重すぎたんですよね。 悲しいことに。
『ルパン三世』のこの話でやっぱ何が切なくて悲しいのか?っていうと,若さを取り戻すため,青春を取り戻すためにをしてたっていうはずだったのが,この映画全体が若さを失う旅の話なんですね。 もう自分のことはおじ様と言われて,「カリオストロの城っていうのはもう今のルパンには,娘の心ぐらいしか盗むのがないのです」っていうのメッセージは,クラリスの側からみると甘くてホロ苦い恋と冒険の物語なんですけど,ルパンの側から見ると,『地獄の黙示録』なんですね。奥へ進むほど絶望が濃くなっていく。ローマの遺跡も,クラリスの「連れて行ってください」という言葉も,全てルパンには扱い兼ねるものだった。 これがラストシーンの方に集約されていくっていう,諦めの話になっていきます。『カリオストロの城』ってルパン自身の挫折と再生のストーリーだと思うんですけど,次回は『カリオストロの城』の後編をやります。
■ カリオストロ伯爵の目的
僕が『カリオストロの城』でやっぱ一番あの面白いなと思ってこだわってるのは,何故カリオストロ伯爵は結婚という道を望んだのか?っていうことなんですね。で,何故かっていうと,前回でも話した通り『カリオストロの城』におけるルパンの動機って,なんかあんまりはっきりしないんですね。あのゴート札の謎を暴くというのは不自然だし,クラリスの救出…クラリスを助けるというのならば,なんかラストで原版欲しいのもわかんないしですね。 であと,クラリスの動機もはっきりしないと。とにかく好きでもない男の妻になるのは嫌っていうんだったら,修道院時代に逃げればいいんであって,要するに城に連れてこられてから,車盗んで逃げるぐらいだったら,もっと警備も浅い修道院時代に逃げればいいんであるし,あとカリオストロ公国という国をよくしたいというんだったらば,伯爵と結婚して,伯爵の時代は無理だとしても,伯爵の子供の時代というか,自分と伯爵の間の子供ですね。絶対伯爵が先に死にますから,その時代で革命というか,やり直せばいいというのであって,実はルパンの動機も目的も,クラリスの動機も目的もはっきりしないんですよね。 で,この作品で,唯一目的がはっきりしてるのがカリオストロ伯爵なんですよ。 例えば有名なAパートですねえ。ルパンがカリオストロの城に侵入してから,カリオストロ伯爵がクラリスを締め上げるシーンです。 逃げたクラリスを締め上げて「人殺し」という風に言われた時に「俺の手が血まみれたとかいうわけでさ」「人殺し!あんた人間じゃないわ」「そうとも俺の手は血まみれだ,お前もそうだ。 我が伯爵家は代々お前たち太閤家の影として,謀略と暗殺を司り国を支えてきたのだ。それを知らんとは言わせんぞ」ていう風に語りかけるわけです。 「クラリス400年の長きに渡り光と影に別れ,2つのカリオスト家が今1つになろうとしてるんだよ」っていう風に感じで言うわけですよね。で,「この2つの指輪を1つにすれば,秘められた先祖の財宝がよみがえるのだ」という風にカリオストロ伯爵がクラリスに詰め寄るわけですね。 ここら辺でカリオストロ伯爵の動機がはっきり分かる。この台詞で分かる通り,伯爵の目的が一応カリオストロ家の統一,2つに分かれたカリオストロ家の統一と秘められた財宝であると。
でただ,なんかそれだけじゃない感じがすると。それがルパンが指摘してることなんですよね。 ルパンが最初に侵入した時に襲われた「影」と呼ばれる城の護衛。なんか手に爪出てるヤツ。 その女動も背中にメッセージをつけてたとハハっていう風に読んだのが「色と欲の伯爵の花嫁クラリスはいただきます 近日参上ルパン三世」っていう風に予告状を出すわけですね。で,これを聞いてる時の伯爵はふふンって感じですごい余裕で聞いてます。色と欲っていうのは何か? 色っていうのは性欲のことですね。で欲っていうのは権力への欲望っていうことです。つまり「色と欲」っていうのは,まあ女も欲しいし,金も欲しい,権力も欲しいっていう風に言うんですけども,伯爵の隠れた欲望というそのクラリス自身への恋慕,愛情,恋愛感情っていうのを予告状で指摘したと。でもしかし伯爵は余裕なんです。何故かって言うと伯爵にとって多分,この時点でクラリスは恋愛対象ではないと。だからこそ,結婚までクラリスを修道院に放り込んでたわけですよね。もし恋愛対象だったら結婚式まで修道院に放り込んどくはずがないわけですよ。そんなもん,適当になんかいいこと言ってりゃいいわけですからですね。適当におだてたりして,これほどの手腕がある人だったら,10歳ぐらいの娘を5年間ぐらい手名付けておけばなんとかなるものです。 10年間修道院に放り込んで全く動きをしなかったってことは,実は興味がなかった。 それまで興味がなかったという証しなんですね。でもそういうことを知ってても,ルパンは最後にクラリスを助けるシーンで,大司教に化けて結婚式に忍び込んだルパンは隙をついてクラリスを抱き寄せて,おまけに指輪まで奪います。 そん時のルパンは「おじ様ァ」って抱きつかれてムフフと大喜びに喜んで「焼かない焼かない♪ロリコン伯爵やけどすっぞ♪」って言ってコートを開けると,中に花火があって,これがクライマックスシーン繋がっていくんですけども,ここでも「焼かない焼かない♪ロリコン伯爵♪」っていう風に言って,カリオストロ伯爵のクラリスに対する恋愛感情をあおったんですね。でもそれも実はっきりしないわけです。 というわけで,この映画の中で唯一目的がはっきりしてる人物カリオストロ博爵の目的は,実は一応以上の3つに整理されると思います。
カリオストロ家の統一/太閤家への復讐
秘められた財宝
クラリスへの恋慕
伯爵の目的と信じられてるもの。今回は一番最初これを疑うところから始まります。カリオストロ家の統一ですね。太閤家の下端にされたけど,というそういう伯爵家の復讐です。 次は秘められた財宝。伯爵も,秘められた在庫って実は正体なんかわかんないけど,すげえお宝があるに違いないと思ってるんですね。あと3つクラリスへの恋慕,恋愛感情ですね。 これは意識してないので,指摘されると切れるっていう風に一般的にはファンの間で信じられてると。これを1つずつ検証してみようと思います。
✔カリオストロ家の統一/太閤家への復讐
まずカリオストロ家の統一ですね。復讐ってやつなんですけど,これ実は別に『カリオストロの城』だけでなくて,宮崎アニメの定番中の定番なんですね。っていうのは例えば『未来少年コナン』では,レプカという悪役が太陽エネルギーで世界を支配すると,そのためにラオ博士の娘ラナを捕まえなければならないということで,同じような構造になってると。で『天空のラピュタ』ではムスカがラピュタの力で世界を支配する。それもやっぱ俺んところはどちらかいうとマイナーなラピュタ家だった。 だから本家ラピュタ家のシタを捕まえて…っていうので,割とそっくりになってるわけですね。だからこれから考えると,いかにもいつもの宮崎アニメらしい悪役という風にも見えるんですね。でもラナはその太陽エネルギー復活に必要っていう理由があるし,シータは飛行石と遺産を持ってるっていう理由がある。それに対して何故クラリスじゃなきゃいけないのか?指輪だけあればいいじゃん?ていうですね,理由がすごく曖昧なわけです。 で,おまけにさっき話した何故カリオストロ家を統一したいのか?っていうのは,すでにカリオストロ家は,ゴート札,闇社会を支配してるわけなんですよ。これ以上何を望んでたのか? なぜ伯爵家と太閤家,光と闇を統一しなければならないのか?っていう理由がなんとなく,僕らにはよくわからないわけですね。 で,実はこの辺は,前回見せた初期設定のマップに答えが隠されたと僕は思ってます。 これが初期設定のマップですね。 ここに上カリオストロと下カリオストロって書いてある。 つまりカリオストロ家っていうのは,太閤家伯爵家って言うんではなく,上と下に分かれていた。いわゆるラピュタで言うと,ラピュタ人の中でも神官クラスの人は神の帰りを待っていたと,それに比べて下の方に住んでる人たちは,ラピュタによる地球の支配っていうのを狙ってたという風に,実は上層部と下層部で狙いが違うっていうのを宮崎さんは社会行動の差っていうのは好きでよく使うんですね。 で伯爵の説明「我が伯爵家は代々お前たち,太閤家の影として謀略と暗殺を司り国を支えてきた」という風に言ってます。これで分かる通り,実はカリオストロ伯爵の元々の仕事は,偽札作りではないんですよね。印刷にはあまりタッチせず,実は謀略と暗殺が,下カリオストロと言われる伯爵家の仕事。
じゃあ偽札っていうのは上カリオストロ/太閤家の仕事でなかったのか?っていう風に僕は考えてるんですね。何故かって言うと,当時の通貨の説明からやります。 ルパンが銭形警部と一緒に地下牢から脱出して印刷機を見つけた後,「これは何だろう? ルパン説明してくれ」「これがゴート札の心臓部だ」と言った後に出てくる説明です。
「中世以来,ヨーロッパの動乱の影に必ず動いていた偽札。ブルボン王朝を破滅させ,ナポレオンの資金源となり,1927年大恐慌や世界教皇の引き金にもなった歴史の裏部隊ブラックホールの主役ゴート札。それを暴こうとしたものは1人として生きて帰れなかった」。
さて,この説明です。 お分かりでしょうか? 実はカリオストロって紙幣を作ってたのはこの100年ぐらいのことなんですね。実はヨーロッパでお金が使われたっていうのは,19世紀にイギリスでソブリン金貨っていうのが流通してた頃です。分かりますか? 『カリブ海の海賊』とかに出てくる金貨。なんかみんな金貨持ってますね。あれって大体スペイン金貨かイギリスのソブリン金貨だったんですね。で,このイギリスで19世紀にソブリン金貨っていうのが発行された時に,金貨をあまりにたくさん持つのが重いから,それと同じ金額というかの値打ちを銀行が保証するという銀行券を発行したんですね。これを兌換貨幣っていう風に言います。で,この兌換貨幣を19世紀にイギリスが発行した銀行権が今の僕らの持っているお札。千円札とか一万円札とかの大元のやつなんですね。なので初期のカリオストロ家っていうのは,実は金貨の偽造をやっていたんですね。
で,次の絵です。 中世フランス革命の時のナポレオンの風刺画がですね。 これ当時の風刺画を宮崎さんが自分のタッチで描いてるんですけど,地球の形のダイナマイトを持ってるナポレオンという風に描いてます。で,地球に導火線がついてる。これどういう意味かっていうと,「ナポレオンは世界制服を目指していた。しかし,それにはタイムリミットがあった」と。導火線に火がついちゃってる。これどういう意味かっていうと,ナポレオンは一生懸命,世界政府も画策したけど,タイムリミットが近い。何故かって言うと彼の財布は破けた。 つまり破産しかけてるっていうのを描いてるわけですね。この1枚の当時の風刺画でナポレオンの財政ってのは実は極めて危いもので,これがカリオストロ公国の後押しだっていう風に宮崎さんは設定してるわけですね。
「ブルボン王朝を破滅させ…」っていうのは,首飾り事件っていうのが昔ありました。何かっていうと,マリー・アントワネットが買ったわけじゃないんだけども,親友友達の婦人が買おうとしてた,ものすげえ高い4000億円ぐらいの値打ちがあるような首飾り,宝石の首飾りを買って,でそれの保証人みたいなのにマリーがなって。で後にそれは転成したんですけど,フランス中が大スキャンダルになって。 でマリー・アントワネットはレズビアン疑惑をかけられて裁判までやったんだけども,その絶対に悪い,マリーを引っかけようとしたヤツらが無罪放免されてしまって,パリの市民はマリー・アントワネットに対してすごい反感を持つようになったと。で,これがフランス革命の一つのきっかけになったという風に言われてるんですね。で,そんな中で実際にそのマリー・アントワネットにすごく高価な宝石を押し付けようとしたのが山師カリオストロ。これ実在の人物です。山師カリオストロっていうのが,そのカリオストロ伯爵と自分で言ってるだけなんですけど,こいつは錬金術師であってフリーメイソンのメンバーであった。これは歴史的真実だったんですけど,でこのじゃあコイツが本当に伯爵かどうか?というと,そうじゃなかったんですよね。イタリアのシチリア島の田舎者だったというのを調べた人が言ったんです。それ調べたのが誰かっていうと,ドイツで当時文豪であり政治家であって思想家であったゲーテてですけど(笑) このゲーテが「けしからん,カリオストロの正体俺が突き止めてやる」って個人でイタリア旅行して,それを『イタリア紀行』という本にまとめて出版して「ついに俺はカリオストロの正体に突き止めたぜ」っていう本を出版したんですけど,それぐらい大事件だった。 それが彼が錬金術師であってフリーメーソンだったっていうのが,その宮崎さんが今回このアニメの中でカリオストロ伯爵って名前を使う理由です。この錬金術師ってところに注目してください。
で,まあのその1つ前の絵のこいつはドイツ30年戦争。17世紀に起きたプロテスタントvsカトリックの最後で最大の宗教戦争という風に言われてるんですけども,その背景で銀行家と金貸しがお金の査定をしてる。つまり当時のイギリスのソブリン銀貨もそうだったんですけど,あらゆる金貨とかお金っていうのは,1ドルとか1ポンドという額面上の値打ちを示してないんですね。 1つ1つの硬貨ごとに重さを比重を測って,その中に金が何グラム入ってるのか?っていうのを見て値打ちを決めてた。だから上に刻印してある値打ちっていうのは一応なんか形式上のもんであって,それの交換やってるところ。 まあまあそういう時代だったんですよ。で,第二次世界大戦。墜落したイギリス空軍の倉庫から大量の偽マルク札が発見されて,それをドイツ兵が見ている。つまり第二次世界大戦で連合軍を勝利に導いたのも,やっぱカリオストロ公国なのかもしれない。 イギリスの国家ともう手を組んで偽札を作ってたというようなエピソードがここに入ってるわけですね。
で,話を戻しますけども,これで分かる通り,印刷という形で偽金を作り出したのは,実はカリオストロ家は20世紀に入ってからなんです。16世紀から19世紀までの間のほとんどの時代,偽金貨を作っていたという風にしなければ話がおかしい。城に印刷工場がありましたね。 あれ城の印刷工場っていうのは元々カリオストロ伯爵家の得意技である謀略とか暗殺の舞台の上にその印刷工場を作ったと。つまりあくまで伯爵家の仕事として印刷始めたんですね。なので,どこで偽金貨を作ってたのかっていうのは今回の映画で書いてないんですよ。でもそれは多分いわゆる上カリオストロ家/太閤家であったというのが僕の妄想なんですけど妄想です。 でないと辻つまが合わないからですね。かつてのカリオストロ家は上下カリオストロ家で役割分担があったんですね。上カリオストロ家の役割っていうのは,偽金貨を作ることと政治を司る,つまり,婚姻関係でヨーロッパ中と結婚関係を結ぶということです。 で,伯爵家っていうのは陰謀と暗殺,これが2つの大きい流れなんですね。で実際の本物の山師・錬金術師であって,銅とか鉛などの卑しい金属から純金を作る魔法のイメージで自分たちが発行する金貨の価値っていうのをつけてたっていうのが宮崎さんがつけたおそらくカリオストロという名前と偽金作りっていうことだと思います。もしこれが最初から紙幣にしてもいいんだったら,別に19世紀からのカリオストロ家のことを書きゃいいだけであって,わざわざ1517年とか年号書いてるっていうことは,これもう金貨ですよって言ってるようなもんなんですね。 でも上カリオストロ家の金貨が通用しなくなってしまった。そこで偽金作りまで下カリオストロ伯爵家が受け持つことになってしまって,両家のパワーバランスが崩れたと。パワーバランス的には上カリオストロ家は偽金を作り,政治を司さどる。下カリオストロ家は暴略と暗殺。これで一応なんかアイドルとマネージャーみたいな役割分担はできてたんですけども,ところが上カリオストロ家の偽金が通用しなくなったおかげで,下カリオストロ家が贋金作るようになってきて,両者のパワーバランスがつかなくなると。で太閤家が偽金を作れず,我が伯爵家で偽紙幣を作るんだったら,何故伯爵家は下に甘じなければいけないのか?って。何故俺たちは太閤家の下に作らなければならないのか。彼はその伯爵の疑問というか怒りをぶちまける。本当にその通りなんですね。 で,そのせいで上カリオストロ家は不要だとして伯爵は暗殺を企らんで焼き打ちをして,なおかつカリオストロ公国の近代化に乗り出したと。これがおそらく太閤家焼き討ちの真実。実は目的はカリオストロ公国の近代化だったんですね。
では何故太閤家の偽金貨が通用しなくなったのか?これはさっきも話した通り,ソブリン金貨っていうのが19世紀に発行した時から,もう大量の金貨を持ち歩いて支払うということが事実上無意味になってしまった。おまけにその金を持ってる者だけしか通貨を発行できないんだったら国際的な経済が回らなくなってきてしまう。兌換紙幣,いつでも金とか銀に変えれるものから不換紙幣に移行して,太閤家の偽金貨作り自体が時代遅れになっちゃったんですね。 で,これが上カリオストロ家を殺しちゃったなくしちゃった理由だという風に思います。
ではなくしちゃったんなら,もうなくしちゃったんでいいじゃないですか。 伯爵が結婚して太閤家殺しちゃったんだから,何故上下カリオストロ家をもう1回統一する必要があったのか? その理由がさっき戻りますね。 何故統一をする必要があったのか?実は秘められた財宝が上カリオストロ城にはあった。伯爵自体も正体わかんないけど,すごいお宝が上カリオストロ城にあって,このお宝をゲットするには統一しなければいけないという流れになっています。で,財宝とは何だったのか? 映画を見てお分かりの通り,伯爵自体も最後まで知らなかったんですね。 で,映画ではラストで,それはローマ遺跡だったという風に説明してます。で,ちょっと横長の画面になるんですけども上カリオストロ城の前の湖から出てきたローマ遺跡です。 これで見て,皆さんも分かると思うんですけど,何かっていうと普通のローマ遺跡とは違うんですよ。何故かっていうと,あらゆる柱のてっぺんとか見えてる部分,水面の上に浮かんでる部分が金色なんですね。黄金なんですよ。 実はこれ黄金都市なんです。最初に言っちゃうとルパンはそれに気がつかず,
「ローマ人がこの地を追われる時,水門で沈めた。あなたのご先祖様が密かに受け継いだローマ人がこの地を追われる時沈めた。アンタの旦那さんはそれを受け継いだ…まさに人類の宝ってやつさ,俺のポケットには大きすぎた」
っていう風にルパン言ってるんですよね。 で,僕らもそれをすっかり信じちゃったんですけど,これまでに実在したローマ遺跡とは明らかにした違うものが描いてあるんですよ。 このローマ遺跡の元になったものが出てくる秘密になったのが指輪ですね。クラリスがはめてる指輪の一部分をクローズアップで見ると文字が書いてあるわけですね。で,この文字をルパンがゴート文字だという風なことで読みます。
「光と影再び1つとなりて蘇らん 1517年」
年代までも特定されております。で,1517年って何があったのか? さっきのルパンの説明だったら,ご先祖様はローマ人が引き上げていった後,去っていった後にご先祖様が隠したという風に言ってるんですよ。でも変なんですよね。ていうのは1517年っていうのは実はルネッサンス世紀って言われる,ルネサンス活動が一番盛んであった時代で,つまり,時代的にはギリシャローマ時代の文化を見直そう,古代万歳と言われて再評価しようっていう時代だったんです。ご先祖様がこの時期,ローマ遺跡を隠す理由は全くないんですね。確かにこの150年前だったら隠さなきゃいけなかったかもしれないですね。蛮族に押されるかで。そいでこの50年後だったらスペイン王のカール5世っていうやつが,宗教大戦争やってローマの遺跡を壊しまくってローマン攻略っていうことをやったので,ローマの街を破壊し尽くしてローマ遺跡を壊す。 だっけどこれの50年後だったら,そんなことがあったかもしれないですけども,この1517年って,わざわざ宮崎さんが指定してる時代は,その時代はローマ遺跡っていうのは別にあればあったで,素晴らしいもんだという風に言われてた。 ルネッサンスだという風に言われてた時代なんですよね。
で,もう一回戻りますね。 この水面の上の部分が全て金色になっています。屋根の上も柱も全て金色って,何故かって言うと,大理石の上に黄金を貼ってるからですね。この風景を僕ら見たことがあって,それは何かというと『天空の城ラピュタ』でラピュタの中に兵隊がわーっと入った時に,壁とか柱から金を剥がしてたシーンて思い出しますか?あれ,金剥がしたんですよ。つまり昔の神殿建築っていうのは金色の部分っていうのは金色の塗料を塗ってるんじゃなくて,薄い金を本当に張ってるんですね。だからラピュタの金っていうのは,あれはこうバリバリバリバリ剥がしてるって,石の上に金色の塗料塗ってたんじゃなくて,本当に金箔を張ってるんですよ。純金なんですね。で,このローマ遺跡も同じ風に書いてあって,これ,実際は本当に金が貼ってる状態なんですよ。で,このおそらくこの上カリオストロ家っていうのは,この黄金都市にあった金を自分たちの金貨に使っていたんだと思うんですね。これがかつての繁栄の正体です。しかし1517年あたりにおそらくこの金が枯活してしまったんですね。まあ,上の方に薄く張ってる金箔みたいなものは残ってるんですけども。っていうのは,『カリオストロの城』でルパンとクラリスは最後手をついで歩くところでは,このローマ遺跡って割と大理石色になってるんですよ。冒頭の方で見える上の方に見えるところだけは金色ですね。ルパンとクラリスが歩くところって結構後ろが白い普通の大理石になってるんですけど,もつまり剥がされた後なんですよ。 ということは1517年あたりでもう大体黄金都市の遺産を使い果たしてしまってで,残ってるのは屋根の上とか,柱の上などの取りにくい部分に一部だけだと。で,そこでご先祖様はこの遺跡を水没させて隠すことにしたと。なんでかというと黄金がもうなくなってるっていうのを託隠そうとしたんですね。 かつて金貨を発行していたから。で限られた王族とかカトリック法皇だけに多分この黄金都市見せたんだと思うんですけど,それの噂を根拠に「カリオストロ家には無制限に金貨を発行するだけの財力がある」または「無制限に黄金を作れるような錬金術がある」という風に思わせたと。で,それによって偽金貨の発行を始めたと。じゃ1517年までカリオストロ家っていうのは本当に黄金があったので,黄金金貨を発行していた。でもそれ以降枯渇してしまったので,偽金を作るようになっちゃった。 これがカリオストロ家が2つに分かれた理由であって,この年号の秘密だったんです。 この遺跡を見られてしまったら,もうその黄金が枯活したことがバレてしまうっていうのが,カリオスト家の最大の秘密なんです。
以上まとめてみました。 分かりやすいように。 はい,これが岡田斗司夫史観による歴史ですね。中世からですね。 1516年ぐらいまではローマ遺跡の黄金でカリオストロ家は繁栄してました。しかし黄金が尽きてイメージダウンを防ぐため遺跡を沈めてしまいました。 で,その後19世紀までは錬金術を売りにして偽金貨を発行しています。で,19世紀から1970年あたりですね,偽金貨から偽紙幣へ事業シフト。 しかし,この事業シフトのおかげでパワーバランスが崩れてしまい,1970年あたりに上カリオストロ家は焼き討ち暗殺になってしまって,1978年,ルパン事変というのがこれ行われます。事変というのは政局が変わるほどの大事件というのを事変というんですけど,ルパン事変による上カリオストロ家の復活ですね。これがカリオストロ家っていうのだけを見た時の歴史年表ですね。 というわけで伯爵の目的,カリオストロ家の統一とは何のためだったのか? という,もうちょっと後で語りますけど,秘められた財宝ってのは何だったのか?っていうのは実は伯爵は分からないままです。で,遺跡を隠した理由っていうのは,黄金が枯活したことを隠すためだったんですけど,ところがそれから400年経っていざ出てきたら,実はそれがローマ遺跡っていう人類の宝になってしまったというのが,このアニメのすごい皮肉なところなんですよね。
で,伯爵家は既に無用になった太閤家を滅ぼしたんですけども,しかし悲しい事に紙幣による偽札はうまくいってると言っても,最近なんか印刷がうまくやらないって言ってるんですけど,何より国際金融の波というのが訪れていて,もうアニメを作った当時ですら,紙幣よりも電子化されたデータが国際金融市場には流れるようになってしまったんですね。 で,カリオストロ家がもう偽札作ってるのも時代遅れになっていたと。かつて金貨を作っていた上カリオストロ家が時代遅れになったのと同じように,紙幣を作っている下カリオストロも徐々に徐々に時代遅れになっていたと。で,また印刷の精度が落ちて,ジョドーの部下の影たちももう中年のおっさんばかりという状態なんですね。なので実はカリオストロ公国に残ってる財産は2つしかないんです。1つはヨーロッパで一番古い貴族の血筋ですね。 つまり何故クラリスと結婚しなきゃいけなかったのかっていうと,伯爵家と太閤家が1つになると,クラリスと結婚することによって自分たちの子供をいっぱい作って,その子供をイギリスとかフランスとかスペインとかどこでもいいから,嫁がせて,でなんとかどっかの王位につかせるぐらいしか,もう打てる手は残ってないんですね。で,それと同時に伯爵がなんとかこれで起死回生かなと考えたのが秘められた祖先の財宝というやつです。この秘められた財宝っていうのと,あとクラリスと結婚することによって,ヨーロッパの一番古い血筋というのを売りにして,もう一回ヨーロッパ,貴族の間で婚姻外交というのを続けることができれば,カリオストロ公国という国をもう一回持ち直すことができるんではないか?今コメントあった通り,ハプスブルグ家の戦略と同じですね。財産のないハプスブルクだと思ってください。 貧乏になっちゃった。
では,最後のクラリスへの恋慕…恋愛感情ですね。これは正直僕わかんないんですよ。 何故かって言うとこの映画のカットの隅々まで観たんですけども,伯爵がクラリスを好きだという証拠は ないんですね。 一切描いてない,なんかそんな感じがするとこもあるんだと思うんですけども,別にカットが変わったら冷酷に殺そうとしたり見捨てようとしたりしてるんで,割と宮崎監督としては注意して恋愛感情みたいなものをわざとらしく入れないようにしてるんですね。もちろんストイックな人だから隠してるって可能性はあると思うんですけども,ここまで描かないようにするというのは宮崎さんとしたら珍しいと。じゃあ何故ルパンが伯爵を「色と欲の…」「ロリコン伯爵」とかって罵ったのかというと,これはもう僕から見れば明らかですね。カリオストロ伯爵っていうのはルパンのシャドウなんですね。 もう一人の自分であろうと。『天空の城ラピュタ』の特集で,おそらくパズーはシータと出会わなければムスカになっていたって話をしたと思うんですけども,同じくルパンとカリオストロ伯爵も一枚のコインの裏表なんですね。 前回の解説で,『カリオストロの城』のオープニングで,まっとうな人のまともな生活っていうのがあって,そういうところから除外された影の世界,裏の世界にルパンたちは生きていて,だから孤独なんだっていう話をしました。で伯爵っていうのは何かっていうと,ルパンが今いる影の世界,闇の世界…真っ当な世界から外れた世界から本当の光の世界を目指した男なんですね。実は偽札とか暗殺とか,そういう生き方に将来がないことを一番知ってるのは伯爵なんですよ。この方法ではカリオストロ公国に未来がないっていうの知ってるんですね。 なので国連にも加盟するし,インターポールにも友人作るし,自分の結婚式を世界中に生中継させようとするんですよ。で,一番古い貴族の血とか祖先の財宝っていうのもなんとかそれを作ろうとしてんのも真っ当な世界に行きたいと思ったからなんですね。 そういう古い血統とか祖先の財宝を侵したかったのは自分の手が血に染まってることを知ってるからです。
「…そうとも,俺の手は血に染まってる,しかし,お前もそうだろう」ってクラリスに言ったのは,だからあれはツンデレであって,本当に綺麗な言葉で言えば,だから二人で手と手を取り合って,本当の明るいまともな世界に行こうじゃないかっていうようなことを言おうとしてるわけですね。だから豪華な食事とか晩餐会も結婚式も全て闇のカリオストロ伯爵家に対する反発であって,自分が滅ぼした太閤家になりたい人間なんです。で,元々ルパン三世っていうのはカジノに忍び込んでルパンが盗んだ金が偽物だと知って,それを捨ててカリオストロの城に来た。ルパン自身も実は闇の世界に疲れを感じていて,本物の世界に憧れてカリオストロの城に来たんですね。 だからこそ,そこでクラリスで会ってしまうと。だからこそ,伯爵が金と名誉だけでなく,クラリスも欲しがってると思い込んじゃったんですね。ルパンとカリオストロは全く同じ人だから,2人とも闇の世界の住人で2人とも光を目指すと。 ただし,ルパンは光を目指している時に泥棒の流儀で目指し,金を取る。伯爵は自分がこれまでやっていた陰謀の流儀で光の世界を目指すと。実はそのお互いの手法を頑なに守る職人気質なんですね。両者ともに。でだからこそルパンはカリオストロ伯爵が自分と同じくクラリスを欲しがっていると思い込んじゃうんです。そんなこと一言も言ってないんですよ。クラリスが欲しがってるっていう風に言ってるのがルパンの一方的な思い込みで,僕はそういう関係のやつを知っててですね,これ,何かというとジンとバリストンの関係ですね。『HumterXHumter』に出てくるジンとバリストンというのは,両者とも実は同じ人間なんです。 「俺とお前は似た者同士,思いつくのは外の道ばかり」っていう風に言って,だからこそお互いが許せないっていう風になっちゃうわけですね(笑) ひょっとしたらルパンとカリオストロっていうのは出会いの順番が違ったら…だって次元だって五右衛門だっていい加減でクソみたいなヤツですから(笑)…

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posted by datasea at 18:25| Comment(0) | ♪  シナリオ・創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年06月10日

伊集院光『深夜の馬鹿力』(25.4.29)〜新幹線で『新幹線爆破』を観る




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伊集院光『深夜の馬鹿力』(25.4.29)〜新幹線で『新幹線爆破』を観る
TBSラジオ・伊集院光『深夜の馬鹿力』
2025.4.29
■永野芽郁報道
なんかさ,観なきゃいいのにさ,番組始まる前にたまたま目に入ったニュースあって。エゴ・サーチとかはあんましない派でさ,特に番組前はドキドキしちゃうからしないんだけど,まあ20位光るって移住。多分俺のそのGoogleなりパソコンなりのヤツ(Google Discover)は,「コイツハ伊集院光ノコト相当好キダゾ」って多分分析してて。なんかこう伊集院光の本とか,人にあげるのに買うじゃん。それからあと,どういう風にAmazonに載ってんのか? とかで調べたりとかするから,伊集院光関連のものを見せに来る。 んでそん中に,よしゃいいのに「伊集院も最近は落ち着いちゃったから,芸能ニュースの件なんかどうせ事務所から圧力がかかってるから,あいつダンマリなんだろうな,逆におぎやはぎあたりは空気読まないで喋るからすごいな」みたい記事が目に入っちゃったのよ。 目に入っちゃったんだけど,なんだろうな…俺日頃からそんなこと触れてねえし。今中途半端に迷ったまま触れるのがいいのかどうかわかんないんだけど,まず「事務所の圧力があるから,この芸能ニュースはみんな触れない」みたいにトーンになってるじぇど,一度もそういうものをかけられたことがない。いやわかんないよ?わかんない,「アイツは,むしろ事務所が「喋んな」って言うと,日頃から喋んないのに逆に喋るんだ」って,現に今そういうことじゃん。 現にしかもその,なんかネットのなんかちょいちょいしたコメントに対してこんなことなってるわけだから。で人のラジオなんか聴かないのに聴いちゃったよ。 ごめんな,空気階段『踊り場』の裏聴いてたよ。んで俺が思ったことは,俺だって彼女のことなんか『半分青い』以来だからね。NHKの朝ドラ『半分青い』もリアルタイムじゃなくて,なんか皆さん憶えてるかもしんないけど,突然俺がNHKの朝ドラ観たことないから観るブームってあって,
『おしん』観て『ちゅらさん』観て,もう誰1人「じぇじぇじぇ」って言ってない時に『あまちゃん』観て。で,その後『半分青い』観てって感じ。あとドラマをほとんど観ないから観逃してんだけど,ラジオ聞いて思ったのは,実情とかわかんないし,本人たちがどういう風に言ってるのかもわかんないけど,一応『オールナイトニッポン』すごい数あるけど,『オールナイトニッポン』(『永野芽郁のオールナイトニッポン』)のパーソナリティとしては,あそこで喋るはすごい。あそこで休まないで喋るっていうことはすごいっていうのと,なんかそのこの空気の中でどうするか?っていって,俺奇跡おこれ!と思ったのは,「エガちゃん乱入しろ」って(笑) あとはこう…何かわかんないけど。
なんかそういうこう…俺にとってはもっとデカいニュースはパンダ。和歌山白浜のアドベンチャーワールドのパンダがいなくなるっていうことで,俺全然経過がわかんなくて。逆に地元の和歌山のその白浜のアドベンチャーワールドは,本当にパンダがいっぱいいる動物園で。今4頭いて,俺の記憶が間違ってなければ,双子の可愛いのがいて,で全部で4頭で,俺コロナの時だって滅多にやらないのに,なんか寄付みたいのしたよ。パンダ頑張れ! って。コロナで客減ってるから,お金ないんだけど,パンダの施設を改良するみたいなヤツにちゃんとそのクラウドファンディングみたいのにお金寄付するぐらい,一応パンダ贔屓なのに突然。まずこのアドベンチャワールドでパンダがバンバン増えるのはコイツの繁殖力のおかげだっていう老パンダがいる。すごい子供を産ませてる老パンダがいるんだけど,老パンダもすごい歳になっちゃったから,中国に返した。それこそ今俺の目の前に座ってる後輩芸人の河野かずおちゃんとも前に一緒行ったことあるんだよな。 パンダ繁殖基地っていうパンダしかいない動物園。パンダ100頭以上いて。なんつったらいいのか…雑に育てられてたよな。 上野動物園だったら,高い木に登って「あの,降りて下さい! 僕の責任になっちゃうんで!」ってところが,そこだとガンガン飛び降りて転がってる汚ねェパンダ。 白黒というよりは結構汚れが目立つぐらいの扱いになってるパンダ。あそこがパンダの研究をめちゃくちゃやってるから,その老後を健康に暮らすにはそこがいいんだろうみたいな話は分かんだけど,それ以外のヤツ全部一気に中国引き揚げみたいな。なんかそれの方が俺には全然ショックで。うちのカミさんは,年パス使って,散歩で園内をずっと歩いてるような人で。カミさんに「なんか今ニュース観たけど…」って訊いたら,ギャーって喋ってたよ。でも地元も何にも知らなかったらしい。もう契約期間ではあったらしいんだけど,施設もそれ用にすごい作ってるから,それは延長になるだろうって,周りも思ってるし,もっといえば白浜=パンダだから,パンダで盛り上げてたのが,一気に0になる?っていう。 何故0なの? そっち文春スッパ抜いてくれれば。なんか理由があんならね。 そっちの方が今興味あるかな。だから何が言いたかったんだろう?圧力とか基本的にえっとわかんない。 って言うと触れるっていうことを観越してないのかわかんないけど,テレビに出ていようが,ラジオに出ていようが,それがどうっていうこともないね。あとなんかその不倫がどうなの? みたいな話に関しては,亡くなった人のこと言うのなんだけど,うちの師匠がやらかしてから,ちょっとスタンス変わったっていうか,しょうがないよなっていう。ここがやっちゃって,ここがああいう感じになっちゃったら,どう行ったらいいんだろう? みたいな。
とりあえずは芽郁ちゃんは,ラジオの限界みたいとこまでは行ってたよ。事実がわかんないから,どういうのが正しいのかは分からないけど。そりゃ『オールナイトニッポン』のパーソナリティ軸で比べちゃうとさ,例えばたけしさんに不倫報道が出て,『オールナイトニッポン』の時だったら「おネェちゃんがさ…」って普通に言えるけどさ,永野芽郁言わないだろう,それは(笑) 「えー今日はですね,あの実はやってないんですけども,あのFAXでですね『こんな言い訳をする』っていうのをいただきたいと思います」って言わないだろ(笑) んで何故たけしさんに寄ってるんだよ?(笑) 何故俺首カクカクしながら「まァ大変なことになって…俺やってないんですけどね…文春この野郎!」っておかしいだろ(笑) でもなんか本当に思った。あの報道自体わかんない。みんなのいろんな価値観の重さの価値観でどうなってんのか知らないけど,俺自体は,ラジオていう軸以外に共通点探せないじゃん。 清純派っていうとこぐらいしか共通点探せないから(笑) …
■ポケモン・マンホール
土曜日に大阪で仕事して,そのまま名古屋行って,名古屋で泊まって,また名古屋で仕事して帰ってきたんだけど。日曜日の昼過ぎぐらいに仕事終わっちゃったから,名古屋の隣の隣,新幹線こだまで2駅の豊橋に例のポケモンのマンホールのポケ蓋がある。んで寄って行こうと。で最初は,全部話もしょうがないんだけど,ニッポン放送で,このポケモン・マンホール撮るのが好きな女性アナウンサーがいて,その娘に嫌がらせのために始めたんだけど,面白くなってきて。今までもドラクエウォークのお土産集めとかは,今もやめたわけじゃないけど,地方のバッティングセンター巡りとか,何かそういう軸がないと帰ってきちゃうんだよね。 少し暇でも,それでウロウロするのいいなと。でちょっとポケ蓋画像を本格的集めようかなつって。
豊橋向かう途中,何度も面倒臭ェ,わざわざ行かなくても…家帰ろうかなと思ったり。
別に仕事は,今日のネタ選びも含めていっぱいあるから,帰ろうかなとは思うんだけど,新幹線にちょっと遅れて,やっぱやめよっかなと思うんだけど,色々振り絞って,こういうのに行くことでしか何も生まれないんだから能動的にやろう,能動的にこういうくだらないことやらなくていいことやろうと思って行って。 しかも新幹線の駅のもう南口そのものにあるらしい。それだったらもう寄って撮ってすぐ乗っちゃえばいいんだからって行ったら,まさかの。ポケモンの蓋の上を中心にフェスティバルやってる。 細かくは分かんないけど,多分地元の踊りを今風にしたヤツ。そのよさこいソーラン的なヤツの愛知バージョンのヤツのを,いろんなチームが次から次へやってきて,すごい踊りを踊ってるわけ。 続いて地元のちびっこ隊。 衣装も全部揃えて踊る用意をしてる人たちが,太鼓とかの古いリズムと新しいリズムを合わせ,次から次へと踊ってる訳。その大きい集団と小さい集団の間の入れ替わりが3分ぐらいあって,その入れ替わりの時間が3分くらいある。その入れ替わる通路のところが,ちょうどそのポケモン・マンホールがあるところ。そうするとさ,入れ替わんなきゃいけないから,ずっと通路を観ながら,iPhoneももうカメラモードにしたまま,やってやろうと。そしたら後ろにいた衣装着てる女の子たちの1人が「さっきからずっと見てますよね? 知り合いいるんですか?」って,こっちはマンホール撮りたいからさ。俺全然それ早く終わってくんねえかな? と思って見てんだけどさ,「ウン,いや,そういうことじゃないんだけど,すごいなー なんて思ってね」って(笑) 「私たちあの4組後なんですけど,あの観てもらえますか?」つって。「うん?それをもらえないな…それは全然観てもらえないんだけど」って思うんだけど,もう本当にその豊橋駅南口のあんなに手こずるんだ。すごかったね。なんかその控え室もない,控えのテントもないんだけど,チームのイベントのご家族の人が観てる。その斜め後ろぐらいのところにそのポケ蓋がいっぱいあるんだけど,そこは選手とか演者たちがスタンバイしてる所なわけ。 結局後ろが無防備になって,先輩のその踊りを一生懸命夢中になって観てる人の後ろでスタンバってて,なんならそこを上手にズームをして肩越しの向こう側にあるポケ蓋撮ろうかと思うんだけど,本当にこれ丸っきり盗撮してる人にしか見えないんだよ(笑) 夢中で観てる女の子たちの後ろ越しにズームでやってやってる人だから。で踊り全然観てねェしって事だから(笑) で入れ替わりの時,自分も入れて撮りたいんだけど,一応想像して。マンホール,自分を入れて撮るって相当難しい。 自撮りにも慣れてないし,なるべく低くしないと両方映らない。でいて片膝ついて思いっきり片手上げたら,こっち50肩だから大変なんだけど,普通な顔して,なんかわかんないけど苦痛なんだけど笑おうとしてる感じわかる?(笑) 苦痛なんだけどニッコリしようとしてる顔で撮ろうとしてるけど,なかなか撮れない。そこに奇跡起こる。次のチームのスタンバイのやり方がなんかいろんなオリジナル曲だから,ドンドコドンドコ…みたいのでこう全員同じ踊りじゃない。で,俺がちょうど片膝ついて撮ってる周りの踊りが,全員がいろんな方向を観て片膝ついてスタンバイして,次々に立ってく踊りなの(笑) そうするとさ,「あれ?アイツだけお揃いを着てない…あれ?テレビで観た事あるヤツいる」みたいになってるから地獄だよ(笑) 想像して。全員が片膝ついてんだよ。それでドンドコドンドコ,ハッ!っていうとこで,4人が立つ。全部で20人ぐらいいるわけ。俺も立つって思われてるじゃん,どうやったって。でよく見るとスマホで自分で撮ってるの分かるんだけど。んで異様なのがさ,子供がいっぱいの中に一人だけ50過ぎた,薄汚ェでかいおじさんがさ,みんななんか金キラの新選組みたいな格好してんのにさ,俺だけ私服でやってから「あれは何?中から子供が出てくんのかな? 大きいから,子供が4人ぐらい出てくるんじゃねえか?」って感じのヤツで(笑) そんなんでね,ポケ蓋撮りましたよ。
今ちょっと調べてくれたけど,これかな?『のんほいよさこい・ええじゃないか祭り』のイベントやってるんだけど,蓋の難しいのは,みんなが集まる広場みたいな所にある事多くてさ。沖縄の時もなんかこう野菜フェアみたいのの屋台の足がポケ蓋に乗っちゃってんだよ。 だからちょっとポケモン・マンホールのメジャー度がまだ半端っちゃあ半端なんだけど,その感じも含めて,まあまあちょっと面白いかな。
■ eゲーマーの就職先
またちょっと未来の話ね。万博の展示とかで俺が期待するのはこういうことなんだなと思ったんだけど,ちょっとしたハイテクもののニュースの中で,建築機械…ブルドーザーとかショベルカーとか,そういうヤツ。ああいうヤツを操縦する人が,かなりこの先ベテランが引退していくと。重機の操縦とかをできる人が減ってくみたいなことって,前から言われてて。俺が観たドキュメンタリーは,まあまあ歳いってる手練れのオペレーターとか,操縦する人,パイロットかわかんないけど,そういう人が自宅とは言わないけど,ステーションから遠隔で重機を操作するってヤツ。基本自動で動くブルトーザーが何十台もいると。で,このブルドーザーはじゃあAIに任せて全部やれるか?っていうと,まっすぐずっと行ったり来たりを中央でする分にはオートで全然いいんだけど,角っこの仕上げとか,ちょっとデコボコがきついと,この仕上げは人の手が入らないと出来ませんと。で,そうすると「ちょっと角のやばいとこ来ました」って,そのオヤジが遠隔で切り替えて,この難しいとこは手動リモートで運転する。その間も自動運転とそのベテランの手練れのオペレーターの操作を上手く切り替えながら,10台のセミオートの重機で綺麗にするみたいな。 でもこれでも,すでに5〜6年前のドキュメンタリーだった。んで今新しいのは,さらにそういうものを扱える人を増やして,で,そしたらそのある会社がもう建築会社が人材足りませんと。オペレーターがどんどん引退するから。今さeスポーツの専門学校あんじゃん。あそこと協力して…そのeスポーツの人たちはいわゆるコントローラーでいろんなものを操縦するってことに関しては,多分全くやったことのないよりイケる。まだ多分シミュレーションの段階だけど,遠隔でやってみようっていうスカウティングみたいことを始めましたって。で,かなり相性が良くて。やっぱり0から教えるより全然飲み込みが早いんだって。 だから今後eスポーツの世界だって厳しいから,すごい頑張ってチャレンジしたけど,eスポーツで食えるようにはならなかったって人が出てくる。でそうすると,遠隔で今の技術だと,完全変革までは相当難しくて行けない。けど,近くまで行ってやるみたいになるらしいんだけど。
でも今後その,バイトで遠隔でみたいな。そうすると俺の前に座ってる河野は相当ゲーマーで。 しかもおっさんだから。憶えてる? PS2『建設重機喧嘩バトル ぶちギレ金剛!!』っていうゲーム。ゲームやらない人と若い人が,FFぐらいのトーンで「『建設重機喧嘩バトル ぶちギレ金剛!!』あったじゃん」って言われても困ることぐらいは分かったんだけど(笑) あれ,プレステ2かなんかが出た時,割とローンチタイトルに近い形でプレステ2のフルスペックを使った,こういうゲーム出ますよっていう時に,メインでみんなが買ってたのは確かに『リッジレーサー』とか,レースゲームの最新鋭のヤツがどうだっていう話になるんだけど,なぜか急に違和感のある建設重機を操る『建設重機喧嘩バトル ぶちギレ金剛!!』が出て。その『ぶちギレ金剛!!』はその3 Dの建築機械を色々上手にあやつってミッションをクリアするんだけど,途中のストーリーのカットで本宮ひろ志の漫画が出て。 もう男臭いっていうか,なんかぶち切れんだよね。 金剛がぶち切れながら,パワーショベルとかを操縦するゲームで。あれ,先見の明があったね。だって 『ぶちギレ金剛!!』的なヤツにその本当のリアルが繋がるか繋がらないかだけの話じゃん。
でこっから先は勝手に想像。 ここまでは俺はすごい世の中だなって思って。だって「自分はeスポーツの専門学校に行ってeスポーツのプロになる」って言ったって,周りの親からしたら「何夢みたいなこと言ってんの?」って話になるわけよ。 けど就職先としてそういうことがあるなら,なんかそれは大きいことで。んで,そっから先はこれってさ当たり前のように軍とかこういうことだよ。 軍とかこういうことで。で前もここでその妄想を喋ったけど,例えば軍が自分が本当に爆撃をしてるかどうかっていうのを理解してる必要があるのかどうかよくわかん。 本物そっくりである必要があるのか。自分が理解した上に本物そっくりなものだと,例えば人を殺すってことに関してさ。「下のところに学校があるけども,一応これは爆破して,ここは焼け野原にしてくれ」に対して,おそらくだけど,みんな躊躇する。で,これが軍においていいことか?って,軍には躊躇するはいいことじゃないから。そうすると自分は「中年のおじさんに乗って白濁液を撒いて,でいて汁男優を白濁させたらクリア」っていうゲームだって思い込んでたら,知らないリアルと連結されてるかどうか,俺が知らなければ,次から次へと…おじさん頑張って補給しようと思ったら,家戻っておじさん,普通に家に戻ってパン食ってるけど,それは爆撃機が補給してりゃいいだけだし,別にそのくマさんが蜂蜜を投げるっていう,蜂蜜投げてお友達をいっぱい増やすっていうファンタジーのゲームでも,プレイしてる人はクマさんだと思ってるけども,どっかでものすごい勢いで焼け野原ができるってなりかねない。なんなら分かんないけど,それはCG風になっってるだけで,リアルなCG風だってみんな思ってたみたいな。 そんなことだって考えたら,ちょい怖ェなと思ったりだけど。ただその手前のとこまでの話に戻すと,なんか俺はその万博とかで観たいんだよ。そういうのがどれぐらいできんのかっていう。 その重機でオートでこれぐらいのことはもうできるようになってんだみたいなさ。 ドローンとかでも,そんなん見たいけどね。
■ 新幹線で『新幹線大爆破』観る
土曜日大阪の番組呼んでもらって,大阪久しぶりに行ったんだけど。で,大阪行く間の新幹線の中で,例のタモリ…サングラス型のメガネ型のX-Real使って。タモリってずっと呼んでるから,タモリっていうもんだって,みんな思ってるかもしれませんけど,まるでタモリのサングラスかのごとく見えるんだけど,実は中に200インチとかの大きなテレビ画面が映ってるっていうヤツ。今までのものから比べると疲れないし,そのXReal-1をかけて東京>>名古屋だと1時間40分とかちょっと短いけど,東京>>大阪だと2時間超えるんで,ちょうどいい。東海道新幹線の車内で『新幹線大爆破』観るって乙なもんでしょ(笑)
すげェなと思うのはさ,Netflixってログインしてダウンロードすると観たいヤツ観れるけど,iPhoneの中にダウンロードできるし,あらかじめダウンロードしときゃ,車内の通信環境とは関係ないんで。で,そのiPhoneからもうそのタモリ繋いで観ると何の問題もない。100g弱のサングラスを持っただけで,映画を1本まるまる観れる。オリジナルの『新幹線大爆破』は当時俺映画館で観たのよ。何歳の時だったか,えっと映画自体は70年代中盤だからリアルタイムではないの。さすがに8歳で観る訳ない。8歳で観るような映画じゃない,シビアな内容だし。だから,高校生ぐらいの時に,初めて池袋の文芸坐っていう名画座で観た。当時はレンタルビデオもないから,要するに観逃した映画をもう一回観る時は,その名画座っていうところで,たまたまリバイバル上映したりとか,特集上映をした時に観る。話の大筋は,新幹線に何者かが爆弾を仕掛けました。正確な数字を忘れたけど,時速100km/h以下に落ちると爆発する。昔のバージョンが身代金500万ドルとか要求してくるんですよ。 で,「とにかくわかった」っていう感じになって。 そうすると新幹線が止める事が出来なくなる。 どうしよう?っていう話で,まァ面白くて,なんかすごい好きで。で,しかもすごい社会派で。
で多分だけど,その後なら『スピード』あんじゃん。「スピード落ちたら爆発する」っていう設定は,相当影響されてんなみたいな,モロにそう言ってたかそう言われてたんだか忘れちゃったけど,まそういう感じで。でそれのリメイク版ができますよって,ものすごい特撮で樋口監督がこれを現代版にリメイクしますっていうことで。で,こっから先ネタバレを全くしないように頑張りますんで問題ないと思うんですけど,基本的な路線は一緒ですよ。 その「路線」って言葉の難しいとこで,新幹線の路線は違います。東海道新幹線と東北新幹線の違いはありますけど,要は爆弾が仕掛けられました。100km/h以下に落ちると爆発します。んで政府が対策に困ったりとか,車掌さんが頑張ったりとかってそういう映画なんだけど,結果的には相当面白かった。だって個人的にこんなに好きな『新幹線大爆破』が,めちゃくちゃ好きな俺が観て「面白かった」って言ってんだし。両方比べるとちょっと性質は違うっていう。なんか思った事なんだけど,俺樋口監督には『ガメラ』とかでもお世話になってるんで,平成版『ガメラ』でお世話になってるんで,樋口監督トークショーやったりとかなんとかしてる人でまァいい人ですよ。 あと本当にセンスあるクレバーな人だけど,元々特撮技術だけの特技監督とかを多くやってた人で。だから,どうしても特撮が先に行っちゃう傾向1。えっと映画を観る人から俺から言わしてもらうと,SFとかの難しいところって,本当じゃなくても,その時々の世の中の人たちをちゃんと騙せれば,本当じゃなくてもいい。難しいのは,どんどんSFマニアって人もできて。オリジナルの『新幹線大爆破』の頃はそこまでじゃない。だけど,SFマニアって人種も出来たりとか,そういうものに対する知識がすごいある人が出て来る。それと世の中の知識も少しづつ上がってく。だってさ,明治大正時代,ハレー彗星が来る時に「ハレー彗星の引力で地球の空気は全部持ってかれて,みんな死んじゃうから,自転車のチューブを買って,彗星通りすぎるまでの間,空気を吸ってよう」って,本気だぜ?それで言うと,その世の中の科学考証みたいな知識がどんどん上がった上に,さらにエキスパート的なその知識を持ってる人もいるから,なんかその樋口さんとかSFやった時に,ちょうどよく俺を騙して欲しい。 なんかさらにはその人それぞれの「映画だからいいじゃん」っていう基準も相当違うわけ。 そこまで言うと映画楽しめなくなっちゃうから,これぐらいで大体まあいいよねっていう感じのラインっていうのが相当取るの難しくて。
同じようなパターンで,俺『日本沈没』すごい好きでさ。やっぱ子供の頃すごい好きで,でいて2006年ぐらいかに樋口監督が撮った新しい『日本沈没』も観てつまらなくはなかった。樋口監督の方は,昭和のミニチュアじゃなくて,CGをめちゃくちゃ使った大災害のシーンとかがすげェなってなって。 で,そっからまたさらに進んでるんだけど,観たんだけど,最終的にこう解決策…これはネタバレする。 これから観るっていう人いたらごめん,っていうか,もう2006年の作品なんで。最終的に,それ自体も多分,俺は子供の頃だし「うわ…日本って沈没するかもしんねえじゃん」と思ったし,大人になってからもそういうことなのかと思ったんだけど,日本の下に通ってるプレート対流が原因で,日本がどんどん海底に引き込まれてくっていう話。これ以上言ったらネタバレだけど,プレート対流で海底に引き込まれちゃうってなった時に,ズルッて戻るのが大地震だと。でこれは子供の頃の『日本沈没』の田所博士が言ってたことで,多分これは本当だと思う。 これは本当で,日本が沈没する時はこのプレートがズルッという戻しがないまま沈んで,落ちて,それに引っ張られるようにして日本も沈んじゃうんですよっていう話で。これがどれぐらいあり得ることなのか分からない。 最終的に新しい方の『日本沈没』は,すごい特撮を使いながら,その日本が乗っているプレート岩盤に切り取り線みたいに爆弾で穴を開けて,同時に爆発することで,地底に引きずり込まれていく方だけを行かせるっていう。「やったぞ! 大成功だ!」っていうところで,俺さすがに俺もそれはないっていうか(笑) いやいや,それそれはちょっとて。 なんかその樋口監督のその折り紙付きの特撮の凄さと,たまに行き過ぎる,「本当に?」って部分。わかんないけど,俺はこうずっとキツネに騙されてて温泉だと思ったところが「(…スンスン)ウンコの匂いしねェか?」っていう。いいんだよ? どれだけ肥溜めをいい湯加減にして,あたかも温泉にいるかのようにしてくれればさ。「やっぱ湯布院は違うな」って,騙せてればいい訳だからさ。だけどよっぽど長い時間入ってて湯冷めもしてくるじゃん。湯冷めもしてくるし,慣れても来る。 のぼせても来るじゃんか。のぼせたとこで「(…スンスン)あれ?硫黄じゃなくて…」っていう(笑) 「ウンコじゃないか!」っていうのになっちゃいがちなの。ていて,俺の温度は,新しい『新幹線大爆破』は,もう息をもつかせぬ感じなんです。しかも今回はJRが全面協力で。前回の時はその頃国鉄だから「さすがに新幹線がテロリストに襲われるっていう映画に国鉄が協力できるか」っていうんで,協力してない。 今回はJR全面協力でやってるから,そのクオリティー凄くて,もうドキドキで息をもつかせないんだけど,たまにちょっと俺の範疇を超えて,たまにクンクンしちゃう時があるわけ(笑) クンクンしちゃうんだけど,その上から被せて来る感じの。「あ,硫黄か,硫黄の香りか」っていうところに戻った感じで。
俺は今回最後までなんとかこう,そこに行けて楽しめたのと。なんだろうね…変わらないはずなんだけど,多分俺,心のどこかで映画館で観る,ネットフリックスで観るって事に対して,なんか俺,ネットフリックスで観てるっていうことに対して「豪華であればいいか」的な。まして,ネットフリックスでも,すごい豪華だったら全然許せちゃう感じ。 でいて,これは「JRがこれに協力する」っていう大英断をした関係者に聞いてて欲しいんだけど,協力して正解。なぜならこの楽しみ方。 今の楽しみ方で新幹線大爆破で,何が起こっても頑張ってくれたと。要するにアクシデントに対して頑張ってくれた。 次の日名古屋から豊橋に行く途中の新幹線はたった5分だけど,少し全体の遅れが出てたんだけど,もしかしたら,俺は草g君が頑張った結果,これで済んだんだし,この草g君が頑張って,とにかくあの連中はみんなですごい頑張ってどんな異常事態でも新幹線を運行しようとしてるっていうこと。これはいろんなこと言う人いるかもしれないけども,JRは一企業だからやればいいことなんだけど,協力して正解と思うのと,同時に遡っていろんなところで工夫してえっとその昭和の方の『新幹線大爆破』は国鉄の協力なしに撮ってる。今回が忖度してるとは決して思わないんだけど,前回の迫力は,国鉄に全く忖度してないが故の迫力で。だって協力してくれてるわけでもねェしっていうか,俺のすごいこう斜め目線の観方なのかもしれないけれども,外観はすごい使うし,なんか中のセットはどっかの私鉄が協力してくれたみたいな事で。なんかその国鉄って国のものだから,みんなのものだから「一切取り扱わないでくれ」って権利も多分ないんだと思うよね。 「ウチは協力しないんだから,外観も撮るなよ」みたいことは多分できないんだと思う。 そのバランスで作品的には非情な感じがした。
その前版もいいんだけど,もう相当その樋口監督も庵野監督と一緒に仕事したりすることで,かなり庵野監督から盗んだものとかも多い感じ。すごく良かった。 途中,これはちょっと庵野節っていうかだなと思ったのは,今言ってた昭和の『新幹線大爆破』に関しては,今のバージョンでは,実際にあったこととされている。 でも全くそれを観てない河野も別に全然楽しめてる。 むしろ前のも観たくなったっていうぐらいだっていう感じなんだけど。ただ,問題はね,その新幹線グリーン車乗せていただいて,でいて,そのタモリをかけて,そしたら微妙に外光が気になって,上にタオルハンカチをかけたまま興奮しながらハァハァってずっと。声は出さないようにしてる。 周りもいるからね。 ちいかわのタオルハンカチを被ってハァハァやっている,そのオッサン自体が相当やばい(笑)こいつ爆発すんじゃねえか?ってみんなに思われるぐらいの(笑) その感じは申し訳なかったね。

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2025年03月25日

datasea: シネマ観劇記〜『トワイライト・ウォリアーズ/九龍城寨之圍城 』(25.3)









[レビュー] 『トワイライト・ウォリアーズ/九龍城寨之圍城 』(25.3)〜滅ぶスラムの郷愁とド級アクション
TOHOシネマズ上野
🕐25.3.23
『トワイライト・ウォリアー/九龍城寨之圍城 』
日曜18:40〜。11F第8スクリーン(轟音スクリーン)。ディズニーの人気タイトル『ウィキッド』と被ってる割りには客入りは7割で入っていた。年齢層的には若年層9割。予習で観たYoutubeで「女性客多い」ってあったが,実際に客席眺めると,カップル多いのは当然として,お一人様女子は結構いた。「ストレス溜まってる」とか「ゲーム世代」とか分析は色々あるとは思う。
かつて香港にあった,「東洋の魔窟」と呼ばれた巨大な立体スラム・九龍城砦を舞台としたアクション大活劇。香港版マッドマックス(宇多丸氏評)。原作は余兒著『九龍城寨』。床屋の龍捲風役のルイス・クーのシブさが主役級に光る。ギャングの大ボス役のサモ・ハンはブルース・リーの弟子であり,廃れてしまった香港カンフー映画のオマージュでもある。香港に流れ着いた不法難民チャン・ロッグワン(陳洛軍),九龍のボス,ロン・ギュンフォン(龍捲風)を軸にしてストーリーは進む。
九龍城はもはや存在しないんだから,セットとCGの組み合わせだろうが,プロデューサーが九龍城育ちであったり,スタッフも香港人というだけあって,作り込みがアツい。アクション監督の谷垣健治は香港カンフーで育ったという意味で,香港カンフーに熱い思いがある。CGも最近のCGは重量感があって,あまり実写と比較する気にはならない。『インディ・ジョーンズ』のハリウッドCGは驚愕のレベルだったが,この九龍城塞の再現度も素晴らしいものだ。
九龍城塞っていうのは遠目には高層ビルに見えるんだが,要はブリキや木造の一戸建てを縦に横にひたすら積んだだけの構造で,そういう建築法を無視した構造物が成り立っていた背景は,清王朝以降の敷地で,中国にもイギリスにも属さない治外圏であったからという事らしい。異国の過去のノスタルジーって,何だかピンとは来ないが,九龍城で生きた,九龍城同じ時代に生きた香港人の,熱情というようなものがセットにもCGのディテールにも表れていた。
アクションの方は,最近多いワイヤーアクションで,コミックの世界をまんま映像化する凄さ。あと面白いと思ったのが,年寄りが異常に強い。
床屋のルイス・クーはじめ,マフィアの黒幕の大ボス役のサモ・ハンはブルース・リーの弟子であり,いざ戦うと若いヤツの数倍の威力を持ってる。こういう発想って日本やアメリカの映画ではそもそも存在しない。香港映画はそうなのか。あと荻野目洋子,吉川晃司の歌や日本製ガジェット等,随所に出てくる日本製カルチャーは,日本人向けというよりは80年代香港の再現という意味だと解した。イヤ〜面白かった〜〜♪

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香港映画史上歴代NO.1大ヒット!
世界が熱狂!香港映画史に新たな歴史を刻む話題作!
第97回アカデミー賞R 国際長編映画賞の香港代表に選出され、第77回カンヌ国際映画祭での初上映から熱狂的な拍手を浴びた本作。香港公開後も話題が広がり続け、ついには香港映画として歴代No.1の動員を達成した。
✔九龍城砦がスクリーンに蘇る!
舞台は伝説の「九龍城砦」−−無法地帯として知られ、今は失われたその場所が、圧倒的なスケールでスクリーンに蘇る。ルイス・クー、サモ・ハンといった香港映画界のレジェンドから若手実力派までが集結し、壮絶なアクションで観客を圧倒する。そして、約10億円を投じて精密に再現された九龍城砦のセットは圧巻。息を呑むスケールと細部へのこだわりが、観る者の心を鷲掴みにする。
✔ストーリー
九龍城砦(きゅうりゅうじょうさい)――かつて無数の黒社会が野望を燃やし、覇権を争っていた。80年代、香港へ密入国した若者、陳洛軍(チャン・ロッグワン)は、黒社会の掟に逆らったことで組織に追われ、運命に導かれるように九龍城砦へ逃げ込む。そこで住民たちに受け入れられ、絆を深めながら仲間と出会い、友情を育んでいく。やがて、九龍城砦を巻き込んだ争いが激化する中、陳洛軍たちはそれぞれの信念を胸に、命を懸けた最後の戦いに挑む――。

クロックワークス
https://klockworx.com/movies/twilightwarriors/

























「トニー・ジャーのアクションの真髄が『トワイライト〜』で継承、昇華されていると思うと感慨深いですね。」ドラゴン×マッハ! 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)
評価・レビューする
矢萩久登
5.0泣ける 楽しい 興奮
2025年3月22日鑑賞 映画館で鑑賞
2025年3月23日投稿
トニー・ジャーのアクションの真髄が『トワイライト〜』で継承、昇華されていると思うと感慨深いですね。
現時点で圧倒的に本年度NO.1 『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』(2024)。
再び香港クンフーアクションに魅了される今日この頃ですが、『トワイライト〜』を鑑賞するとタイのエクストリームなアクションにも影響されていると感じておりましたが、遡ること10年前にソイ・チェン監督はタイの巨星トニー・ジャーを香港に召喚、香港のアクションスター・ウー・ジンとタッグを組ませ本作『ドラゴン×マッハ!』(原題:殺破狼2/2015年)を監督していましたね。
本日は実にタイムリーな上映をしている新文芸坐さんにて鑑賞。ストーリーは香港とタイを股に掛け、タイの刑務所で行われる臓器密売組織の壊滅を諮る潜入捜査官チーキット(演:ウー・ジン)と刑務所の看守チャイ(演:トニー・ジャー)の対立から芽生える漢の友情を中軸にクンフーとムエタイベースの肘と膝、そして沢村忠氏を彷彿とさせる真空飛び膝蹴りを駆使したタイアクションの血沸き肉躍る見事なコンビネーションが最大の見どころ。特に絶望的に無双な刑務所所長(演:マックス・チェン)との2対1のラストバトルは思わず観劇中に拍手喝采してしまうほど傑出していましたね。
『トワイライト〜』では颯爽と九龍城砦で理髪店を営む九龍城砦のリーダーを演じたルイス・クーが本作ではかなりウエイトを落として死期迫る密売組織の首領を忌まわしげに好演。またジョニー・トー監督作品の常連サイモン・ヤムもあい変わらずいぶし銀でしたね。演出面も雨の使い方などソイ・チェン監督らしさが垣間見えます。00年代〜10年代のアクション映画を牽引したのは疑う余地もなくトニー・ジャーですが、彼のアクションの真髄が『トワイライト〜』で継承、昇華されていると思うと感慨深いですね。

映画.com
https://eiga.com/movie/102484/review/04905434/





トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦・・・・・評価額1750円
2025年01月31日 (金) | 編集 |
✔九龍城砦を支配しろ!
かつて香港に存在し、複雑な歴史的経緯からどの国の施政権も及ばなかったために、「東洋の魔窟」と呼ばれた巨大な立体スラム、九龍城砦を舞台としてアクション大活劇。
密入国者の青年が、ひょんなことからこの魔窟に迷い込み、香港中の黒社会を巻き込んだ抗争が勃発する。
漫画脚本家として活動して来た余兒の初の小説「九龍城寨」が原作で、描かれるのは、友情・努力・勝利のジャンプ漫画型熱血アクション。
運命に導かれる様に、九龍にやって来るチャン・ロッグワン(陳洛軍)にレイモンド・ラム。九龍のボス,ロン・ギュンフォン(龍捲風)にルイス・クー,ギャングの大ボスをサモ・ハン、気功を操る怪人ウォンガウにフィリップ・ン、かつてロンと戦って死んだ“殺人王“チャン・ジムをアーロン・クォックが演じる。監督はソイ・チェンが務め、アクション監督を谷垣健治、「イップマン」シリーズの川井憲次が音楽を手がける。3億香港ドル(60億円)の巨費が費やされた香港映画界久々の超大作で、5千万香港ドルをかけて作られた、九龍城砦の巨大なセットの中で巻き起こる、怒涛のアクションが最大の見もの。香港映画史上、歴代一位となる動員数を記録し、すでに三部作となることが発表されている。
✔ストーリー
1980年代。 香港に密入国したチャン・ロッグワン(陳洛軍)(レイモンド・ラム)は、港を牛耳るギャングの大ボス(サモ・ハン)に騙され、金を奪われた。その報復としてギャングの覚醒剤を奪い、九龍城砦に逃げ込む。
数々の勢力が覇権を争った九龍城砦も、竜巻と呼ばれたロン・ギュンフォン(龍捲風)(ルイス・クー)がリーダーとなってからは平和が保たれていて、何者も手を出せない。ロッグワンはロンに仕事を与えられ、ロンの右腕のソンヤッ(信一)(テレンス・ラウ)、医者のセイジャイ(四仔)(ジャーマン・チョン)、サップイ(十二少)(トニー・ウー)ら同世代の若者たちと友情を育み、はじめの居場所を得る。一方、かつての九龍の抗争で、殺人王と呼ばれたチャン・ジム(アーロン・クオック)に妻子を殺されたチョウ(秋)(リッチー・レン)は復讐を遂げるために、チャンの息子を探し続けて来たが、遂にその行方が知れる。彼こそが、チョウの義兄弟でもあるロンの所にいるロッグワンだったのだ・・・・
✔レビュー
めちゃくちゃ面白い。
物語の冒頭で、香港に密入国したロッグワンが、立場の弱い難民から搾取するギャングと揉め、九龍城砦に逃げ込む。この設定自体が九龍の、そして香港の歴史を象徴する。アヘン戦争の結果、イギリスの植民地となった香港は、難民たちが作り上げた都市だった。19世紀後半の太平天国の乱から日中戦争、国共内戦までの100年近くにわたる激動期、香港には大陸各地から難民が流入し続け、猫の額ほどの狭い土地に500万人を超える人々が住むようになった。そして最初は清朝の砦として作られた九龍城砦は、九龍半島がイギリスに割譲された後も、施政権の主がはっきりしなかったことから、食い詰めた最下層の難民たちが住み始め、無計画に増築が続けられた結果、ついには地上12階建の巨大な迷宮の様な立体スラムが出来上がった。内部では黒社会が跋扈し、あらゆる違法行為が行われ、「一度九龍城砦に入ったら、二度と出られない」と言う伝説も生まれた。やがて70年代に入ると、カオスの様な状態に対し住民たちが自警団を作って対抗し、徐々に治安が回復し、九龍城砦は束の間の平和を得る。本作は、この時代を背景としている。
香港映画黄金時代を思わせる、どストレートな少年漫画話型かつご都合主義満載の脚本が最高である(褒めてる)。かつて城砦を支配した黒社会を倒した伝説のボス、ロン・ギュンフォンが庇護する城砦内で、ずっとよそ者として生きて来たロッグワンは、ソンヤッ、セイジャイ、サップイらと友情を結び、はじめての「居場所」を得る。だが、香港返還に伴う城砦の利権を巡る抗争が激しさを増し、そこにロッグワン自身の出生の秘密も絡んでくる。ロンは数十年前の抗争で、義兄弟の契りを交わした三合会のリーダー、チョウとタイガーの二人と共闘、最大の敵であった殺人王チャン・ジムを倒すのだが、チョウは抗争の過程で妻子をチャンに惨殺される。実はジムには行方不明の息子がいて、チョウはずっと探し続けていたのだ。そして彼こそが、ロッグワンだったのである。チョウが復讐のために、我を忘れて付け狙うロッグワンが変数となり、九龍城砦の支配をかけた戦いが再び勃発するという訳だ。上記で分かるように、物語的には「いやいや人間関係全部偶然の産物かよ!いくら何でも出来すぎだろ!」なんだけど、魅力的なキャラと圧倒的な熱量を持つ怒涛のアクションがあれば、娯楽映画なんてこれで良いのだと思わされる。設定は複雑だが劇中での説明要素は最小限で、おそらくこれから三部作の中で語られて行くのだろうが、本作だけでは分からない要素も多い。
ちなみに本作は、米国アカデミー賞の国際映画賞の香港代表に選ばれたが、見事に落選ってそりゃそうだ。脚本強引すぎだもの(笑その分、アクションは凄まじいボリュームだ。最初にロッグワンが城砦に侵入し、自警団に追われるシチュエーションから始まって、複雑怪奇な九龍城砦ダンジョンを縦横無尽に使った立体アクションは、十分に未見性があり、友情・努力・勝利の方程式は自分の中の少年の血を煮えたぎらせる。
気功術を操る敵のウォンガウなんて、硬化の技であらゆる攻撃が無力化されるって、ちょっとチートすぎなんだが、絶対倒せそうもない敵に、仲間たちと挑むカタルシス。谷垣健治の仕事は質・量共に過去最高レベルで、いわばアクションの三段おせちでお腹いっぱい。
そして本作のを特徴付けるのが、過ぎ去った時代へのノスタルジーだ。
私は過去に数回香港を訪れているが、93年にはじめて香港に行った時、ちょうど取り壊しが始まったばかりの九龍城砦を見ることが出来た。
想像よりも規模は小さかったが、全てがギュウギュウに密集し、スチームパンクSFに出てきそうな異様な建物だったのを覚えている。
それから30年間の香港の変化は、凄まじいものがある。九龍城砦はすっかり解体され、公園となった。30年前は狭い平地だけに建物が密集していたが、土地が無くなったのかゼロ年代に入ると山の部分にもタワーマンションが林立し始め、ますます人工的な街になってゆく。そして香港は、一国二制度を50年間は続けるという条件で、97年に中国に変換されたものの、民主主義は早速骨抜きにされて、かつての自由は失われ、今では共産主義中国のありふれた地方都市に成り下がった。
功夫映画で世界に名を轟かせた、香港映画界も大きく変わった。香港返還前にはスター俳優やスタッフの海外流出が続き、大陸資本が津波となって押し寄せた。ゴールデンハーベストとショウブラザーズの二大スタジオも、大陸の資本の傘下に入り、香港独自の映画生態系はほぼ失われた。
本作で大ボスを演じるサモ・ハンは、80年代の香港映画黄金時代を代表する大スターの一人であり、九龍のボスにして咥え煙草の散髪屋、ロンを演じるルイス・クーや監督のソイ・チャン、プロデューサーのウィルソン・イップ、ジョン・チョンもまた栄光の時代とその残滓を知る世代。
彼らが結集した本作は、大陸資本が入っていない、香港だけで作り上げた超大作だ。
様式的な功夫映画とノワール映画をモダナイズしつつ、擬似親子的師弟関係、義兄弟の共闘、因果応報の復讐といった香港映画といえばこれという要素を詰め込み、今は失われた香港の魂の象徴として、香港映画黄金時代の80年代の九龍城砦を舞台に設定する。この映画に結集した老も若きも、彼らは皆かつての香港映画に想いを馳せる浪漫の徒なのである。これはある意味で二度と帰らない街の青春を描いた、アクション満載の香港版「ALWAYS 三丁目の夕日」なのかも知れない。ちょっと気が早いかも知れないけど、間違いなく今年のアクションシーンを代表する作品となるだろう。本作の前の時代を描く「九龍城寨之龍頭」と「九龍城寨之終章」を楽しみに待ちたい。
今回は、ザ・香港映画なので、カクテル「香港フィズ」をチョイス。氷をいれたタンブラーに紹興酒60mlとジンジャーエール120mlを注ぎ、軽くステアする。スライスレモンを縁に飾って完成。紹興酒は単体だと結構好みが分かれるが、カクテルにするとクセがあまり気にならず、飲みやすくなる。ちょうど春節なので、豪華な中華おせちと合わせて飲みたい。

ノラネコの呑んで観るシネマ
http://noraneko22.blog29.fc2.com/blog-entry-1767.html










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2024年10月28日

datasea: シネマ観劇録『シビル・ウォー』(24.10)〜ド級の内紛映画













datasea: シネマ観劇録『シビル・ウォー』(24.10)〜ド級の内紛映画
TOHOシネマズ上野
🕐24.10.27
『シビル・ウォー』
TOHOシネマズ上野,一般2000円。日曜日22:00〜のレイトショーの割に入りは良かった。
人民軍(西部)vs政府軍(東部)のアメリカ内戦下の女性報道カメラマンが,アメリカ東部を北上してワシントンDCのホワイトハウスに向かう道程を描くロードムービーのスタイル。2020年大統領選挙時下のJUNTA(民兵)台頭時のアメリカを思い出した。
個人的評価は…ド級の映画です。2000年当時からアメリカ内政の記事は拾い集めているが(身にはなっていないが),集めたテキスト情報が,映像で肉付けされていく感じ。当時からオルタナ系記事しか読んでおらず,昔を振り返っても,記憶そのものが,奇妙な妄想の塊になっているだけで,だから具体的なオピニオンに繋がっていくとか,そういう感じではない。足場のない宙に,何か妄想じみた記憶が漂っている感じだ。具体的な形になっていない。そういう自分にとって,こういう映像体験は欠けていたピースのひとつかもしれない。マスコミの偏向報道は,確かな確証を持って感じられるようになったけれど,一方でネットのキツツキさんについていったところで,そっちはそっちで,無闇に怒りの感情が煽られるだけで,その時その時は盛り上がるんだが,後に残るものがない。そういう経緯から,もっと建設的な記事の集め方を未だに模索しているという体たらく。土台がないから積み上がっていかない。そういう部分で,土台になる何かを探している。
2008年頃の,ブッシュ・オバマ時代の絶望感。グローバリズム完成目前の世界。累々と積まれた棺桶が米国各地の刑務所に用意され,米国民側が将棋でいえば,詰みの一手前まで追い詰められていたあの時代から,どうしてアメリカ国民がこれだけの力を取り戻したのか…オセロでいえば一面黒にされて,数枚の白の盤面から,何故ひっくり返ったのか…振り返れば,ブッシュオバマのあの絶望の時代に,政府に管轄されず,能動的に動く軍が動き,民兵(JUNTA)が生まれ,表に報じられない所で,何かに向かっていった。刑務所の守衛が,銃口を囚人から政治家に向けた…2020年当時の記事の大まかな記憶。その記憶は,今振り返っても,奇妙な空想の塊にしか思えない。あのオバマ収監の写真も,ヒラリーの囚人服の写真も,確かに見たは見たんだが,どこか妄想じみた記憶に変わっている。どこか半信半疑だ。ただ世界は確かに変わった。そうでなければ,エプスタイン事件やパフディディ事件が,公のメディアで報じられる今の状況を説明できない。その探していたピースのひとつを拾った感じだ。映画終わって00:04で外は雨。観客は皆急いで駅に向かった。若いカップルが「何か難しかったね…」「派閥の戦争?」。確かに大雑把に言えばそんな感じかもしれんな(笑) それでも,ラストの,民兵がホワイトハウスの大統領執務室に乗り込んでくシーンはインパクトに残るんじゃないかな。とにかくド級の映画だった。今日は奇しくも衆議院選挙。国民が社会を変えていくスピリッツこそ,今の日本がアメリカに学ぶべきものだ。
あと追伸。極限状況下で使えるものはアナログ機器。ヒロインのニコンの銀塩カメラと,ダッジとトヨタのガソリン車(笑)

tgghujhh pc




































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2024年10月12日

岡田斗司夫: 本当は怖い『火垂るの墓』










岡田斗司夫: 本当は怖い『火垂るの墓』
YouTube『 岡田斗司夫チャンネル』
2024.10.1
毎月1日は,限定解除動画ということで,有料会員しか今まで観れなかった動画の中から1本選んで1週間だけ無料公開してるんですけど,2024年10月1日の限定解除は,Netflixで世界公開が始まって現在注目度がすごい高まってるアニメ『火垂るの墓』についての動画です。こんばんは。岡田斗司夫ゼミです。10月の岡田ゼミ,週に2〜3回更新してる動画なんですけども。大体過去動画なんですけど,ハロウィンの季節だから,ホラーとか不気味な話,ちょっと怖い話,そういうのやろうと思ってます。で,そのホラー特集の1本目として,1988年高畑功監督が手がけた『火垂るの墓』の解説動画出します。こういう話をすると,『火垂るの墓』っていわゆる戦争映画,かわいそうな兄弟の話じゃないかっていう風に思う人多いと思うんですけども,あれは実はホラー映画として書かれているんですよね。細かく読み解いていくとなかなか怖いお話なんです。今日はそんなアニメ『火垂るの墓』の解説動画を,限定部分まで含めて無料公開しますので,この機会に是非ご覧ください。この動画は2018年4月15日配信した岡田斗司夫ゼミ第226回を限定部分まで含めて無料公開します。10月8日までは1週間だけの限定解除になりますのでよろしくお願いします。それでは無料公開スタートです。
…すいません。あのずっと本当1分前までパネル作っててですね,最後の原稿整理とかをしてて。 あ…ちょっと待って原稿整理じゃまだ足りねえやえっとペンだけ持っとかないとごめん。ごめん。 よいしょ…大丈夫ですか?皆さん? 近況から言っとくと,2018年4月も半分過ぎちゃいました。4月15日ですよ。んでSF映画の公開ラッシュ。6月の『スターウォーズ・ハンソロ』まで続いて,7月から『ジュラシック・ワールド』とかなんか夏の映画に入っちゃう。とりあえず4月は金曜日に『ジュマンジ』があって,『パシフィックリム』があって,来週スピルバーグの『レディプレイヤー1』があって,再来週は『アベンジャーズ・インフィニティウォー』があるっていう,すごいもうキツキツのスケジュールなわけですね。だからもうついていくだけでも結構精一杯なんすけど,まその辺の,どれが実はおすすめかとか面白かったかっていうヤツはまた来週やろうと思います。 僕の方は,おかげ様で腰が治って,映画観るのも全然気にならなくなってきました。国内旅行ぐらいだったら行けるなという感じになってきたわけです。
今日はついに『火垂るの墓』ですね。 公開されたのが1988年4月16日なんですよ。なので実は公開された1988年4月16日から明日でちょうど31年目なわけですね。というわけで31年目の答え合わせという風なことで,ついこの間に金曜ロードショーやられたので,今日は分析していきたいと思います。 僕は本当に思うのは,どうしてあんなに辛いというか,しんどいというか,観てる人の心を掻きむしるような映画なんだろうかという,もう唯一無二と言ってもいいアニメ映画作品の秘密に迫りたいと思います。これ前半と後半2つに分かれてまして,一応前半は,本当は10倍怖い『火垂るの墓』。よく言われてる,もしくはこれまで僕が話してた何故こういう風になったのか?っていうような話もあるんですけど,そういうのより実は10倍程度怖いよっていう「本当は10倍怖い『火垂るの墓』」と,後半は「前半の100倍怖い『火垂るの墓』」ということで,多分今回の動画聞いちゃうと一生『火垂るの墓』観る度に,これが頭の中に入ってきて,みんなと一緒に泣いて感動できなくなると思うので,正直覚悟して観てくださいね。本当に僕も今日の昼から夕方ぐらいまで,これすげえ話になるけど大丈夫かな…って思ったんですけども,まあまあ頑張ってみようと思います。
こないだ金曜ロードショーで放送があったんですけど,放送の反響って,大体5パターンに分れるんですよ。1つ目は「もうとにかくおばさんが憎い」。あの清太が世話になったいう親戚のおばさんが憎い。 で,例えば「米を取った」とか「清太の米を取ったくせに」とか「言い方が意地悪だ」とか,とりあえずそういうおばさん憎いという意見。 次に「清太が悪い」発言。「とにかく寝てないで遊んでないで働け」と。「食うもん食った後,洗い物おばさんにさせているんだったら嫌われて当たり前だ」っていう清太悪い発言。3番目は「戦争が悪い」発言。そんなことになったのも戦争って状況があるからだと。戦争という状況にみんな追い詰められてるから,おばさんはもう言葉が強くなってくるし,清太みたいな,本当はお坊ちゃんで,海軍士官の息子なんだから,普通にわがままに暮らせたのにそうはいかなくなって,もうこれ戦争が悪いんだと。 4つ目ですね。これも割と多いのが「こっちおいで」。 とにかくもう清太も節子もうちに来たら何で食べさせてあげるからっていう悲鳴のようなツイートです(笑) みんなそんなに辛いんだって思ったんですけども。5つ目ですね。「観てられない」発言ですね。「とにかくこんな辛い番組を観てられないからロンドンハーツに逃げました」とか「CMになる度にロンドンハーツに行く人がどんどん増えてった」というやつですね。 アンケート用意できたそうです。アンケートえ4択出してください。 皆さんどれぐらい『火垂るの墓』を観てるでしょうか?
1:『火垂るの墓』観てないし,これからも観ない
2:『火垂るの墓』観てないけど観る予定
3:『火垂るの墓』観たけどもう2度と観ない
4:『火垂るの墓』観た。また観るぜ
これ,今日僕の放送聞いたからまた観るというんじゃなくて,これまでとりあえず今日までの印象でいいから,答えてください。 結果そろそろ出ますか?はいはい出してください。
2:『火垂るの墓』観てないけど観る予定=6%
3:『火垂るの墓』観たけどもう2度と観ない=40%
4:『火垂るの墓』観た。また観るぜ=40%
『火垂るの墓』観たという回答が80%ぐらい。大体80%の人が観たわけですよ。それはすごいな。 「辛いの分かってて観るわけない」。分かりました。今回の動画で,多分辛くはなくなると思うんですよ。怖くなるだけで。じゃあ行ってみましょうか。まず最初私お便りから行きます。
ー初めてお便りします。この度の高畑功監督の急逝に私もショックが隠せず,まだ心の整理がつかない状態です。「ジブリを挙げてお別れ会」という鈴木プロデューサーと「コメントを出す気になれない」という宮崎駿監督のやり取りは,まるでガンダムのガルマの国葬をめぐるデギンとギレンのやり取りに重なるのは自分だけでしょうか?ご本人のご冥福名を心よりお祈りします。
ー朝起きてびっくりするニュースが友人から回ってきました。なんと高畑功が亡くなってしまったではありませんか。年齢的には80歳を超え,普通に考えれば当たり前なのでしょうが,今までテレビで拝見していた高畑,宮崎両監督とも絶対に死なないイメージを強く持っていたので,今もショックでいっぱいです。私だけかもしれませんが,かぐや姫の物語で最後にか姫が意識を失って 月からの使者に連れ去られていくシーンがありますが,初見の時,なぜかそのシーンになって初めてダムが決壊したように私は号泣しましました。 ただ気持ちが高ぶっただけなのでしょうか?
…というお便りいただきました。で,この『 かぐや姫』の時に何故泣き出したのか?って,僕にもよくわかんないんですけども,感動が比較的分かりやすいのは宮崎駿作品の方なんですね。何故感動したのか言葉にしやすいっていうのかな,このキャラクターが好きだとか,セリフが心に染みたっていう風に思えるのが宮崎作品で,高畑作品の場合は感動しても,何故感動したのかよくわかんないと。だからしょうがなく,無理やり近くにある言葉で,例えばかわいそうだからとかなんかこういろんな言葉で代用しちゃうのがその高畑作品じゃないかなと思います。何故こんな言葉にしにくいのか?その理由を説明してみようと思います。ということで今日のレジュメです。 一応,前半後半2つに分かれてます。
前半
1:冒頭5秒の謎
2: なぜこんなトラウマアニメを高畑監督は作っちゃったのか?
3:『火垂るの墓』っていうタイトルの意味
4:『火垂るの墓』のテーマ
後半
5:高畑勲の矛盾と宮崎駿の嫉妬
6:押井守の指摘
7:死は美しくて生きることは醜い
8:前半の100倍怖い『火垂るの墓』
こういう構成でお送りしようと思います。
■ 冒頭シーンに隠されたストーリー構造
1:冒頭5秒の謎ってパート1からいきましょう。 みんな,なんか『火垂るの墓』というのをそもそもどういう話と思ってるのかっていうところから始めますね。一応,日テレの公式サイトに『火垂るの墓』のストーリーの簡単なまとめがあります。
ー昭和20年9月21日夜,神戸三宮駅(さんのみや)構内で清太は息を引き取る。所持品はドロップの缶だけ。遺体を片付けていた駅員がその缶を放り投げると,中から小さな遺骨がこぼれ落ち,季節はずれのほたるが舞い上がる。 3ヶ月前の6月9日,神戸は大空襲に見舞われ清太は心臓の弱い母を先に避難させ,幼い妹節子を連れてあとを追う。 遅れて避難所の学校に着いた清太だったが,そこには変わり果てた母の姿が。母はそのまま息を引き取り,清太は節子とともに西宮にある親戚の家へ移るが,叔母は次第に清太たちに厳しい言葉を投げつけるようになる。 ご飯も満足に食べさせてもらえない。生活に耐えきれなくなった清太は家出を決意。 節子と2人で池のほとりの旅館で暮らすことになるが…
というストーリーが書いてあります。ストーリーはこの通りなんですけども,この後日テレの公式ストーリーの後は,空襲がまだ続いて,人の心もだんだん荒んでいって,清太は節子を食わせることもできなくなってしまうと。で,次第に節子は衰弱し,ついに息絶える。清太は節子の遺体を1人で荼毘に伏すって言うんですけど,火葬にして,自分も神戸の駅で息絶えるっていうのが全体のお話です。 で,実は今言ったこの大まかなストーリーだと思ってる人が全体の半分ぐらいいるんですよね。僕あの金曜ロードショーで「#火垂るの墓」 ってついてツイートずっと見てて,あとでまとめも見たんですけども,あのラストシーンを覚えてない人がびっくりするぐらい多いんです。ラストシーンあの1988年の神戸の町。清太と節子がベンチに座ってて節子は寝てるんですけども,清太だけが,繁栄映している1988年の神戸のビル街を見下ろしてるシーンていうのが『火垂るの墓』の基本中の基本だと思うんですけども,割とこれを憶えてないっていう方,どういう意味だか,受け取ってない人が多いんですね。最後に清太が死んだ後に,節子が迎えに来て成仏するかと思ったら,ラストの今の神戸のビル街。清太はまだ成仏してないのか?それとも現世に残って私たちを見つめてるみたいなメッセージだという風に,残り半分の人は解釈してるんですよ。つまり,あの2人は今も霊となって神戸の町を見下ろしてるんだよっていうぐらいのことを考えてる人がいて,残りの人はそこまで考えてないで,過半数の人がそもそもこのシーンを憶えてないっていうのが,今回ツイート見てて最大の驚きだったんですけどね。 かなりそういう風な意味ではオカルトではあるんですけど,ちょっと怖い映画だと。でこのシーンで終わるところが,やっぱこの辺がすごいところだと思った。ツイート読んでると,それを割と見てない人が多かったのがかなり驚きました。しかし,今回解説するのは,こういうレベルではなくてもうちょっと細かくやってきます。 冒頭の流れを説明します。 一番最初のカットですね。これも全部ではないんですけど,説明していきますね。
▽まず,暗闇の中にカメラ目線で真正面を向いた幽霊の清太が現れます。
「昭和20年9月21日夜,僕は死んだ」っていう風に関西弁で言って,清太がもう死にかけている自分を見ている。
▽幽霊の清太から見ると,その死にかけてる自分は一応まだ息をしてるんですね。ハァハァという細かい息をする。でもやがて崩れてしまうんですね。
▽そして駅員金がやってきて,清太が死んだことを確認。「ああこいつももう死んでしまった」ということで,遺品を探ってたら,ポケットの中からドロップ飴の缶が出てきた。何の缶か分かんないので,ポイっと捨てると,捨てられた缶から骨が出てきて,そこに季節外れのほたるがホワンと出てくると。
▽そのほたるの中から1人の女の子,幽霊の妹が現れて立ち上がってお兄ちゃんの死体を見ている。と,そのお兄ちゃんの死体のところに駆け寄ろうとすると,後ろから止められる。
▽振り返ると,そこには優しい生きてた頃のお兄ちゃんがいて,2人で手をついでホタルがいる草原を歩いて右から左へ歩いてフェードアウトする。
▽その同じ位置にホタルの墓っていうタイトルが出てくる。
あ,もう泣いてる?…すごいな,やっぱりみんな泣くんだな。はいというですね,こういう大きい流れでできています。 ちょっと簡単に説明したんですけども,よくよく見ると隠されてる部分というか,まだ生きている自分を死んでる自分が見つめるシーンですね。すごい秘密が隠されてるんですね。それは何かっていうと,実際はさらに細かくワンカットずつ検証していくとこうなります。 まずこれですね。 「昭和20年9月21日夜僕は死んだ」って言ってから,右下を見つめます。視線が右の下に流れると,駅の柱が映る。何かが手前に映ってるんですね。柱があって,ここの手前に何か物が映ってて,それがすっと消えたと思ったら,次に死にかけてる自分がフェードインていうか入り込んで,で次のシーンに流れるんですね。 これは何か。まだここに自分の死体が映る前,死にかけの自分が映る前にこういうものが現れてると。 なんか戦前の曲線じゃないですね。これ灰皿なんですよ。現代の灰皿。このデザインって現在の灰皿なんですね。で僕これ見た時に,「あそうかやっぱり」と思ったんですけど,つまり清太は死後の世界にいるけれども,現在もまだ生きてるんですね。1988年の映画なんですけども1988年の現在も三宮駅のあの場所にいて,で自分が死ぬ場面を思い出すと。1988年の現代世界にいて,未だに1920年の自分の死を思い出して苦しんでいるっていうことなんですね。で,本当にそうなのかなと思って,念のためブルーレイのディスク見たら,ちゃんと神戸の三宮駅まで行ったロケハン写真っていうのがあるんですね。で,ロケハン写真を見ると,この柱の横に,やっぱ同じデザインの灰皿があるんですよ。 これ別の柱なんですけども,この柱の横に今の灰皿を移動させたわけですね。というような形で,ロケハン写真を見ても分かる通り,ロケハンが行われたの1987年なので,現在の写真の灰皿を使うというようなことやってるんですね。
つまり『火垂るの墓』っていうのは決して過去の話ではなくて,現在から始まってると。ラストシーンで現実現在に戻るってみんな思ってるんですけど,違うんですよ。そうじゃなくて冒頭1番最初から現在なんですね。で,現在から始まって清太の霊はあの場に未だにとどまっていて,自分の最後の人生,最後の3ヶ月間を何億回も何回も何回もリプレイして苦しんでるっていう話だと。じゃあ何故そんなはめになったのかと。現在の三宮駅にとらわれてる,マァ皆さんコメント欄に書いてる通り地縛霊みたいなもんなんですね。まァ地縛霊ってその場所にとどまるけど,清太は電車に乗って移動するんですけども。 じゃあ彼のとらわれてる過去とは何か。何故彼は,死後,映画公開時点で43年間もそこに囚われているのか?という理由説明がこの映画なんですね。 なぜ彼は未だにそのシーンから43年も経つのに,自分が一番辛かった時のことを未だに見返さなきゃいけないのか?っていう理由を説明してくれるという構造になってると。この全体構造がわかっていると映画の観方ってだいぶ違うんですよ。これってかわいそうな話とかそうではなくて,何故彼がこんなに43年間も自分の苦しかった時のことをずっと見続けなきゃいけないのか?,呪われてるのか?っていう,ミステリーになってるんですね。
で,高畑勲としては,「もちろんストーリーの鍵を冒頭にちゃんと見せてるでしょ,ちゃんと冒頭に灰皿を映してるじゃん」と。いや,確かにそうなんですよ。僕も,なんか嫌な予感したから,観返した時にやっぱりと思ったんですけども,最後のシーンにも現在の神戸映してるから,最初にもやってるじゃんねえかな?と思ったらやっぱりやってたんですけどもですね。
「観客はもうこれ分かるはずだ」という風に高畑さんは思っちゃうんですけども,こんなの気がつくはずがなくて,金曜ロードショーの後のツイートでもそれ言ってる人0だったんです。 わかるはずがないんですよ。こういう『火垂るの墓』ってぼんやりしてると,こういう重要なカットを僕ら見逃しちゃうんですね。何故かっていうと,事前にこんな話だっていうイメージで観ちゃうから。 きっとこうかわいそうな話だから…こいつが素直じゃないから…こいつが意地悪だから…ってイメージで観てるから結構色々観飛ばしちゃうんですけども。
大事なシーンを見てみましょう。かなり後半最後に近いところですけど,節子が栄養失調で死にかけてまして,清太が最後の貯金を下ろして,米や卵を買って来る。 節子のために卵と鶏肉の雑炊を作るシーンがあります。しかし,節子は雑炊を作ってる間に死んでしまうという悲しいシーンですね。これが雑炊です。雑炊が土鍋に入っていて,お茶碗があると。で茶碗の前にお箸が置かれていて,で,ここにスプーンの代わりの手作りっぽい貝が置いてあります。このスプーンは清太たちがおばさんの家で食べる時も使ってたから,持ち込みのものですね。 で節子が結局雑炊ができるのを待たずに死んでしまうという可哀想なお話なんですけど,しかし節子が死んで,清太が節子をもらってきた炭で火葬してる間,清太の住んでいた洞窟を,カメラはかなりはっきりと残酷に映すんですね。 で,それがこのシーンです。 2人の寝床があって,ドアの向こうから光が漏れてると。で手前のところにさっきの雑炊の土鍋が映ってるんですけど,分かりやすいようにちょっと強調してみました。ここにさっきのお箸とスプーンが突っ込んである。 つまり清太は雑炊を食べてるんですね。高畑監督はポイントポイントで,清太がどういう人間であって,今どういう風な気持ちなのかっていうのを分かるようにしてるんですね。これぼんやり見てると,その前にこの食べずに残ってある卵雑炊っていうのがあるから,普通の人は絶対にこれ食べてないと思うんですよね。でも清太は節子のお葬式の間にしっかり雑炊食べてるっていうのが分かります。で,わざわざ描かなくてもいい空になった食器を何故アニメーターにわざわざ指示して描かせるのか?この辺がもうこの人の意地悪なところなんですけども。 あと,その節子が食べられなかったスイカ,一口しか食べられなかったスイカの残りも,火葬してる時に出てくるんですけども,これもやっぱ清太は食べてるんですよね。いやそんなことはない。それはアリが食べたんだっていう風に言う人がいたんですけども,いや,違うと思って調べたら,ちゃんと清太が節子にスイカ分けてあげる時に,自分が持ってるナイフで1切れだけ切って「あとはここに置いとくな」って言って置いてるから,アリがたかったところでこういう形にはなるはずがないんですね。清太って,節子が死んだ後は,実は案外意識がはっきりして,食欲が湧いてご飯が食べてるのを,ちゃんと描いてるんですよ。 その辺でも,なんか人情だなと思ったのが,このスイカ,左端の一切れだけ身がついてました。 これ何かっていうと,清太がナイフで切り分けた一切れなんですけど,この山のてっぺんの1番甘いとこだけを節子にあげたんですね。そうすると節子の口の中にそれをなんとか入れて,節子は美味しいって一言言うんですけど,それはもう清太も食べられなかったんです。これはもう節子にあげたものだからって,ここら辺の人情も描いてる。
でも清太の生きるための欲っていうのかな,食欲みたいなものをはっきり描いちゃうっていうのが,その高畑勲のリアリズムだと思います。で,この辺は割と見逃されがちなんですけれども。コメントに「無理」って書かれてしまって(笑) こういう話しんどいですか? で清太は何故こういう風にしっかりしてるのかっていうと,割と節子はけなげなことを言うと泣くんですよね。 例えば「ウチ,おばちゃんに聞いてんねん。お母さんもう死んでお墓の中にいてるねんて」っていう風に言われると,もう清太はワンワン号泣するんですけども,ところが,いざ母が死んじゃうと,節子が死んでからの清太は全然泣かないんですね。例えばその一晩死体と添寝してあげる時も,目が無表情なまま寝てると。 遺体を火葬するシーンなんでも,清太の顔はわざと無表情に描いてるんですね。で,炎の照り返しの赤い光だけがチラチラしてるっていう,完全にその悲しみを描こうとするんではなくて,無表情を描いてると。 この無表情を描いてるのは一応それなりに理由があって。これは演技者が無表情でも,観客はその表情に勝手に悲しみとかを重ねて見てしまうという映像効果をクレショフ効果といいます。これはソ連以前のロシアの映像作家が見つけた効果なんですけども。 クレショフ効果でよく出てくる画像がこれです。無表情な男と子供の死体を並べて見せると,この男は悲しんでるように見える。無表情の男と湯気が立ってるスープを並べて見せると,この男は食欲に動かされてるように見える。 次に無表情な男と誘惑する女の写真を並べて見せると,この男は欲望を抱いてるように見えるっていう, 一般的にモンタージュ理論とも言われるんですけども,モンタージュていうのは映像編集するという意味なので,映像を編集してこのような心理効果を出すことをクレショフ効果っていう風に呼びます。で,宮崎駿は,このクレショフ効果が大嫌いで,そうじゃないと。 例えば宮崎駿が好きなのは,こういうヤツなんですよ。これラピュタのドーラばあさんなんですけども,あのドーラ婆さんが1人いました。「甘ったれてるんじゃないよ! そういうことは自分の力でやるもんだ!」っていう風にあのパズーを叱った後,「ん?その方が娘が言うことを聞くかもしれないね」っていう風に一人言を言うシーンなんですけども,これ,演技つけてるわけですね。キャラクターに演技つけて,ドーラがどんなキャラクターかすごい分かりやすくしてるんですよ。でも,高畑勲はこういう風にキャラクターに自分が思ってることを言わせて,それで観てる人間にこんな風に考えてるんだっていう風に分からせることが嫌なので,クレショフ効果を使って,その無表情な状態の清太を見せることによって悲しみを表現しようとするわけですね。で,何が言いたかったのかっていうとですね。清太が無表情な理由は,僕らが勝手にこのシーン見てワンワン泣いちゃったりするのは,この顔が悲しみを湛えてる…悲しみを抑えて一生懸命普通にしてるような,けなげな状態に見えるから,このシーンを見てすごい感動しちゃうんですけれども,そうじゃなくて,おそらくこの時の清太は人間性を失ってるんですね。人間性を失ってるから,妹が死んでも腹が減るし,雑炊食べるし,スイカも食べちゃうと。で,ああ,もう世話をしなくていいんだとほっとしてるから,安心してお腹が減っちゃうと。この「死んだからほっとした」っていうのは,原作者の野坂昭如自身が高畑勲との映画を作る前の対談で話して,「この部分を必ず入れてください。俺,そんな綺麗な人間じゃないんです。妹が死んだ時正直ほっとしたんです」っていう風なことを一生懸命訴えて,映画の中で使ってくださいって言って,高畑さんに約束させたっていう部分なんですけども。だから,妹を焼く時に炭を買いに行くんですけど,そのシーンも淡々と買いに行けるわけですね。 連合艦隊が沈んだと聞いた時には殴りかかるぐらい興奮したその清太が,妹を焼く時には,おじさんに「裸にして,豆殻と焼いたらよう燃えるわ」っていう風に言われた時に,心が全く動かなくなってる。 つまり,どんどん人間でなくなっちゃうわけですね。人間性が壊れていくところが,僕ら観客っていうのが,人間性が壊れた清太っていうのを見て,その代わりに人間性を取り戻して感情が動いて泣いてしまうという。こういうなんかすごいクロマチックというのかな,そういう構造でできてる映画なんですけど。
■ 何故こんなトラウマアニメを作ったのか
その なんだろうな,ちゃんと高畑さんは清太が人間性を失っていく過程も描くし,同時にお粥食べたりスイカ食べたりっていう証拠は出すんですけども,わざわざそこは表にガツガツガツガツ出さない。そこら辺はすごく上品な演出なんですね。なので普通の観方をしてると本当に分からなくなっちゃう時があるんですよね。じゃあ何故,人間性を失っていく過程っていうのをちゃんと描いてるんだけど,強調しないのかってことですね。パート2ですね。「何故こんなトラウマアニメを作ったのか」ですね。
さっき話した通り,観客の僕らが泣くのは,実はこのクレショフ効果というのが大きいと。 つまり,映像の並べ方によって勝手にキャラクターが悲しんでる風に解釈しちゃって泣いちゃう部分が大きいんですけども,悲しくなるのは当たり前なんですよ。しかし高畑勲って実は観客を泣かせようと思って映画作ったことって1回もないんですよね。『母を訪ねて三千里』っていうアニメがあるんですけども,観たみんなが感動して日本中が泣いたと言われる作品なんですけども。 その『母と安全と三千里』の企画書の中でもう冒頭に高畑さんは我々。 お涙ちょうだいを作るつもりは全くないという風に書いててであの? でも,でもそれを見てる家族ってのは大体泣いちゃうんですよ。で,高畑さんってこういう時大体観客理解っていうのかを間違えちゃうんです。 で,究極の負けず嫌いだから絶対に自分の理論的な誤りを認めないんですよ。えとですね。『漫画映画の志』っていう,高畑さんに関する本があります。この中で高畑さんは
ー日本ではアニメーションは観客の心を掴んでハラハラドキドキさせる方法に進化したと。 そういうアニメは泣けるし感動できる。 しかし,私が作りたいのはそういうアニメではない。『火垂るの墓』の中で私は観客を完全に作品世界に没入させるのではなく,少し引いたところから我を忘れずに考えることができる視点で作った。 主人公を批判的にも見てもらいたいー
っていう風に書いてるんです。 つまり,『火垂るの墓』っていうのは高畑さんにしてみれば,観客が清太の気持ちになって感情的になって,どっぷり疲れるような映画ではなくて,それとは逆にやや俯瞰の,上から見下ろすような視点で見れるようにちゃんと作ってるっていう風にこの方の中で書いてるんですけども。 と同時に最近の宮崎駿に対する悪口も書いてあるんですよね。
ーかつての宮崎は,そういう上から俯瞰で同時に考えさせる,批判する視点で作れた。『カリオストロの城』を見てくれ。観客がみんな笑っ。 なんでかってカオスの後ろの中には多いよ。それなんだ言うと真がいくつもあるぞ。例えばそので2月,12月さんがこの水の中をこう覗くシーンで,あの全夜のと僕逆っと胃が欲しいとかですね。ルパンがちょっと無茶なジャンプする。 観客みんな笑う。それは何故かっていうと,観てるのが所戦アニメであって漫画であるってことを一瞬思い出すからだ。 こういう俯瞰で見させるということをかつての宮崎早ができた。しかしえ。 見てくれとあれの中にはいっぱい同じように変なシーンが出てきてキャラクターが変な動きするんだけど,もう映画館で誰も笑わない。宮は観客をハラハラドキドキさせ主観的にさせる,いわゆる作品の中に没入する方法を選んでしまった。でも僕はそうではなくて…
っていうのをですが,ガーンと書いてるんですけども。 お分かりでしょうか?あの,高畑勲ってそのつもりなんですよ。観客が理解できてないんですね。『 母を訪ねて…』を見ても,ちびっこやお母さんが泣かないと思ってるんですね。で泣いたという意見を聞いても,多分そういうのは少数派だろうと思っちゃうと。企画書読んだら「マルコは素直ではなく可愛気がなくて,とても感情移入できる少年ではない」って書いてるんですけども。 絵を舐めてるんですよ。あんな可愛く描いたら 可愛いに思うに決まってると(笑) そこが,自分で絵を描かない高畑は計算違いしちゃうんですね。絵の力で可愛く見えちゃうっていうことが全く想定外なんですよ。だから演出で全てが決まると思ってる。 『火垂るの墓』でも,その清太が人間性を失っていって,お粥とかスイカとかを,妹が死んだ後にガツガツ食べて無表情に抱くシーンも,あれも悲しんでるように見えるんですけど,高畑 のおそらく演出意図としては,死んじゃったので当惑してる,びっくりしてると。 取り返しのつかないことしちゃったなと思って後悔してるっていう風にも受け取られるようにちゃんと描いてるんですけれども,ところが僕らは勝手に演出効果で「やっぱすごい悲しみを抑えてるんだ,悲しすぎて泣けないんだ,悲しすぎてあんな表情になっちゃうんだ」っていう風に勝手に思い込んでワンワン泣いちゃうんですよね。 みんなもぶっちゃけ『火垂るの墓』に関しては泣くのに忙しくて,引いた視点でなんか観てないんですよ。でも僕みたいなサイコパス野郎だけが「妹のスイカと雑炊をきっちり食っとる…」と思って観てるわけですね。何故こんなに高畑勲の演出っていうのは伝わらないのかと。 だってぶっちゃけ世界一と言ってもいいぐらいの演出監督なんですよ。なのに何故こんな伝わらないのかっていうと,今回の特に今回の『火垂るの墓』っていう作品が文芸作品だからっていうのもあります。『仕事道楽』っていう,鈴木敏夫さんがジブリの面々のことを書いた本があるんですけども,この76ページです。
ー宮崎駿がトトロを作ってる時に,『火垂るの墓』の話を聞いて宮崎駿が鈴木敏夫のところにやってきた。「鈴木さん!『火垂るの墓』は文芸なんです!」「まァそうですね」「俺も文芸をする!」という風に宮崎が言い出した。「え,どうするんですか?」と訊くと「猫バスなんて出してられないですよ。そんなもん出したら文芸作品じゃない。コマに乗って飛ぶ部分ももうやらない。コマに乗って空を飛ぶなんて馬鹿なことやってられないですよ」という風に言い出した。 鈴木は困り果てて高畑勲に相談に行って「宮崎さんがこんなこと言ってます」って言うと「困りましたね…猫バスってやめるんですか?もったいないですね」っていう風に言った。 で鈴木敏夫は宮崎駿のところまで走っていて「宮崎さん,高畑さんがもったいないって言ってますよ」って伝えると,宮崎が急にご機嫌になって「もったいないんですか?じゃあ猫バス出します」って言ったっていう。
これ実話なんですけども。すごいですよね。さっきのドーラと同じなんですよ。このドーラのシーンもですね,「2度とここへは帰れなくなるよ」っていう風にドーラが言って,ドーラが「覚悟の上だね」って言うとパズーが「うん」って強く答えると,ドーラが「40秒で支度しな」っていう風に言うんですよ。つまり,実はドーラはすごい良い人だっていうのが分かるように書いてる。これはエンタメであって文芸ではないんですね。 ちゃんとドーラがいい人だという風に分かるようにセリフが組んである。これエンターテイメントなんですよ。エンターテイメントというのが伝えるのが大事だから。でどんなキャラかっていうのは大事なんですね。 しかし,文芸の世界にはキャラという概念はないんですよ。何を考えてるのかわからない登場人物を読者一人 一人が「この人は何を考えてるんだろうか」と考えて,回答を出すのが文芸なんですね。高畑さんは『火垂るの墓』を文芸アニメとして作ってるから,一人一人が考えて違う答えを出すように作ってるわけですね。 なので,言っちゃえば,僕は「高畑勲は観客に甘えすぎ説」っていうのを唱えてるんですけども。
…ちょっと45分なっちゃったんですけども,まだ半分も話してない。延長です。こんなもん(笑) 別にトラウマアニメを作るつもりはないですし,それどころか泣かせたり感動させるつもりもないんですよ。考えたり悩んだりして欲しい,映画について考えたり悩んだりして欲しいんですよ。何故節子は死ななければいけなかったのか?とか,何故おばさんは意地悪なのか?とか,何故清太は死んでしまうのか?ということを1人1人にも本当に毎晩考えたり,1年考えたりしてほしい。 もう泣いて思考停止するんじゃなくて,辛くてチャンネルを変えるでもなくて,何年もその言葉ばっかり考えて欲しくて,あんな苦労してアニメ作ってるわけですね。文芸とはそういう意味になっちゃった。高畑さんにとって。 だから高畑さんって,やっぱ観客に甘えすぎ。自分が作ったものが,何年も人を考えさせるだろうという風にうぬぼれすぎなところがあります。で,この辺りの「実は俺の作品には考える価値があるんだ,ほらこれ考えたいだろう?何故か知りたいだろう?」ってテクは押井守とか庵野秀明の方が何百倍もうまいんですよ。 正直言って中身は? なってるから本当にあるんですけども。 もう高ハードさんほどの馬鹿正直の中身はないんだけど,ただなんでだろうって考えさせるテクニックは,この2人はものすごくうまいのでですね。なんかその思ったようにならないんですね。
■『火垂るの墓』の意味
ということで次はパート3です。「『火垂るの墓』の意味とは」です。『火垂るの墓』とはどういう風な意味なのかって,そもそもこの火垂るっていうのは,2人で暮らしだした時に,洞窟で清太と節子で暮らしだした時に,夜に上空に飛行機がブーンと飛んでる時に,飛行機の明りがチカチカ点滅してると。清太がそれを見て「特攻機や。これから敵国に特攻自殺攻撃をかける飛行機だ」っていうと,節子が「ホタルみたいやね」っていう風に言うんですね。このように最初からこの作品においてのホタルっていうのは,「死ぬ直前に最後の光を放つ存在」 と描かれてる。で,清太は節子のために100匹近いホタルを捕まえてきて,蚊帳の中に放つシーンです。 ホタルを放した後,ポーズがロングになるシーンがあるんですけど,これがもうすごい意地悪で。 蚊帳の中にホタルが飛んでるんですけど,ここの柱の梁がちょうど斜めになって遺影になってるんですね。いわゆる葬式の時に写す写真になってるんですけども。こういう風に,必ずホタルの光を出してる時は死を暗示させるような映像効果っていうか,見せ方してるんですよね。でこのホタルが飛ぶ蚊帳の中で清太は観艦式,お父さんが出た,日本海軍の連合艦隊がその艦隊を見せつける観艦式っていうのを思い出す。 夜の光に包まれた連合艦隊っていうのは実はこのお話のもう1年近く前に沈んでるんですよ。つまりこの作品の中で光るものっていうのは大体全て死んでるんですね。 特攻機とかホタルとか連合艦隊とか,全てそういう死にゆくものだから,光って美しいという描かれ方をしてると。 で翌朝清太が「何してんねん」って言うと節子が「お墓作ってんねん,お母ちゃんもお墓に入ってんのやろ?うちおばちゃんに聞いて,お母ちゃんもしにってお墓の中にいるねんて」っていう風に言うと,清太はもう号泣してしまうというこのシーンです。可哀想さに泣ける人も多いんだけども,そのかわいそうなシーンで何故こういう映像を映すのか? ですね。何故この大量のホタルの死骸を何故見せるのかというと,このホタルにとっては,この2人も無慈悲で不条理なものの存在なんですよ。もちろんホタルっていうのは光を放ち始めたら数日間で死ぬ運命なんですけども,だからといって自分の慰めのために蚊帳の中で閉じ込められて自由を奪われていいという理由にはならないんですね。「ホタル可哀想やから逃してあげよう」っていう発想は別に節子にもないわけなんですよ。で,この蚊帳の中でホタルが飛んでるシーンは冒頭ともリンクしてます。 この冒頭シーンですね。幽霊となった清太と節子が窓のフレームの向こうに東京大空襲を見ている。でこれがその神戸大空襲ですね。これが火垂るです。 火が垂れ落ちてくるから「火垂る」っていう風に,火が垂れると書いて「螢」と書くんですけども,これも,この2人が見てる見え方っていうのは,辛いね,悲しいね…ではなく,これもホタルなんですよね。だから命が燃えてて綺麗だね。っていう視点で見てですね。ホタルを蚊帳に放ちお墓を作る…美しくも残酷な遊びしてるんですけども,そういう人間から見た戦争,人間から見たこういう戦争のホタルの風景も,ホタルから見た自分たちを不条理に扱うこの兄弟も,等しく残酷で美しいという風に描いてるんですね。
■ 泣ける映画を作っている訳ではない
だから高畑勲は何回も何回も「このアニメを戦争反対がテーマではない,そんなことではない」という風にずっと言い続けてる。 じゃあテーマは何なのか? ですねえ,テーマは何なのかというのをパート4でやります。やっとパート4ですね。あの無料部分ここで終わりですので,もうちょっと待ってください。
高畑勲って,「泣かせる映画が嫌なのと同じく戦争反対の映画も作るつもりはない」って,三鷹市の平和集会の公演でも言ってるんです。「戦争反対」って言う人もいるけども,そんなことはないと。この映画にそんな効果は全くない。何故かっていうと, どんなに辛いイメージを見せても「こんな辛い思いは絶対に嫌だ」と思ったところで「だから戦争はしないぞ」にはならないと。私は日本人っていうのはとことん知ってると。日本人っていうのは,というかあらゆる民族が「こんな辛い思いしないためにも軍事力が必要だ。こんなに辛い思いをしないためにも,すぐそこにある脅威に対して普通の国になろうよ」って言い出す。日本はそういう国だと。それが日本で,それが日本人であるっていう風に高畑勲は はっきりと何度も言ってると。 なので,公式見解では,「高畑勲が本作品で描こうとしたのは,困難に立ち向かい,逞しく生き抜く素晴らしい少年少女ではありません。 決して切り開くことができない戦争という状況の中で死ななければならない心優しい現代の若者の姿です。現代ではデジタル機器が発達,煩わしい社会生活から離れ,ある程度自分の世界にこることも可能になった。 そのような時代であればこそ清太の心情は分かりやすいのではないか。兄弟だけで小さな家族を作ろうとしてる清太に,社会的な繋がりを患らしく感じる現代の若者との類似的なつながりを見出してるということ。しかし,戦時中ではその社会的な繋がりを配して,兄弟だけで生きることは叶わなかった。そこに悲劇があるとも言えるのです」という風に高畑勲さんは言ってるわけですね。
で,これね,どういうことかっていうと,実はあの冒頭のシーンで,野垂れ死にかけている清太におにぎりをあげてる人がいるんですよ。 つまりそんな時代,清太の主観どっぷりで浸かってみたら,もうみんな鬼ような人たちで誰1人助けてくれないという風に思うんですけども,ちゃんと頭を下げてお願いすれば,こんなご飯がない時代にも,何の見返りもなく,おにぎりをあげる人がいるんだよっていうのを一番最初に見せてるんですね。だからコイツがこうなったのは,戦争のせいでもなければ,時代のせいでもないんだよっていう風にはっきり高畑勲は,冒頭に言い訳ができないように,どんって見せた上で始めてるわけ。 なんかこう戦争が悪いとか貧しさが人の心を荒ませたという話ではないと。
あとそのテーマに関して僕が気になるのは,何故母親の霊は出てこないのかってことなんですよ。あれほど節子は母親に会いたがってたから,最後幽霊となって兄と逢うんだったら,そこに母親も霊になって出てきていいはずなんですよ。 で,あんなにお兄ちゃんあの清太が逢いたがってたお父さんも出てきていい話で。だってもう死んでるんだから。だから最後は親子4人また揃って,親子4人で桜の下で写真撮ってるシーンがあるんですよ。 だったらば死んでなんかこう…彼らには死ぬことしかなかったんですね。っていう話なんだったら,そこに母親出しても父親出してもいいはずなんですよ。
何故節子の幽霊だけなんでしょう? これが僕はこの本作品のテーマの1つだと思うので,えもう時間もないですけど,皆さんのコメントも自由回答ちょっと見ていこう。「生きてるから」いや生きてない。「 生きていた」それもない。 「死んでもぼっち」(笑)「何故気づかなかったんだ」そうですね。あんまりこれ気づかないですよね。つまり生活この2人の話見てるから。「親だけ成仏した」 「清太の食材…えぐい話だ」「清太も両親も引きこもり」…
じゃあ,僕の考える『火垂るの墓』,僕の妄想と言ってもいいんですけど,の方に行きます。 母親の行ったような天国に行けないと。だからといって地獄に落ちるようなことがないと。こういうのを,ダンテの煉獄という風に言います。煉獄っていうのは囚われる国っていうことなんですけども。 煉獄では天国に行けなかった人,行けなかったんだけど,地獄にも落ちなかった人の中間的なところで, 苦痛によって苦しいことによって罪を清められた後,天国に行く場所という風にカソリックではされています。で,清太は煉獄に閉じ込められたので,1988年現在,映画公開当時の現在でも未だに自分の過去の過ちと死んでいく妹を見せつけられると。 だから,この無限の苦悩を高畑さん自身分かってて「気の毒にも彼は繰り返すしかない」っていう理解できているんですよね。かなり冷たい描き方なんですけども,清太は精一杯生きたんだけども,あの自分の最後の苦しみっていうのをずっと見せられていて気の毒なんだけど,それはもう彼は繰り返すしかないんだっていう風に書いています。 最初から煉獄に閉じ込められた少年っていうのを冒頭から描いているんですね。だから冒頭の一番最初で三宮の駅の現在から始めたと。 でこのアニメの中で清太がまっすぐ観客を見つめるシーンが2箇所だけあるんですけども,これ一番最初の冒頭シーン。「昭和20年9月21日夜,僕は…」 っていうとこではっきりと観客を見ています。 でもう1つ,一番ラストのラストですね。 清太が「もう遅いからおやすみ」って言うと節子が「うんっていってもうこれ。両方とも幽霊なんですけど,節子が生徒の膝の上で膝の上で寝ると清太は1回観客の方まっすぐ。 見てから,神戸の町へ目を移すんですね。何を訴えてるのか?何故節子が起きた時に見ないのか?節子は起きてる時には,実は清太を見れない理由があるんですね。 これが後半で語る最大の謎解きです。実はこの理由が多分このアニメの中で1番怖いところだと思います。後半は清太を殺したのは誰か?時代のせいだ,清太のわがままのせいだとか,あのおばさんのせいだって色々説があるんですけども,じゃあ何故清太は死ななきゃいけなかったのかっていうのが,僕はこのアニメの一番怖いところだと思いましたね。そっちを語ってみたいと思います。
じゃあアンケート出してください。 前半1時間喋っちゃったな。 高畑勲っていう演出家が一筋縄で行かない感じが伝わりましたでしょうか?とにかく調べれば調べるほど高畑アニメって面白いんですよ。宮崎駿は天才だけど,高畑さんは怪物です。 ジブリのドキュメンタリー映画で『ジブリの夢と今日のジブリ』というのあるんですけど,あの中で高畑勲は,ほとんど出てこないんですよ。何故かって言うと宮崎駿はすぐに怒鳴って撮るなとかそんなくだらないもの作るなって怒るんですけども,何日か後に急に「これどう思います?」ていう風に話しかけてきて,その後になるんですけども。高畑は最初にノーと言ったら永遠にノーなんですよ。すごいこう困った人なんですけども。
アンケート結果出してください。反響すごいな! 後半今のうちに言っときますけど,すごい怖い話なんで覚悟しといてください。よろしくお願いします。サロンは来週土曜日,東京でありますので,早朝の方でもしよろしければ参加ください。それでは後半行ってみましょう。はい…いや,もう笑いながらじゃないと怖い話できないよ。
■ 高畑勲と宮崎駿
後半に入ります。 では「高畑勲と宮崎駿」ですね。パート5です。元々高畑勲『火垂るの墓』の企画原案は,戦争直後の元気な子供を書く予定でした。戦後,大人が皆ショボくれて戦争負けたと言ってぐちゃっとしてんのに,子供たちだけは生き生きとして走り回って靴磨きしたり泥棒する子もいたりして,とにかく生き生きと動いたとか,そういうのを描く予定だったんだけど,なかなか企画としてまとまらないと。すごく困った。 で,そこで鈴木が「前々から言っていたホタルの話にしませんか?」って言ったら高畑さんは「 あ,それいいかもしれませんね」って。 その戦後,戦争末期から戦後混乱期に,苦しんで飢えて貧乏でご飯食べれなくて死んじゃった子供の話って,高畑さんには元々構想はあった。高畑っていうのは方向性に1nmのブレもないんですよ。 一度やると決めたことっていうのは,もう死んでも手放さない動かさないですね。 で,ここでテーマは,戦後の元気な子供を描くというところから,どのような状況からでも,どのような圧倒的にもう生きようがないような状況からでも,自分の行きたいように生きることを貫くていう,そういうテーマに行き着いたんです。だから清太っていうのは,煉獄に落ちても,例え兄弟揃って餓死しようと,自分が生きたいように生きたっていう,少なくとも高畑さんにとってのハッピーエンドなんですね。 困難に立ち向かい逞しく生きた清太は,素晴らしい。決して綺麗に生きることができない戦争という状況で死ななければならない。そこに生きる人が自分の生き方を貫くハッピーエンドですね。その生き方が幼い妹を殺してしまうものだとしても,生き返って何度も同じことを繰り返すようなことであろうとも,高畑さんにとっては,それは自分の生き方を貫いたハッピーエンドであると。それが言い方が悪いんだとしたら,よくやった話,頑張った話なんですよ。ラストが悪いからといって,その人の生き方を否定するようなものではないって,まあなかなかその言葉だけ聞くと納得できるんですが。この映画『火垂るの墓』っていうのは高畑さんにとっては,あくまで生の肯定,生きることの肯定であって,まァジョジョと同じく人間讃歌なわけですね。自分らしさを貫く勝利の話であって,なので観客が「死んだからかわいそう」とか「戦争反対」っていうのはどうにもこうにも理解ができないと。 え?違うだろうと。それはなんかジョジョの中で,ジョジョの親友たちが勝つことを確信して「ジョジョのために…」と言って死んでいくのを見て「なんだ,所詮死んだんだから,あいつ負け犬だ」と言われるのが納得できないのと,同じように高畑勲にとってもそうだろうと。 いやいや,どこにジョジョ要素が?って,いやこういうジョジョの要素あるでしょ?高畑作品って?だから,この『火垂るの墓』観て,子供の語る「かわいそう」とか「戦争反対」っていうのは高畑さんにとっては理解できないと。
では,高畑さんの一番の理解者はどう考えてるのか?一番の理解者って宮崎駿なんですね。もちろんおそらく『火垂るの墓』に一番ショック受けたのは宮崎駿です。で,この作品に答えるべくこの今言ったテーマ…「困難な状況,もう負けるしかない状況の中でも自分の生き方を貫いて,最後まで行けた」っていうものを受け止めて,「自分のやりたいことのために最愛の人が死んでもやめず,最後は煉獄に閉じ込まれる男」っていう,全く同じものを描いた。 それが『風立ちぬ』という映画なんですね。この映画の中では,堀越次郎という男が,自分がやりたいことを貫く,それも美しいものを見たいっていうことを貫くために,一番好きな女の子,結婚した奥さんが死んじゃっても,日本が負けても,それでも飛行機を作ることをやめなかった。 で最後に煉獄に閉じ込められて,ずっと同じ世界の中で生きてるという状態を描いたんですけども。ここで鈴木敏夫さんが『Rockinon』のインタビューで答えた記事ですけど,宮崎駿さんの考えた『風たちぬ』の最後って違ってたんですよ。
ー3人とも死んでるんです。 で,それで最後に「生きて」って言うでしょ。あれは違ってて,最初「来て」って言われた。これ悩んだんですよ。つまりカプローニと堀越次郎はもう死んでいて煉獄にいる。そこで「来て」っていう風に奥さんが言ってくる。カプロー二は「来て」って言われて,天国に行くんじゃなくて「美味しいワインがあるんだ。それを飲んでから行け」と言うのがラスト。 つまり,男2人はベアトリーチェが来てようやっと煉獄から天国へ解放されて,天国へ連れてくれようとする時に「ちょっと待ってくれ,もう1杯ワイン飲んで自分たちが作った飛行機見てたら行くか」っていうすごい話にするつもりだったんです。で,それをカットしたおかげで多分感動できるヒット作になった。 でも宮崎駿は1人で紡ぎ出した,その「来て」って言われた時に「ワインがあるから,もうちょっと俺たちこの煉獄にいるよ」っていうラストの方が良かった気がする。なんか僕は今だにそのことを悩んでるんだよー
と鈴木敏夫さんは言ってます。未だに自分の判断に迷いがあると。つまり1988年に『火垂るの墓』を観て25年かけて書いた返事が,2013年の『風立ちぬ』って映画。ずっと宮崎駿はものすごい衝撃受けて「 高橋さんがこれ出したんだったら,俺も嘘ついてられない」っていう風なことで,ただ単に美しいものが好きで,周りの人間に迷惑をかけてっていう自分の生き様を貫く様を,ハッピーエンドではないんだけども,勝利として描いてしまうというのを出したと。 「ついに俺は,煉獄に行くまで美しいものを貫いた男を描いた,高畑勲を超えた,さあ,引退だ」と思った。なので『風たちぬ』作った時にもう俺は高畑勲を超えたと思って引退しちゃうんですね。何故かというと,宮崎駿にしてみたら,「俺はもう知ってるぞ,みんな気がつかないかもわかんないけど,高畑さんの映画観て俺は分かる,何故母親の遺骨は洞穴の中に残したままだったのか? あんな大事なはずの母親の遺骨を残したままで,妹の骨だけをドロップ缶の中に入れて,何故持ち歩いたのか?それは分かってるよ,だって母親の死に方が美しくなかったから。 自分の言う通りに生きて衰弱して死んでくれた妹の死は美しいから手元に残したんだ。そこまで高畑さんは描いた,すごい。でも俺の書いた堀越次郎は自分の最愛の,結核の奈緒子の横でタバコを吸って,自分が醜く病み衰える姿を見せたくないという理由で,奈緒子に自主的に病死をまずさせた。ここまでの映画は高畑は作れない。勝った」と思ったんですよ。ところが無慈悲にも高畑勲は『かぐや姫』 の物語を作っちゃったんですよね。 かぐや姫でその姫が十二単を脱いでバーっと野原を走るシーンていうののコンテ見た宮崎駿は,自分も走り回って喜んだそうなんですよ。「 これ『アルプスの少女ハイジ』だ。フランクフルト帰って来ると聞いたハイジが,次から次の服を脱いで山を登ってくシーン…そうか高畑勲は今から『アルプスの少女ハイジ』やるんだ。すごい。さすが高畑勲! あの高畑さんが帰ってきた」って言って本当に大喜びしたんですよね。だから高畑勲はあれ見たら引退撤回するしかないんです。
■ 押井守の指摘
ということですね。ここまで引くとまァ友情なのか何なのか分かんないですね。いい話なんですけども,あの男が黙ってません。 ってことでパート6「押井守」ですね。 押井守は,この『誰も語らなかったジブリ』の中でまあまあえぐいこと書いてます。「今の子供たちを書きたいというのは建前でしょ,死とエロスを書きたいだけでしょう」という風に言ってます。 いちいち別に引用して読んだりしなくてもいいんですけども。
ー高畑さんは「この兄に今時の忍耐力のない子供たちを投影してみた」なんて言ってるけど,それが本心とは全く思えない。僕はアリバイにすぎないと考えてる。なぜなら『火垂るの墓』は100%作家の映画で高畑さんは自分のやりたいことしかやってない。それにを全倒するため,公開日に間に合わなくてもそのまま未完成の作品を上映。 つまり,そこまで自分の表現に
執着した。 じゃあ,高畑さんは何を書きたかったんですか?って聞かれると「死とエロス,死生観ですよ」と。あれは高畑勲の死生観。映画監督が一度は自分の作品の中で追求するテーマです。どんなアリバイと,どんな嘘を並べても,間違いなく高畑映画監督の作家主義100%の作品です。で,その死生観,死の他の生/性っていうことはエロス。 これは微妙に性になってる。だから死とエロスになるわけで,そのエロスとは何かといえば近親相姦になると。 あの兄弟の関係は明らかに近親相姦でしょう。見る人が見たら相当に気持ち悪い映画だよ。 迫力があるから通り一片に書いてたら,そういう推理は絶対に生まれない。 高畑さんの演出家としての緻密な計算があり,表現に執念が漂ってるからこそ,あの性の匂いがプンプンするし,近親相姦の匂いもプンプンする…
という風にですねで,これはですね。僕は押井守がすごいキツいところバシッとど真ん中ついちゃったなって思ってるんですけども。 実は清太と節子の関係が近親相姦に近いというのは,原作者の対談でも語られてると。 ですけども,まあもっと具体的に映像で見ていきましょう。 明らかになっちゃったのが,その節子が死んだ後の回想シーンみたいなところがあるんですね。例えば近親相姦で分かりやすいのでいうと,節子が裸でシーツをかぶって走り回ってるシーンというのを見せてんですけども。 このシーン何かっていうと,実は存在してないシーンなんですね。 一切画面上に清太が出てないというか,節子は誰にも見られてないので,1人きりで遊んでると。これやってるんですけど,これ変なんですよ。ていうのは,この映画は冒頭一番最初のシーンから最後の最後までこのシーン以外,この一連のカット以外は,全て清太の見た目だけ,清太が経験したことだけで描かれてるんですよ。だから清太が登場しないとか,清太の見た目が登場してないシーンは1カットもないんですね。なので,この清太が見てないものは存在しないはずなんですけども,いわゆる破れ傘を節子が遊ぶシーンとか,洗面器を被って敬礼みたいなものをするシーンとか,これポスターにもなってて,すごい有名らしいんですね。これ,実は節子はやってないんですね。 節子が死んだ後,清太が妄想している節子がやってるだけなんですよ。この映画の中では繰り返しますけども,清太が見てないものが1つも出てないと。じゃあこのさっき言った,こういう風なシーンは何なのか?というと清太が覗いていたという風に今コメントあったけど,そこまでじゃないんですね。そうではなくて覗いてたのではなくて,清太の妄想の中なんです。その妄想の中と分かるのがこのシーンですね。 節子が,清太がいない時に針仕事をして,針が指に刺さって,血が出て吸うシーンです。 で,これを見てですね。あの に行ってるのですね。あの金曜ロードショーの時には「節子ちゃん4歳で針仕事できるんだ。偉いな」っていう人がいるんですけども,よく考えてください。節子はそんなことできない。 海軍将校の娘ですから針仕事なんかできないし,そもそもそれまでのシーンに一切そんな伏線なかったでしょ?これ何なのかっていうと「節子は自分の妹であり,恋人であり,母親である」という清太の願望のシーンなんですね。だから節子はまるで母親のように正座して母親の縫い物してるんです。できるはずがないのに,これを見せてるのが清太の妄想だった。はっきりわかるように高畑さんはそれまで一切に針仕事してないから,このシーンをどんと出してるわけです。 だからなんかこのシーンで泣く人が多いのが多分高畑監督にとってよくわかんない。 「節子ちゃん健気…」って,こんなことするはずないでしょ。それは皆さん節子散々見たから知ってるはず。 節子って割と文句しか言わないし甘えるばっかりでそんなことしませんよっていうのは高畑さんちゃんと書いてるつもりなんですよ。だから,ここで清太が持っている妄想を出すことによって,この兄弟の関係っていうのをはっきりさせたつもりなんですけど,大体観る人は,涙で曇って観えなくなっちゃってるわけですね。監督は仕掛けに気づくはずだと思ってるんですけども,なんかその辺の計算っていうのは狂いがちなんです。そんなの分かるはずがないんですよ。だから節子は母の代わりになったというシーンでこれ出してるんですけども,清太の妄想が分かりにくい。 だから野坂昭如が同じようにその高畑さんとの対談で「あの妹は恋人で母でもあるんです」って発言を,一生懸命真面目に映像化したらこういう風になるわけですね。
■ 死は美しく,生は醜い
やっとパート7ですね。 「死は美しく,生は醜い」って話です。 このシーン。見たくないでしょうけど,大怪我したお母さん,もう死んじゃったお母さんに蛆がいっぱい湧いて体の上を這い動いてます。これ見た時は僕ショックでした。本当に包帯と言えば『魁!!男塾』ですから,包帯巻いたら何でもって治るもんだという記号で見るぐらいだったんですけど,この話を見て初めて,ああ,なんか包帯っていうのは絶望というシーンでも使えるんだなという風に思ったんですけども。 これ生き延びようとした母親っていうのは,醜くく死んでしまったという意味なんですね。担架で運ばれてる時に清太は一切触らないですよね。見てるだけ眺めてるだけで,帰りに骨拾ったんですけども,清太は自分の母が死んで運ばれてる時に担架の端を持ったりもしないし,よくアニメとか漫画であるように抱きついたりもしないんです。ただ遠目で見てなんかこう無表情なだけなんですね。で,それに比べて節子が死んだ時に清太は一緒に寝てあげるぐらいの情が湧いてるんですね。お母さんが死んだ時には,すごく冷たく離れたところにいたんですけども,節子が死んだら,どんな病気があるかわかんないですけど,添寝して抱きしめて寝てあげるぐらい優しい。 で,これは何かって言うと,その死ぬことに抵抗した母親,生きることにこだわった母親は醜くく,子供だけども死ぬことに抵抗しなかった妹はこんなに美しく死んでくれたと。だから添寝できるほどに美しい。で,なんでその妹を火葬したのか?次の日すぐに焼いちゃったのか?っていうと,母親のように醜くくなる前に,蛆が湧いて見にくくなる前に焼いてあげたい。だから,母親の骨は最後洞穴の中に捨てていく,別に持ったりしない。そうじゃなくて妹の骨だけ持ち歩く。これがその清太の持ってるエロチシズムみたいなものと,あと死は美,生性は醜いっていう,今回の作品のすごいなんか難しいテーマなんですけども。その辺描いた作品が,フランスで1952年に作られた映画『禁じられた遊び』っていうのがあります。これ,あのタイトルだけ知ってる人が多い。あと音楽だけ知ってる人が多いんですけど,死とエロスを描いた映画です。どんな映画かっていうと,ポーレットっていうのが4歳ぐらい女の子です。死というものがまだよくわからず,神への信仰や祈り方も知らない,当時1940年代ぐらいのパリですから,いわゆる宗教がやや低調で,自由主義とか民主主義,科学主義があった時代ですね。だからポーレットって,女の子は実は神様の意味も知らずに宗教も知らなかったと。それに対して10歳ぐらいの田舎の男の子ミシェルは「死んだものを墓を作るんだよ」と教えられて,可愛がってた子犬の死体を人のいない水車小屋に埋葬し,祈りを捧げると。愛犬が1人ぼちでかわそうだと思ったポーレットは,もっとたくさんのお墓を作ってやりたいと言い出すと,ミシェルという男の子は,その願いに答えてやりたくなり,モグラやヒヨコなど色々な様々な生き物の死体を集めて,次々に墓を作って二人の墓を作る遊びはエスカレートし,ついに十字架を盗んで,自分たちの墓に使おうと思い立つという,かなりすごい映画なんですよ。で,この4歳ぐらいのポレット女の子と10歳ぐらいのミシェルって男の子の関係がめちゃくちゃエロいんですね。ポーレットって女の子がミシェルに「死体とか十字架をもっと持ってきてくれたらキスしてあげるよ」っていう風に言うシーンがあるんですけども,まあそこらのアニメよりも本当にずっと過激なんですよ。
ただ,こういう近親相姦とか,こういう死を美しいものとして扱って生を醜いものとして扱うシーンよりも,もっと怖いなと思ったのが,最後に近いところなんですけども火葬のシーンなんですね。 このモンタージュです。 もうほとんど燃えてしまった節子の骨を前にして名前もかじる清太。 で,このシーンとダブらせで,そのまま編集でサクマドロップの缶を持っている,つまり骨の入った缶を持っている清太にこの画面がスライド入ります。「翌朝,僕は蠟石のかけらのような節子の骨をドロップの缶に収めて山を降り,そのまま号へと戻らなかった」。実は本編で,サクマドロップというドロップの空き缶の中に骨が入ってるっていうのをはっきり分かるこのシーンからなんです。それが節子のものだって分かるのはこのシーンからなんですけども。で「兄ちゃん」て,この後呼びかけられて,節子が亡霊となって現れて節子に自分の骨が入ったドロップの間を渡すと。 そうすると映画を見てた人はああ,この冒頭からこのドロップ感に入っていて,2人がペロペロと食べてたのは節子の骨だったんだっていうのが分かるんですね。もちろん映像では高畑さんはドロップとして書くんですよ。高畑さんはそれを骨をかじるみたいな生な表現はしないんですよ。庵野秀明なら絶対やったと思うんですけども,高畑勲はそこをドロップとして書くんですね。でも書いてることはこの構図から明らかなように,カニバリズムいわゆる人肉食いなんですよ。本当に愛してるからその死体を食べたいっていう欲求であって,母親の死体は食べれなかった。食べるに値しないんだけども,妹の死体は食べることができる。だから2人でその骨をドロップにして抽象的にして分け合っていつも分けて食べるっていうシーンを何回も何回も繰り返して入れてるわけなんですよね。
暗喩してるのが言うまでもカニマリズムなんですけど,これまた原作の野坂昭如が自分自身で『火垂るの墓』がヒットした時に本当に悔しそうに言ってるのが,「高畑さんとの対談で「実は自分の妹の太ももに食欲を感じたこともある」っていう風に話したことまで,全部映像化されてしまってる」っていう風に語ってるんですけども。こういうカニバリズムというところまで入っているというのが『火垂るの墓』のえぐいところだなと思うんですけども。これあのすいません,1000倍怖いではないです。
■ 100倍怖い『火垂るの墓』
前半の100倍怖いじゃなくて,ではこれから最終パート,パート8です。「100倍怖い『火垂るの墓』」の方に入ります。 清太を殺したのは誰か?って話なんですけども。 もう笑いながら話しますね。まず節子を殺したのは誰か。 おばさん説,つまりあの意地悪のおばさんがいじめるから,なんか外へ出て死んじゃったって人がいました。でもこれ反論として,おばさんも実は白いご飯ろくに食べてないんですね。ほとんど清太と節子と同じようなものを食べて「うちでは働けへんもんは食べられへんのです」っていう風に言ってるので,そんな悪くないような気がするし,何より清太が働いてないのが悪いっていう反論も成り立つ。 で,まあ次は清太説ですね。節子が死んだのは清太が原因だと。つまり清太が自分自身に意地を張っていわゆる社会性がなかったから,コミュ障だから死んじゃったんだという説があるんですけど,それは反論として,清太が節子に与えようとしたのは,栄養とかそういうもんではないと。人はパンのみに生きるのではないと。節子が一番欲しがっていた,これまでと同じ家族の絆,温かい家族との関わり合い,触れ合いだ。それを与えようとしてたから,結果的に働けなかった,外に行けなかったんだと言う人がいます。これも納得できる。つまりおばさん説にも清太説にもそれぞれ反論があって納得できると。
じゃあその清太を殺したのは誰かっていうのは,ある程度不可抗力として,ああ,でもしょうがなかったんだと言えるんですけども,ラストで清太が死ぬのはなぜか?…まぁラストとか冒頭なんですけど…だって清太はまだ貯金があったんですよ。清太だけだったら生きられるはずなんですね。主人公の清太だけだったら,もう14歳だから,しかもまだ300円の貯金がある。今のお金で言えば4500万円ぐらいの貯金あるから生きられるはずだったんだけども,なんでか?と。罪悪感で死んだっていう人もいるし,節子のそばに行くっていうロマンチックに考える人もいるんですけども。 僕が思うのは,清太が死んだのはま予定調和って言い方変なんですけども,野坂昭如と高畑勲の対談でもう冒頭から2人がお互いを確認し合ってるのが,この話は心中物だって言ってるんですね。 心中っていうのは,2人で一緒に手に手を取り合って死のうという心中ものです。で,犯人を作らずに特定の悪い犯人を作らずに全ての要素が死ぬしかないっていう状況に持っていかれると。で死ぬことで2人は永遠に結ばれると,これが心中もののコンセプトです。 なので江戸時代に心中ものの人形浄瑠璃とかそういうのが流行ったら,もうそこら中,町中で後追い心中が多発した。これは江戸時代の助六心中って言われる事件の瓦版なんですけども,こういうことがあまりに多かったのですね。幕府は心中禁止ですね。心中とかしたら厳しい罰あるよ。心中を書いた瓦版でも「心中の河版出したら厳しく罰されるよ」という風に言わざるを得ないほど,心中が大流行りに流行ってしまったと。で心中を扱った瓦版はすぐに没収で焼き捨てられて,これは1704〜1711年ぐらいに大阪で実際に起こった助六心中の時の瓦版なんですけども。
ところが現代の観客には,死んで結ばれるという価値観はない。 どっちかっていうと,死んだらおしまいって考える人が多いんですよ。死んだらどうにもならないと。だから,『火垂るの墓』を観ても,当たり前だけども,誰も心中する気にはならないです。死んだらおしまいじゃんっていう風に考えているので。ところが野坂昭如も高畑勲も,これは心中ものだと考えてるから,だから清太を殺したのは節子っていうことになってくるんですよ。お互いってことになってくるんですよ。だから節子は,清太が「貯金下ろしてきて食いもの買うてくる」と言っても「兄ちゃん行かんとって,ここにおって」って訴えるんですね。で,それを僕らは節子が寂しいからだっていう風に受け止めるからすごく泣くんですよ。ところが高畑が描いてるのは「こうやったらお前が助かるんだ」と言っても「死んでもいいからここにいてくれ」っていうアピールしてるんですね。で,僕らは「節子というのは幼くて4歳でまだ道理が分からないからだ」と勝手に解釈してるけども,完全に心中もののフォーマット出てると。だから,清太はあの時に,買いに行くべき間,残って節子が死ぬまで一緒に看るべきかっていうところで,激しく悩むシーンがあるのはそのせいなんですね。で節子は同時に,清太を甘えたり,もしくは遊んでって言ったり,病気をしたりすることによって縛り付けて,隣組とか労働奉仕に行かせないんですね。 それによって自分が死んでも構わないと。で清太も節子の誘惑につい負けてしまい,一緒に餓死への道を向かってしまう。ところが節子が先に死んじゃったら,清太はそこで生きる欲求というものが,もう1回起き上がっちゃったんですね。 「ちょっとホッとした…せな…」という風なことで,だから急に食欲が湧いてご飯を食べるシーンていうのがある。
もちろん,節子は死んで母親に会いたかったから死を急いだという考え方もあるかもしれないし,清太だって…っていう風に考えることもあるかもわかんないんだけども,清太は生きられるはずだったんですよね。なのに節子に取り殺されたって言ったら何ですけども,そういう状態だという風に僕は考えてます。 だから,だからなんですよ。冒頭のシーン。本当に冒頭の1分ぐらいに,この話全て入ってるんですよ。 一番最初,僕は死んだっていうところから始まって,亡霊の自分が自分を見てる。 僕が死にかけていると。で死んじゃって駅員さんがドロップの空缶放り投げたら,そん中から節子の骨が出てくる。 で,最初に出てくるのは節子の亡霊なんですね。 これ見て分かるとおり,節子の亡霊が出てきて,その節子の亡霊が死んだ兄ちゃんを見てるんですよ。 で,節子はその死んだ兄ちゃんのところ行こうとなんとか踏み出したら,後ろからはっと肩を掴まれて振り返るとお兄ちゃんが笑っていて安心して節子は手をつないで,そのまま画面の左へ消えていってタイトルが出る。 これどういう意味かっていうと,節子はお兄ちゃんが本当に来るかどうか見張ってるんですね。 本当に死んでくれるかどうか見張ってるんです。 節子はお兄ちゃんが本当に死んでくれるかどうか見張ってると。で走って,清太が死んだかどうか確認しようとしたら,後ろから大丈夫って言って止められてると。何故か。実はこれ心中ものだからです。心中ものが流行った時に,同時にものすごく流行ったもので怪談というフォーマットがあります。それまで日本の文学文芸の歴史で怖い話みたいなものはあったんですけども,恨みつらみによる怪談っていうのはほとんどなかったんですね。もちろん平家の恨み,武士の恨みみたいなもの,天皇の恨みっていうストーリーはあったんですけども,個人の愛欲の恨みみたいなものがお話してほとんどなかった。ところがこういう怪談ものが心中ものと一緒に流行った。 じゃあどういう話かっていうと,そのほとんど全てが心中しようとして男が死に切れず,女だけが死んでしまい,男がまだ生きてるのに対して女が化けて出て男を取り殺して…っていう話ばっかりなんです。 なので約束したのにお前は死んでくれないのか?っていう話で女が監視してるってのは心中信もので一番出てくるフォーマットだから,節子はここで清太が本当に死んでくれるかどうかをずっと待ってるんですね。
で,約束通り死んでくれたかどうか。だから死を美しく書くことなんですけど,本当言えば,清太も,節子の遺骨をサクマドロップの缶に入ってたものを捨ててりゃ良かったんですよ。 お母さんの遺骨を捨ててきたのと同じように,節子の遺骨も捨ててくれば取り殺されることもなくて,そのまま生きてられたと思うんですけども,でもついつい自分の言う通りに死んでくれて,その死様が美しかった妹っていうのに,一瞬性の欲望が起こったんですけども,生きると欲望起こったけれど,結局遺骨をずっと持ち続けてしまったゆえに,その持っているサクマドロップの缶の中の骨に呪われたように,清太は恵んでくれたおにぎりを食べることもなく,衰弱して死んでしまう。それをずーっと待っていた節子は,ようやっとお兄ちゃんと走って行こうとした。「お兄ちゃん…」「大丈夫ここにいるよ,2人はこれからずっと一緒だね」って言って終わるっていうのを冒頭に見せてるんです。 それを映画の頭に見せる。だからわかるはずでしょっていう高畑勲の声が聞こえるようですよ。 あー,恐ろしい。心中物っていうものは,死を美しく書くことが目的です。精一杯死を美しく書いてやろうという風に思ってます。だから高畑が描きたかったのは美しい死の輝きなんです。 美しく生きる輝きってのは宮崎駿はどうせ書くんですよ。それもセリフにしてガンガン言いながら。そうじゃなくて,死は美しいっていう芸術家にしか言えないこと,文芸でしか言えないことを言ったのが高畑勲なんですね。だからホタルと同じなんですよ。命が限られていて今死ぬから精一杯生き, 翌朝には死骸で転がってると。その儚さこそが美しいって考え方です。でも僕ら観客は,高畑勲ほどじゃない。岡田斗司夫ほど,皆さんもじゃないですよね。なので観てると,こんなかわそうな感じで話を観てると悲しいし,腹が立つから犯人探しするんですよ。でも高畑勲はそういう気持ちがわかんないです。犯人探して清太が悪い,戦争が悪いとか犯人探してると。高畑勲はそんな気持ちが分かんないと。 だから清太もおばさんも戦争も悪くないっていう風に書いてね。 ね?美しいでしょ?と。滅びる様は美しいと。それは大空襲で人や家が燃えていくのも,ホタルが最後の光で燃えてくのも,この若い2人が自分の命を燃やし尽くして消えてく様も美しいでしょうっていう風に書いちゃうんですね。なのでもう観客っていうのは永遠に混乱して,永遠に論争することになっちゃう。多分次回金曜ロードショーがあったら,Twitter荒れるんじゃないかなっていう風に思うんですけれどもですね。以上,高畑勲の 『火垂るの墓』に対する動画はこれで終わりたいと思います。
えっとですね,こないだオフ会があった時の感想なんですけども。大阪のオフ会の時にですね,「 フランダースの犬は許せる,最後死んでもパトラッシュとネロは天国連れてってもらえるじゃないか,満足して死んでる,でも『火垂るの墓』って,何1ついいことがない」っていう人がいたと思えば,最近カレー屋を始めたお姉さんが「いやあれは全然泣かないよ,よくやったよ,あの清太の周りに同じような男の子に死んでたじゃん,駅で同じようにのたれ死んでたじゃん,あんな死に方した人当時でもいっぱいいただろうにお前はよくやった,結果ダメだとしても,そこまで頑張って死んだんだから本毛だろう」っていう風にいたんですけども,多分まあ高畑さんの意図に割と近い見方と思うんですけども,なかなかそんな風に見れる人いないと思います。 …

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日本では観られない『火垂るの墓』 世界から“反戦映画”として最高の褒め言葉を受ける
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9/28(土) 21:25配信
2024年9月16日より、高畑勲監督作品『火垂るの墓』が世界190以上の国と地域で配信がスタートしました。残念ながらまだ日本では配信が解禁されていませんが、海外でこの作品はどのように評価されているのでしょうか?
例えばアメリカを代表する著名な映画評論家ロジャー・イーバートさんは、「『火垂るの墓』は、アニメーションの見直しを迫るほど強力な感動体験だ。(中略)これまでに作られた戦争映画の傑作のリストに、必ず加えられるべき作品である」と絶賛していますし、The Cinephile Fixというサイトでは、「はっきり言おう。高畑勲監督、スタジオジブリ制作の『火垂るの墓』は、史上最高のアニメーション映画である。実写映画も含め、映画史上最も心に響く、胸を引き裂かれるような悲劇的な物語である」と最大級の賛辞を送っています。
特に多くの評論家が指摘しているのが、徹底したリアリズム描写です。「野坂昭如の第二次世界大戦末期の物語を原作とする『火垂るの墓』は、主にアニメーションを使用して、悲惨なリアリズムを強調している」(Newyork Times)、「説得力のあるリアリズムと日常の重要性をしっかりと把握した描写により、節子の肉体的・精神的な崩壊を描いている」(SLANT Magazine)など、宮崎駿監督がファンタジーへの想像力の翼をはためかせているのに対して、高畑勲はあくまで自然主義的なタッチであることに注目しています。また、ディズニー映画と比較する論調も多く見受けられます。「ムファサの死(筆者注:『ライオン・キング』)やバンビの母親を失う場面がつらすぎて、見るに耐えないと思ったとしても、それは真の悲しみを理解していないということだ」(The Cinephile Fix)、「『バンビ』や『カールじいさんの空飛ぶ家』がアニメーション映画としてこれ以上ないほど感動的だと思っていたなら、この日本映画の傑作をぜひ見て欲しい」(The Gurdian)。
『火垂るの墓』のリアリズム描写とディズニー作品のデフォルメされたCG表現を比較して、「高畑監督はディズニーと競っているわけではない。ハリウッドのアニメ作品では決して見られないような表現を追求することで、このジャンルを成長させている」(REELVIEWS)と論じている評論家もいます。特にアメリカでは、いかに高畑勲監督の演出手法がワン・アンド・オンリーであるかが伝わります。そして、『火垂るの墓』が反戦映画であることに異議を唱える評論家はほとんどいません。思えば、クリストファー・ノーラン監督による最優秀アカデミー作品受賞作『オッペンハイマー』は、原爆投下後の広島と長崎の惨状についての具体的な描写がいっさいないことに対して、日本のみならずアメリカでも批判が巻き起こりました。「反戦映画だ」「いや、反戦映画ではない」という議論がSNSで交わされたのです。一方で『火垂るの墓』が描くのは、太平洋戦後直後を舞台に、ある兄妹が空襲をどのように生き延び、どのような末路を迎えたかという、非常にミニマルな物語です。「親も家も失い、飢えと米軍の爆撃、そして大人の身勝手な無関心に苦しめられながら、放浪を余儀なくされる。しかし、苦悩と絶望だけではない。自然の美しさや子供らしい喜びの瞬間もある。それだけに悲劇がより一層胸に迫る」とThe Gurdianが記した通り、彼らの旅路にフォーカスを当てたからこそ、観る者の心を大きく揺り動したのでしょう。市井の人びとを丁寧に描くことで、たぐいまれな反戦映画となったのです。
アメリカの映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」には、プロの批評家による評価のトマトメーターと、一般ユーザーによる評価のオーディエンススコアのふたつがありますが、『火垂るの墓』はそれぞれ100%と95%という高評価をマークしています。ここに書かれた、あるオーディエンスのレビューが、ある意味で『火垂るの墓』という作品の本質を端的に言い表しているかもしれません。
「素晴らしい映画だ。もう二度と見たくない」(Good, great, amazing movie. Never watching again)
それは、二度と戦争の惨劇を目にしたくないという、反戦映画として最高の褒め言葉ではないでしょうか。
竹島ルイ

Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/5644bff9b4f6961e5262e2b99e65d446f350a1d2
https://news.yahoo.co.jp/articles/bb0411b1321dfc3c4136f0f8c2730649f9a64b4c







posted by datasea at 01:22| Comment(0) | ♪  シナリオ・創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする