2019年01月24日

rikwhi:『エノク書』についての私的考察


『エノク書』についての私的考察
はじめに
エチオピア語エノク書
スラブ語エノク書

青空のホームページ
http://www.geocities.jp/rikwhi/riko/enoch_syo.htm
http://www1.ttv.ne.jp/~riko/





はじめに
旧約聖書の外典『エノク書』は、エノク(Enoch)によって書かれたと言われる。
エノクは、ヘノクとも読まれるようであるが、彼について何人かが聖書に書かれているようだ。
(注) 戸塚のカソリック教会の神父にいただいた資料66ページによると、
<(1) カインの子。(創世記 第四章17節 後記)
(2) ……、エノクはメトセラの父である。(創世記 第五章18〜21節)>
とあるが、どうも何のことかわからない。
(注おわり)
 そこで、以下に私(黒田康太)なりに原典の文章を当たって、自分の考えでまとめてみよう。
(1) カインの子
旧約聖書『創世記』の第四章(後半)に次のような記述がある。
<【カインの子孫】
17 カインは、妻を知った。彼女は身ごもって、エノクを産んだ。カインは町を建てていたが、その町を息子の名前にちなんで、エノクと名付けた。
18 エノクには、イラドが生まれた。イラドはメフヤエルの父となり、メフヤエルはメトシャエルの父となり、メトシャエルはレメクの父となった。>
とある。
 続いて、その系列が
<19 レメクは、二人の妻をめとった。一人はアダ、もう一人はツィラ。
20 アダは、ヤバルを産んだ。ヤバルは、家畜を飼い天幕に住む者の先祖となった。
21 その弟はユバルといい、竪琴や笛を奏でる者の先祖となった。
22 ツィラもまた、トバル=カインを産んだ。彼は青銅や鉄で、種々の道具を作る者となった。トバル=カインの妹は、ナアマといった。
23 さて、レメクは妻二人に言った。「アダとツィラよ、私の声を聞け。レメクの妻たちよ、私の言葉に耳を傾けよ。私は傷の報いに男を殺し、打ち傷の報いに若者を殺す。
24 カインのための復讐が七倍なら、レメクのためには七十七倍」>
と述べられている。
(2) セトの子 
 同じく『創世記』のその後と、第五章には次のような記述がある。
<【セトの子孫】
25 再び、アダムは妻を知った。妻は男の子を産み、セトと名付けた。「カインがアベルを殺したので、神がアベルに代わる子を授けてくれた」
26 セトにも男の子が生まれた。彼は、その子をエノクと名付けた。人々が神の名を呼び始めたのは、この時代からである。
第五章
【大洪水以前】
01 アダムの系図は次のとおり。神は人を創造したときに、神に似せて人を造った。
02 男と女を創造した。創造の日に、彼らを祝福して、人と名付けた。
03 アダムは百三十歳になったとき、自分に似た男の子をもうけた。アダムは、その子をセトと名付けた。
04 アダムは、セトが生まれた後八百年生きて、息子や娘をもうけた。
:05 アダムは九百三十年生き、そして死んだ。
06 セトは百五歳になったとき、エノクをもうけた。
07 セトは、エノクが生まれた後八百七年生きて、息子や娘をもうけた。
08 セトは九百十二年生き、そして死んだ。
09 エノクは九十歳になったとき、ケナンをもうけた。
10 エノクは、ケナンが生まれた後八百十五年生きて、息子や娘をもうけた。
11 エノクは九百五年生き、そして死んだ。
12 ケナンは七十歳になったとき、マハラルエルをもうけた。
13 ケナンは、マハラルエルが生まれた後八百四十年生きて、息子や娘をもうけた。
14 ケナンは九百十年生き、そして死んだ。
15 マハラルエルは六十五歳になったとき、エレドをもうけた。
16 マハラルエルは、エレドが生まれた後八百三十年生きて、息子や娘をもうけた。
17 マハラルエルは八百九十五年生き、そして死んだ。
18 エレドは百六十二歳になったとき、エノクをもうけた。
19 エレドは、エノクが生まれた後八百年生きて、息子や娘をもうけた。
20 エレドは九百六十二年生き、そして死んだ。
21 エノクは六十五歳になったとき、メトセラをもうけた。
22 エノクは、メトセラが生まれた後、三百年神と共に歩み、息子や娘をもうけた。
23 エノクは三百六十五年生きた。
24 エノクは神と共に歩み、神が取られたのでいなくなった。
25 メトセラは百八十七歳になったとき、レメクをもうけた。
:26 メトセラは、レメクが生まれた後七百八十二年生きて、息子や娘をもうけた。
27 メトセラは九百六十九年生き、そして死んだ。
28 レメクは百八十二歳になったとき、男の子をもうけた。
29 彼は「神の呪いを受けた大地で働く私たちの手の苦労を、この子は慰めてくれるであろう」と言って、その子をノア(=慰め)と名付けた。
30 レメクは、ノアが生まれた後五百九十五年生きて、息子や娘をもうけた。
31 レメクは七百七十七年生き、そして死んだ。
:32 ノアは五百歳になったとき、セム・ハム・ヤヘトをもうけた。>
とある。
つまり、どうやら(1)と(2)のエノクは違う人物ではないだろうか。
エノクという言葉自体は「従う者」という意味である。
なお、コーランの記述ではエノクが預言者イドリスとなっている。
新約聖書にもエノクの記述はある。
例えば、『ルカによる福音書』の第三章37節に
<【イエスの系図】
23 イエス自身は、教え始めたときおよそ三十歳。人々は、イエスをヨセフの子と思った。そして、ヨセフはヘリの子。
24 さかのぼって、マタトの子、レビの子、メルキの子、ヤナイの子、ヨセフの子。
25 マタティアの子、アモスの子、ナウムの子、エスリの子、ナガイの子。
26 マアトの子、マタティアの子、セメインの子、ヨセフの子、ユダの子。
27 ヨハナンの子、レサの子、ゼルバベルの子、シャルティエルの子、ネリの子。
28 メルキの子、アディの子、コサムの子、エルモダムの子、エルの子。
29 ヨサの子、エリエゼルの子、ヨリムの子、マタトの子、レビの子。
30 シメオンの子、ユダの子、ヨセフの子、ヨナンの子、エリアキムの子。
31 メレアの子、メナンの子、マタタの子、ナタンの子、ダビデの子。
32 エッサイの子、オベドの子、ボアズの子、サルモンの子、ナフションの子。
33 アミナダブの子、アラムの子、ヨラムの子、ヘツロンの子、ペレツの子、ユダの子。
34 ヤコブの子、イサクの子、アブラハムの子、テラの子、ナホルの子。
35 セルグの子、レウの子、ペレグの子、エベルの子、シェラの子。
36 カイナンの子、アルパクシャドの子、セムの子、ノアの子、レメクの子。
37 メトセラの子、エノクの子、ヤレドの子、マハラルエルの子、カイナンの子。
38 エノスの子、セツの子、アダムの子、そして神の子であった。>
とある。
このエノクに関する文章を読むと、私は不思議な気持ちになる。
まず、彼以外にも書かれた人物が長生きであったということ。
<11 エノクは950年生き、そして死んだ。>
という記述もあるが、別な箇所ではエノクが「死んだ」のではなく、
<24 エノクは神と共に歩み、神が取られたのでいなくなった。>
と書かれていることだ。
つまり、エノクは生きたまま天に昇ったであろうような書き方をしていることである。
一説には、大天使メタトロンとなったとも言う。
素っ気なく単に「死んだ」となっていない箇所は、それなりに意味があるのであろう。
例えば、イエスについて下記の場合もそういう箇所がある。
「ルカによる文書(二)」(Actus Apostolorum・使徒行伝・聖霊の福音書)の第一章の最初、
<【冒頭の言葉】
01 尊敬するテオフィロ閣下、私は最初の『文書(一)』で、イエスが行ない、教え始めたすべての事柄について、
02 ご自分が選んだ使徒たちに聖霊によって命令を与えたのち、迎え上げられた日までのことを書き記しました。>
という箇所である。
ここでも、「死んだ」ではなく「迎え上げられた」とある記述です。
その表現は、受け身のようにも取れるし、尊敬語のようでもあります。
受け身の場合は、「神によって」迎え上げられたことになるでしょう。
また、イエスご自身のことであれば「迎え上げられなさった」という尊敬の記述かもしれません。
私は、ギリシャ語もわかりませんし、ましてヘブライ語などはまったく知りません。
したがって、和訳された資料から推測をするので、間違っているかもしれません。
この『エノク書』は、初期キリスト教で聖書の一部と信じられていたようです。
エチオピア正教では、現在もエチオピア語エノク書を教典としています。

青空のホームページ
http://www.geocities.jp/rikwhi/riko/enoch_syo.htm
http://www1.ttv.ne.jp/~riko/




『エノク書』について
2013.12.27
『エノク書』は2000年以上も前に、書かれた文書。
もしかしたら、無名の著者が箔をつけるために、エノクの名前を用いたのかもしれない。
私は、『エノク書』について研究をしているが、ここにも概略をメモしておこう。
(1) エノクが天国に案内され、ウリエル、ラファエル、ミカエル、ガブリエルを紹介される。
そして、天国のあちこちを巡って、宇宙の秘密を知る。
(2) エノクが天国に召されるまでが具体的に描写されている。
エノクが恐怖に襲われると、
「神からの使いであるから安心しなさい。」
と告げられる。七つの天国を案内され、その七番目を超えるとさらに神聖な三つの天国があった。
(3) エノクは神の前で、
「宇宙の原理」
「天地の創造」
「人類の堕落」
などを学んだ。
それらを息子たちや人々に伝えるために、三十日間地上に戻った。
そして、それが終わると神はエノクを連れ戻し、メタトロンに変えたという。

青空のホームページ
http://www.geocities.jp/rikwhi/riko/bun_anritu/kami_gainen.html
posted by datasea at 03:24| Comment(0) | ◉ エノク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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