2019年10月04日

週刊ダイヤモンド: 消費税増税・消費が冷え込むまで3ケ月のラグがある〜2020年1月以降冷え込み

週刊ダイヤモンド: 消費税増税・消費が冷え込むまで3ケ月のラグがある〜2020年1月以降冷え込み
・【10月】増税のインパクトにみんな気づいて、消費に対してやや警戒感を抱き始める。ただ、ポイント還元などが宣伝されている効果で、前回よりは緩い節約となり、消費支出はやや下がる程度。
・【11月】警戒感は続くものの、年末が近づいて冬物を買ったり、飲み会や食事会の数が増えたりして、そこそこ消費をする。消費支出はやや下がる程度。
・【12月】冬の外気は寒いけど、消費マインドはこの時期暖かく、特別な気持ちで消費を続ける。消費支出はやや下がる程度。
・【1月】増税後、初めて消費者が「素」で節約を始める。消費支出のマイナスが初めて5.0%を突破。

週刊ダイヤモンド
https://diamond.jp/articles/-/216584


 

 

消費増税で、国民の財布のヒモがきつく締まり始める「Xデー」とは
鈴木貴博
経済・政治 今週もナナメに考えた 鈴木貴博
2019.10.4 5:35
「消費税、高いよ!」国民の財布のヒモがきつく締まり始めるのはいつか Photo:Diamond
■特売の終了と増税で負担感が一気に増加
先日、引越しをした友人の家を訪ねるとき、差し入れとしてスコッチウイスキーの「ジョニーウォーカー黒ラベル」を買ったのですが、支払いが2618円でした。10月に入って消費増税になった後の話です。で、「あれ、こんなに高かったっけ?」と思ったのです。この驚きにはからくりがあって、ちょうど先月も同じ店で「ジョニ黒」を買ったのです。そのときと比べて「結構高いな」と思った理由は、当時は増税前の大セールをやっていたからです。つまり、以前の記憶はそもそも特売のときのもので、しかも消費税が安かった。ところが今回は通常価格で、しかも消費税が10%へ増税された後でした。だから、余計に高く感じたのです。
「それはあなたの個別事情じゃないの?」
と思うかもしれませんが、実はこれが特殊な事情とも言い切れないのです。9月は日本中で増税前の駆け込み大セールをやっていたので、行動経済学的に捉えれば、10月の消費増税の影響は、増えた税金分と先月の大セールからの反動分を合わせて、ダブルで効いてくるはずです。
「消費税、高いなあ」と思う人は私だけでなく世の中の多数派なので、この後、消費は目に見えて冷え込み始める可能性が高いでしょう。では、どれくらいの消費が消えてなくなるのか。今回はそのことを、過去の例から類推してみましょう。
■消費が冷え込むまで3ケ月のラグがある
消費税が5%から8%へ増税された2014年にも、駆け込み需要とその後長らく続いた個人消費の冷え込みがありました。総務省の家計調査を見ると、増税直前の2014年3月の実質的な世帯支出は前年同月比で7.2%も増加しています。個人消費というものは1ヵ月でだいたい25兆円くらいの規模なので、増税前のセールのインパクトだけで2兆円弱の駆け込み消費が起きたのです。その後、消費税が8%に増税されたところ、予想通り消費が冷え込んで、その後の1年間の平均で約マイナス5%に消費が減ったのです。金額にして約15兆円。とんでもない規模の節約です。
「彼女へのクリスマスプレゼントまでは削らなくても」「自分へのご褒美の分ぐらいは奮発しなきゃ」
このように、行動経済学的な観点から見れば、年末は気分的に消費が底上げされるのは当たり前なのです。冒頭でお話した「ジョニ黒」もそれと同じ。友人が引っ越して、そのお祝いに駆けつける。それで、以前差し入れした「ジョニ黒」を彼が「あれ、このウィスキー滅茶苦茶おいしい」と言ってくれた。そういうときは、財布の紐とは関係なく、消費はプライスレスになります。そして、こうした「特別な消費は別腹だ」という思考に基づく消費行動がそこら中で行われ、それが集まると経済統計の数字にその影響が如実に表れるものなのです。
■消費の冷え込みはこんな感じで始まる?
今回の増税でも、おそらくそのような現象が起きて、消費の冷え込みはこんな感じで始まるはずです。
・【10月】増税のインパクトにみんな気づいて、消費に対してやや警戒感を抱き始める。ただ、ポイント還元などが宣伝されている効果で、前回よりは緩い節約となり、消費支出はやや下がる程度。
・【11月】警戒感は続くものの、年末が近づいて冬物を買ったり、飲み会や食事会の数が増えたりして、そこそこ消費をする。消費支出はやや下がる程度。
・【12月】冬の外気は寒いけど、消費マインドはこの時期暖かく、特別な気持ちで消費を続ける。消費支出はやや下がる程度。
こういう感じで、前回と違って思ったほど消費が冷え込まない3ヵ月間を、小売業界は経験することになりそうです。さて12月下旬になると、10月の家計調査が発表されます。その結果は「前回ほどは消費は冷え込んでいない」というものになるでしょう。それを受けて、「今回の消費増税は結局、それほど消費の冷え込みに繋がらなかった」という誤ったニュースが世間に広まる可能性があります。ここが危険なところです。次の段階として、そろそろ消費の転換点が訪れます。
・【1月】増税後、初めて消費者が「素」で節約を始める。消費支出のマイナスが初めて5.0%を突破。
この転換点は2020年の3月下旬に、家計支出の統計で「本格的な消費冷え込み」として、初めてデータ的に認識されることになります。そして消費増税の対策として、「消費者が財布の紐を締めている」というニュースが広まり始めると、「うちもやらなきゃ」という共感が広まり、このへんから本格的に消費が冷え込んでいく。こうした傾向が、その後約半年間、夏のオリンピックが近づくまで続くことになるでしょう。
■増税直後に報道される景気動向の速報値を鵜呑みにすべからず
それで収まればいいのですが、オリンピック後には首都圏の住宅価格が下がるという悪い予測も囁かれています。前回の増税で冷え込んだ消費マインドは、その後2年間以上にわたり、わが国の消費を冷やしてしまいました。そう考えると、今回もそれと同じことが起きかねないというわけです。
話をまとめると、ビジネスパーソンの皆さんは、増税直後に報道される景気動向の速報値を鵜呑みにせず、様子を見ることです。1万円使うたびに1000円納税しなければならないという新しい増税のルールは、それなりに懐にとって厳しいことを、消費者は誰もが実感しているのですから。
(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)

週刊ダイヤモンド
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posted by datasea at 21:07| Comment(0) | $ 経済アナリスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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