2019年10月07日

George Fleedman: 2020年以降の中国はどうなるか

George Fleedman: 2020年以降の中国はどうなるか
2020年以降の中国
■構造的問題
日本は数十年に及ぶ低成長を受け入れることで問題を解決した。日本人は社会不安を起こさずにこれを断交できるだけの政治的社会的自立があった。東アジア諸国の対応は二手に分かれた。韓国や台湾などは,痛みを伴う措置を講じた結果前にも増して経済を強化した。こういう国もあるがこれは厳しい措置を強制できる強力な政府を持つ国にしかできないことであった。インドネシアのようにまだ立ち直っていない国もある。
中国にとっての問題は政治的な問題である。中国を一つに結びつけているものはイデオロギーではなくて金だ。景気が悪化し資金の流入が止まれば,銀行システムが収縮するだけではなく中国社会の骨組み全体が揺らぐだろう。
中国では忠誠は金で買うか強制するものである。金がないなら強制するしかない。景気低迷期には企業倒産や失業が多発するために一般の社会不安が起きる。貧困が広く存在し失業が蔓延する国に,景気悪化の圧力が加われば政治不安に繋がる。
中国政府がよりどころにしている柱は2本ある。
一本目の柱は国家を運営する巨大な官僚機構であって,もう一本の柱は国家と共産党の意思を実行する軍事安全保障機構である。三本目の柱ー共産党のイデオロギー的心情は過去のものになってしまった。平等主義・無私無欲・人民への奉仕は今も教えとかれてはいるが信じる人も実施実践する人もいない廃れた価値観である 。
■中国の歩みうる3つの道筋
中国の歩む道筋として次の三つが考えられる。
第一の道はいつまでも驚異的なペースで成長し続けるというものである。しかしかつてこれを成し得た国はないし中国が例外になるとも思えない。
30年間続いた驚異的な成長は中国経済に莫大な不均衡と非効率をもたらしており,それは必ずや是正されなくてはならない。いつか中国もアジア諸国が経験したような痛みに満ちた調整を強いられるであろう。
ありえるシナリオの二つ目が中国の再中央集権化である。景気低迷をきっかけに相反する諸勢力が台頭するも,強力な中央政府が秩序を打ち立てて 地方の裁量を狭めることによってこれを押さえ込む。
このシナリオの方が実現する可能性が高いが,中央政府の出先機関の役人が集権化と対立する利害を保つために成功させるのは難しい。政府は規則を適用する上で役人の協力を当てにできるとは限らない。政府が国内の統一を保つために使える手段は国家主義しかない。
第三の可能性は景気悪化をもたらす歪みによって中国の伝統的な地方の境界線に沿って分裂するうちに中央政府が弱体して力を失うというものである。これは中国にはいつの時代にも現実性のたかいシナリオであって,富裕階級と外国資本に利益をもたらすシナリオでもある。
これが実現すれば中国は毛沢東時代以前と同じ状態に落ち,地域間の競争や紛争がおきる中,中央政府は必死に支配を維持しようとするだろう。
中国経済がいつか必ず調整局面に入ること。そしてどの国でもそうであるが,これが深刻な緊張をもたらすことを踏まえればこの第3のシナリオが中国の実情と歴史に最も適していると言える 。
■古い悪夢が現実になる
高齢化・人口減少問題に局面する日本はしかし2020年頃になれば中国に協力者を得て自らに有利な条件で投資を推進しているはずである。
沿岸地方は日本からの投資を奪い合って中央政府の圧力や国家主義的イデオロギーに抵抗する。
内陸部は日本企業の進出に恩恵を受けることはないかもしれないが,沿岸部の企業や地方政府は大いに利益を得るだろう。日本企業は内陸部の要求を叶えるために必要な犠牲を払いたがらない沿岸都市の中から巨額の投資を餌に協力者を集める。このようにして沿岸地域の いくつかが日本と協力関係を結んで中国政府の権力に対抗するであろう。
日本が注ぎ込む莫大な資金が中国の共産党そのものの急速な分裂を引き起こして沿岸都市に対する中央政府の統制力を弱める。
人口問題の重圧にさらされながらも大規模な移民を受け入れることができない日本のような国は問題の解決策を中国に求めるようになる。しかし残念ながらタイミングは良くない。この頃中国政府は経済の大低迷を受けてますます強引になって国家主義的傾向を強めている。しかし中央政府そのものも金の腐敗作用によって弱体化しているはずである。
中国は表向きは統一を維持しているが権力は地方に分散していく。2020年の中国にとって ,現時点できわめて可能性の高いシナリオは,古い悪夢が現実になることである。相克する地方の指導者たちはこの状況を利用して自らに有利な経済ルールを設定できる。地域を確保しようとする外国人資本,そして国内統一を維持しようとするが徒労に終わる中国政府の間で国が分裂するというシナリオである。
第2の可能性が新毛沢東主義の台頭である。つまり経済発展を犠牲にした集権化である。
そして例によって最も可能性が低いのは現在の状況がいつまでも続くというシナリオである。
すべてを考え合わせるとこういうことになる。中国が今後20年の間に地政学的断層線になることはない。中国の地理的条件を考える場合,中国が断層線になる可能性は低いし,この地理的限界を克服するためには10年以上の年月をかけて軍事力を増強しなければならない。
中国の経済と社会の歪みは政府がまともに対処できる水準をはるかに超えた問題をもたらしており,政府には思い切った外交政策をとる余地がほとんどなくなる。中国は外部の強敵と関わる限り,相手に対して力を誇示するどころか侵略から身を守らなくてはならない状況に陥るだろう 。
ーGeorge Fleedman,100年予測,ハヤカワ文庫,2014,

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「夢の民」セノイ族〜夢をコントロールして現実に生かす

「夢の民」セノイ族〜夢をコントロールして現実に生かす
■夢と意識的に付き合う
「ジキル博士とハイド氏」で有名な作家スティーブンソンは夢を意識的にコントロールして創作活動のヒントを得ていたという。
このように夢と意識的に付き合うという行為はずっと昔からあった。どちらかというと現代的生活をしている民族よりも,昔の生活習慣や伝統を守り続けているような民族の間で夢は重要視されているようである。
アメリカ・インディアンのチペア族は物心つくかつかない頃から昨夜に見た夢を絶対に忘れないように仕込まれる。親たちも子供の夢が中断されたりしないように神経を配るのである。彼らは夢見で重要な知識を授けてもらえるという。だからその能力を身につけていることは一生を左右する重要な訓練なのである。
「夢の民」として有名なのがマレー半島のセノイ族である。彼らは未開の生活をしているが夢見の技術はかなり洗練されたものを持っているという。チペア族は耳から知恵を授かるという一歩通行の関係であったが,セノイ族の人々は夢を自分でコントロールする。悪い夢を見てもそれを良い方向に軌道修正するという極めて能動的な夢見テクニックである 。
幸いなことにステュワートという文化人類学者はこのセノイ族に興味を持ち調査したので,彼らの生活の一環をうかがい知ることができる 。
■夢を生かすセノイ族
日本の朝は一昔前までは家族揃ってご飯と味噌汁と相場が決まっていた。今は食べるものはパンあり,ご飯あり,食べない場合もある。出掛けるのだってバラバラだったりする。
セノイ族の朝は昨夜の夢報告で始まる 。夢を族全員で話し合うのである。 若い者は年長者の的確な分析とアドバイスを受けて徐々に夢見の力を上達させていくわけである。 夢見テクニックは二つ。
夢の解釈と夢の表現
である。
夢の解釈は心理学の分野で馴染み深い夢判断である。 夢から心理を分析するのである。まずこの夢解釈を的確に身につけることが基本である。これができないとどう対処すべきか判断を誤ってしまう。夢表現が一緒の共同的興奮状態を作り出すといった能力らしい。
例えばポーターを頼まれたセノイ族の男達が荷物があまりに重くて辛いので,夢見で軽くなる方法をみた。単なる歌と簡単な踊りであったが,それを皆でするとその前までいかにも苦しそうだった彼らが,本当に軽々と歩き出したという。これは一種の共同恍惚状態の良い例と言える。それぞれが100%信じていればこのような共同幻想はいとも簡単に行える 。
セノイ族の典型的な 夢見のケースを紹介しよう。 ある日族の一家の息子は,友達が虎に待ち伏せされて襲われるという夢を見た。
父親に夢のことを話してすぐ知らせるべきかと尋ねると父親は
「その前に夢の風景がどこで,時間がいつ頃かをはっきりさせて,友達がどうしたら殺されずに済むかをよく考えていてから報告しなさい」
というアドバイスを授けた。息子はそれを自分考えてから報告しにいき,友達の家に行って感謝された。
これは予知夢の一種であろうか?しかし危険を回避する方法まで分かるとしたら結局その夢で見た危険は実際には生じていないのだから予知とは言えないのではないかという考え方もできるが 。。しかしそれでは説明できないような不思議な一致を見るケースもあるのである。
セノイ族の成人の条件は夢判断が的確にできるか否かである。特に家長の男は絶対に力を身につけていなければならない。夢見が一人前でないと一生家庭が持てないことになる。
一族には称号は「トート」の一つしかない。
これはもちろん夢見の能力が特に高い者に与えられる名誉ある称号である。部族全体の運営はトートたちの集団である「ハクラス」によって行われている。選りすぐりの腕の持ち主ということになるわけである。
不思議なことにセノイ族では内紛が一切おきたことがないという。また周辺地域に住む過激で凶暴な性格を持つ種族も何故か彼らだけは おそわない。
これもまた夢見のおかげだとセノイ族の人たちは皆当たり前のように思っている。文化的生活をしている我々よりも彼らはずっと豊かな生活をしているのかもしれない
ー謎の超古代史,トライラテラル研究会,廣済堂文庫,

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posted by datasea at 01:26| Comment(0) | ◯ 夢日記2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする