2011年11月19日

地球寒冷化とTPP

縮小する可能性のあるグローバル経済とサバイバル
一方日本では、「グローバル化の波に乗ることが日本経済を成長させる」とTPPの支持者は主張する。
しかし現実はこれとは正反対の方向に向かう可能性の方が高い。これからグローバル経済は下手をすると縮小する方向に向かうので、そのため各国は、サバイバルのための戦略を立てることが極めて重要になってくる。TPPとは、これから厳しくなる世界経済の環境で生き残るための、アメリカの重要なサバイバル戦略であると見ることができるのだ。
2014年ころから始まる地球の寒冷化
グローバル経済を縮小させるひとつの要因となり得るのは、2014年前後から始まるとされる地球の寒冷化である。すでにNASAの太陽科学者は、現在の周期のサイクル24での太陽活動は極めて弱く、太陽表面の磁場もどんどん弱くなっているため、2014年から15年にかけては、太陽の表面から黒点がまったく消失する無黒点期に入ると予測している。無黒点期と弱い太陽活動という特徴は、1645年から1715年まで続いた「マウンダー小氷河期」か、18世紀の終わりから19世紀の初めの「ダルトン小氷河期」突入する直前の太陽の状況とよく似ているとしている。
熱塩循環の停止と寒冷化
さらに、地球の寒冷化を引き起こしている原因は太陽活動の弱まりだけではない。熱塩循環という深層海流の停止による世界的な気候変動も寒冷化の原因となる。これは2003年に国防総省が当時のブッシュ政権に提出した「ペンタゴンレポート」に詳しく書かれている。大分以前のメルマガの記事から引用する。
2003年10月のペンタゴンレポート
この報告書の主筆は、著名な未来学者のピーター・シュワルツである。シュワルツは未来予測で有名な研究機関、「ロングナウファウンデーション」の創設者である。以下が報告書の要約である。
過去に何度もあった寒冷化
地球の歴史で寒冷化は珍しいことではない。過去、73万年の間に寒冷化の期間は8回あった。もっとも近い時期では12700年前のヤンガー・ドレイヤス期と呼ばれる1000年間続いた寒冷期、8200年前に発生し、100年間続いた小氷河期、そして1300年から1850年まで続いたゆるやかな寒冷期の3つである。このうち、1300年から1850年の寒冷期は気温の低下が比較的にゆるやかだったのに対し、8200年前の小氷河期は急激に気温が低下した激烈な寒冷化の時期であった。
寒冷化の原因、温暖化と熱塩循環の崩壊
考古学的な記録から、これらのどの時期にも温暖化が先行して起こっていることは分かっている。これは、温暖化が次の時期の寒冷化の引き金になっているからである。それは、世界的に天候を維持するシステムである熱塩循環が温暖化によって崩壊するからである。
熱塩循環
世界の気候は熱塩循環という海流の循環によって維持されている。メキシコ湾海流のような海の浅いところを流れる海流は北極で深く沈み込み、北大西洋深層水となる。この深層水は数百メートルの深さで海流を形成し、1200年かかって北東太平洋で表層に再度出て来る。海流の移動は、熱やガス、そしてあらゆる溶解物質を運ぶ。これは地球の大気に影響し、気象のパターンにも影響する。
地球の温暖化と熱塩循環の停止
ところで、地球の温暖化が進むと水循環が活発となり、さらに温暖化が進む。水循環とは、海水が蒸発して雲になり、そして雨となって海水になり、また蒸発するという循環である。これが活発になると、いっそう多くの水蒸気が蒸発して雲が厚くなるため、地上の熱が上空に逃げにくくなる。このため温暖化が進行するが、それが原因でさらに多くの水蒸気が蒸発し、温暖化が加速する。他方、温暖化の加速と降雨量の増加で、地表の氷河や万年雪が大量に溶け出し海へと流れ込む。これにより海水面が上昇すると同時に、海水の塩分濃度が低下する。海水の塩分濃度の低下があるレベルに到達すると、世界の気候を維持していた熱塩循環が停止し、気象変動の引き金となる。
過去3回の寒冷化は、温暖化を引き金とした熱塩循環の停止が原因で起こったことが分かっている。地球の温暖化は60年間続いている。温暖化はそろそろピークに達し、過去同様今回も熱塩循環の停止から寒冷化の時期に入ることが予想される。そしてそれは、8200年前に起こった急激な寒冷化に近い状態となると思われる。
温暖化のピークは2010年だろうと思われる。それ以降毎年寒冷化は進行し2020年には世界の平均気温は3.6度ほど低下するにいたる。
2010年から2020年までの変化
この時期には以下のような変化が予想される。
・熱塩循環の停止で暖かいメキシコ湾流はヨーロッパまで到達しなくなる。このため北ヨーロッパや北西ヨーロッパの平均気温は低下する。この地域では砂漠化が進行し、2020年頃にはシベリアのような状態になる。平均気温は3.3度低下する。
・ヨーロッパや北アメリカで干ばつが頻繁に起こり、食糧不足が深刻になる。
・アジアと北アメリカの地域では平均気温は2.7度低下する。
・オーストラリア、南アメリカ、南アフリカなどの南半球では平均気温は逆に2.7度上昇する。
・冬には強烈な嵐と風に見舞われるようになる。特に西ヨーロッパと北太平洋は西からの強風に襲われる。
このような深刻な気象の変化により、干ばつや天候異変で耕作地は縮小し、また水源地も失われることから、2020年前後には世界的な規模で水、食糧、エネルギー、資源の不足が発生する。これらの不足のため、国家間の関係は緊張し、国家相互の争奪戦が発生する。
以上である。
アメリカのサバイバル戦略としてのTPP
これを見ると、太陽活動の弱まりと熱塩循環の停止という2つの異なった原因が引き金となり、これから地球は寒冷化の時期に入る。この時期には、限られた農産物や資源を各国が奪い合う状況になる可能性が出てくる。こうなると、グローバル経済に依存すればなんでも手に入るという状況ではなくなる。どの国も、エネルギー、食料、資源の3つを確実に確保するための国家的な戦略がとても重要になるはずだ。TPPをこのような視点で見ると、TPPで新しく出現する自由貿易の経済圏は、これから始まる可能性があるグローバル経済の縮小期と、農産物と資源、そしてエネルギーの争奪戦でアメリカが生き残るためのサバイバル圏である可能性がある。上記の「ペンタゴンレポート」は、当時の国防総省が安全保障上必要になる準備をブッシュ政権に提案したものだが、この報告書の警告は現在のオバマ政権で生きているのかもしれない。

ヤスの備忘録 歴史と予言のあいだ
http://ytaka2011.blog105.fc2.com/?mode=m&no=227



posted by datasea at 21:53| Comment(0) | // 政治アナリスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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