2019年04月14日

DXレポート「2025年の崖」問題,AI失業時代

DXレポート「2025年の崖」問題,AI失業時代
レガシーシステムを捨てない企業は滅びる…
「2025年の崖」問題、年12兆円の経済損失
Business Journal / 2018年11月8日 8時0分
9月、経済産業省が「DXレポート」と題する60ページ弱の報告書を発表した。サブタイトルは「ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開」。
IoT(Internet of Things:モノのインターネット)、AI(Artificial Intelligence:人工知能)、RPA(Robotic Process Automation:事務処理自動化システム)、ビッグデータ・アナライズといった21世紀型の技術でデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現することによって、生産性を飛躍的に高め、働き方を大きく変えていこう、という内容だ。
ただ、その前に、Windows7/Windows Server 2008やPSTN(固定電話網)、SAP ERPなどベンダーのサポートが終了し、基幹系システムの担い手が引退していく。
東京オリンピックのあとの不況もあるだろう。
副題にある「2025年」は、いくつかの主要なITプロダクトやITサービスのサポートが終了するざっくりした年次であって、コンピュータの西暦2000年(Y2K)問題のような時限を示すものではない。
そうしたサポートが順次終了するうちに、IoTやAIの適用が広がり、自動運転やドローン、5G通信などが実用化される。
既存の基幹系システムとつながらないと効果は限定的になる。
「ところがその多くはレガシーシステムで、新しい価値を生み出さないのに金食い虫だ。それを解決しないとDXに突き進めない」
と報告書はいう。
IT予算とIT人材の多くが既存システムの維持管理に使われ、ビジネスの価値を高める「攻めのIT」が後手に回っている。
レガシーシステムがDXの阻害要因というわけだ。これを放置すると2025年以降、日本の産業界は毎年12兆円を損失し、反対にうまく乗り越えることができれば、2030年の実質GDPが130兆円押し上げられると予測されている。
●DXの阻害要因
「DXレポート」の主張は理解できるが、これらの金額はこけおどしにすぎない。
「2025年の崖」により12兆円の損失が発生するとしても、別の方法で同額以上を稼げばいい。そのような選択肢もアリではないか。
また、DXの阻害要因をレガシーシステムと特定していることには疑問符がつく。
レガシーシステムを「老朽化したシステム」、つまり20世紀の集中処理型手続処理システム(ないしそれを単純にクラウド化したシステム)としているのだが、好意的に解釈すれば、あえて定義を単純化することで論点をわかりやすくしたかったのだろう。
企業が特定ベンダーに囲い込まれる「ベンダー・ロックイン」もDXの阻害要因だし、千差万別のデータ構造(例えば氏名の表記で苗字と名前の間に1コマ空けるか空けないか、「株式会社」と書くか「(株)」と書くか等)、さらには21世紀型技術を生かせない組織や業務プロセスも阻害要因だろう。脱レガシーないしレガシー・モダナイゼーションの手法に「銀の弾丸」(決定的な方程式)はないので、企業がそれぞれの立ち位置と状況に応じて、それぞれのやり方で進めていくしかない。
ただ、ITユーザーである企業は、多数のIT技術者を抱えていない。
経営者が「ITはわからん」と毛嫌いし、「よきにはからえ」で済ませてしまう。
一方、IT企業がベンダー・ロックインを解除される案件を喜んで受注するとは思えない。
また、IT企業に勤務するIT技術者にとってもスキルアップにつながらないので、好んでやるとは考えにくい。
そこで経産省の施策は、ユーザー側の企業がDX準備のための予算を増やすよう誘導することに絞られる。オリンピック後の不況のなか、仕事になるなら受託系IT企業はなんでも受注するし、ほかに仕事がなければIT技術者も納得する(というか諦める)。
経産省の一部で「DX促進法のような法律をつくる」「レガシー度判定制度を創設する」などの案が検討されているという情報もあるが、そのような法制度は国や地方公共団体にこそ適用すべきだろう。民間に広げるとしても社会的コンセンサスが前提となるので、運輸・航空、物流、電力・ガスなどライフライン、石油化学、医療、金融といった重要インフラ系が中心となる。
●見逃されている2025年の数値目標
 以上が「DXレポート」の解説だが、筆者が目を留めたのは、レポートに掲げられた以下の数値目標だ。
(1)産業界のIT予算は2017年比1.5倍
(2)サービス追加にかかる期間は数カ月から数日へ(短縮)
(3)IT人材分布は「ユーザー5:ベンダー5」
(4)IT人材の平均年収は1200万円超
(5)IT産業の年平均成長率6%
「DX阻害要因を放置すれば12兆円減/年」
「適正に対応すれば2030年のGDP130兆円押し上げ」
を加えれば7項目となる。
想定しているのは「2025年の崖」の先、2030年までの間ということになる。
IT業界では、この数値の可能性が議論されることになると思われるが、多くの人にとっては「どうでもいい」ことに違いない。
兆円、億円の単位で語られるGDPや産業界のIT予算はもともと縁遠い話だし、IT人材の分布も直接のかかわりはない。
せいぜい「IT技術者の平均年収1200万円超」にちょっと驚いて、ひそかに「へ〜」とつぶやくのが一般の人々の共通の感覚に違いない。
(1)の「産業界のIT予算は2017年比1.5倍」というのは、決して不可能な目標ではない。
現在の事業を運営するラン・ザ・ビジネス(RTB)の費用と、事業の価値を高めていくバリューアップ(VU)の費用をどうバランスさせるか、RTBの費用を固定してDX(VU)の費用を増やしていけば、IT予算の総額は膨らんでいく。
予算を増やさなくても、ここでいう「IT予算」は企業内情報システム部門の予算のことなので、現業部門がビジネスの生産性を高めるために投入するIT予算を参入すれば、「RTB:VU」の比は現在の8:2から6:4にも5:5にも変わるに違いない。
また、「2025年の崖」がリアルな危機感となって顕在化すれば、産業界は受託系IT企業に頼らず、オワコン・プログラマーを再雇用せざるを得ない。
さらに現在は「ユーザー」に分類されている企業の多くがITサービス事業のウエイトを高め、「デジタル企業」が当たり前になっていく。
「IT人材分布はユーザー5:ベンダー5」とは、10年後、今より多くの人が「IT技術者」になっている可能性が高いということでもある。
●DXを体感したければベンチャーか外資系
最大の難関は(4)の「IT人材の平均年収は1200万円超」だ。
筆者の周辺は「IT産業の多重下請け構造が解消しない限り難しい」と口をそろえる。
だが、それは現状が「2025年の崖」の先も続いていることを前提としていて、前述した「デジタル企業」の登場を想定していない。
「デジタル企業」については稿を改めて詳述するが、現状でいえばネットサービス企業がそれに当たる。
上場している「受託系」(システム開発・運用)211社の2017年度の就業者一人当たり年間売上高は1664万円、対して「ネットサービス系」187社は4125万円だ(筆者調べ)。
受託系よりネットサービス系は生産性が2.5倍以上高い。
ITをフルに活用するので従業員は少なくていい。
見方を変えると、DXに出遅れた企業はDX社会からふるい落とされる。
具体的にどのような企業かというと、
「事業部長―部長―次長―課長―係長―主任」
というようなヒエラルキーがカッチリしていて、何ごとにつけ上司の判断が必要な企業だ。
そのような企業は安定しているようだが、変化についていけない。
日の丸のハチマキを締めて走っているような20世紀型企業は、間違いなく「2025年の崖」を転げ落ちる。
経営陣がサラリーマン化していて、任期の間を無難に過ごすことを優先し、将来ビジョンを示すことに興味がないためだ。
しかもそこに勤めている人は現状に安穏としていて、転げ落ちる危機感がない。
そうして気がつけば、21世紀型ベンチャーが世の中を動かしているというわけだ。
DXに取り残されるかDXを追いかけるか、DXの先端を走るか。
DXの実態を体感し、年収1200万円超を追求したければ、ベンチャーか外資系への転職をお勧めする。
(文=佃均/フリーライター)

Infoseek
https://news.infoseek.co.jp/article/businessjournal_491991/?p=3
https://news.infoseek.co.jp/





鈴木貴博「経済を読む目玉」
AI失業時代突入…10年後に国民の4割が年収120万円に、リアルに今すべきこと
文=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役
2018.06.17
⬛AI(人工知能)失業時代がやってくる。
そのタイミングは今から5年後。
まだまだ先だと思っている人は要注意だ。
今はまだ「おもちゃのようだ」と思えるAIは急速に、正確には指数関数的に性能を上げる。
今できないことが5年後には当たり前のようにできることになる。
AI失業は5年後に本格的に始まり、10年後にはかなりの仕事がAIによって失われてしまう。
たとえばメガバンクは、これから先の10年間で1万人規模のリストラを計画している。
なぜリストラができるかというと、ロボティック・プロセス・オートメーションという新しく開発されたAIのおかげだ。
このAIはホワイトカラーの事務作業を学習して、それを自動でこなせるようになる。
具体的には、パソコンの中にこのAIソフトを組み入れておくことで、従業員が行っている事務作業のうち自動化できる作業をみつけては、それを人間の代わりにこなしてくれる。
これまでのAIができなかった「判断が必要な事務作業」がロボティック・プロセス・オートメーションによってできるようになるのだ。
たとえば月末に経費精算をする仕事や、請求書を発行する仕事は、人間がスケジューラーを確認したり納品状態を確認しなければこなせない判断業務だ。
しかしスケジューラーを見ながら交通費を計算して経費精算シートに記入する作業はやり方さえ覚えてしまえば、AIがとって代わることができる。
納品状態を確認して請求書を作成するのも同じで、こういった判断が必要な事務作業の多くが、AIによってまもなく自動化できるようになる。
そのような自動化で消滅する仕事の量は、10年先には今の仕事全体の2割、20年先には5割に及ぶだろう。
今、企業が人手不足に悩む労働市場だが、10年後には一転して労働者が仕事不足に悩むようになる。
⬛普通の人は週20時間しか働くことができない
では、AI失業時代に生き残るにはどうすればいいだろう。AI失業の影響がなるべく少ない仕事につくということがひとつの対策だと考える人が多く、その指南書も人気だが、実はもっと大切なやるべきことがある。今回はその話をしておきたい。
AI失業時代には仕事全体の2割が消滅する。
そうなると2割の人が失業して、8割の人が生き残るのかというと、そんなことは起きない。
2割の失業者といえば1929年に起きた大恐慌と同じレベルである。
生活が成り立たない人がそんな規模で発生したら社会が成立しない。
そこで起きることはワークシェアだ。
フルタイムで働ける人は幸せで、国民の多くがパートタイム労働者になる。
しかも普通の人は週20時間しか働くことができない。それくらいしか仕事がなくなるのだ。
そして社会全体で仕事の量が減ってしまうと、人件費の相場が全体的に下がる。
よほどほかに代わりがないオンリーワンの仕事なら別だが、他にやれる人がいる仕事の人件費相場は、働きたい人の数が増えるおかげで全体的に大きく下がる。
2000年代に入った頃、経済評論家の森永卓郎さんが「年収300万円時代」と言い始めたのを覚えている人も多いだろう。
当時はサラリーマンの年収は600万円が普通だった頃に、「これからは年収が半減する時代を生き抜く覚悟が必要だ」という意味で森永さんがそういう意見を提唱した。
ところが2018年になってみると、年収300万円はいわゆる所得階層の下流クラスでは「下流の上」の目標になってしまった。
今では下流のボリュームゾーンは年収180万円時代というのが実情に近い。
それがAI失業時代にはさらにワンランク下がることを覚悟する必要がある。
つまり、ワークシェアで仕事を得るのが国民の4割、この層が年収120万円時代に入る。
そして6割のフルタイムで働ける国民がたとえ正社員だとしても、平均年収は300万円。管理職でも400万円という時代になってしまう。
われわれはそのような時代にどのように備えればいいのか?
⬛今一番行うべきことは節約
実は今やれる、非常に重要なことがある。
それは今のうちに金融資本を拡張しておくことだ。
お金を稼ぐ方法には主に2つの方法がある。
人的資本と金融資本だ。
人的資本とは文字通り人が働いて稼ぐこと。
体が資本というのは、まさにこの言葉を体現したものだ。
一方で金融資本は金が金を稼ぐこと。
会社に出資して配当を得ることや、他人にお金を貸して金利を得ることをイメージするとわかりやすい。
最近ではわずかな稼ぎしか得られないが、銀行に預けて金利を得るのも金融資本の働かせ方だ。
重要なことはこれから先の近未来で、人的資本の価値が大幅に下がるということだ。
金を稼ぐ手段として人的資本の価値が相対的に下がり、必然的に金融資本の価値が上がる。
今世紀に入って貧富の格差が社会問題になってきたのも、このようなメカニズムが背景にある。
年収600万円時代と比べると、年収300万円時代は人的資本の価値が下がったことを意味する。
結果、相対的に金融資本の価値が上がり、金持ちがより富むようになる。
このメカニズムがこれから5年、10年で起きるAI失業によってさらに強化されることになる。
だから実は今一番行うべきことは節約なのだ。
年収300万円の人でも生活を見直すと一年で50万円から100万円を節約することはできる。
仮に10年間の節約生活で1000万円の金融資本を貯めれば、そこから先は金に金を稼がせることができるようになる。
これが今やるべきことのゴールだ。
人的資本の価値が下がり仕事の量が減る分を、金に肩代わりしてもらって稼ぐのだ。

Biz Journal
https://biz-journal.jp/i/2018/06/post_23714_entry_3.html







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