2020年11月28日

フレデリックポール『22世紀の酔っ払い』〜謎の感染症に苦しむ22世紀の世界


フレデリックポール『22世紀の酔っ払い』〜謎の感染症に苦しむ22世紀の世界
フレデリックポール『22世紀の酔っ払い』
1971
大学の数学教授コーナットは絶えず自殺に駆り立てられていた。。しかしその願望は常にある偶然によって未遂に終わる。そんなある日,学術調査団は研究のために南海の孤島から原住民を連れ帰った。しかし彼らを媒体として天然痘が流行して世界的恐慌を引き起こした。
そのうちコーナット博士は高名な知識人たちの不可解な死因と天然痘とを密かに喜ぶ存在に気付いた。誰が?そしてその理由とは?フレデリックポールが軽妙なタッチで描くユーモア SF 。
■不死人と感染症
レーム巡査部長は医療センターの群衆についてジルソンと不機嫌そうに話していた。コーナットはレームが立ち去ってくれればいいと思った。彼にはレームが不死人たちにとって危険な存在であることが分かっていた。
あまりにも度重なる不慮の死に同じ人間が関わりあうわけにはいかない。。レームはジルソンの手にかかったカール学部長の死を捜索したのであった。たとえコーナットの死は自殺でも死にゆく彼がジルソンと一緒のところを見られて捜索されるわけにはいかない....
コーナットは自分が未来の人類である不死人の安全を守るために死ぬべきということはそれほど正しいことと思っていたのであった。。彼にはそれが判っていた。彼ら自身が彼にそう言っていたからである。ある言葉が彼の注意を引いた。
「ー病気発生以来あらゆる病院に人が押し寄せてきた」
レーム巡査部長は医療センターの前にいる群衆の方に手を振りながらジルソンに話した。......まるで今夜は吸血鬼が出ているからにんにくを手に入れなければならないといったような雰囲気であった。病気というのは暗黒時代の遺物なのであった。頭痛とか胃の不快はあるが病院に行きさえすれば診断装置が何とかしてくれる。レームは唸った。
「コーナット博士!どこに行ってたんですか?この辺りだけでも1000人近くの人が死んでいるんです。群衆は免疫を求めています。いわゆるガンマウイルスというやつですよ!本当に天然痘だと思っているんです!」
天然痘?ますます現実離れしている。こんな言葉は古語としてしか知らなかった。。
「街中いたるところで事故が起きています」とレーム。
「熱と発疹ー私は徴候のことは知りませんがね。しかし命とりの病気なんです。医者にも治療法がないようなのです」
南の島からやってきた現地人が言う。
「わしら匂いでわかる。今度の病気,うつる。たくさんの人,できものできて死ぬ」
警官隊が囲いの前にバリケードを作っているのを眺めていた原住民の一人であった。レームは言う。
「不幸なことに彼の言う通りらしいんです。あなたの調査団は山のような厄介ごとを持ち帰ってきたようです。感染の中心らしいのがどうもこの連中の保菌者かららしいです。彼の顔を見なさい」
幅の広い褐色の黒い顔に古いあばたの跡が残っている。
コーナットにはますます信じられないことであった。。群衆の暴動?実際には彼の知ったことではないのであった。彼はこの世にはもう何も問題はない。。彼はレームに挨拶してすぐ数学館の方に動いていった。原住民は後ろから叫んだ。
「わしらのマサツラサンを待って行ってくれ!あなたに話がある!」
..........
全市にそして世界中に医療センターの前と同じ風景が見られた。。住民が疫病の影に怯えてーここ何世紀も消えていた疫病であるーそれから守ってくれる種痘の接種をうけに駆けつけたのである。本当に重症になった人間は100人に1人もいなかったのだが,それだけでも十分なのだ。。120億人の1%は12000万人で,世にも恐ろしい,何よりも伝染性の強い医学的には一番どうしようもない病気だ。それというのも天然痘は絶対に防げるものであったし,これが不意をつくことができたのは,世界がジェンナーのことを忘れてしまったからだった。。あるいはジェンナーの何世紀も前の古い予防法を組織的に追放してしまったからだった。。。
ポートマンマーズの一番高い塔には8つの大手テレビネットが共同の中継施設を持っていた。赤道儀に乗ったワイヤーの円盤が中継衛星を求めてそれを睨み回している。それぞれの人工衛星が軌道に乗って地平線から現れると円盤はそれを求めて捕まえるのであった。円盤はそれを空が横切るまで食いついて追い続けて,再びカーブした地平線にそれが沈むとそれから離れて新しい人工衛星を求めて同じ事を繰り返す 。。中継に使える人工衛星は60以上も地球をまわっていたしその一つ一つが特別にそれぞれの放送網の番組を受信して整理して増幅して再送信するために装置を積んで打ち上げられたのだった。。.......

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posted by datasea at 20:31| Comment(0) | ♪  詩・小説・著書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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