2019年03月14日

海洋奇譚: 6年前に遭難した船

海洋奇譚:6年前に遭難した船
ロビンソンは貨物船コスロウ号に航海士として乗り込んだことを後悔し始めていた。
この船はインドの沿岸貿易の仕事であった。
彼の後悔の原因は何だったのか。
ロビンソンにもこの船で感じている不安がどこから起こってくるのかはっきりはしなかった。
エンジンも状態は良かったし,乗員も資格のある船乗りで編成されているわけではないが,自分の仕事はよく理解しているように思えた。
それなのにロビンソンはこの船を信頼できなかった。
多分船長のせいであろう。全長は風変わりな男で,口数も少なくて,感情を自分の中で押し込めているような感じで,表情を変えることない人であった。
命令する時もぶっきらぼうで,手短な言い方をして,突然行動で示しながら言いつけるのであった。
航海士たちとも仕事上の話しかしなかった。
1936年12月22日,ロビンソンは真夜中の当直であった。その時間には,空は晴れていた。
ロビンソンは時々舵に近づいて,船首の方向を確かめては,ブリッジの角で見張りを続けていた。
午前1時を少し回ったころ,ロビンソンは船とセイロンの東海岸の間に1つ弱い光が見えたように思った。
双眼鏡を当ててゆっくりと水平線を追うようにしてその灯の見えた方向へ視界をはしらせていた。
11キロ先だと見当をつけてから何の光なのか確かめようとした。
灯台だろうか,海図ではこの海域には灯台はなかった。
船の灯なのだろう,それにしても遠くでやっと見える位であった。
30分ほど過ぎた,
ロビンソンはずっとその光を見つめていた。
その光が船から出ているとすればその風にはとてもゆっくりと走っているはずであった。
なぜなら,その光は今やコスロウ号の後ろの方になってしまっていた。
ロビンソンはもうその光に注意を向けるのはやめた。
光は次第に消えかかっていた。当直の仕事はまた単調なものになった。
午後5時。
船長がブリッジに登ってきた。少し怖いような気持ちでロビンソンは船長を見つめた。
「エンジンを全部止めろ」。
船長が言った。
ロビンソンはまさかと思った。
しかしあの口数の少ないあの船長がそう命令しているのである。
透視能力を持っているのだろうか。
海の真っ只中でエンジンを全部止めるとは一体どういうことなのだろうか。
ロビンソンは命令を実行するのをためらって船長を見つめていた。
船長は待ちきれずに急いで機械室に行って,装置を動かした。
そして指示標を停止の位置に固定した。
エンジンの回転が止まった。
硬直の男たちは唖然として,不安そうに顔を見合わせていた。
コスロウ号は流れに乗って動いていたが,突然動かなくなった。
すると全く動かずにいる事,周りの静けさなどが船員たちに何か得体の知れない怖さ・不安を感じさせ始めた。
船長は不意にブリッジの中央に走りよって舵の近くに行って汽笛を鳴らす装置をひいた。
装置が作動して,汽笛が長く鳴り響いた。もう一度汽笛が鳴り響いた。
なるような汽笛が消えて静けさが海にのしかかるようにして戻りかけた時であった。答えるように別の船の汽笛が響いてきた。
うなるように響く汽笛は霧の中で反響して広がって,どの方向で鳴らしているのかはっきりしなかった。
船長はさらにコスロウ号の汽笛を鳴らして,二隻の目の見えない船は霧の中で話し合うかのように呼びかけを交わした。
2隻の船の汽笛による対応はしばらくの間続いた。少なくとも皆がそう思った。
向こうの方には見えずに右のほうに,あるいは左のほうにいるように思われた。
ロビンソンは船長の様子を見つめていた。
船長はじっとしたまま,きっとした顔つきで何かを待っているように見えた。
「あそこだ」。
大声を出したのは水夫であった。
塊のようなその際一,身体の各部は避けることができなかった。
傷つき傷つけられて, 一部がもぎとられた漂流船だろうと思われた。
その後,船の周りの霧が薄くなった時に,甲板の上の部分がひくく煙突も短いことがわかった。
長さ100メートルもある大物の貨物船であった。
その後にはコスロウ号から400メートル位のところを通過していった。
もしもこちらが航行をつづけていれば,確実にその大型船と衝突するところであった。
船長は望遠鏡を握り締めて
「トリコロール号だ」
とつぶやくように言った。
船長以外のものにはその貨物の名前は読み取ることができなかった。
その船は甲板に人影はなかったし,霧のせいで幻想的の実態のわからない姿しか見えなかった。
もう汽笛も鳴らさずにエンジンの音も聞こえてこなかった。
「ゆっくり前進だ」
と船長は命令した。機械室の操作機が操作されて,音を立てた。エンジンが始動する響きが伝わってきた。
コスロウ号は再び走り始めた。
海は軽くうねり,いくら荒れていた。
風が出てきた。
霧は風に追われて大きな裂け目を作り所々視界が開けた。水平線が見えてきた。
左側に遠く黒っぽい筋のようなものが現れた。
セイロンであった。
船長は針路を修正して,それからブリッジを出ていたが,その前にロビンソンのところに来てまるで言葉を惜しむように早口で
「トリコロール号だったよ」
とだけ言った。
ロビンソンは機械的にこう答えた
「はい,うまく切り抜けることができました」。
船長の目は奇怪な炎が燃えたっているようにギラギラしていた。
キッと向きを変えると船長は自分の部屋に向かっていった。
ロビンソンは舵の修正された針路をとっているかどうか確かめてから,双眼鏡で水平線をぐるりと見ました。
「信じられない」
とロビンソンはつぶやいた。
今はすっかり霧が晴れていた。
しかし海上には一隻の船も見ることができなかった。
コスロウ号と衝突しそうだった貨物船,あのトリコロール号の姿は消えてしまっていた。
1931年,同じ1月5日,グリシングリニッジ標準時間15時,セイロンの西海岸,ドンドラ崎の沖で海上黒煙が巨大な柱となって噴き上げていた。
海は穏やかで風もわずかであった。
煙の柱はまっすぐに立ち上って200メートルに達した。
その根元には煙が熱くうずまく渦巻き状になっていた。それが次第に大きくなっていった。
マルセイユ〜横浜航路の定期船ボルトス号の船上では,航海士がこの事故の様子を見つめていた。
火災を起こしたのであろう。
引火材の資材を運んでいたのに違いない。
ボルトス号は煙の方角に向かって進んだ。
事故のあった船の乗組員が甲板看板から脱出できていればいいが,と思っていた。
火災が原因で爆発が起きたのかどうか気しなかった。
先方の船までもう5キロばかりであった。
煙がものすごくて罹災した船を見つけることができなかった。
その船の周りを霧のようなものが取り囲んで,海上に停滞していた。
その霧の中から黒い点が2つ抜け出してきた。
救命ボートである。
ボートはボルトス号に近づいてきた。
30分後,ボートは定期船に接触して,遭難者たちが痛ましい姿で次々に登ってきた。
彼らの顔はつい今し方体験してきた惨劇の跡が残って残っていた。
39人であった。
船長, 航海士,水夫,機関係,乗客1人が欠けていた。
その人たちは突発した事件に,不意に船の中に閉じ込められてしまったんだろう。
何度も爆発音が響いたということであった。
そしてそのすぐ後に炎が船内に入って船は沈没したのであった。
水夫たちは救命ボートを海におろすのがやっとであった。
シンガポールで生存者たちは船を降りて,遭難したときの状況について聞かれた。
乗組員の証言では爆発はごく短い間を置いて起こった。
そのすぐ後に火災の炎と浸水とに同時に襲われて,機関室から逃げ出す時間しかなかった。
次々に質問が続けられた。
6200トンのノルウェーの貨物船の遭難は何が原因でどうなったのかよくわからなかった。
そして,この貨物船の名前が
トリコロール号
であった。
この名前はご存じのはずだ。
この船が遭難したのは,先に記したように1931年1月5日だった。
つまりこの船がコスロウ号の前に現れた6年前の同じ日に当たる。
ー海洋奇譚集,知恵の森文庫,ロベル・ド・ラクロワ,

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これは伝説でもないし噂話でもない。
コスロウ号の航海士ロビンソンが1958年にアメリカ合衆国の船舶協会の会報に載せた偽りのない事実なのである。
どういうことなのだろうか。
1つの説明を考えてみることにしよう。
船が現れたと思ったの幻覚だったのだろうか。
いやそうでは無い。
コスロウ号の乗組員全員がその船を見たのだ。
彼らの言ったことは一致している。
しかしその船は本当にトリコロール号だったのか?
その貨物船が現れていた短い時間に名前を双眼鏡を使って読み取ったのはコスロウ号の船長だけだった。
船長が読み違えてのだろうか?
思い違いはいつも起こりうることだ。
しかしなぜハッキリと「トリコロール号」という名前を口にしたのだろうか?
コスロウ号の航海室にはいってみることにしよう。
机の上に地図を広げてあり,鉛筆で船の航路が書き込まれている。
この航路の近く3キロほどのところに漂流中の船の方位が記入されている。
そして地図のまわりの白い部分に,
「この航路は漂流船M.S.トリコロール号,1934年1月5日の航路と一致する」。
と書かれている
だから船長は彼の船が漂流中の貨物船のいたすぐ近くを通ることも,またその貨物船のことも知っていたのである。
それに,船長は何度もインド洋を航行していたから,その名前も,遭難したときのこともよく覚えていた。
コスロウ号の船長の人柄と性格はすでに話したように,彼は大型帆船の船長たちの血を引く人間であった。
つまり,何かが起こる兆候,前触れに敏感になって,人間を支配している目に見えない力,あるいは現象によって生じる力の動きをとらえる能力を持っていたのである。
船長は夢想,あるいは事件の前に起こる動きによって何か察知して,彼の船を座礁,あるいは衝突から救ったのである。
そして近くのあまりの鋭く,分ごろに思われていたこの人の場合もそうが実際に目に見えていたようである。
危うく衝突するところであった相手の船が,その時コスロウ号の通っていた近くで沈没したトリコロール号となって海底から浮かび上がってきたのである。
海で起こった異常な出来事は1つとして単純なものはない。
このように説明してみても納得のいくものではないし,すでに食い違いを見せている。
トリコロール号らしい船が少しの間だけ現れた後で,急に霧が晴れたのであった。
その時見渡せた範囲は11キロから12キロはあった。
その船が普通の速度で下進んでいたとすれば,通過後45分間位はコスロウ号から見えたはずであった。
それなのにロビンソンによれば海には1隻の船も見つけることができなかったのである。
この謎はどのように説明したらよいのだろうか。
あの風変わりな船長の人格について謎はどうだろうか。
海に出て行く人について考えなければならない。
時代からも世間からも離れて,不安定なものに囲まれて,空に向かって自分の針路を尋ねる海の男は,文明生活が鈍らせてしまった感受性を取り戻す。
私たちの場合,大抵その力が鈍くなってしまっているのである。
海の男は風が知らせてくることを読み取って,水平線の彼方にこれから何が起こってくるのか,その前兆を見る。
海賊デュゲイ・トルバンは,幸運にも不運にも,やがて起こる事件の日付も,その場の状況も,わかっていると豪語していた。
三本マストの帆船アスク号の船長は次のように話している。
「つまり,幽霊が現れてホーン崎を通ってはいけない,そうしなければお前の船は燃えてしまうぞ,と言った」。
彼は声に従い迂回して進んだ。
そして偶然の一致だろうか。
アスク号は次の航海の途中,バルパライソでまさしく火災を起こしたのであった。
1907年,ブーゲンビル号の船長はホーン崎を廻り込むことができないだろうという知らせの声を聞いた。
彼はこの声に従って太平洋航路をとってサンフランシスコについたが,その時までにこの三本マストの帆船はどこかで沈んでしまったものと思われていた。
ただ1人で航海した人たちーヒュー・レベル,フランツ・ロメールは目に見えないものの声に導かれて危険な海岸の岩礁の間を通り抜けた。
他の男と海の男たちも何か起こる前の動きによって彼らの未来に気づいていた。
帆船アメリー号の見習い航海士は,
「今まで誰も見たことない光景を見ることになるだろう」
,と彼の友人にこっそり話していた。
そしてアメリー号からは何の連絡もなくなってしまった
これら海の男たちの人格や能力の謎のような部分は,何世紀にもわたって人類に恐怖と魅力を感じさせてきたものが,海そのものの謎と混じり合っているのである。
ー海洋奇譚集,知恵の森文庫,ロベル・ド・ラクロワ,

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ヤス: 世界不況突入は本当に回避できるのか?

ヤス: 世界不況突入は本当に回避できるのか?
2019.2
2月になった。米中貿易戦争の激化、世界各地のポピュリズムの運動など、2019年は昨年以上に激しい変動の年になりそうだ。
しかし、やはり気になるのは経済である。近いうちに深刻な世界不況がやってくる可能性があるのかどうか今回は検討してみる。
日本の主要メディアでは、2019年は日本でもアメリカでも経済のファンダメンタルズがよいので、多少の減速はあるもののゆるやかな成長は堅持されるとの見通しが多い。たしかに、日米の雇用統計や個人消費、そして住宅着工件数などの基本的な指標を見ると、伸びがスローダウンしている数値はあるものの、悪化はしていない。そうした数値を見ると、ファンダメンタルズはよいので不況はないとする見通しにもそれなりの根拠があるように見える。
しかしながら、トランプ政権の保護主義政策、米中の出口の見えない貿易戦争、イギリスの合意なきEU離脱の可能性、ヨーロッパを席巻するナショナリストのポピュリズム運動など世界経済の拡大を支えていた自由なグローバル経済の基本的な枠組みが、目の前で崩壊しつつある。
そうした状況で、世界経済がこれから深刻な不況に突入し、日本を含め各国にも大きな影響が出てくるのではないかという不安がある。ファンダメンタルズがよいので経済は大丈夫だとはいっていられない状況なのではないだろうか? そんな疑問があってもおかしくない。本当はどうなのだろうか? 実際の状況がどうなっているのか知りたいという気持ちが強くなっている。 
●IMFによる世界経済見通し
 そのようなとき、IMF(国際通貨基金)は2019年の世界経済見通しを発表した。
これは、半年前に発表された見通しの下方修正したものだ。
世界経済全体の成長率は
2019年で3.5%,
2020年は3.6%
の見通しとなった。
これは前回の発表よりもそれぞれ
0.2%,
0.1%
に下方修正された。
また、アメリカは従来と同じ2.5%に据え置き、2020年に1.8%に減速すると予測した。
共和党主導の減税措置の効果が薄れ、景気が金利上昇に反応すると指摘した。
さらに日本の成長率については、政府が10月の消費増税を見据えた経済対策を発表したのを受け、2019年を1.1%,
2020年を0.5%
とそれぞれ0.2ポイントずつ予想を上方修正した。
そして中国の今年と来年の成長率予想は6.2%に据え置いた。
インドの今年の成長率は従来予想より0.1ポイント引き上げ7.5%とし、2020年は7.7%との見通しを示した。
これを見ると、2019年や2020年に世界経済の減速は限定的で、不況に突入するとは考えられないという感じだ。
●中国政府の公式発表
またほぼ同じタイミングで、中国政府は2018年度のGDP成長率を発表した。
2018年の第4四半期(10月から12月)のGDP成長率は前年同時期と比べてプラス6.4%にとどまり、2018年の第3四半期の6.5%からは0.1%減速した。
昨年1年間のGDPは6.6%で、これは天安門事件翌年の1990年以来、28年ぶりの低水準である。
中国経済の減速は大きく報道されているものの、これは中国政府が2018年の目標成長率が6.5%なので、たいした減速ではないのではないかとの印象を持つ。
貿易戦争による厳しい高関税の適用にもかかわらず、中国経済はそれなりに健闘しているように見える。
●IMFの発表したドイツ経済の減速
いま主要メディアで報道されているこのような内容を見ると、将来いずれかの時点で不況がやってくるとしても、少なくともそれは2019年や2020年ではないと考えられる。
この見通しは多くのエコノミストの予想とも一致している。しかし、IMFが発表した経済見通しの数値や、さまざまな機関が発表した中国経済の数値を見ると、こんな悠長なことをいっていられる状況ではないことがはっきりする。
焦点となるのはヨーロッパの数値だ。
特にドイツ経済の減速が深刻だ。
2019年におけるドイツの成長率の見通しは1.3%
と昨年10月の見通しから
30%(0.6ポイント)も下方修正した。
2017年のドイツの成長率は2.4%だったので、それと比べるとこの数値は、ドイツが不況に突入したといってもよいくらいの減速だ。
また、国債の利回り上昇が成長の障害となっているイタリアは0.4ポイントの下方修正で、2019年と2020年はそれぞれ0.6%と0.9%の成長になった。
さらに「黄色いベスト」の抗議運動が続くフランスは、
2019年が1.5%,
2020年が1.6%
で、2019年は0.1ポイントの減速となった。
2019年におけるユーロ圏全体の成長率は、従来よりも0.3パーセント低い1.6%であった。
2017年が2.5%の成長率だったので、これは大きな減速だ。
2019年は、イギリスの合意なきEU離脱や、EU解体を主張する極右政党の躍進が予想されているEU議会選挙など、結果が予測できない出来事が多い年になる。これらの出来事の思わぬ結果からEU全体が不安定になり、ユーロ圏全体がさらに減速して、不況に突入する懸念も出てきている。
●中国の実質成長率は1.67%?
しかし、これ以上に深刻な状況は中国だ。
さまざまな機関が中国経済の数値を発表しているが、どれも予想を越えた悪さだ。
2018年12月の輸入は5パーセントの増加を予想していたものの、対前年比で7.6%の減少だった。
また輸出も、3%の増加を期待していたものの4.4%減少していた。
そのうち、スマホの輸出は、前年度比15.5%の下落、自動車の販売台数は5.8%の減少であった。
また失業率も悪化している。
2018年は4.9%であった。
これは、世界経済が実質的に収縮した2008年から2009年の金融危機のときの失業率、4.2%と4.3%よりも高い。
このときは、失業率の悪化による社会不安の増加が懸念された。
10年前ほどではないものの、中国の製造業は、依然として内陸部の農村から都市部に移動してきた農民工の労働に依存している。
もしこの層の失業率が金融危機時の水準を越えて上昇すると、社会不安の背景にもなるとも懸念されている。
このような中国経済の状況を見ると、成長率は政府発表の6.4%なのかどうか疑念が出てきてもおかしくない。
政府が発表する統計値には以前から疑念があったが、それが再燃している。
そのようなとき、北京にある有名大学のひとつである「中国人民大学」金融学部教授、向松祚(シャン・ソンゾウ)は、参加した経済セミナーで驚くべき発表を行った。
シャン・ソンゾウ教授はある政府機関には中国の実質的な成長率の試算した内部報告書があり、それには2つに成長率が記載されていたという。そのうちのひとつは
成長率を1.67%としていた。
そしてもうひとつの試算はマイナス成長であったとしている。もちろん日本の主要メディアでは報道されていないが、このシャン・ソンゾウ教授のこの発表は世界を駆け巡った。
いくらなんでも1.67%とは低すぎるのではないかと異論も多いが、それでも実態は公式成長率の6.4%よりははるかに低いはずだとの見方が一般的になっている。
しかし万が一、シャン・ソンゾウ教授のいうように中国の成長率は1.67%であったとするなら、これは改革開放政策の実施で中国の資本主義的な発展の端緒が切られた1978年以前の1974年前後の成長率だ。
もしこれが事実なら、中国は不況どころではない。これまで40年間、中国の成長モデルであった国家資本主義の妥当性が問われる事態にもなりかねない。もちろんこれは、これから世界経済に甚大な影響を与えるはずだ。
●OECDの景気先行指数
 また、最近発表されたOECD(経済開発機構)の景気先行指数もこれから深刻な不況に入ることを示唆している。
 これは、OECDが各国の経済指標から今後6ヵ月の景気動向を予測した数値だ。
この数値が99.3を下回ると、今後数ヵ月以内に不況に突入する可能性が高くなるとしている。
過去に99.3を下回った
1970年、
1974年、
1980年、
1981年、
2001年、
2008年
と予測は的中し、すべて不況に突入している。
景気先行指数は昨年の11月に発表されたものが最新だが、ちょうど不況突入の分かれ目となる数値の99.3であった。
ということは、昨年の11月から半年以内、つまり5月くらいまでに世界が本格的な不況に突入してもおかしくないことを示している。
●アメリカの危ない数値
また、IMFの経済見通しでは2.5%に据え置かれた2019年度のアメリカの経済成長率だが、そのような楽観的な見通しに逆行する数値が多い。
住宅販売件数は、景況判断の重要な指標である。昨年12月の販売権数は11%と大きく下落した。
これは2016年以来最大の下落だ。
また新築住宅に限ると、2018年12月はピークだった2017年12月と比べて18%も下落した。
ローン金利の上昇を受けて2008年のリーマンショック以降比較的順調に上昇していた住宅価格は、下落に転じる可能性が大きくなっている。
さらに、新卒者の求人件数も下落に転じた。昨年末には、過去8年間で初めて求人数は1.3パーセント下落した。ある調査機関によると、無作為に350名の新卒者を抽出して調査したところ、75パーセントが就職できていなかったという。
●広がるアメリカ経済の悲観的な見通し
 こうした状況を受けて、大手コンサルの「PwCコンサルティング」が1300社の大手企業のCEOの調査機関したところ30%が
2019年は不況になる
と回答した。
2018年には5%だったので、これは大きな増加だ。
普通、企業の経営者は悲観的な見通しの公表を好まないものだが、今回は例外的だ。
経済の落ち込む可能性を深刻にとらえている現れだ。
また、大手投資銀行、「モルガン・スタンレー」の債権担当ストラテジストは、これから少しでも悪い数値が出てくると、ダウは昨年のクリスマスイヴの下げ幅を越えて下落し、それに伴い不況は確実にやってくるとした。そして、「不況を怖がってはならない。受け入れるしかない」とアドバイスしている。
さらに、メリーランド州議会の「予算税収委員会」に参考人として呼ばれた大手格付け機関、「ムーディーズ」のアナリストは、すべての指標がこれから不況に突入することを示しているとし、遅くとも2020年の半ばまでには深刻な不況になるはずだと予測した。
ということで、2019年にも不況に突入してもおかしくない状況だ。
●1929年に少し似ているかも?
これがいまの状況だ。海外のメディアを読むと、楽観的な情勢判断はなりを潜め、経済の先行きを懸念する悲観的な見通しを伝える記事や番組が日毎に増えているのが分かる。
これは大恐慌の引き金になった1929年10月の「暗黒の木曜日」とそれに続く数年間に似た状況のような気もする。
1929年には設備投資、住宅販売、雇用率、個人消費などのファンダメンタルズが若干悪化していた。しかしその下げ幅は景気循環の下降局面に典型的な水準だったので、翌年には自律的に回復できるレベルだった。しかし、バブルで膨れ上がった当時の株式市場はこのファンダメンタルズの悪化に過剰反応してパニック売りとなり、株は大暴落した。
そして、この大暴落が引き金となって発生した金融危機により、実体経済はどん底まで突き落とされた。その本格的な回復は、1940年代の戦時体制までかかった。
つまり、ファンダメンタルズの悪化によって不況が徐々に進行したのではなく、市場の暴落による金融危機が実体経済を深刻な不況へと引き込んだのである。
もしかしたら、いま世界はこの方向に向かっているのかもしれない。アメリカや中国で予想を越えた悪い数値がひとつだけ発表されただけで、市場は暴落しかねない。崩壊しつつあるグローバル経済の枠組みと、その後にやってくる不確定な未来を目の前にして、市場関係者は大きな不安に駆られている。
いつクラッシュが起こるかは予想できないが、筆者のメルマガでは全力で情報収集し、それが起こるタイミングと、対処方法を提示したい。

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クレイグ・ハミルトン・パーカー予言, 2019.1


クレイグ・ハミルトン・パーカーの予言とメッセージ
新しい年が明け、2019年となった。
一層激しくなる米中貿易戦争や米トランプ政権による保護貿易主義の発動などが背景となり、今年は政治や経済が激動する年になりそうな予感だ。日経の株も乱高下し、最終的にはアベノミクスの維持も困難になるような事態もあり得るかもしれない。
そこで今回は、このコラムでは何度か紹介したことのあるイギリスの著名なサイキック、クレイグ・ハミルトン・パーカーの2019年の予言を掲載する。すでに以前のコラムでパーカーの2019年予言全般を紹介したが、今回は12月に発表された追加予言である。ほとんどがトランプ政権に関するものだった。 
●トランプはアメリカを偉大にするか?
「アメリカを偉大にする」というのがトランプの口癖だが、実際はどうなのだろうか?
・トランプは、ビジネスマンであって政治家ではまったくない。
トランプ独自のやり方でよくも悪くも世界を根本的に変えてしまう大統領になる。
・いま米中貿易戦争で中国がターゲットになっているが、この影響で中国では、それこそ内部から爆発するような革命が始まる。中国にとっては厳しい時期だ。
・中国の次にトランプがターゲットにするのは、ドイツの自動車産業である。
ドイツには大きな打撃だ。
●トランプは弾劾されるのか?
中間選挙で民主党が下院の過半数を奪還した。これでトランプが弾劾される可能性が高まった。
本当に弾劾されるのだろうか?
・トランプが弾劾されることはない。トランプの弾劾を支持する勢力よりも、トランプを擁護する勢力のほうが強い。
すべての政治家にはなんらかの疑惑があるが、トランプに対する疑念もそうしたもののひとつにしか過ぎない。
・それどころか、トランプは2期目も勝利し大統領となる。
一方、問題が起こるのはヒラリー・クリントンのほうだ。
これまでの疑惑が浮上し、ヒラリーは政界を完全に引退することになるはずだ。そして、なにかの宣教師のような役割になる。
●トランプは第3次世界大戦を引き起こすか?
トランプ政権は中国やロシアと鋭く対立している。
将来、第3次世界大戦は起こるのだろうか?
・アメリカとロシアは、ウクライナとシリアを巡ってこれまで以上に鋭く敵対する状況となる。
これが全面戦争に発展するギリギリの危機はあるだろう。トランプは大統領を2期つとめるので、これは2期目に起こるかもしれない。
・以前にも予言しているが、時間をかけながらシリアはアメリカとロシアで2分割される。
そして、サウジアラビアも中東の問題でアメリカと歩調を合わせることになる。
・このようにアメリカとロシアは全面戦争に向かう危機になるが、トランプが北朝鮮に対しておこなったように、ギリギリのところでトランプとプーチンの間で交渉が成立し、戦争は回避される。
●イギリスのEU離脱(ブレグジット)予言
これから予定されている今年の大きなイベントは、イギリスのEU離脱である。
どうなるのだろうか?
・私が過去に公表した「ブレグジット」に関する予言は変わっていない。基本的にこれは、合意のないEU離脱になるはずだ。いま新たに国民投票を行うべきとか、メイ政権を解散し総選挙を実施すべきだとかいろんな方向性が浮上しているが、どれも実施されない。イギリスは来年の3月にEUを離脱する。
・しかしEUは、離脱する直前になってなんらかの妥協をする。この妥協はイギリスの自動車産業、航空機産業、医療産業にかかわるものとなるが、この妥協はすでに水面下で合意できていると思われる。それが離脱直前になって発表される。
・そしてメイ首相だが、EU離脱の直後に辞任する。メイ首相は任期をまっとうするといまは発言しているが、そうはならない。
・イギリスのEU離脱はヨーロッパのみならず世界に大きな影響を及ぼす。しかし、離脱した後、これを絶好の機会と捉えたトランプ政権からアプローチがあり、アメリカとのなんらかの自由貿易協定が締結される。
・これは私の意見だが、暗黒の「カリ・ユガ」の時代は18世紀に終了し、いまは新しいゴールデン・エイジに徐々に入っている。
このゴールデン・エイジでは、小さなコミュニティーを基礎にした分散型社会が一般的になる方向に向かうと思う。私はそれがもっとも理想的な方向性だと考える。

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