2013年12月26日

予知情報:ダニエル書

紀元前963年にソロモン神殿が完成したのち、しばらくたって紀元前586年に、ソロモン神殿はバビロン軍によって破壊されました。その後紀元前536年に、バビロンからユダヤ人の第一次帰還民が、エルサレムにやって来ます。さらに516年には、神殿も再建されました。この再建された神殿が、ゼルバベル神殿です。さて紀元前167年になって、エルサレムは、"約3年半にわたって"異邦人によって踏み荒らされました。アンティオコス4世・エピファネスが、神殿に土足で踏み入り、そこに偶像を設置したのです。これが、ダニエル書一一・三一で言われている「荒らす憎むべきもの」(荒らす忌むべきもの)です。エピファネスは、「常供のささげ物を取り除き」(ダニ一一・三一)、神殿を遊興と淫乱の場所としました。その後、ユダヤ人の間にマッカビーのユダという人物が現われ、神殿をユダヤ人の手に取り戻し、回復しました。神殿は清められ、祭儀は再開されました。そのすぐ後、エピファネスは、陣中で急死します。紀元前一六三年春のことでした(『新聖書大辞典』キリスト新聞社発行 アンティオコスの項)。じつは、エピファネスがエルサレムを占領したのは、紀元前一六七年秋のことでした(一マカ一・三八、二マカ六・一)。したがって、エピファネスによるエルサレム占領からエピファネスの死までの期間は、約三年半でした。
 この三年半−−すなわち半週は、私たちが予型としてみた最初の六九週半に続く、最後の半週です。
エピファネスは、約3年半(半週)にわたって神殿を踏み荒らした。
69週半ののち、しばらくの不定期の期間を隔てて、半週の神殿陵辱期間がありました。こうして、合計七〇週になります。これが予型時代における"七〇週"ですが、さらに私たちは、アンティオコス4世・エピファネスの名前の数字が「666」であったということにも、注意を払うべきでしょう。彼の略名として用いられたA・4・エピファネスをギリシャ語で表記し、そのギリシャ語アルファベットに対応する数字をすべて足すと、666になるのです。(ギリシャ語やヘブル語は、各アルファベットが数字代わりに使用されます。詳細は、本誌三三号三〇ページ参照。なお、ローマ皇帝ネロが六六六であるという意見もありますが、彼は六六六になりません。 「皇帝ネロ」を666にするためには、その名をまずラテン語で表し、それをギリシャ語形に直し、それをヘブル語の文字で書くという手の込んだ操作をした上、さらに「ネロン・カイサル」と言うべきところを、「イ」に相当する文字を省略しなければならないのです。ですから、「皇帝ネロ」は666にならない、と言うべきです。)
 つぎに、「70週の預言」で言われた期間について見てみましょう。これも、予型の"七〇週"と同様の過程を経て、完結するでしょう。
 すなわち、幾つかの対応する出来事と、不定期の期間を経て、預言の「七〇週」は、終末の時代の来たるべき最後の"半週"をもって完結するのです。それを見てみましょう。
 キリストの死後しばらくして、紀元七〇年に、ローマ軍はエルサレムにあったヘロデ神殿を破壊しました。これは、予型時代における"ソロモン神殿滅"に対応するものです。七〇週の預言−−ダニエル書九章二六節を、見てみましょう。
 「その六二週の後に、メシヤは断たれるでしょう。ただし、自分のためではありません。また来たるべき君の民は、町と聖所とを滅ぼすでしょう。その終わりは、洪水のように臨むでしょう。そしてその終わりまで戦争が続き、荒廃は定められています」。
メシヤが人々のために死なれたあと、しばらくして、「来たるべき君の民」は、エルサレムの町と聖所(神殿)を滅ぼす、と言われています。これが、紀元七〇年に起こったことです。
 「来たるべき君」は、ローマ帝国の王をさします。ローマはエルサレムの町と、神殿(ヘロデ神殿)とを完全に破壊しました。その終わりは、じつに「洪水のように臨み」ました。ローマ軍の攻撃は「終わりまで続き」、あのマサダの砦でユダヤ人が壮絶な最期を遂げるまで、戦闘が繰り広げられたのです。
エルサレム壊滅後、生き残ったユダヤ人は、マサダの砦で戦い、そこで壮絶な最後を遂げた。
つぎに、20世紀の1948年になって、ユダヤ人は全世界よりの帰還を果たし、パレスチナにイスラエル共和国を建国しました。これは、予型時代における"バビロンよりのユダヤ人帰還"に対応するものです。ここまでは、今までに起こった出来事です。つぎに、時代は将来に入ります。レムナント先月号で述べたように、近い将来、エルサレムにユダヤ教の神殿が再建されるでしょう。それは「第三神殿」と呼ばれています。これは、予型時代における"ゼルバベル神殿建設"に対応するものです。そして次に、これら不定期の期間を経て、やがて第三神殿が"三年半にわたって"踏み荒らされる期間が、やって来ます。
 「獣」と象徴的に呼ばれる世界的独裁者が、3年半にわたって活動し、エルサレムと神殿とを踏み荒らすのです。このことは、『ヨハネ黙示録』でも預言されています。
 「この獣は、傲慢なことを言い、けがしごとを言う口を与えられ、42か月活動する権威を与えられた」(黙示一三・五)。
 「獣」(独裁者)は、サタンに権威を与えられ(黙示一三・四)、42か月、すなわち3年半の間活動するのです。
 「獣」の数字は「666」だ、と言われています(黙示一三・一八)。彼はじつに、エピファネスの再来的人物なのです(黙示一七・八)。
 「獣」はまた、"復興ローマ帝国の君主"と見られるでしょう。ここで深く解説はしませんが、ダニエル書は、終末の時代にローマ帝国が"復興ローマ帝国"として復活する、と述べているのです(ダニ七・二三〜二七)。その王が、「獣」です。
 あのヒトラーが建設しようとした「ドイツ第三帝国」は、ローマ帝国を復興させようとした試みであったことは、よく知られています。ヒトラーはそれに失敗しましたが、終末の「獣」は、ローマ帝国の強権を復興させるでしょう。
 獣は、「神の宮(神殿)の中に座を設け、自分こそ神であると宣言します」(二テサ二・四)。彼は、かつてエピファネスがしたように、第三神殿に「荒らす憎むべきもの」を設置するのです。
荒らす憎むべきものは二度立つ
 「70週の預言」最終節を見てみましょう。
 「彼は、一週のあいだ多くの者と、堅く契約を結ぶでしょう。そして彼はその週の半ばに、犠牲と供え物とを廃するでしょう。また荒らす者が憎むべき者の翼に乗って来るでしょう。こうしてついにその定まった終わりが、その荒らす者の上に注がれるのです」。
 「彼」は、前節(26節)にあるエルサレムを破壊する「来たるべき君」をさしています。つまりローマ帝国の王です。
 しかし、それはまた、復興ローマ帝国の王でもあります。「彼」は、終末の時代においては、「獣」と象徴的に呼ばれる人物として現われるのです。
 彼−−獣は、多くの者と「堅い契約」を結びます。すなわち、人々を「巧言をもって堕落させ」(ダニ一一・三二)、信仰を捨てた者たちや彼につく人々を、「重く取り立てる」(同一一・三〇)のです。
 また獣は、3年半にわたって第三神殿を踏み荒らし、神殿の「犠牲と供え物とを廃する」でしょう。彼は最後の一週の「週の半ばに犠牲と供え物を廃する」−−すなわち最後の半週のあいだ、神殿を踏み荒らすのです。
 しかし、口語訳の次の言葉−−「荒らす者が憎むべき者の翼に乗って来るでしょう」は、あまり翻訳が良くないようです。この箇所に関してはむしろ、新改訳のように、
 「荒らす忌むべきものが、翼に現われる」
 の方が良いでしょう。この「翼」は、70人訳聖書(旧約聖書の古代ギリシャ語訳)で「神殿」と訳されていることからもわかるように、神殿を表しています。
 つまり、「荒らす忌むべきもの」すなわち「荒らす憎むべきもの」が神殿に現われる、という意味なのです。これは、獣が第三神殿を踏み荒らし、そこで自分を神と宣言し、自分の偶像を設置することを言っています。そのあと、「定まった怒りが、その荒らす者の上に注がれ」ます。神の怒りがあらわされ、キリストが再来して、その力強い御手をもって獣を滅ぼされるのです。これが、いわゆる「ハルマゲドンの戦い」です(黙示一六・一六、一九・一九〜二一)。
 このように、不定期の期間を隔てて世の終末の時代になって、最後の半週の時があります。獣によって「荒らす憎むべきもの」が神殿に立てられる三年半の時があるのです。
70週の預言は、こうして完結します。キリストの死までの69週半と、終末の時代の半週とで合計70週となり、預言された時代の出来事は完結するのです。
久保有政著(レムナント1994年4月号より)

レムナント
http://www2.biglobe.ne.jp/~remnant/025iesunogo.htm



posted by datasea at 20:36| Comment(0) | ◉ ダニエル書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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