2019年01月24日

エチオピア語版エノク書


エチオピア語エノク書の概要
(注) この抜粋は、
村岡崇光訳『聖書外典偽典第四巻 旧約偽典II』教文館
によって、作成をしました。
 しかし、村岡氏の訳文を私なりにわかりやすく変更をさせていただきました。また、ひらがなを漢字にしたり、言葉を変えて読みやすくしたりした箇所があることをお断りしておきましょう。
 また、節番号などで不明なものが訳文に残っている箇所は、そのままの表記にしておき「?」を附しておきました。
残念ですがエチオピア語について、私はまったくわからないのです。
したがって、村岡氏には大いに感謝をいたします。
(注おわり)
 この『エチオピア語エノク書』のあらましは、
第一章
 エノクが、幻の中で神を見ます。天使たちは「悪人のための審判の日と、義人のための至福」について語ります。
第六章〜第六章
 「天使の堕落と巨人の誕生」「ノアが天使に懲罰を宣告」「エノクが宣言を反復」「天上・地上・地下を見学」など。
第三七章〜第七一章
 メシアについての記述とエノクの昇天。
第七二章〜第八二章
 天使ウリエルによる天文学や暦法。
第八三章〜第九〇章
 歴史的考察。
第九一章〜第一〇五章
 子孫への訓戒。
第一〇六章〜第一〇八章
 しめくくり。
となっています。
 次に、各章から注意をすべき箇所を抜き書きしてみましょう。
第一章
01 すべての悪人、不敬虔の者が追放される艱難の日に居合わせるべく定められている選ばれた者たちと、義(ただ)しい者たちとを祝福したエノクの祝福のことば。
02 神から[遣わされた]義人エノクは、目をかっと見開いていると、天にいます聖なるおかたの幻が見えたので答えて言った。これはみ使いたちがわたしに見せてくれたものであり、またわたしは彼らから何もかもいっさい聞かされた。わたしは、自分が見たものを理解することができた。それはこの(今の)時代にかかわるものではなく、来たるべき遠い先の時代にかかわるものである。
第五章
07 ……選ばれたものたちには光と喜びと平安がおとずれ、彼らが地を嗣ぐ者となる。だがきみたち不敬虔な者たちには呪いがあるのみ。……
第六章
01 そのころ人の子らが数を増していくと、彼らに見目(みめ)麗(うるわ)しい美人の娘たちが生まれた。
02 これを見たみ使いたち、(すなわち)天の子たちは彼女らに魅せられ、「さて、さて、あの人の子らの中からおのおの嫁を選び、子をもうけようではないか」と、言いかわした。
……
05 ……そこに居合わせたのは合計二〇〇人であった。
第七章
02 彼女らははらんで、背たけがいずれも三〇〇〇キュピトというとてつもない巨人を生んだ。
03 彼らは人間の労苦の実を食いつくしてしまい、人間はもはや彼らを養うことができなくなってしまった。
04 そこで巨人たちは人間を食わんものと彼ら(人間)に目をむけた。
第九章
08 彼らは連れだって人の娘らのところに通い、これと、すなわちこの女たちと寝て身をけがし、彼女らにこれらの罪の数々を明かした。
09 女たちは巨人を産み、こうして全地は血と暴虐に満ちあふれた。
第一〇章
10 「……彼らは永生を望み、各人五〇〇年の寿命を希望しているのだが」
第一二章
01 以上のことがおこるまえに、エノクは隠され、人の子らのうち、彼がどこに隠されたのか、どこにいるのか、またどうなったのか知っているものはなかった。
第一四章
05 きみたちは今後、絶対に天にのぼることはない。きみたちを永遠に地上にしばりつけておくようにとの命令が出ている。
第一五章
03 どうしてまた、はるかに高く、聖なる永遠の天を見捨てて、女どもと褥(しとね)をともにし、人間の娘らを相手に身をけがし、妻をめとって、地の子らと同様にふるまい、巨人の子(ばかでかい子供)をもうけなどしたのだ。
08 ところで、霊と肉から生まれた巨人たちは、地上では悪霊と呼ばれ、彼らの住居(すみか)は地上にある。
11 巨人たちの霊は苦しめ、暴力をふるい、腐敗堕落し、争い、地上で破壊し、問題をひきおこし、なんにも食せず[それでいて飢え]渇きをおぼえ、足もとがあぶなくなる。
第三九章
01 ……、選ばれた聖なる子らが上なる天から降りてきて、彼らの種(たね)は人の子らと一つになるであろう。
第四一章
01 その後、私は天のすべての秘密を見た。王国が分割され、人間の行いが秤にかけられるさまを。
08 ……、義人にとっては光であるのに、罪人にとっては闇である。
第四二章
01 知恵はその住むべき場所を見いだせなかったが、後に天にその住居(すまい)ができた。
02 知恵は、人の子らの間に住もうとやって来たが、住居が見いだせず、自分の場所へ戻って、み使いたちの間に居を定めた。
第四八章
06 これがために、世界が創造される前から、彼は選ばれ、彼(霊魂の主)の前に隠され、永遠に彼の前にあるであろう。
第四九章
02 ……。選ばれた者が霊魂の主の前に立ち現れたことゆえ。彼の栄光は永遠(とわ)に、その力は代々に(及ぶ)。
第六〇章
01 エノクの生涯の第五〇〇年七月、その月の一四日。あのたとえの中で私は天の天がどんなに激しく震え、至高者の軍勢、幾千、幾万の天使たちがどんなに激しく動揺したかを見た。
08 「……デダインと称し、霊魂の主が造られた人間の最初アダムから七代目にある私の(曾)祖父(エノク)がさらわれていった選民と義人たちとが住む園の東にある。」
10 彼(聖ミカエル)は私(エノク)に言った。「君は人の子でありながら、隠されたことをここで知りたがる。」
第六五章
01 そのころ、ノアは地がへこんで、その滅亡が近くなったのを見た。
02 彼は足をあげて、そこから大地の果てまで行き、祖父エノクに三度、「聞いてください、聞いてください、聞いてください」と苦しそうな声で呼びかけた。
03 彼(エノク)は言った。「これ、私に言うがよい、地の上で何事が起こっているのだ。大地はこんなにあえぎ、揺れ動いているではないか。まさか、わしまでまきぞえくっておさらばじゃあるまいな」。
第六八章
01 そののち、私の祖父エノクは、本の形で、すべての奥義の解釈と彼が授かったところのたとえを私に伝授してくれ、私のためにそれをたとえの書の言葉の中に挿入してくれた。
第七〇章
04 そこに私は、太古よりその所に住まう原初(はじめ)の先祖たちと義人たちとを見た。
第七一章
01 こののち、私の霊は隠されて天に昇った。(そこに)私はみ使いたちの子らが火の炎の上を歩いているのを見た。彼らの着物と衣装は白く、顔の光は水晶に似ていた。
第七二章
01 天の発光体の運行の書。それらが、種類・主従の関係・季節・名称・起源・月に関して、互いにどう関係するか(を記した書)。……
第七六章
01 地の果てに私はすべての方向に向けて開いた一二の門を見た。そこから風が出て来て地上に吹き付けるのである。
第七七章
08 私は七つの大きな島を海と陸に見た。二つは陸に、五つは大海に。
第八〇章
01 そのころウリエルは私に答えて言った。「見よ、私は君にすべてのことを見せた、エノクよ、私は君にすべてを掲示した。……
第八二章
01 さて、わが子メトセラよ、これらすべてのことを私はお前に語り、お前のために書き記し、お前にいっさいを啓示し、これらすべてに関する書物をここに授ける。わが子メトセラよ、お前の父の手ずから書かれた書き物をしかと保存し、代々引き継いでゆくのだぞ。
第八九章
01 その四人の中の一人が例の白牛のところへ行って、こっそりと何か教えを授けたが、彼はがたがた震えていた。彼は牛に生まれたのだが、(後に)人間になり、大きな箱船を造り、それに住んだが、ほかに三匹の牛がいっしょに住み、彼らの上には蓋(ふた)がかぶさった。
第九三章
13 およそ人間の中に、大地の縦横の大きさを知ることのできる者があるか。これらすべてのものの大きさが誰に明かされたというのか。
14 あるいはまた天の長さを知ることのできる人間があるか。その高さはいくらか。何の上に固定されているのか。星の数はいくつで、すべての光はどこに憩うのか。
第一〇〇章
01 そのとき、あるところで、父が子とともに刺し殺され、兄弟が隣人とともに斃(たお)れ、その血が川のように流れるであろう。
02 人はわが子、わが孫をすら平気で殺(あや)め、罪人は敬愛する自分の兄弟をすら平気で殺め、明け方から日暮れ時まで殺し合いが続くであろう。
第一〇六章
01 しばらくして私の子メトセラは、その子ラメクに嫁をとってやったが、彼女は彼によって孕(はら)み、男子を出産した。
02 彼の身体は雪のように白く、またバラの花のように赤く、頭髪、(ことに)頭のてっぺんの髪は羊毛のように白く、眼美しく、彼が眼をあけると、それは太陽のように家中をくまなく照らし、家全体がいよいよ明るくなった。
03 彼は、産婆の手を離れて立ち上がると、口を開いて義の主を賛美した。
04 父のラメクは、これに恐怖をおぼえて逃げ出し、父メトセラのところを訪ねた。
05 彼は言った。「風変わりな子が生まれました。人間には似ても似つかず、天使たちの子に似ていて、とにかくつくりが尋常でなく、私たちとは違って眼はお天道さまの傘みたいで、顔はキラキラと光っております。
06 あれは私の子ではなく、み使いが父親ではないかという気がします。あれが生きている間に、地上に何か異変があるのではないかと思うと恐(こわ)ません。
07 ところで、お父さん、私のたっての願いですから、私どものご先祖エノクを訪ねて本当のところを聞き出してきていただきたいのです。あのお方は、み使いたちとお住まいだというではありませんか」。
08 メトセラは彼の子の言葉を聞いて、地の果てにいる私のところに来た。私がそこにいるということを聞き込んだのであろう。彼が大声を出したので、わたしはその声を聞き、彼のところへ行って言った。「さあ、お前が訪ねて来たというから、こうして会ってやるのだ」。
13 私(エノク)は答えて彼(メトセラ)に言った。「主は地上に新しいことをなさろうとしておられる。それは私にははっきりわかっているし、幻でも見た。お前にも話したとおり、私の父(とお)さんのヤレデの時代に、天使の中のある者たちが主の言葉に背(そむ)いた。
14 見ろ、彼らは罪を犯し、掟に背(そむ)き、女たちと交(まじ)わり、これと一緒になって罪を犯し、その中から妻を娶(めと)って、子をもうけた。
17? 彼らは地上に、霊のものならず、肉のものである巨人を産むであろう。地上には大きな刑罰が望み、地はすべての汚れから清められるであろう。
15 大いなる滅亡が全地に臨み、大洪水が襲い、その大いなる滅亡は一年間臨むであろう。
16 お前たちのところに生まれたその子は地上に生き残り、彼の三人の子もいっしょに助かるであろう。地上の全人類が死ぬとき、彼とその子らは助かるであろう。
18 ところで、お前の息子(ラメク)には、「生まれた子は、まさしく彼の子だ」と知らせてやれ。そして、その子の名はノアとせよ。というのは、お前たちにとっては彼が生き残りとなり、彼とその子らが、彼の時代に地上にあってその絶頂に達するありとあらゆる罪と暴虐のゆえに地上に臨むであろう滅亡から救われるのだ。
第一〇八章
15 罪人たちはわめきたて、彼らが輝く様を見るであろう。
そして、彼らの(処罰の)日と時とが書き記されている場所へ立ち去るのである。
(エチオピア語エノク書おわり)

青空のホームページ
http://www.geocities.jp/rikwhi/riko/enoch_syo.htm
http://www1.ttv.ne.jp/~riko/
posted by datasea at 03:25| Comment(0) | ◉ エノク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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