2011年06月04日

アメリカのデフォルトの可能性


すでにネットで多くの情報が出回っており、またメルマガでも詳しく解説したので、要点だけ簡単に説明する。
巨額な財政赤字からアメリカがいつかデフォルトするのではないかといううわさは絶えず存在した。だが、そうした懸念がうわさのレベルを越えたことはなく、アメリカのデフォルトが現実のものとなることはなかった。
国債発行の上限
連邦政府には、議会が設定した国債発行額の上限が存在する。今回の上限は14.2兆ドルである。
この上限を越えて国債を発行することはできないため、上限に到達した段階でアメリカはデフォルトすることになる。
しかし、連邦政府はこれまで何度も上限を突破したものの、議会はその都度法案を改正し上限を引き上げたので、実際に上限に到達し国債の発行が不可能になるなどということはなかった。上下両院の民主、共和両党は、デフォルトの危険性について認識は共有していたので、上限の引き上げで紛糾することはなかった。
リバタリアンとキリスト教原理主義
しかし、昨年の11月に実施された中間選挙で共和党右派のティーパーティー運動の候補者が多数当選を果たし、下院議員や上院議員、そして州知事になった。
ティーパーティー運動の中核は、18世紀の自立した自給自足的な共同体を理想として考え、自分たちの生活圏に対する連邦政府の一切の介入を排除するリバタリアン(自由至上主義者)と、聖書を字句通りに解釈し、ハルマゲドンによる神の降臨を信じるキリスト教原理主義者の団体である。キリスト教原理主義者は、聖書に少しでも反する連邦政府の政策をすべて拒絶する。
このような集団は、現在の大きな連邦政府の存在そのものを悪として考えており、連邦政府の破産は、これを小さな政府に置き換える絶好の機会になるので、むしろ好都合なことと考えている。
したがって、ティーパーティー運動出身の議員が、大きな政府の延命につながる国債発行の上限引き上げに同意するとはいまところ考えにくい。
5月16日の財務省の声明
そのようななか、5月16日、ガイトナー財務長官は声明を出し、連邦政府の借金が14.2兆ドルの上限に到達してしまったことを明らかにした。
もちろんアメリカは、これですぐにデフォルトするわけではない。8月2日までは、連邦政府職員の年金基金を使い、国債の償還に応じる(過去の国債の返済)にとしている。
8月2日がぎりぎりの期限になる。もしこの日までに上限を引き上げる法案が妥結しなければ、アメリカがデフォルトする危機はいっそう高まることになる。

ヤスの備忘録
http://ytaka2011.blog105.fc2.com/



posted by datasea at 00:08| Comment(0) | $ 経済アナリスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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